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2026年1月26日月曜日

PARK TOOL | パークツール DP-2 ダミーペダル 交換用 樹脂 コーン

PARK TOOL | パークツール DP-2 ダミーペダル
補修用コーン

自転車の変速機調整時に用いるPARK TOOL | パークツール DP-2 ダミーペダル。ネジ穴に差し込むコーンは樹脂製のため、摩耗が避けられません。大昔、ホーザン社に確認したところ、リペアパーツとしては展開していないとの回答でした。

そんなこんなで、コピー品――もといジェネリックなリペアコーンを偶然見つけたので試してみることに。復旧できて良かった良かったと交換した後に改めて調べると、現在は純正#898 コーンとして流通しているようです。

不要になったペダルをバラシしたスピンドルや、小さなボディのスピードプレイで代用するメカニックも存在しますが、クランク側のネジ保護を考えると 樹脂製を使うのが安心です。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。
当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年1月13日火曜日

シマノ PD-A525 クリート遊びがない ゼロ・フロート 片面 SPDペダル

シマノ SPDペダル PD-A525

その堅牢な構造と耐久性から高い信頼性を誇る「シマノ・SPD」。1990年に PD‑M737 が上市されて以来、35年以上にわたって基本設計を踏襲しており、初期の構想設計のすばらしさを物語っています。トヨタ・ランドクルーザーの足回りと同様に、長年にわたり使い続けられる“柱”となる基本技術を築けるエンジニアはごくわずかであり、憧れの対象とも言えます。

さて、初代 SPD が発売されてしばらくして登場したのが「PD‑A525」。当時、シマノが SPD ペダル&シューズを街乗りにも普及させようとした先駆けのモデルで、女性やカジュアル層への訴求を狙い、ホワイト×パープルという、どこかドラゴンボールのフリーザを思わせるカラースキームが採用されました。

現行の SPD ペダルは、泥はけ性能や膝への負担を考慮し、すべて遊び(フロート)を持つ仕様のみとなっています。しかし発売当時の「PD‑A525」は、唯一の固定型ゼロ・フロート(fixed cleats / zero float)で、店主を含むごく一部の「遊びは悪」「固定クリート原理主義」ライダーは、そのパンチが利いた配色に文句を言いながらも愛用していた記憶があります。

その後、PD‑A525 は手堅いシルバー仕上げとなり、105 コンポーネントに組み込まれます。さらにシマノは、自社規格である SPD をロード用ラインナップにも拡大し、PD-7410→PD-7700(SPD-R)へと発展させる歴史を歩みました。

2025 年夏、30 年ぶりに SPD クリート「CL‑MT001」が投入され、テコ入れが図られたのも記憶に新しいところ。市場が今後も拡大を続けるなら、グラベルレース向けに「Wolf Tooth DEL Pedals」のような軽量片面 SPD ペダルがラインナップに加わる未来もあるかもしれません。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2026年1月3日土曜日

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク 試作 ロゴ グラフィック偏 #VBAR

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク プロトタイプ

「Cerakote | セラコート」処理を施した「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。コーティング作業のあいだ、店主は本格的にグラフィックの詰め作業に取りかかっていました。

実のところ、グラフィックやロゴは、ご注文品・デモバイクを問わず、毎回もっとも頭を悩ませる工程です。以前から温めてきたアイデアを取捨選択し、ブラッシュアップしながら、サイズや配置も検討する必要があります。

自転車の場合、ロゴ類は塗装工程で薄手デカールを貼り、クリアを吹いて仕上げるのが一般的です。しかし今回は、後貼りの「UVコーティングシール」を試すことに。存在自体は以前から知っていたものの、プリンター導入は高価すぎ、外注しようとするとMOQが大きすぎる点が課題でした。

良いタイミングで小ロットで製作できるルートを見つけられたため、試験的に導入することにしました。フレームの曲面やサテン仕上げの塗装面に対する接着性を確認する目的もあります。王道であるカッティングシートも候補に挙がりましたが、単色のみで細線処理に制限がある点がネックでした。

後貼り式なら、傷が付いた際や気分転換の際に、気軽にグラフィックを貼り替えられるメリットもあります。また、賛否はありますが、生成AIの普及によりアイデアを形にしやすくなっており、ユーザー自身が楽しむハードルも下がってきているのではないでしょうか?。

