2024年10月21日月曜日

SCHWALBE Radial carcass & Souplesse construction | シュワルベ ラジアルカーカス & スープレス構造 自転車用ラジアルタイヤの構造を考える

Schwalbe Albert Gravity Pro / シュワルベ アルバート グラビティ プロ
Radial carcass / ラジアルカーカス
左からAlbert Gravity Pro/Albert Gravity Pro Rear/同 Front 
ラジアル構造 PLY角度 90度に近い鈍角
ラジアル構造 PLY角度 90度に近い鈍角
他社 一般的なバイアス構造 PLY角度 45度
他社 一般的なバイアス構造 PLY角度 45度


先日、PRインターナショナルさんの展示会に伺って、気になっていた「ラジアル構造のSchwalbe Albert Gravity Pro」のサンプルを拝見してきました。

台北サイクルショー 2024」でも触れましたが、自転車に限らず「空気入りタイヤ」は、数値化しやすい転がり抵抗含めて、各メーカーにおいて細かい改善や組合わせ変更等の努力がされているものの、性能面でサチっているのが現状です。

自転車用もご多分に漏れず、技術面で手詰まり感が否めず、おそらく化学素材メーカーが提案する添加剤頼みになっていているかと。更なる性能向上を求めるなら、技術及び設備投資のハードルは高いですが、構造面でのブレークスルーが不可避です。


そんな中、2024夏に突如発表されたのが「SCHWALBE/シュワルベ」の「THE RADIAL REVOLUTION」。海外メディアを斜め読みした限り、自動車やモーターサイクルで用いられる一般的な「ラジアルタイヤ」とは、下記の点で構造が異なります。
  1. カーカス(=PLY/ケーシング)角度が、回転方向に対して直角ではない
  2. トレッドゴム-カーカスの間に、形状保持するためのベルトがない
Schwalbe Radial Construction
Pinkbikeより

言い換えればバイアスタイヤの亜種とも捉えられ、店主は勝手に「セミ・ラジアル」と呼んでいますが、同社狙いは、転がり抵抗低減ではなく、網目を大きくして柔軟性を高めることす。これにより接地面積UP、グリップや快適性を稼げますが、一般的なラジアルタイヤのメリットとは真逆になります。

また、PLY角度を完全な直角にしないことで、ベルトレスを維持して重量増を避けています。尚、同社はその角度は明確にしておらず「鈍角」の表現に留めてます。

参照WEBサイト
Schwalbe Radial Constructionのカットサンプルは無かったので、部材配置は不明ですが、おそらく従来MTBタイヤを踏襲しているものと推測されます。PLY角度の変更は、主に前工程・カレンダー裁断工程のカッター&アンビル周りの改造が必要です。従来比、加硫時にタイヤが太るのでプロセスも見直されているかと。





自転車タイヤの製造工程は、上記Youtubeをご覧頂ければ分かりやすいかと。改めて見返してみると、成型機のドラム/フィンガー形状/ステッチャー有無など三者三様で興味深いです。余談ですが、Continentalの自転車向けハイエンドタイヤは、一時は閉鎖寸前まで追い込まれた過去があるドイツ北西部のKorbach工場で継続生産されています。同社は、産機部門「Continental Molds and Machinery(CMM)」を傘下に有し、近年はモールドを手掛けるVÚKEMT Puchovを買収してますが、見る限り自転車用タイヤの成型機&加硫機は、HERBERT製を用いているようです。

閑話休題。今回発表された「セミ・ラジアル」構造のタイヤは、MTB/グラベル用途だとメリットが生きますが、転がり抵抗が重視されるロード用タイヤには不向きです。ただ、ここで思いつくのが、同社が2019年に発表して、Schwalbe Pro One Tubeless等に採用済の「Souplesse construction(=現・Super Race carcass)」との組み合わせです。
Souplesse construction(=現・Super Race carcass)
Schwalbe Pro One Tubeless等に採用済

部材配置的には、Souplesse constructionの方がよっぽどラジアルタイヤに近いと店主は捉えてます。従来の自転車用バイアスタイヤは、カーカスをオーバーラップさせる3~4PLY構造が一般的です。

