2012年1月5日木曜日

アルテグラ ULTEGRA 6770 Di2 インプレ風に


決算作業で頭が溶けてきたので、現実逃避で・・・・。
あくまでホビーライダー目線で、設備開発や生産技術に携わってきた者からの視点も加えてDi2所感をグダグダと。これからアルテグラDi2を購入しようと思っている方は、チョットがっかりしちゃうかもしれませんが。

最初に自転車屋の店主らしかなる正直な感想を言うと、後発アルテDi2は、デュラDi2に乗ったときのような快感が薄いです。コンポ価格が相当違うので、当たり前ですが・・・。やっぱり一番良いのは、デュラDi2です。

DURA-ACEやXTRを使っていて気持ち良い要因は、下位モデルがドライブッシュを使っているところをミニチュアベアリング化したり、プーリーの構造が異なる等の積み重ねですが、一番の違いは精度つまり許容公差が狭い工程を経て製品が出来ているところだと考えます。これは、生産設備や金型入替コストにもつながっています。

ご存知の方も多いと思いますが、THE BIKE JOURNALさんで的を得たDi2デュラとアルテの比較をしてます。

今のシフト電動化によって得られる大きなメリットは、下記3つに集約されると考えます。フォローするようですが、これだけでもアルテDi2を導入するメリットは十二分にあります(笑)。
1.シフトの横動作排除で操作が一方向になったブレーキレバーのリニア感
2.ブレーキブラケットの小型化
3.フロントシフト操作の小ストローク化

ワイヤ式RDだと張り具合で上りor下り側のどちらかを優先するようなセッティングが可能ですが、同様のことはサーボモータの加速時間等のパラメータをいじれば、オーバーシュート気味だが高速シフトみたいな味付けが技術的に可能だと推測します。ただ、モータ容量にマージンがないので、調整範囲はかなり限定されると思いますが・・・。最近はクルマも電子制御が複雑で昔みたいなROMチューンみたいなことはやりづらくなっているみたいですしね。釣具やラジコンのマニアな方はどういうことをしているのか気になります。

これは完全な個人的憶測ですが、シフト電動化はシマノ11速化の布石だと推測しています。ワイヤ駆動による位置決め精度は限界だから電動しかないのよ~みたいな。ワイヤ式では、トップorロー側にあった原点をDi2ではギア中心に変えています。ガイドプーリーを動作端で意図的にオーバーシュート稼動させるメリットもありますが、位置決めの積算誤差を最小にするためと考えられます。

しかし、上記含めリアシフト動作の細かい芸にあまり恩恵を感じません。そういう意味では、フロントシフトに特化した過去のサンツアービーストは、先見の明有りといったところでしょうか?フロントのみ電動にすれば、変速回数は劇的に低下、稼働時間も伸びて電池小型化が可能です。

個人的な希望構成は、以下の感じです。同じ希望を持つ人は多いんじゃないでしょうか?
1.フロントシフトのみ電動
2.電池小型化、Calfee Designのシートポスト内蔵のような仕込みなしで何処でも電池を隠せる
3.リアシフトはワイヤ式。ダブルタップorエルゴのようなブレーキレバーがリニア動作でブラケットも小型、勿論シマノフィーリングで

ただ、リア多段化には電動が必須という触れ込みが使えなくなってしまうので、メーカーは乗らないでしょうね。