ラベル 小話(anecdote) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 小話(anecdote) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年12月19日金曜日

チョイ水没した メカニカル・キーボード 洗浄 復旧方法

メカニカル キーボード キースイッチ

先日、店主がいつもどおり昼食にインスタント麺を食べようと、カップにお湯を注ぎ液体スープを開封したところ、勢い余って隣にあったメカニカルキーボードの一部にかかってしまい、まさに「やっちまったなぁ」という状況。

手っ取り早くキーキャップを外して見える範囲で拭き取りましたが、チャタリングが起きて使い物になりません。症状から接点が短絡している模様です。キーボードをバラしたことがある方はご存じでしょうが、完全に綺麗にするには化粧パネルと配線板(基盤)を分離しなくてはなりません。

ただし、このキーボードはスイッチがホットスワップ対応で無いので、「おじおじ ジャパン」や「熊五郎お兄さんのDIY」よろしく、全てのキースイッチのハンダを吸取機で背面から除去する必要があります。再ハンダ付も考えると気が遠くなります。

勿論、そんな根気は持ち合わせていませんし、かかる時間を考えると経済的でもありません。幸い被害箇所はスペースキー周りに限られていたので、キースイッチはそのまま、メインボディをケースから取り出して該当部のみダメ元で洗浄することに。

自転車屋ゆえ備え付けている「パーツクリーナー→IPA(イソプロピルアルコール)→コンプレッサエア」の順で、パネル隙間からスープを洗い流す方向で何度か吹き付け、導通を確認したところ今回は無事に復旧できました。同じような事態になった方の参考になれば幸いです。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年12月8日月曜日

Specialized Roval Rapide CLX III ホイール前後 誤装着 広告騒動 について考える

Everything You Thought You Knew About Wheels Was Wrong
Specialized Bicyclesから

先日、『あなたが知っていたホイールに関するすべては間違っていた』というコピーと共に、スペシャライズド社の新しいホイールセット『Roval Rapide CLX III』を紹介する広告が公開されました。従来の常識を覆し、フロントに51mm、リアに48mmという異なるリムハイトを採用することで、最高の空力性能・加速性能・ハンドリングを実現した、同社史上最速のオールラウンド・レースホイールセットだと主張しています。

BIKE MAG」でも取り上げられていますが、この広告は、ロードバイクに装着されたホイールが前後で入れ替わっているとして騒ぎになっているようです。掲載された写真は「誤装着」ではなく、むしろ新しいホイール設計思想を訴求する意図的なもの。前輪を高リム、後輪を低リムにするのは同社が公式に打ち出した“新常識”とされ、騒ぎは誤解から生じています。

それより気になったのは、PR TIMESでも掲載されている「Roval開発チームは、従来の『リムハイトはリアが高い方が速い』という常識を覆し、空力性能の90%がフロントホイールに依存することを突き止めました」というくだりです。

店主が知る限り、ディープリム/バトンホイール/ディスクホイールが流通し始めた30年以上前から、後輪はペダリング等による乱流環境(気流の剥離が起こり、後方に大きな低圧領域が形成)にあるため、リムハイトを高くしても空力的メリットは小さく、「前輪の空力が支配的」と知られていました。なので、何を今さら――というのが本音です。CFDと風洞実験でちゃんと検証しましたよってことなんでしょうけど…。

そんな前提に反してリムハイト構成が長年「前低/後高」だったのは、主に「横風に対する操安性と駆動剛性の確保」と「サイドビューの印象」が理由として挙げられます。特に後者は、自動車デザインにおけるプレスラインやフェンダー形状、ABCピラーの厚みなどと同様の“お作法”に通じるものです。さらに後輪側にボリュームを持たせることで、速く走るチーターなど動物の発達した後脚を、ユーザーの潜在意識に想起させる効果があったかと。