Voluptas | ウォルプタース ロゴ
レーザ水準器で位置合わせ
新しいヘッドマーク
PRO-TOTYPE ロゴ

トップチューブに配した「PROTOTYPE」は、Mark CavendishTeam SKYの絶頂期にシマノ PROがスポンサーとして投入していたプロトタイプパーツにあしらわれたロゴをトレースし、現代的にアレンジしたものです。

RIM BRAKES ONLY | リムブレーキ オンリー
Bicycle Police Department | 自転車警察

「RIM BRAKES ONLY」は、アメリカのゲームレーティング「ESRB (Entertainment Software Rating Board)」のアイコン「RATING PENDING」と「ADULTS ONLY 18+」をサンプリングしています。自転車警察を皮肉った「BCPD/Bicycle Police Department」をあしらっています。

巻き込み注意 PL警告表示 + Generalized

先のポストでも記しましたが、「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」のコンセプトは、「目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイク」。故に、チェーンステーには「特殊化/専門化した」ではなく「Generalized/汎用機」ロゴを入れました。
最後になりますが、話は少し逸れてフレーム小物やアイレットについて。ダウンチューブとシートチューブにはボトルケージ台座を設けていますが、できるだけ低重心になるよう配置しています。また、シートチューブ側はFDバンドと干渉しないよう配慮しています。FDバンドの位置はチェーンリングの歯数だけでなくモデルによっても上下するため、この最適化は意外と頭を使う作業です。

ワイヤーはシフト・ブレーキともにフルアウター仕様ですが、固定小物は美しいルーティングと均等な割り付けはもちろん、垂線を下ろした位置に揃うよう配慮しています。

なお、当店オリジナルの「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年12月28日日曜日

DT SWISS 240EXP x 内幅23mm 樽型 カーボンワイドリム リムブレーキ 手組ホイール Voluptas | ウォルプタース 試作 Vブレーキ オリジナル オールロードバイク用 #VBAR

DT SWISS 240EXP x 内幅23mm 樽型 カーボンワイドリム リムブレーキ 手組ホイールVoluptas | ウォルプタース 試作 Vブレーキ オリジナル オールロードバイク用

当店ちょいちょい手組ホイールを手がけていますが、時流のせいで最近はディスクブレーキ仕様ばかり。久しぶりにリムブレーキ用をハンドビルドしました。

今回は、試作中の「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ仕様 オリジナル オールロードバイク」に取り付けるホイールになります。当初、手持ちホイールを流用しようと思っていましたが、リムブレーキで今どきのワイドリムと組み合わせるとどんな感じなのかと興味があって試すことに。

ちょうど、新しいリム・サプライヤを見つけたタイミングもあって、テスト的な側面もあります。外形は、カーボンリムのトレンドであるワイド&樽型プロファイル。

ただ、ディスクブレーキ用リムにブレーキトラックを後付けした感もあり、少々危うい気がするのは否定できません。また、樽型なのでブレーキシューの当たり具合も懸念点。ちなみにアップチャージになりますが、レーザーエッチングによるグルーブ処理も可能との事。

フロントホイール
リアホイール
ブレーキトラック
今どきな樽型プロファイルのワイドリム


素材:T800 + T700
形状:ハイト45/内幅23/外幅34mm
重量:385g/本

フロントハブ:DT SWISS 240EXP 5/100mm 20H
リアハブ:DT SWISS 240EXP 5/130mm 24H
リム:Carbon Rim 45mm F20H & R24H / 内幅23mm / 外幅34
スポーク:DT SWISS #14 プレーン チャンピオン

前後ハブは鉄板の「DT SWISS 240EXP←お得に販売中」を選択して、まさしく保守と革新の組み合わせ。断面係数が大きく剛性が稼げるワイド+ハイト45mmゆえ、スポーク数を抑えたF20/R24を選択。リムブレーキ仕様ゆえ前後共にオーソドックスにイタリアンですが、リアは左右スポークテンションを近づけるため異クロス組みに。

