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2025年7月26日土曜日

Stablead Performance MTB Components | EUROBIKE 2025 出張記

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。そつのない造りと、アースカラーを意識した発色の美しいアルマイト仕上げが目に留まったのが「Stablead」。初めて見聞きするブランドでしたが、それも当然、本ショーが初のお披露目とのことでした。

ペダル
7075 T6アルミニウム製
ステム
ダイレクトマウントタイプもあり
ステム

「Stablead」は、カリフォルニア発の新興ブランドで、親会社は中国・深センに本社を構える映像機材メーカー「Tilta Inc.」。Tiltaが長年培ってきた精密加工技術を活かし、ジンバルや三脚でのノウハウをMTBコンポーネントへと応用しています。また、Brian Lopes氏をブランドコンサルタントに招聘して、パフォーマンスブランドとして打ち出してます。

リアサスペンションユニット プロトタイプ
カーボンサスペンションフォーク プロトタイプ
カーボンサスペンションフォーク プロトタイプ
T800カーボン製、最大160mmトラベル

まずは、2025年8月頃からステム/チェーンリング/クランク/ペダルをD2Cで上市予定。2026年には、サスペンションフォークとリアショックも追加予定とのこと。

同社ブースでは、Atherton Bikesと同様の手法である、3Dプリントによるチタンラグとカーボンを接着したバイクのプロトタイプも公開されました。ただし、現時点では量産の予定はないとのこと。

DJIの例にも見られるように、異業種で実績を上げたメーカーが、自らの技術力を活かして自転車業界へ参入するケースは今後増えてくる可能性があります。欧州や北米市場であれば、収益面でも十分に事業としての魅力があるのかもしれません。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月25日金曜日

YAMAHA G87 / Gardner87 S3R Urban / R Raymon Bikes Ravor / Vantor / Tarok Pure / Tarok / Ravor Ultimate / Korak Ultra E-bike & E-MTB | EUROBIKE 2025 出張記

YAMAHA ブース

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。今回は、「G87/Gardner87」のE-BIKEが話題になったヤマハ、その隣にブースを構えたR Raymonをご紹介します。

G87 / Gardner87 | S3R Urban
都市型 E-BIKE
G87 / Gardner87 | S3R Urban
G87 / Gardner87 | S3R Urban
PW-S3 モーター搭載

 ヤマハ製モーターは、Giant/Haibike/Winora/Lapierreなどのブランドに採用されてます。その一方で同社は、2024年末をもって北米市場でのE-BIKE完成車の卸売を終了を発表もしています。

同社ブースでは、本ショーで発表されたオーストラリアのバイクレーサー、Wayne Gardnerの新E-BIKEブランド「G87/Gardner87」が初披露。ホンダじゃないの?なツッコミはさて置き。

モデル構成は、ヤマハ製PW-X4モータを搭載した「X4 R Trail」と「X4 R Gravity Pro」のE-MTBが2モデル。各モデルは87台のみ生産され、全車にシリアルナンバーと同氏のサインが入るとのこと。これら2台の E-MTB の他に、PW-S3モーターとベルトドライブを搭載した都市向けの「S3R Urban」も展開。アーバンを謳いながらもフロントフォークは、本格的な倒立式を採用してます。

ヤマハ発動機の電動アシスト/E-BIKE モーター遍歴
PW-LINK

YAMAHAは、欧州主要E-BIKEメーカー向けに「PW-LINK」を提案。このプラットフォームは、CAN-Open通信規格に準拠し、EDSを通じてデュアルドライブ/電動パワーステアリング/ABS/GPSトラッキング/スマートロック/スマートライト等の機能統合を可能に。

これによりアライアンスを組んだ企業は、YAMAHAの技術資産を活用しつつ、自社のコンセプトに沿った製品開発が実現できるメリットがあります。各E-BIKEエンジン・バッテリーサプライヤは、プロトコルをオープン/クローズドにするかで戦略が分かれており、トヨタ系ヤマハ発動機と、ボッシュやシマノ他との水面下の戦いも伺えます。

PW-LINK 準拠のコクピットパーツ
PW-X4 / PW-S3 /  PW-L1
PW-LINK対応のバッテリー
RAYMONと共同発表した Ravor / Vantor
RAYMONと共同発表した Ravor / Vantor
RAYMONと共同発表した Ravor / Vantor
PW-X4モーター
PW-X4モーター

YAMAHAとRAYMONは、Eurobike 2025で最新PW-X4モーターを搭載した新型E-MTB「Ravor」「Vantor」を共同発表、同社の連携を強調しました。

