2026年5月16日土曜日

上海蘇河湾万象天地 mixC / 慎余里 Shenyu Lane Shanghai / Luckin Coffee 瑞幸咖啡 / ALDI 奥乐齐超市 / Fotografiska Shanghai フォトグラフィスカ上海 / 四行倉庫抗戦記念館 / 静安大悦城 #chcy2026

上海蘇河湾万象天地 mixC / 慎余里 Shenyu Lane Shanghai

2026年5月、ゴールデンウィーク明けに上海のSNIECで開催された「CHINA CYCLE 2026」へ出張してきました。店主は深夜3時30分に上海浦東国際空港(PVG)へ到着し、MRTの始発が動き出す朝6時まで空港で待機。始発と同時に市内へ移動を開始しました。

会場オープンは9時からだったので、それまでの時間を使って、以前から気になっていた市内の商業施設をいくつか視察することに。

まずは、「上海蘇河湾万象天地(Shanghai Suhe MixC World)」へ。蘇州河沿いに広がる約4.2万㎡の都市緑地と地下商業施設を一体化させた、新しいタイプの複合開発エリアです。最大の特徴は、地上の公園と地下商業空間を“都市の渓谷”としてつなぐ独自のランドスケープ設計で、緑地に開けた複数の開口部から自然に地下へアクセスできる構造になっています。

慎余里 Shenyu Lane Shanghai
多層地下構造を取り入れた商業空間
地上と地下をつなぐ象の彫刻「Family Orchestra」
遊歩道

敷地内には、歴史的建築である里弄街区「慎余里」や、上海中心部で唯一の官制媽祖廟「天后宮」が保存・修復され、現代建築と文化遺産が共存する点も大きな魅力です。さらに、フォスター+パートナーズ設計の42階タワーや4階建てゲートウェイビルが景観を形成し、新たなランドマークとなっています。

地上と地下をつなぐ象の彫刻「Family Orchestra」などのアート作品、蘇州河を望む歩道橋、段々状の緑地など、散策性の高い空間づくりが随所に施されており、商業施設でありながら公園のように過ごせるのが特徴です。都市の過去・現在・未来が交差する場所として、上海の新しい公共空間のモデルケースと評価されています。同施設内のサインやロゴは、GK Design Groupが手掛けています。

花花世界・万物生花 案内板
天猫 Tmall テンマオ x LEGO
LEGO 協賛の展示物

店主が訪れた時期は、蘇河湾中心緑地で『静安国際花卉展(静安国際フラワーショー)』が開催されていました。主催は天猫(Tmall・テンマオ/アリババグループが2008年に開設したBtoC型ECモール)で、テーマは「花花世界・万物生花」。街中に花卉景観を展示しており、会場は6つの主要エリアに分かれています。

上海蘇河湾万象天地 mixC 商業エリア
上海蘇河湾万象天地 mixC フロアマップ
Luckin Coffee / 瑞幸咖啡

エリア的にはハイブランドを扱うショップばかりかと思っていましたが、庶民的なラッキンコーヒーや後述するスーパーマーケットALDIもあり、お財布に優しいです。両店とも早朝7時から営業しているので、周辺のホテルに宿泊している旅行者にも便利かと。

アプリオーダー型カフェの先駆けであるラッキンコーヒーは、粉飾決算とナスダック上場廃止を乗り越え、中国最大のカフェチェーンへと成長しました。

さらに、2025年から流れていた噂どおり、2026年春にラッキンの筆頭株主である中国の投資ファンド「大鉦資本(セントリウム・キャピタル)」が、ネスレからブルーボトルの世界店舗事業を約4億ドルで買収しました。

ちなみに、粉飾決算を主導した旧経営陣が創業したCOTTI COFFEE(コッティコーヒー)も急成長しており、短期間で国内外に多数出店しています。中国での店舗数はスターバックスと2〜3番手を争っています。

CHAGEE / 霸王茶姬
HEYTEA / 喜茶
EVメーカー NIO(蔚来汽車)のショールーム
サブブランド「Firefly」小型車
24時間セルフサービス図書館
スーパーマーケット ALDI / 奥乐齐
ALDI奥乐齐超市(苏河湾万象天地店) 営業時間
ALDI奥乐齐超市 店内
ALDI奥乐齐超市 店内
ALDI奥乐齐超市
ビール安い
ALDI セルフレジ

スーパーマーケット「ALDI 奥乐齐超市」は、ドイツ発のディスカウントチェーンが中国向けにローカライズした“平価×高品質”型のコミュニティスーパー。上海に集中出店しており、2024〜2025年にかけて急速に店舗数を増やしています。