フロント:イタリアン、DS2クロス、NDS2クロス
リア:イタリアン、DS2クロス、NDS3クロス

なお、一般的なリムブレーキ・ロードバイクの場合、キャリパブレーキの待機位置の制約から、装着できるホイールは外幅28mm前後が最大となり、今回のようなワイドリムは納まりません。Vブレーキ&カンチブレーキ仕様のシクロクロスやツーリングバイクをお使いのライダーで重量を抑えながらワイドリムを導入したい方のご参考まで。


「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

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2025年12月26日金曜日

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作 塗装編 #VBAR

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート
Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作

ライジン ワークスさんでビルドしていただいた「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。試作の第一目的はジオメトリ確認なので、塗装は店主自身でクリアスプレーのみを吹いて、ざっくりとRaw仕上げで済ませようと当初は考えていました。

ただ、この機会を逃すのは勿体ないと、7~8年前から気になっていた「Cerakote | セラコート」を試すことに。勿論、後からコーティングを依頼することも可能ですが、一度組んだり表層に何かしらを吹いてしまうと、バージン面と違って洗浄や剥離処理等が必要になり費用が嵩んでしまうのも理由です。今回、以前に取引先の方からお教え頂いた、施工会社さんにフレーム素地の状態で依頼しました。

Cerakoteに関して、直近ではBromptonが話題になりましたが、自転車業界でもフレームのみならずKOGELなどののパーツメーカーでも採用される例が増えているようです。

Cerakoteは薄膜なので、ラグのエッジが鮮明に仕上がります
塗装色:セラコート H-151 SATIN ALUMINUM

自転車フレームの塗装&表面仕上げを工法で大別すると、下記のようになりますが、多くは1.スプレーガン塗装 or 2.パウダーコートかと。
  1. スプレーガン/エアブラシ塗装
  2. パウダーコート
  3. 手塗り
  4. 水圧転写
  5. アノダイズ
「Cerakote」は、1984年にNIC Industries が銃器向けにセラミックベースのコーティング剤として開発されました。その後、用途はアウトドア用品・自動車・バイク・自転車などへ拡大した歴史があります。

Cerakoteは「セラミック粒子を含む機能性塗料」をスプレーガンで吹き付けるコーティングで、薄膜ながら高い耐摩耗性・耐薬品性を発揮し、素地の質感を残せる点が特徴です。一方パウダーコートは粉体を帯電させて付着させ高温で焼き付ける方式で、厚膜(約200–300µm)になり耐衝撃・耐食性に優れます。

両者の比較は、「Cerakote vs Powder Coat: What’s the Difference?」をご覧ください。Cerakoteは、膜厚約25–40µmでパウダーコートの半分以下で薄く、他の塗装方法と比べて素地を強調する仕上がりになり、寸法変化も抑えられます。また、耐摩耗性が高いので輪行等での傷低減にも効果が期待できます。

下処理であるショットブラスト前
マスキング処理
施工会社さんにショットブラスト前に「ヘッド/BB/ブレーキスタッド」のマスキング箇所を指示して作業を進めて貰いました。 仕上がりは言わずもがな、きめ細やかな対応をして頂けました。

これまで当店の試作&デモバイクは、ブラック&グロスで塗装&製作してきましたが、今回は、Cerakoteのマット・サテン仕上げを活かすべく、明るめな「 H-151 SATIN ALUMINUM」を選択しました。

なお、当店オリジナルの「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


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2025年12月19日金曜日

チョイ水没した メカニカル・キーボード 洗浄 復旧方法

メカニカル キーボード キースイッチ

先日、店主がいつもどおり昼食にインスタント麺を食べようと、カップにお湯を注ぎ液体スープを開封したところ、勢い余って隣にあったメカニカルキーボードの一部にかかってしまい、まさに「やっちまったなぁ」という状況。

手っ取り早くキーキャップを外して見える範囲で拭き取りましたが、チャタリングが起きて使い物になりません。症状から接点が短絡している模様です。キーボードをバラしたことがある方はご存じでしょうが、完全に綺麗にするには化粧パネルと配線板(基盤)を分離しなくてはなりません。

ただし、このキーボードはスイッチがホットスワップ対応で無いので、「おじおじ ジャパン」や「熊五郎お兄さんのDIY」よろしく、全てのキースイッチのハンダを吸取機で背面から除去する必要があります。再ハンダ付も考えると気が遠くなります。