R Raymon Bikes ブース

RAYMONは、PIERER Mobilityグループ傘下のドイツ・E-BIKEブランドで、KTMやハスクバーナなどと同じグループに属しています。YAMAHAとの連携を強めており、既存モーターをベースにRAYMONが独自の出力特性や制御系をチューニング。また、バッテリーやUIコンポーネントもRAYMONの車体設計に組み込まれています。

Raymon Tarok Pure
ZF CentriX, 250/750 W, 105 Nm & SI756, 756Wh, 48V
Raymon Tarok Pure
Raymon Tarok
ZF CentriX, 250/750 W, 105 Nm & SI756, 756Wh, 48V
Raymon Tarok
Raymon Ravor Ultimate
Yamaha PW-X4, 250/800 W, 100 Nm & Yamaha LINK, 840Wh, 100Nm
Raymon Ravor Ultimate
Yamaha PW-X4, 250/800 W, 100 Nm & Yamaha LINK, 840Wh, 100Nm

Raymon Korak Ultra
Bosch Performance Line CX, 250/750 W, 100 Nm &  Power Tube, 800Wh, 100Nm
Raymon Korak Ultra
Bosch Performance Line CX, 250/750 W, 100 Nm &  Power Tube, 800Wh, 100Nm

YAMAHAとの協業を強めるR Raymon Bikesですが、従来からのZFやBosch製のパワーユニットも継続して採用しています。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月24日木曜日

Tern | ターン Orox / Quick Haul Long / GSD S10 / Vektron P5i / NBD P8i / GSD S10 | EUROBIKE 2025 出張記

Tern ブース

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。当店でも取り扱っている「Tern/ターン」。台北ショーには出展しなくなって久しい同社ですが、EUROBIKEでは新商品「Orox」を中心にブース展開しておりました。

2020~2022年にかけて、同社E-BIKEは欧州市場で爆発的に売り上げを伸ばしました。COVID-19パンデミックによる都市交通の変化と、持続可能なモビリティへの関心の高まりが重なったタイミングでした。

この時期、公共交通機関の利用を避ける動きが広がり、個人移動手段としてE-BIKEの需要が急増。特に都市部では、通勤/買い物/配送用途での利用が拡大しました。また、ドイツ/フランス/オランダなどでは、E-BIKE購入に対する補助金制度が導入され、Ternのような高品質ブランドの車体が選ばれやすくなった背景も挙げられます。

特にTernは「GSD」や「HSD」などのE-Cargo Bikeを擁しており、これが欧州のラストマイル配送市場やファミリー層に強く支持されました。特にドイツやオランダでは、カーゴバイクのインフラ整備が進んでいたことも追い風に。これらは、同社戦略がドンピシャでハマった結果とも言えます。

フォールディングバイクをルーツに持つTernですが、近年の市場動向を踏まえ、製品開発の主軸をE-BIKEへとシフトしています。上海ショーでの展示にも見られるように、欧州市場ではE-BIKE、アジア市場では折り畳み自転車と、地域特性に応じてビジネスを進めています。

Tern Orox
Tern Orox
Tern Orox

Ternの新型E-BIKE「OROX」は、同社の都市型カーゴバイク路線をさらに拡張した「冒険対応型カーゴE-BIKE」として、2024年に登場しました。都市交通だけでなく、オフロードや長距離ツーリングにも対応する設計が特徴です。

DEATH STRANDINGにも登場しそうな、この車体の製品コンセプトは、「Go Anywhere, Go Anytime, Bring Anything」で、下記特徴が挙げられます。
  • 多用途対応:都市部の通勤から山岳地帯のトレイルまで、幅広い地形に対応。
  • 積載力:最大積載重量は462lb(約210kg)で、カーゴバイクでトップクラス。
  • 冒険志向:雪/砂/泥/岩場など、過酷な環境でも走行可能な設計。
「都市型カーゴバイクのSUV」とも称されるほどの堅牢性と汎用性を誇るこのモデルは、Ternが従来展開していたGSDやHSDとは異なり、都市を越えて「冒険」に踏み出すためのE-BIKEとして位置づけられています。

Tern Quick Haul Long
Tern GSD S10
Tern Vektron P5i
Tern Vektron P5i
Tern Vektron P5i
Tern NBD P8i
Tern NBD P8i
Tern GSD S10
Tern GSD S10
屋外 DEMO AREAでのTernブース
TEST TRACKで試乗可能
Tern Quick Haul Long: Simply Capable Family Cargo eBike
Tern Quick Haul Long: Simply Capable Family Cargo eBike
Tern Orox


