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2025年6月8日日曜日

Tern Verge R10 / DAHON Dabrom / MINT BIKE フォールディング 折畳み自転車 ジェネリック・ブロンプトン考察 | CHINA CYCLE 2025 出張記

Tern ブース
出展主:天津盟倍力贸易有限公司

2025年5月に上海で開催された「CHINA CYCLE 2025」へ出張してきました。今回は、当店でも取り扱いのあるTern&Dahonをメインに、フォールディングバイクの展示状況をご紹介します。

「Tern/ターン」は、メインランドチャイナ圏でディストリビューションを担う「天津盟倍力贸易有限公司」が出展者でした。Ternは欧州で主軸商品をEカーゴバイクに移して展開されていますが、中国本土は依然としてフォールディングバイクが主流の模様です。

Tern Verge R10
Satin Dark Grey/Grey
Tern Verge R10
Satin Dark Grey/Grey
Tern Verge R10
Satin Dark Grey/Grey

日本では未展開の「Tern Verge R10」。「油圧ディスクブレーキ/ナローワイドチェーンリング/Schwalbe Big Apple 50-406」を装備した「PERFORMANCE MEETS COMFORT」な一台。

従来、日本でも「Verge P10」をホイールサイズを451→406にインチダウンして、ファットタイヤを履かせるカスタマイズが知られていますが、それを最初からパッケージにしたモデルとも言えます。日本国内でもMY2026から流通するのでは?と邪推しています。

Tern Verge D9 Gen. 2.00
Black/Brown

展示されていた「Tern Verge D9」のタグには「Gen. 2」表記がありましたが、変更点が何処かは不明。日本で流通しているものは、既に同モデルなのかもしれません。

DAHON ブース

「DAHON/ダホン」は、近年ロードバイクやノンフォールディング・ミニベロ他でラインナップを拡張しています。同社は、これまでに三つ折り(トライフォールディング)タイプの車体であるCURLを投入済ですが、ついにジェネリック・ブロンプトン「Dabrom」を本格展開を開始する模様(あくまで中国市場の話)。

Dahon K-Feather
Dahon K-Feather

「Dahon K-Feather」は、16inchホイールで24V/5AH Batteryを積んだフォールディングEバイク。車体重量12kgの軽量仕様。ヒデゥンバッテリーでスッキリした外観になっています。ただ、容量は小さいのでマイルドE-Bikeの味付けになるかと。

DAHON CURL D9 - 16"
DAHON Boardwalk D10
きわどいカスタマイズ(良いオトナは真似してはイケません)
DAHON Launch EX
DAHON VIGOR
DAHON Velodon 700C ロードバイク
DAHON PLAY ノンフォールディング・ミニベロ
DAHON Dabrom
DAHON Dabrom
DAHON Dabrom
DAHON Dabrom
DAHON Dabrom
ハンドル高さの調整機構あり

同社のジェネリック・ブロンプトンは、以前からあったような気もするのですが、今回は多くの展示車が並べてありました。モデル名は、「Dahon+Brompton=Dabrom?」で昔あったWEBの書き込みを思い起こします。

DAHON ブース
何故かトレーナー上にロゴがマスキングされた「JAVA ARIA カーボン」が…

Pacific Cycles ブース:Birdy GT

Pacific Cycles ブース:Birdy

Pacific Cycles ブース:KOLIBRI

OEM&ODMを担うNAICISPORTS ブース

OEM&ODMを担うNAICISPORTS ブース:Q.ik bike

Morfuns Bicycle ブース

ClassyCat ブース:E-ジェネリック・ブロンプトン
細身フレームでアルミ製らしく、強度に一抹の不安が…

MINT BIKE ブース
ジェネリック・ブロンプトンを主軸に据える同社

MINT BIKE ブース

ブロンプトンの特許が切れたことで、類似の折りたたみ自転車が市場に多数登場しています。この流れの初期に注目されたのは、韓国のGet2Get社が販売する「Chedech」が挙げられ、ブロンプトンと同じ三つ折り構造を採用。こうした自転車は、英語圏では「Brompton-style folding bikes」や「three-fold bikes」といった名称で呼ばれることが多いです。