勿論、そんな根気は持ち合わせていませんし、かかる時間を考えると経済合理性もありません。幸い被害箇所はスペースキー周りに限られていたので、キースイッチはそのまま、メインボディをケースから取り出して該当部のみダメ元で洗浄することに。

自転車屋ゆえ備え付けている「パーツクリーナー→IPA(イソプロピルアルコール)→コンプレッサエア」の順で、パネル隙間からスープを洗い流す方向で何度か吹き付け、導通を確認したところ今回は無事に復旧できました。同じような事態になった方の参考になれば幸いです。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年12月9日火曜日

Voluptas | ウォルプタース カンチ台座・Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作 フレームビルド偏 #VBAR

カンチ台座・Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク
プロトタイプ フレームビルド

以前のポスト「Vブレーキ・オールロードバイクを構想設計する 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その13」で触れた通り、小物やアイレット位置も含めて作図を済ませ。彼是30年来のお付き合いになるライジンワークスさんへ出図して、ジオメトリ自由度が高い「ラグレス+ろう付け(フィレット)」で試作フレームの製作を依頼しました。

今回の「Voluptas | ウォルプタース」オールロードフレームは、大雑把に言えばカンチブレーキ時代のシクロクロスバイクをベースにBBハイトを低めにした、全体的にオーソドックスな構成。ただ、52/36tのロードチェーンリングと40cタイヤに対応させたいので、チェーンステー逃がしの加工が難しいところ。 

油圧ディスクブレーキ+電動シフト+ワイドタイヤが標準になった現代のロードバイクは、制動力や走破性が向上して快適な乗り物へと進化しています。一方で、トークリアランスを確保するためにフロントセンターが伸びたりと、ホイールベースが長くなる傾向があります。

その結果、特に身長170cm以下のライダーでは、リムブレーキバイクと比べてダンシングやスプリント時に「バイクが懐に収まる」感覚が薄れ、「乗せられている」印象を受けることがあります。プロトタイプの目的は、ホイールベースを詰めた効果と、つま先とタイヤの干渉が許容できるかの見定めが挙げられます。

44mm HT

ヘッドチューブは、一般的なオーバーサイズ(OS)を選択した方が、見た目や前後の剛性バランスがとりやすく、ヘッドセット選択肢も広がります。また、東京サンエスさんのカンチ台座付カーボンフォークを選ぶ際もオフセットが45/48/52mmでラインナップされていて、自然なジオメトリでフレーム設計が可能になります。

ただ、カンチブレーキ台座が付いたフロントフォークの場合、大抵が肩下長が396mm前後と一般的なロード用と比べて約30mm長くなります(参考:ENVE Cross Cantilever Fork Specs)。結果的にスタックが高くなり、フレームサイズが小さい場合、サドル~ハンドル高低差を確保するにはヘッドチューブ(HT)を短くするしかありません。

そんなこんなで、短いHTと肩下の長いフロントフォークの組み合わせの不利な条件下で、少しでも剛性を確保するために44mmHTを選択しています。

後発であるディスクブレーキ仕様のオールロードやグラベルバイク用のフロントフォークも当初は、肩下が長めなモデルしか無かったのですが、技術進化でクラウン部が薄くなりスタックハイトを抑えられるようになりましたが、需要がないカンチ台座仕様で新モデル投入は期待薄です。

細かい話になりますが、アウトボード仕様のヘッドセットを前提にする場合。下ワンのスタックハイトを考慮しないと、ヘッドアングルは設計値からズレてしまいます。まあ、カーボンフォークの寸法公差は広めなので、過度に神経質になっても仕方ないのですが。

剛性や44mmHTとの溶接性を考慮すると、前三角はオーバーサイズチューブを用いるのが妥当ですが、重量を出来るだけ抑えるためにノーマルサイズを選択しています。

カンチブレーキ台座 / OLD130mm

どうせなら、モンスタークロスのようにもっと太いタイヤも入るようにすれば?と思われるかもしれませんが、ミニVブレーキのアーチワイヤ干渉を考えると38~40C(≒1.5インチ)あたりが現実的です。