一方で近年、リムのワイド化が進み、従来のV字形状ではなくU字型や樽型へと遷移したことで、横風の影響は以前より抑えられるように。今後は「前高/後低」が徐々に業界標準になっていく可能性も十分にありそうだと、「西高東低の気圧配置」の季節に思うのです。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年11月24日月曜日

OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY | オークリー ハイパーグリップ テクノロジー Stunt Devil 搭載技術 アヒルの足から着想された抜群のフィット感

OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY
OAKLEY Stunt Devil
OAKLEY HYPERGRIP TECHNOLOGY

Oakleyは過去にWater JacketやWind Jacketなど、フィット感を重視したモデルを発売してきましたが、いずれもストラップを用いるアプローチでした。そんな同社が2025年夏に導入したのが「HYPERGRIP TECHNOLOGY」です。

本技術は、新モデルのStunt Wing/Stunt Devil/Stunt Devil Sに採用されており、アヒルの足に着想を得たスプリット・テンプルチップと、高摩擦素材「Unobtainium」を組み合わせたウェビング構造を特徴とします。

先日、展示会でハンズオンする機会に恵まれました。掛けてみると店主のようなボウズ頭には特に効果が高く、他社製含め従来品を凌駕する抜群のフィット感を実感できました。少々偉そうに言えば、久しぶりにOAKLEYらしい斬新なアイデアに触れたと感じ、アイウェアのズレが気になるアスリートにはおすすめです。

ただし自転車の場合は、Roc Loc システムなど後頭部に備わるヘッドレストと干渉しないかは気になります。また、1999年頃からランス・アームストロングらが取り入れて普及したサングラス(アイウェア)を外して、テンプルをヘルメットのエアホールに差し込むスタイルには適さないようにも思うのです。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年11月14日金曜日

Rivian ALSO. TM-B | リヴィアン オルソ ペダル・バイ・ワイヤ システム 搭載の革新的 E-BIKE

Rivian ALSO TM-B
公式WEBサイトから)

近年のCES/台北ショー/上海ショー/EUROBIKE/ジャパンモビリティショーなどを見れば分かるように、世界各国の四輪/二輪メーカーやスタートアップ企業がこぞって、E-BIKEやE-PMV(E-パーソナルモビリティ)の開発を進めています。

そんな中、数年前からE‑BIKE開発の噂があったRivianが、2025年10月後半に「TM‑B」を発表。YOUTUBEやWEBサイトを見た限りですが、従来のE-BIKE概念を覆すゲームチェンジャーと思わせる革新的な一台です。店主は、以前から自動車会社が本気を出してこの市場に参入して来たら、自身含めて従来のプレイヤーは駆逐されてしまうと危惧していましたが、その始まりかもしれません。

同社はRaphaなどと並び、2025年初頭からMTBライダーのKate Courtneyが立ち上げたチーム「She Sends Racing」とスポンサー契約を結んでいたため、これは何かの布石だろうと動向を伺っていましたが、今回のマイクロモビリティ子会社ALSO(Also, Inc.)による市場投入につながり合点が行きました。


1. ALSO(オルソ)社の概要と組織構造、生産拠点
1.1 会社設立と組織的特徴
ALSOは2025年、米国カリフォルニア州パロアルトを本拠地に設立された電動マイクロモビリティ企業です。ちなみに社長兼共同創業者のChris Yu氏は、Also設立前はSpecializedで10年間勤務しており、記憶している方も多いかと。

同社はEVメーカー「Rivian」からスピンオフ(分社化)する形で誕生し、Rivianとの資本関係は一部継続されていますが、名目上は完全独立した経営体を構成しています。資金調達では設立直後に約2億ドル(約293億円)もの大型出資を獲得し、スタートアップとしては異例の体制で注目を浴びました。

また、ALSOは自社でモーター/バッテリー/電子基板/ソフトウェア/ファームウェア全てを垂直統合で設計・生産する「バーティカル・インテグレーション」戦略を推進しており、従来のE-Bikeメーカーで多く見られたシマノやボッシュと言った大手メインサプライヤーや中国や台湾メーカーの汎用品採用とは質的に一線を画しています。この独自性こそ、ALSOおよびTM-Bの競争力の源泉と言えます。