LCBT(Low‑cost business traveler)にとっては心強い存在ですが、商品のパック量がファミリーサイズで、一人旅だと持て余してしまうのが難点です。

SPECIALIZED闪电自行车(苏河湾店)
SPECIALIZED闪电自行车(苏河湾店)
SPECIALIZED闪电自行车(苏河湾店)

慎余里には、SPECIALIZEDコンセプトストアがあります。TREKともに積極的なストア展開がされており、2026年5月のBaidu Map調べでは、上海市内にTREK:13店舗、Specialized:15店舗となってます。

Fotografiska Shanghai / フォトグラフィスカ上海
Fotografiska Shanghai / フォトグラフィスカ上海
Fotografiska Shanghai / フォトグラフィスカ上海
Fotografiska Shanghai MONA
Fotografiska Shanghai MONA

Fotografiska Shanghaiは、蘇州河沿い・静安区にある現代写真の国際的拠点で、展示と飲食・ナイトプログラムを組み合わせた“アート×ライフスタイル”型ミュージアム。 同施設はスウェーデン発の写真美術館チェーンの上海拠点になります。館は約4,600㎡の規模で、複数フロアにわたる展示空間に加え、カフェ、ジェラート、ルーフトップラウンジやレストランを備え、夜遅くまで開館する点が特徴です。

周辺にあるギャラリー街
四行倉庫抗戦記念館
壁に残る生々しい弾痕や砲弾の跡

蘇河湾中心緑地 街並み
蘇州河沿いの風景
蘇州河沿いの風景
屋上観覧車「SKY RING」を備える「静安大悦城」
蘇河湾中心緑地 街並み

建設中の新しい商業施設

2026年に上海で予定されている新規商業施設/ショッピングモールの数は情報源によって差があり、少なくとも30〜40件、多い見積りでは60件を超えると報じられています。最近は新築に加え、張園のようなリノベーション型の開発や既存のファサードを残した改修手法が増えてきています。

なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年5月13日水曜日

TERN LINK N8 | ターン リンク N8 ドライブトレーン修理 プラ製チェーンリングガード交換 クランクアーム板金修正

TERN LINK N8 | ターン リンク N8 

かなり酷使された感の「TERN LINK N8(ターン リンク N8)」の修理を承りました。オーナー様からはチェーンが頻繁に外れると伺いました。車体をざっと拝見すると、フロントチェーンリングが波打ち、チェーンが伸び、RDハンガーが曲がっている状態でした。

割れたプラスチック製チェーンリング・ガードを交換

当初はスチール製チェーンリングの変形を疑いましたが、分解して確認するとリングの平面度に問題はなく、クランクアームの変形が原因だったのでクランクアームを板金修正。割れていたプラスチック製チェーンリングガードは、単体を探して交換しています。

RDハンガーを板金修正
TERN LINK N8 | ターン リンク N8 

内向きに曲がったRDハンガーを修正し、伸びたチェーンも交換してドライブトレーンを復旧しました。これでもチェーン落ちが続く場合は、リアスプロケットやナローワイドチェーンリングへの交換が検討候補になります。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年5月12日火曜日

SHIMANO ICE TECHNOLOGIES FREEZA | シマノ アイステクノロジーFREEZA 3層クラッド ディスクブレーキ ローターについて改めて考える

シマノ ICE TECHNOLOGIES FREEZA ディスクブレーキ・ローター

シマノ製のディスクブレーキでは、小さなローター径&キャリパの厳しい条件下でも、フェードやベーパーロック現象を起こさぬよう放熱を確保するため、Advanced・グレードは、拡散接合によるステンレスでアルミをサンドウィッチしたICE TECHNOLOGIESを。さらに上位のUltimate・グレードは、アルミ部を延長して放熱フィンにしたICE TECHNOLOGIES FREEZAを採用してます。

このステンレスとアルミの利点を組み合わせた複合材は、住友金属直江津(現在は日本製鉄傘下)が開発・製造する「3層クラッド鋼板」を用いられていることが知られています。この特殊鋼板は異種金属を積層し、加熱した状態で圧延することで強固な接合を実現する「温間圧延接合法(ロールボンディング)」で量産されてます。

厳密には高温拡散接合(長時間の固相拡散)ではなく、塑性変形による酸化膜破壊と金属間の機械的・金属学的接合と言えます。クラッド厚鋼板は資料を見ると工程は異なりますが、学術レベルでは、実用化が期待される核融合炉の構造体への応用も研究されています。