リアのOLDは、130/135mm兼用にするために132.5mm幅も検討しましたが、ホイールセンターを確保するのが難しくなります。また、多段とシングルの両方に対応するスライダー式ドロップアウトは多用途に対応できる反面、位置が一元的に決まらない構造は運用上のストレスになるため、潔くシンプルなOLD130mmのストレート・ドロップアウトエンドとしました。

背後には製作中のCRUMBWORKSさん CHUNKが覗けます

ライドフィールは、タイヤ&ホイールの影響が大きく占めるというのは理解していますが、BB高さの設計値で下記のような特徴が挙げられます。

BBハイト高め(BBドロップ小さい)
  • 漕ぎ出しが軽く、ストップ&ゴーや速度変化に対応しやすい
  • 少ない荷重移動でバイク姿勢をコントロールできる
  • 地面~ペダルクリアランス広い

BBハイト低め(BBドロップ大きい)
  • 漕ぎ出しは、もっさり傾向
  • 低重心で巡行しやすく、高速域で伸びやすい
  • 足付きしやすい
  • 微々たるものだが、前輪とのトークリアランスを稼げる
BBドロップに関して、当店の基本設計値は、リムブレーキロードバイクで700*25Cホイールなら65m、700*35cを想定した今回のオールロードで75mmを用いています。一見、BB位置が下がったように思えますが、地面からのBBハイトは270mmで変わっていません。

経験上、ねじり剛性が稼げるスルーアクスルや反発が速いハイモジュラスカーボンだと、そこから5mm下げると近い感覚が得られるものと捉えています。

ちなみに、今どきのスルーアクスルバイク仕様のエンデュランスロードバイクのBBドロップは75~80mmが標準的です。想定クランク長&タイヤ径による重心位置だけでなく、スタンドオーバーハイトも考慮する必要があり、何を優先にするかでその値は変わります。

タイヤ&チェーンリングのクリアランス確認
希望仕様よりも厳しい43Cと53/39t(チェーンライン43.5)をクリア

太いタイヤとチェーンリング両側のクリアランスを稼ぐため、BBはT47 Internal 86.5mmの採用も検討しました。最終的にステーのベンド処理でかわせそうとのことで、入手性も考慮してオーソドックスなBSA/68mmに。

余談になりますが、BB周りの剛性はチェーンステー接合部の断面積が支配的と捉えています。故に、外径が大きいだけのT47 Outboard 68mmは導入メリットが殆どないかと。

また、クリアランス確保のためにチェーンステーのBB接続部をプレート形状にするフレームも目にしますが、断面係数を考えてパイプ形状を維持して仕上げて頂きました。短いリアセンターも譲れなかったので、加工可否の擦り合わせが必要でした。

そして、ワイヤルーティングは「エアロなんて糞喰らえ」とばかりにシフト/ブレーキ共に「フルアウター外装」にしているので、ライダー自身によるメンテナンスも容易です。


主な仕様
1.メインパイプ:KAISEI/カイセイ 8630R ノーマルサイズ
2.ヘッドチューブ:44mm
3.ブレーキ仕様:前後カンチ(ミニV想定)
4.ボトルケージ:ダウンチューブ/シートチューブ合計2か所
5.リアOLD:130mm/ストレートドロップエンド
6.FD:バンド固定(シマノダイレクトルーティング想定)
7.ワイヤルーティング:シフト/ブレーキ共にフルアウター外装
8.ステーブリッジ:チェーン&シート共にあり、シート側はR処理
9.シートポスト径:φ27.2
10.シートクランプ:バンド式φ31.8
11.BB:BSA/JIS 68mm
12.BB下面:水抜きキリ穴+ワイヤ受けタップ穴
13.基準タイヤサイズ:700*35C(最大幅700*40mm)
14.最大チェーンリングサイズ:52/36t

ロードバイクのディスクブレーキへの移行が始まって10年程が経ちました。現在では、Ritchey/ONE BY ESU/Fairlight Cyclesなどが魅力的なマスプロモデルを輩出してますが、スチール/チタン/ステンレスを用いてディスクブレーキバイクを生産すると、設計自由度の狭さから剛性バランスどりが難しく、重量増も立ちはだかります。