1.2 生産拠点と技術開発基盤
製品開発および設計は、Rivian内のステルス/スカンクワークス(Project Inder)で進められてきた流れを引き継ぎ、シリコンバレーのパロアルト拠点で完結。生産については北米市場向けを主軸に、自社工場および厳選されたサプライヤー(主に米国内、および規格適合必須部品に限定して一部アジア圏)で組み立て・供給している模様。バッテリーセルは米国調達に併せ、中国他グローバル・サプライチェーンも活用しつつも最終アッセンブリーや品質管理は自社責任で一括しています。

設計思想の根底には「ゾーンアーキテクチャ」「Dream Rideドライブシステム」などの次世代EV技術応用が見られます。これにより、従来の「汎用部品の組み合わせ」型E-Bikeとは大きく異なる垂直統合アーキテクチャを実現しています。

その反面、きら星のごとく消えて行ったスタートアップブランドがそうであったように専用部品で構成された車体は、もし同社が撤退した場合の修理やアフターケアが心配になります。


2. ALSO e-Bike『TM-B』:製品ラインナップと特徴
ALSOのE-Bikeは現時点で「TM-B」シリーズが主力となっています。TM-Bシリーズは以下の3モデルの展開予定です。
  • TM-B Base model
  • TM-B Performance
  • TM-B Launch Edition
3. 技術アーキテクチャ・搭載パーツ・機構の詳細
3.1 「Dream Ride」ペダル・バイ・ワイヤ(By-Wire)推進システム
ALSO TM-B最大の革新要素は、従来の自転車にはない「ペダル・バイ・ワイヤ」=“ペダルの回転を物理的にドライブトレインへ直結しない”駆動系が挙げれます。

この仕組みでは、ペダルは発電用ジェネレーターと直結しており、ペダルの回転力は一旦電気信号として解析された後、ソフトウェアで最適な走行特性に変換されて後輪モーターへ送られます。つまり、「ペダル≠後輪機械連結」であり、“EVのバイワイヤ” の自転車版です。

動力面で人力を内燃機関と捉えれば、日産 e-POWERに代表されるエンジンで発電し、モーターだけで走行する「シリーズ方式ハイブリッド」とも言えるかと。

3.2 バッテリー仕様
  • 容量と種類:538Wh(標準)/ 808Wh(大容量)
  • 航続距離:60〜100マイル(=96〜160km)
  • 電池種別:18650型セルベース・リチウムイオン形式
3.3 モーター出力・性能
  • 最大トルク:180Nm(E-Bikeでは突出した数値)
  • ピークアシスト倍率:10倍(ペダル入力の最大10倍動力を供給、BASEモデルは5倍)
  • 最高アシスト速度:ペダリング時45km/h、スロットル時32km/h(北米Class 3/EU Class 1-2準拠)
3.4 フレーム素材・モジュール設計
  • メインフレーム:マグネシウム合金/アルミニウム合金パイプ/亜鉛ダイキャスト複合
  • 工具不要のトップフレームスワップ構造(「ソロ」「ベンチ」「ユーティリティカーゴ」「チャイルドシート対応」に換装可)
  • 専用リアラック(最大積載34kg/前ラック11kg、MIK対応)
拡張性と耐久性を両立するレゴ的モジュラー設計により、家庭内で複数ユーザー使い分けをしたり、日常・レジャー・業務用スタイルを1台でカバーリング。

3.5 変速機構・ドライブトレイン
  • 機械式変速:なし(ギアはソフトウェア制御/自動変速推定)
  • Manualモードでは、最大10段階まで設定可
  • Gates製ベルトドライブ
  • “Dream Ride”ソフトウェア変速:アシストカーブを好みで設定可
3.6 ブレーキシステム
  • 種類:油圧ディスクブレーキ
  • 機能:AI制御ABS、電子式アラーム連動ロック
  • 回生(リジェネ):減速時最大90%エネルギー回収
3.7 タイヤサイズとホイール仕様
  • タイヤサイズ:24インチ
  • サスペンション:倒立式・前後120mmストローク
  • 耐荷重:最大324ポンド(約147kg)