特許が切れた後も、ブロンプトンのデザインは著作権の保護対象となる可能性があるため、完全なコピーではなく、微妙に異なるデザインや機構を採用するメーカーもあります。市場では、こうした類似モデルが「Brompton clones」や「Brompton-inspired bikes」といった形で紹介されることもあります。

参照WEBサイト

ただ、ブロンプトン側が意匠等で各国司法で争おうとも、雨後の筍ごとく類似品が大量に市場投入されては、対処するのは現実的に不可能に思えます。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年6月6日金曜日

中華ブランド ロードフレーム考察 2025 JAVA / J-AIR | CHINA CYCLE 2025 出張記

JAVA / J-AIR ブース

2025年5月に上海で開催された「CHINA CYCLE 2025」へ出張してきました。2024年に引き続き今回も中国ブランドのアナログバイクを早足ですが、グルっと拝見してきました。加熱する中国国内の自転車市場を反映し、多くのブースでTT/トライアスロンバイクを含むハイエンドモデルが投入されている様子が見受けられました。

J-AIR MTB
J-AIR MTB
J-AIR タイムトライアルバイク
J-AIR タイムトライアルバイク
JAVA クロスバイク(=ハイブリッドバイク)
JAVA ジェネリック・ブロンプトン
韓国ブランド「3sixty」のロゴ入り
JAVA / J-AIR ブース

近年、JAVAは上位ブランドのJ-AIRも展開。直近の台北サイクルショー 2025TAPEI SHOWでは、台数を抑えて魅せる展示スタイルでしたが、一転して本ショーでは物量で攻める内容に。

主軸となるロードバイクの他に、MTB/クロスバイク/フォールディングバイクと幅広いラインナップを展示。正直、現地の車体数量が多すぎて綺麗なお姉さん達しか記憶に残っていません。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年6月5日木曜日

上海 Shanghai CHINA CYCLE 2025/第三十三届中国国际自行车展览会/THE 33RD CHINA INTERNATIONAL BICYCLE FAIR | CHINA CYCLE 2025 出張記

上海 Shanghai CHINA CYCLE 2025
ゲーミングPCを彷彿させるLEDが設置された入場ゲート

2025年5月のゴールデンウィーク明けに、上海のSNIECで開催された「CHINA CYCLE 2025」へ出張しました。昨年(2024年)ビザを取得して訪問しましたが、その手間や費用を考えると、今回は当初見送る予定でした。

ところが、2024/11月上旬にどうやらビザ無し渡航が解禁されるらしいと耳に入ったので、情報が確定して航空券が値上がりする前に物色開始。いつもはLCCを使いますが、ちょうどセールのタイミングでレガシーキャリア(FSC)が安く、安宿代を含めてもLCC日帰りと同等の料金だったので訪中することに。

久しぶりのANA便。無論エコノミーですが、オンラインチェックインできて、座席は広いし、機内食は出るし、ゲートは近いしでサイコーです(小並み)。

NRT 制限エリア内のフードコート
アジア圏はどこの空港も丼/麺類2000円/食が相場に
NRT→PVGは、西日本を舐めるように一直線な航路
上海沿岸には入港待ちのコンテナ船が多数見えて、
貿易収支のマクロな数字はこうやって積みあがっていくんだなと
SNIEC/Shanghai New International Expo Center/上海新国際博覧中心
ブース配置:2025年は規模拡張により展示建屋が一つ追加
とにかく広大な展示会場
X-SOONブースでのコスプレーヤー
Cybrei カーボンクランク
Youtuber/Shane Miller氏の取材風景
何処かで見たようなロゴ
何処かで見たようなヘルメット
至る所でライブコマース/動画配信
至る所でライブコマース/動画配信
至る所でライブコマース/動画配信
RoyalBody ブース
電動モトクロッサー
LEM
OVERFAST ブース
毎度小さい間口に関わらず、各国展示会で人が集まるスモールビジネスのお手本
L.B.N ブース:ワンレバーで6ポット×2キャリパー制御
EXSHO ブース
母体であるGuangzhou Partner Suspension Fork Industry Co., Ltd.が
台湾&イタリア人を招聘して興したハイエンドブランド
ALTALIST ブース
日本ではワイズロードさんが拡販
最終日の終了間際は、展示品を特価販売していたようで人が群がっていました
SUPERTEAM POFENG ブース