  1. 素材:母材としてアルミニウム、外層にはステンレス鋼やチタンなど。
  2. 加熱:素材を均一に加熱するため、直接通電方式の加熱装置を使用。
  3. 温間圧延(ロールボンディング):加熱後、所定の圧下で塑性変形させ、酸化膜を破壊して金属同士を接触・接合、広幅のクラッドコイルを形成。
  4.  巻取:単一工程でクラッドコイルを製造し、最終製品として仕上げる。
母材がスチールのクラッド材は、真空や不活性雰囲気での処理が必要ですが、アルミを用いる場合は、それらが不要ゆえ大気中で温間圧延接合法を適用でき、設備投資ならびにメンテナンス負担を大幅に抑えられるとのこと。

本技術は IH 調理器用の器物や高機能材料の製造にも応用されており、従来の単一金属では得られない特性を付与できます。シマノがディスクブレーキローター材として採用したのも、耐摩耗性・放熱性・軽量化を同時に満たすためです。

おそらく切板orコイル状でシマノに納入されて、最終加工されているものと考えられますが、「ICE TECHNOLOGIES FREEZA」ローターのアルミフィン部分は、どのように成形されるのか気になります。もしかしたら、フィン付きは工程が違って内製化しているのかもしれません。

同工場の工程や技術内容に関しては、下記をご覧ください。

なお、日本製鉄は2020年2月に発表した生産構造改革の一環として、チタン事業の一部である「丸棒」と「溶接管」の生産・販売から撤退済み。採算悪化と需要構造の課題が理由で、関西製鉄所製鋼所地区と九州製鉄所大分地区の設備を休止・集約。一方で、純チタンやその他の高機能チタン製品の事業は継続しており、事業の選択と集中を進めています。

新潟県上越市にある日本製鉄株式会社 東日本製鉄所 直江津地区は、高品質なステンレス鋼やチタン製品(TranTixxiiなど)を製造する拠点であり、その技術力は建築材/自動車部品/スポーツ用品などで利用されています。シマノでは、上記3層クラッドローターの他にチタン製スプロケットも同工場で生産された鋼板を採用しているようです。

シマノ RT-CL900

アルミコアのサンドイッチ構造ローターの話に戻ると、2010年に発表された「SM‑RT98」を初めて見たとき、アイデアは優れているし量産化も見事だと感じました。しかし同時に、熱膨張率の異なる素材を組み合わせる以上、構造としては“バイメタルサーモスタット”に近く、不安定な挙動を示すのではないかという懸念もありました。

この歪みを抑えるには高度な設計が不可欠であり、当時は「ステンレス一枚物のほうが素直なのではないか」とも考えていました。実際、その後にロード専用として登場した初代ローター「SM‑RT900」は、巻き込み対策など新要素を盛り込んだこともあって、ロバスト性が十分とは言えなかったというのが正直なところです。

ただ、その後のエンジニアの奮闘により、リーク情報では 初代SM‑RT900を基準に、RT‑MT900で変位量が約1/2、現行RT‑CL900では約 1/5 にまで低減されているとされ、ライディングでもその進化を実感できます。

技術の核心部分は公開されていませんが、情報をつなぎ合わせると、プレスラインのない立体的な椀状フィンが意図的に残留応力を作り、アルミとステンレスの熱膨張差を抑え込む設計になっているように読み取れます。

しかし、同じ速度域でも回転数が高くなる小径車や、ハードなライディング、体格の良いライダーでは、ダウンヒルでのロータータッチは依然として発生します。特にローター摩耗が進んで薄くなると、熱膨張を抑えるバランスが崩れ、シャンシャン音が出やすくなる傾向に。もちろん、平温時の平面度をどこまで追い込んでいるかにも左右されます。

シマノ製ローターは初期厚が t=1.8mm、摩耗限界が1.5mm に設定されていますが、経験的には アイステック仕様は 1.65mm を下回ると板金補正が難しく、ロータータッチも出やすいように感じています。

また、母材がアルミである以上、外力に弱く変形しやすい点は避けられません。そのため、輪行や車載が多い方には、ブレーキタッチの好みはあるものの、当店では剛性の高いステンレスローターを推奨しています。

過去のポストでも触れましたが、外野が無責任に何でも言えることは承知の上で、店主個人としては、シマノさんはCUES導入時にローター厚を2.3mmに移行すべきだったのではないかと今でも思っています。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。