4. セキュリティ・盗難防止・スマート連携
4.1 盗難防止・ロック機構
  • 電子集中管理ロック:専用アプリ&スマホNFC連動でロック/アンロック
  • 駐輪離脱時自動施錠:物理的ロックも自動化
  • 動作検知・異常検知アラート:GPS&LTE通信で位置・異常通知
  • ビルトインセキュリティ認証:万一盗難に遭ってもIoT経由で即時「全機能ブリック化」=物理パーツも再利用不可化
  • 部品単位に固有シリアル認証を持たせて流通ブロック
  • リアルタイムGPSトラッキング
4.2 IoT/スマート機能・OTA
  • 中央タッチディスプレイ(“Portal”):5インチ円形 全機能タッチ&物理リングUI
  • ALSO公式アプリ:乗車データログ/設定変更/ナビゲーション/リモートロック&アンロック/OTAアップデート/メディア連携
  • スマホNFC連携:鍵+ダッシュボード設定
  • OTA(Over the Air)アップデート対応
  • ナビ連携:到着予想時間(ETA)自動算出/走行ルート案内


5. スマートヘルメット『Alpha Wave Helmet』の特徴
  • リリースレイヤーシステム(RLS):4分割されたパネルが衝撃時に衝撃角度を分散、転倒・側面衝撃時の脳損傷リスクを低減
  • HighBarストラップ:片手で容易にフィット調整可
  • フロント2灯(LED:150lm/50lm)+リア赤色LED+バイオモーション認識
  • 内蔵4スピーカー&2マイク(ノイズキャンセル付き)
  • ハンズフリー音楽/通話/ナビアナウンス対応
  • 自転車本体ディスプレイ/スマホ経由で連携・同期アシスト
このヘルメットは単なる頭部保護だけでなく、IoT時代のコミュニケーション機能も備えています。



6. 価格・販売・メーカー公式・流通体制
まずは米国直販(公式オンライン予約)のみで、Launch Edition $4,500(=約70万円)が販売開始。今後はRivianディーラー経由や欧州展開も予定されています。



7. まとめ:ALSO TM-Bの意義と今後の展望
ALSOのTM‑Bは、EVで培われた垂直統合技術を用いることで、従来のE‑BIKEを抜本的に再定義したと言えます。ペダル・バイ・ワイヤ、ギアレス化、IoTによる集中制御、モジュラー構造、最大トルク値は驚異的。また、ポータルディスプレイ、スマホ、ヘルメットが一体となったシームレスなUX/UIや、徹底した盗難対策も目を見張ります。

E‑BIKEというより新しいカテゴリーのモビリティ、あるいはE‑BIKEとペダルレス・E‑PMVの中間に位置づけられるだろう。同社は将来的に商用配達用カーゴや多目的バギーの展開も視野に入れています。

初号機であるTM‑Bの懸念点は、車体重量が45kgと重いこと、価格が高いこと、広範に統合された機能がストレスなくシームレスに動作するか懸念が残ること、そして専用部品で構成されているためメンテナンス性が低く修理コストが高くなることが挙げられます。



※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年10月23日木曜日

シェアサイクルでめぐる 東京・城東エリアの自転車展示会

有明GYM-EX | ジメックス(有明展示場)

例年9〜10月は、自転車業界にとって展示会シーズンで、同業者の多くが頭を悩ませる時期です。 当店が東日本橋にあった頃は、おんぼろのママチャリで各会場を気軽に回れましたが、現在の浦和店からは公共交通機関を使うのが現実的です。

展示会が多く開かれる東京は、世界でも公共交通機関が発達したエリアです。ただし例外もあって、例えば城東エリアでは南北を結ぶ公共交通が手薄で、会場間が5〜6km離れていると、バスや地下鉄を利用しても移動に50~60分かかる場合があります。