Gates Belt Drive ブースに展示されたSur-ron
MTB DH ワールドカップシリーズ2025では賞金を用意するなど力を入れています

Lewis Disc Brakes ブース
Lewis Disc Brakes ブース
Lewis Disc Brakes ブース
越境ECを運営するYoutubeでおなじみの「Panda Podium」
2024年まで他社ブースを間借りしてましたが、ついに自社出展
Imtos ブース:200mmオーバーの超々ロングリーチ・ドロップハンドル
MolicSYN ブース:什器含めMuc-OffとMonster Energyを合体させたようなCI
E-SPORTS会場
毎度ラーメンに空目するライトメーカー RAVEMEN
CHINA CYCLE 2026:5月開催予定

中国では、都市部を中心に自転車の所有率が増加し、ロードバイクやMTBなどの高級モデルの販売が伸びています。2023年には自転車関連商品の売上が前年比200%増加し、2027年までに市場規模が2657億元(約5.5兆円)に達すると予測されています。

余談ですが、「中国 2021 年自転車及び電動自転車業界トップ企業発表」に記された高い営業利益率を見ると、ホンマか?と目を疑いたくなります。会計方法が違うのかもしれませんが、この数字なら各社の積極投資も頷けます。

こうした展示会と実市況が必ずしも一致するとは限りませんが、「Shanghai CHINA CYCLE 2025」全体を通した店主所感は下記の通りです。

  • 依然として玉石混交は変わらないが、ハイエンド商品の拡張により、グラデーションというか、ダイナミックレンジが広がった印象。
  • ペダルバイクは、依然としてロードバイクが主軸ですが、MTBの展示が急増しました。フルサスで独自設計のモデルも多く散見。その一方、グラベルバイクの比率は減った感。この流れは、純粋に消費者ニーズなのか、はたまたロードバイク国内需要が頭打ちだから、次はMTBだという業界思惑かは不明です。
  • 中国ブランドのパーツを搭載したロードバイク展示車が伸長。昨年までは、ハイエンドを狙う各フレームブランドの車体に組み込まれていたのは、シマノ/SRAMコンポーネントでしたが、ホイール含めてオール中国ブランドでセットアップされたものが目に入るようになりました。
  • ジェネリック・ブロンプトンの増殖。同社特許が切れる頃から目にすることが増えましたが、ついに大手ブランドも参入してきて無秩序で収拾がつかない様相に。
  • ライブコマースを行うブースの台頭。男女問わず、誰もがスマホの前でハイテンションかつ途切れることのないマシンガントークを延々と続けており、驚かされます。カメラに映らない横では、関係者が何事もなくお弁当を食べていて、その様子から日常の風景であることがうかがえます。
  • 急成長した中国国内マーケットを反映して若いエンドユーザーが増え、昨対2倍程の来場者があったのでは?。本ショーに合わせて新商品を発表するブランド/メーカーも多く、各ブースともにエンドユーザーの集客に注力して、SNSやアプリを介して訪問者にノベルティを配布していました。
  • 一方で欧州バイヤーも多くなっており、本ショーの会期に併せて中国市場を重視するTREK/CANYON他が、上海エリアでプライベートショーを開催するなど、ステータスが徐々に上がっているように見受けられます。

Covid19の混乱から未だ脱していない世界の自転車業界は、血を流しながらも中国市場の急成長のおかげで何とか持ちこたえている側面があります。ただ、店主自身がこうしてまとめていると、「増加」「増えた」という言葉が多いことに気付かされます。相場観に当てはめると、もしかしたら今が中国市場バブルの頂点なのでは?という懸念とともに「Time to get our life-jacket and get out.」の思いも抱くのです。


※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。