今回の「カンチ台座・Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク」は、ちょっと旧いお持ちのロードバイクからパーツを移植して乗り出せて、輪行含めて細かいことに気を遣わず、ピチピチジャージから普段着まで様になる一台を狙っています。

「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

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2025年12月8日月曜日

Specialized Roval Rapide CLX III ホイール前後 誤装着 広告騒動 について考える

Everything You Thought You Knew About Wheels Was Wrong
Specialized Bicyclesから

先日、『あなたが知っていたホイールに関するすべては間違っていた』というコピーと共に、スペシャライズド社の新しいホイールセット『Roval Rapide CLX III』を紹介する広告が公開されました。従来の常識を覆し、フロントに51mm、リアに48mmという異なるリムハイトを採用することで、最高の空力性能・加速性能・ハンドリングを実現した、同社史上最速のオールラウンド・レースホイールセットだと主張しています。

BIKE MAG」でも取り上げられていますが、この広告は、ロードバイクに装着されたホイールが前後で入れ替わっているとして騒ぎになっているようです。掲載された写真は「誤装着」ではなく、むしろ新しいホイール設計思想を訴求する意図的なもの。前輪を高リム、後輪を低リムにするのは同社が公式に打ち出した“新常識”とされ、騒ぎは誤解から生じています。

それより気になったのは、PR TIMESでも掲載されている「Roval開発チームは、従来の『リムハイトはリアが高い方が速い』という常識を覆し、空力性能の90%がフロントホイールに依存することを突き止めました」というくだりです。

店主が知る限り、ディープリム/バトンホイール/ディスクホイールが流通し始めた30年以上前から、後輪はペダリング等による乱流環境(気流の剥離が起こり、後方に大きな低圧領域が形成)にあるため、リムハイトを高くしても空力的メリットは小さく、「前輪の空力が支配的」と知られていました。なので、何を今さら――というのが本音です。CFDと風洞実験でちゃんと検証しましたよってことなんでしょうけど…。

そんな前提に反してリムハイト構成が長年「前低/後高」だったのは、主に「横風に対する操安性と駆動剛性の確保」と「サイドビューの印象」が理由として挙げられます。特に後者は、自動車デザインにおけるプレスラインやフェンダー形状、ABCピラーの厚みなどと同様の“お作法”に通じるものです。さらに後輪側にボリュームを持たせることで、速く走るチーターなど動物の発達した後脚を、ユーザーの潜在意識に想起させる効果があったかと。

一方で近年、リムのワイド化が進み、従来のV字形状ではなくU字型や樽型へと遷移したことで、横風の影響は以前より抑えられるように。今後は「前高/後低」が徐々に業界標準になっていく可能性も十分にありそうだと、「西高東低の気圧配置」の季節に思うのです。

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2025年11月24日月曜日

OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY | オークリー ハイパーグリップ テクノロジー Stunt Devil 搭載技術 アヒルの足から着想された抜群のフィット感

OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY
OAKLEY Stunt Devil
OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY

Oakleyは過去にWater JacketやWind Jacketなど、フィット感を重視したモデルを発売してきましたが、いずれもストラップを用いるアプローチでした。そんな同社が2025年夏に導入したのが「HYPERGRIP TECHNOLOGY」です。

本技術は、新モデルのStunt Wing/Stunt Devil/Stunt Devil Sに採用されており、アヒルの足に着想を得たスプリット・テンプルチップと、高摩擦素材「Unobtainium」を組み合わせたウェビング構造を特徴とします。

先日、展示会でハンズオンする機会に恵まれました。掛けてみると店主のようなボウズ頭には特に効果が高く、他社製含め従来品を凌駕する抜群のフィット感を実感できました。少々偉そうに言えば、久しぶりにOAKLEYらしい斬新なアイデアに触れたと感じ、アイウェアのズレが気になるアスリートにはおすすめです。

ただし自転車の場合は、Roc Loc システムなど後頭部に備わるヘッドレストと干渉しないかは気になります。また、1999年頃からランス・アームストロングらが取り入れて普及したサングラス(アイウェア)を外して、テンプルをヘルメットのエアホールに差し込むスタイルには適さないようにも思うのです。


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