ドコモ・バイクシェア

複数スタッフで商談する大きな店舗なら経済合理性からタクシーを選ぶでしょうが、零細かつ単騎で回る当店にとっては「シェアサイクル」が現実的な選択肢になります。 コストを抑えながら移動時間を上記の半分程度に短縮できることが多いです。

浜町エリア
ゆりかもめ 有明テニスの森駅

話が少し脱線しますが、湾岸エリアに関しては、2024年4月時点ではGoogleマップ上で東京BRTを利用するルートは表示されませんでしたが、現在は候補に挙がるようになっています。
商業ビルや物流センターで埋まりつつある有明エリア

LUUP ポート配置MAP 

余談ですが、LUUPなどのポート配置MAPを見れば、東京エリアにおける人流が把握でき、生活の脚として自転車に関するサービスを考える場合も参考になります。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年10月17日金曜日

MKS Orbiter | 三ヶ島製作所 オービター 新作 薄型 フラットペダル プロトタイプ

MKS Orbiter | オービター
Prototype

2025/10/10~12にDRESDEN INT’L AIRPORTで開催された「bespoked germany 2025」において初披露され、店主が気になっていたMKSさん新作ペダル「Orbiter | オービター」のプロトタイプを拝見する機会に恵まれました。

近年すっかりおなじみとなった「広くて薄いプラットフォーム」を持ったフラットペダル。これまでその流れを静観していた同社が、満を持して投入する新モデルです。これに合わせて細身のスピンドルも新開発され、軸受はシールドベアリングとブッシュの組み合わせになるとのこと。

ちなみに、現段階ではプロトタイプゆえ、細かい仕様や仕上げは変更される可能性があります。気になる発売時期は、2026年前半を予定されていると伺いました。MKS製の「広薄」ペダルを待ち望んでいたライダーにとって、待ち遠しい一品と言えるでしょう。



※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年10月14日火曜日

自作PCと自転車バラ完を考える

ここ数年、業務用メイン機はお弁当箱サイズのミニPCを使っていましたが、ちょっと負荷の高い処理をすると、排熱が追い付かずダウンしてしまう状況に。そんなこんなで2D-CADと3Dモデリングのために、重い腰を上げて自作PCを組むことにしました。

ゲームや動画編集はしないので、ハイエンドモデルは不要。1~2世代前の型落ちの枯れたパーツを底値で買い集めて、そこそこのスペックでまとめました。ただ、ディスクリートGPUを搭載したため電源は650Wを選択。常時フル出力で動くわけではありませんが、電子レンジ並みの定格を稼働させるのは少々気が引けます。

思い返すと、Windows95~98時代の「IBM PC AT互換機」や「DOS/V機」と呼ばれていた30年前に何台かデスクトップPCを自作しました。ちょうどその頃は、秋葉原にマハポーシャがあった時代です。

その後は、割安なDELLやHPなどのメーカー製PCが普及し、店主も自分でPCを組むことはなくなり、壊れたHDDの交換やSSD・メモリの増設といった程度に。今は亡き、GATEWAYやCOMPAQが懐かしいですね。


詳しく調べたわけではありませんが、同等スペックで比べると、デスクトップPCは「7〜8万円以下ならメーカー製、以上なら自作にコスト優位が出やすい」という大まかな目安が成り立ちます。

一方、スポーツバイク市場ではエントリーモデルを含めてメーカー完成車の方が価格面で圧倒的に有利です。どちらの業界も大量生産やOEM供給により部品単価は下がるはずですが、それでもミドルクラス以上のメーカー製PCが割高に見えるのは、市場規模や流通構造、組立やサポートにかかるコストといった産業構造の違いが影響しているためだと考えられます。あるいは、メーカーの保証やブランドが付加価値として価格に反映されているとも言えます。