Ternは、屋外のDEMO AREAでもブースを構えており、TEST TRACKで試乗可能でした。EU圏では都市部の自動車進入を抑制する政策が多様に展開されており、環境改善/交通安全/都市空間の再構築を目的とした取り組みが進んでいます。

また、EC市場の拡大に伴い、ラストマイル配送の課題が浮き彫りになっています。日本のように軽バンが普及していないEUでは、MUBEA社製「U-MOBILITY CARGO」などの新型車両が、配送事業者によって積極的に導入されています。

本ショーの開催地であるドイツは現在、欧州最大のE-BIKE市場を形成しており、TernのGSDモデルは配送業者や子育て世代の間で高い人気を誇っています。一方、オランダでは自転車文化が深く根付いており、カーゴバイクに対する需要が非常に高いのが特徴です。

こうした動きは、単なる一過性のブームではなく、都市型モビリティの構造的な転換の一端として定着しつつあります。Ternはまさにこの潮流に乗った代表的なブランドのひとつと言えるでしょう。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

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2025年7月23日水曜日

ドイツ フランクフルト 自転車環境 鉄の橋/レーマー広場/フランクフルト大聖堂/REWE/フランクフルト中央駅 散策 | EUROBIKE 2025 出張記

重厚な佇まいのフランクフルト中央駅

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。早朝にフランクフルト空港(FRA)到着後、ショーの開場まで約1時間の余裕があったため、市内の自転車事情を視察しながら、街を散策してきました。

Frankfurt Hauptwache 駅近くのコーヒーキオスク
 COFFEE Kioskie BOHNRIE / kioskie.coffee.ffm (紹介記事)

まずは、列車でFRA→Frankfurt Hauptwache駅へ乗換無しで移動して、鉄の橋→レーマー広場→フランクフルト大聖堂の順で散策。その後、Frankfurt Hauptwache駅→Frankfurt (Main) Messe駅へ移動して、EUROBIKE会場入りすることに。

Hauptwache 街並み
自転車通勤風景

丁度、通勤時間帯でしたが、市内を駆ける自転車はE-BIKE/ロードバイク含むペダルバイク/フォールディングetcと多種多様な様子。店主が想像していたよりもE-BIKEの比率は少なかった反面、車体前方に大型荷台を備えたロングジョンスタイルのE-CARGO BIKEを目にすることが多かったです。

Frankfurt Hauptwache 駅→鉄の橋へ向かう道中
独立した自転車レーン
マイン川 ほとりの線路跡
マイン川沿いの道路では、サイクリングやランニングをする人の姿が見られました
IRONMAN Frankfurt 設営中
ライン川
遠くには、Westhafen Towerが見えます
鉄の橋 /  Eiserner Steg
鉄の橋 /  Eiserner Steg
Young Museum, Frankfurt
レーマー広場
レーマー広場
レーマー広場
フランクフルト大聖堂
フランクフルト大聖堂
自転車マークの付いた車両
ドイツ国営鉄道(DB)において、自転車マークの付いた車両には、そのまま自転車を持ち込めるようで、街の風景に溶け込んでいました。地下にあるプラットフォームでも、人々は慣れた様子で自転車をエスカレーターに載せて利用していました。観測範囲内ですが、電車に載せて移動するユーザーは殆どがアナログバイクのようでした。

フランクフルト中央駅 プラットフォーム
フランクフルト中央駅 プラットフォーム
フランクフルト中央駅 構内
フランクフルト中央駅 構内
フランクフルト中央駅 外観
駅出口そばにトラム駅あり
駅近くで待機中の救急車
フランクフルト中央駅 近隣
フランクフルト中央駅 近くのスーパーマーケット
REWE / レーヴェ

物価の高いEU圏、少しでも節約しようとスーパーマーケット「REWE」でPETボトルの水を買うことに。500mlの炭酸水が0.79€だったので、ドイツは内税ゆえ1€あればいけると思ったら…デポジットで追加の0.25€が必要でした。

フランクフルト中央駅→フランクフルト国際空港 車窓から
マイン川を渡ります
フランクフルト国際空港(旧称ライン=マイン空港)の名物
パタパタことフラップ式 出発案内板
割高なFRA自販機
FRA→PEK 機内からのフランクフルト全景

機内から眺めたフランクフルトは、まるで緑に包まれた都市のようでした。郊外には多くの風力発電機が立ち並び、環境への配慮がうかがえます。高層建築が少ないため、街に降り立っても空の広さが印象的でした。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。