組立工程だけに限って言えば、デスクトップPCは部品の規格性が高くバラつきが小さいうえに専用工具も不要です。対照的に自転車は専用工具や細かな調整が必要で、技術的ハードルが高いと思うのですが…。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年10月2日木曜日

TEKTRO / SHIMANO ディスクブレーキローター 比較 | テクトロ 純正 ローター&パッド TR160-22-Q / TEKTRO E10.11-Q 店頭在庫あり

φ160 ディスクブレーキローター
左:TEKTRO / 右:シマノ ワイド・ローター

曲がりや摩耗でディスクブレーキ・ローターを交換する際、同じモデルに交換するなら、何も考えずに済みますが、流通性を優先して他社製→シマノ製ローターへスイッチする場合は、少々頭を使います。シマノは、キャリパとローターの組み合わせでワイドとナローの規格を有しているからです。

その場合、当店ではキャリパ側のパッド形状を基準に判断します。例えば、TEKTRO製のブレーキローターの場合。キャリパの「Tektro HD-R280 hydraulic disc」に装着されるパッドは、「E10.11」。シマノ・Bタイプ「B01S/B03S/B05S-RX」と互換なのでワイド規格を選定します。ちなみにシマノ製ワイドローターは、レジンのみ対応なので注意が必要です。

余談ですが、上記の互換性のあるブレーキパッドを比較するとライニングはTEKTROの方が厚めです。また、店主が把握する限り、TEKTRO/TRPのディスクローターに「ナロー/ワイド」の区分は存在せず、区分があるのは主にピストン数(2ポット/4ポット)に限られます。

今回のケースでは、交換前のTEKTRO製ローターのトラック幅は約13mm強で、交換に使用したシマノ製ワイドローターと比較すると約3.3mm狭く、アーム外周部の一部がブレーキパッドに当たって摩耗していました。

必要な接触幅は回転軸に対するパッドの角度にも影響されるため一概には言えませんが、ブレーキの当たり面をローターのブレーキトラックのみで受ける設計思想はシマノに特徴的で、MAGURAやTEKTROなど他社はクリーニング効果を狙ってか?、アームの一部まで許容する設計が多いようです。

TEKTRO ディスクブレーキローター 6H / 160mm / 1.8mm:TR160-22-Q

TEKTRO ディスクブレーキパッド:E10.11-Q

なお、クロスバイクに標準搭載されることの多いTEKTRO製ローター&パッドの下記モデルを、少量ですが店頭在庫することにしました。

TEKTRO TR160-22-Q: ディスクブレーキローター 6穴 / 160mm / 1.8mm
TEKTRO E10.11-Q:ディスクパッド


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月25日木曜日

Vブレーキ・オールロードバイクを構想設計する 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その13

Vブレーキ・オールロードバイク CAD図面

以前の投稿で「レースバイクでなければ、Vブレーキ搭載のオールロードバイクが最適解ではないか?」とお伝えしましたが、店主は以前から「タイヤを太くしてエアボリュームを稼げるなら、硬めのアルミフレームをベースに組んでも、昔ほどスパルタンな乗り味にはならないのではないか」と構想を練っていました。

ただし、アルミフレームの多くは溶接後に熱処理が必要なため、生産効率を考慮するとある程度のバッチサイズが求められます。ビスポークを主体とする小規模ビルダーだとアルミが扱いづらく、必然的にスチールやチタン製に限られるのもこの理由の一つです。故・入部正紀氏が手がけたブランド「IRIBE」は、コロンバス製「スターシップ」チューブに対応した数少ない熱処理設備を有していたことで知られています。

それなら、世界的な自転車不況の影響で欧州からのオーダーが停滞しているいまこそ、従来よりも小ロットでの生産を引き受けてもらえるのではないか──という下心もあり、この一年ほど台湾・中国・東南アジアのファブリケーション各社に、アルミフレームを少量生産できないかと展示会等でコンタクトを続けてきました。

しかし、独自ジオメトリで現行主流規格に該当しないカンチ台座付きロードバイクフレームの生産を依頼すると、どうしてもMOQが大きくなります。さらに円安やインフレの影響も重なり、自社ブランド力やニッチ市場を考慮すると、現実的な落としどころには至りませんでした。


Path Less Pedaledでも紹介されましたが、EU圏における自転車産業のメッカとなりつつあるポルトガルに拠点を置く「veloctopus.cc」が開発した6軸多関節ロボットレーザー加工機とソフトウェアの組み合わせが普及すれば、オーソドックスな形状なら小ロットのフレーム生産の敷居は下がると期待しています。ただ、実現にはもう少し時間がかかりそうです。

そんなこんなで試行錯誤を重ねた結果、原点に立ち返り、小回りの利く国内ビルダーさんにスチール製試作フレームの製作を依頼して出図も完了しました。乗り味のイメージは、All-CityのSpace HorseやBlack Mountain CyclesのMonstercrossに近く、もう少し現代的にアレンジしたものです。

目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイクを目指しています。試作の進捗を見ながら、最終的には4サイズ程の展開を目論んでいます。

細かいジオメトリの狙いなどは、また追ってお伝えします。新しい試みも検討中ですので、上手く進めば、マスプロモデルに満足されないライダーにも面白がって頂けるかと。


まったくの余談ですが、当店のCAD環境は「IJCAD Mechanical」です。在宅など異なるPCで作業することもありますが、自転車フレーム程度の2D作図であればレイヤーやオブジェクト数が少ないため、さほど負荷はかからないだろうと考えていました。

ところが実際には、内蔵GPUとメモリ16GBでは心もとなく、スナップのトラッキングがうまく機能せずイライラする場面に出くわします。作業自体はできるものの、ストレスなく作図するには32GB以上は欲しいというのが実感です。


ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月24日水曜日

Shimano Pontoon | シマノ ポントゥーン ペダリングシステム SPD / グラベルシューズ S-PHYRE RX910

Pontoon/ポントゥーンペダリングシステム
写真:シマノ公式サイトから

シマノ・新型SPDマルチエントリークリート「CL-MT001」と同時に公開された「Pontoon/ポントゥーンペダリングシステム」。「Pontoon」は、現時点で最新グラベルシューズ「S-PHYRE RX910」のみに装備可能となっています。

Pontoonを見たとき、昔あったロード用SPDのSM-SH70系やSPD-R用のSM-SH90系クリートが頭をよぎったベテランライダーも多いのではないでしょうか。あながち間違いでは無くWebをざっと見た限り、これらのモデルから着想を得て開発が進められたようです。

シマノ 旧型クリート

Pontoonのメリットは主に二つ挙げられます。

  1. クリートとPontoonが同期して動くことで、ペダルとのコンタクトポイントが一元的に定まる。
  2.  従来のシューズは、アウトソールの摩耗に伴い接触面積が減って伝達効率が低下するが、Pontoonは交換することで新品状態に復元できる。

エリートグラベルライダーは、レースコンディションが良ければ、シューズの軽量性とペダリング効率を重視してロード用SPD-SLを選ぶケースが多いのが現状です。「Pontoon」はこの状況を打破するために開発されたと考えられます。つまり、ライド時にはSPD-SLのような高い走行性能を発揮し、歩行時にはXCシューズのような歩きやすさを実現することを狙っています。

余談ですが、先行情報でPontoonは、XTR・XCペダル「PD-M9200」に最適化されていると伺っていたので、それならXTグレードも早々に「PD-M8200」へモデルチェンジするんだなと店主は察していました。

ただ、公開後の情報は「最高のパフォーマンスを得るには XTR PD-M9200 または DEORE XT PD-M8100 の使用をお勧めします」となっているので、XTペダルのモデルチェンジは当面先かもしれません。

おそらくシューズ側に特許性は認められないので、しばらくすればシマノ以外のシューズメーカーも追従、クリート周りのアウトソールを着脱可能にしてPontoonを装着できるモデルが上市されると考えられます。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月13日土曜日

FASTRACK Vertical Bike Rack / YAKIMA / SPINDER / EUFAB / NIO / LEMMO | EUROBIKE 2025 出張記

FASTRACK Bike Rack

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。今回は、自動車x自転車いわゆる6Wheels関連のブースをご紹介します

近年、自転車はホイールベースが長くなる傾向にあり、従来のホリゾンタル型ヒッチラックでは積載時に車幅から大きくはみ出してしまう問題が生じています。そこでドイツの新興メーカー「FASTRACK」は、縦置きで2台積載可能なバーティカルバイクラックを提案しています。

YAKIMA
SPINDER / EUFAB
NIO / LEMMO

「NIO」は、中国・上海を拠点とするプレミアムスマート電気自動車メーカーで、欧州市場への進出を加速し、多モデルで販売網を拡大しています。一方、「LEMMO」は、ドイツ・ベルリン発のライト電動マイクロモビリティ企業。

両社は「4輪+2輪スマートモビリティ」エコシステム構築を目指し提携。この協業により、Lemmoのデュアルモード折りたたみeバイク「Lemmo Zero」の特別仕様として、NIOエディションが共同開発されています。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月11日木曜日

Gerhard König GmbH / DECOFRAME by Decoproject 自転車店舗 向け 什器&内装企業 | EUROBIKE 2025 出張記

Gerhard König GmbH

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。アジア圏の展示会では目にすることがないだろう、店舗空間設計や什器製造を専門とする企業の出展も見られました。

Gerhard König GmbH」は、自転車ショップのスポーツバイクの展示什器/アクセサリーやアパレルの陳列棚/カウンターやフィッティングスペース設計のニーズに強みがあります。

Decoproject

オランダ「Decoproject」の「DECOFRAME」は、モビリティ業界に向けた新しいモジュラー型ショップ什器です。

当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月10日水曜日

屋外試乗が出来る DEMO AREA & TEST TRACK / WINTERSTEIGER Bike washing systems / Bikeleasing / Super Bicycles | EUROBIKE 2025 出張記

EUROBIKE 2025 DEMO AREA & TEST TRACK

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。本展示会の目玉の一つが、試乗もできる「DEMO AREA & TEST TRACK」。同エリアは、キャンピングカーや洗車サービスのデモンストレーションの他に、フードトラックも出店しています。
EUROBIKE 2025 DEMO AREA & TEST TRACK

フードトラック等も出店
WINTERSTEIGER |  Bike washing systems
キャンピングカー展示
MOCCI
Bikeleasing.de
同社サービスは、ドイツで広く普及している
「社用車(Firmenwagen)」制度の自転車版
Super Bicycles
他社と比較してローコストなカーゴバイクを展開
Kärcher

当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月9日火曜日

SCHWALBE SX-R / Continental / Vittoria / MAXXIS / CST / Panaracer / Metro Tyres | EUROBIKE 2025 出張記

SCHWALBE

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。地元ドイツの「SCHWALBE」や「Continental」含め、タイヤメーカー各社のブースを紹介します。

国内展開の無いSCHWALBEのBMXシリーズ「SX-R」
SCHWALBE SX-R シリーズ
SCHWALBE SX-R
ETRTO 30-451 / 20x1-3/8
呼び寸法よりもETRTO幅は狭め
SCHWALBE SX-R
ETRTO 30-451 / 20x1-3/8
トレッドパターン
SCHWALBE SX-R
ETRTO 30-451 / 20x1-3/8
SCHWALBE SX-R
ETRTO 42-406 / 20x1.60
SCHWALBE SX-R
ETRTO 42-406 / 20x1.60
トレッドパターン
SCHWALBE SX-R
ETRTO 42-406 / 20x1.60
Continental
Vittoria
MAXXIS
台北ショーで初披露された32インチタイヤFaction Bike Studio製バイクに装着
CST
Panaracer | JBS GmbH & Co. KG ブース

Metro Tyres | Metro Ortem Limited / Metro Group

当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。