ゆえに発表当時、Bikerumor!等で本構造を見たとき、PLY引き抜けない?、トレッド端がセパしないの?と不安視しました。リムとタイヤのワイド化に伴い、タイヤ空気圧は低圧化が進んだこともあり、目立った問題は出ていないようです。

本構造は、PLY-トレッド間の青レイヤー(カーカス&スキム)を使い分けるだけで、「TLR(チューブレスレディ)」と「Tubed」を同プロセスで製造できるメリットも挙げられます。もしかしたら、ビード素材も変えているかもしれません。赤レイヤーはビード保護と密閉性を高めるチェーファーかと。

Schwalbe Pro One 部材配置図

「Souplesse construction(スープレス構造)」は、ラジアルタイヤの成型方法に似たターンアップ構造。従来と異なりセンター部分でカーカスを重ねない2PLYにしたことで、柔軟性とRR低減を図っています。

転がり抵抗(RR)低減のみに注力するならば、トレッドゴムを薄くするのが効果的です。また、トレッド直下のPLY枚数を減らすことも摩擦低減に寄与します。相反するパンクリスクは、チューブレスレディが標準になったことで、シーラントで補完できるという設計思想の遷移も背景に挙げられます。

この2PLY構造ですが、部材配置やターンアップの向きに差異はあるものの、ContinentalやVittoriaも同様に採用を始めてます。自動車のラジアルタイヤでは、トレッドゴム直下のベルトにRR低減効果も挙げられますが、Corsa PRO Speedがベルト(≒ブレーカー)を廃していることから、現時点の自転車タイヤではそれは期待できません。

Vittoria CORSA PRO SPEED
トレッドゴムの薄さが際立つカットサンプル

Vittoria Corsa PRO Speed Tubeless-ready
Vittoria本国サイトより


Continental Grand Prix 5000 S TR
2PLY×110TPI=220TPI ケース構造
ミズタニ自転車サイトより

「Continental Grand Prix 5000 S TR」は、トレッド下は2層220TPI、サイドカット耐性強化のためサイドウォールのみ1層加えた3層330TPI。なお、「TubedのGrand Prix 5000」は、従来通りの3PLY×110TPI=330TPIのケース構造を踏襲してます。

さて、長々と書きましたが、店主が想像する将来の「自転車用ラジアルタイヤ」は、Souplesse constructionのカーカスを鈍角仕様に置き換えて、今よりちょっと丈夫なベルトでそれらを補強するイメージです。

バイアス45度、ラジアル90度の先入観に縛られていると、ラジアルタイヤは重く強固なベルトでカーカスを拘束する必要があります。鈍角カーカスとの組み合わせならば、そこまで堅牢なベルトは不要なのではと考えるのです。勿論、カーカスの素材やTPIの最適化も併せて必要になりますが…。

ここまで考えると、「CushCore/クッシュコア」に代表されるタイヤインサートをインナーライナー面に貼り付けて、ランフラットかつ補強材の一部にすれば良いんじゃない?とスケベ心も芽生えます。ただ、そこまで手を広げるとリムプロファイル含めたプラットフォーム更新が視野に。

一方、ちゃぶ台返し的な新しいプラットフォームを導入となると、既存のマーケットに浸透させるのは、火を見るより明らかに困難。ならば、車体全体の転換期が好機と捉えられ、2040年頃に訪れるだろうパーソナルモビリティ(E-PMV)に移行期がターゲットになりますが、俯瞰すると「空気入り」タイヤに拘る理由はなく、現実解はAirFreeのようなエアレス・タイヤに行き着くオチが待っているのです。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

その他、当店の完成車&ホイールの在庫リストは、コチラをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2024年10月18日金曜日

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ 16×2.00 ETRTO 50-305 Dahon K9X | ダホン ケーナインクロス 純正アクセサリー 交換用タイヤ 少量入荷

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ
Dahon K9X | ダホン ケーナインクロス 装着例
写真:DAHON JAPAN Official Blogから

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ
サイズ:16×2.00 ETRTO 50-305
重量:300g/本
エア圧:Max 4.00 Bar (Max 55psi)
価格:6380円→5800円/本(10%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)
トレッドパターン

コンパクトを追求した「Kシリーズ」に新たに加わった、16インチ最新モデル「Dahon K9X | ダホン ケーナインクロス」。そのK9Xの純正アクセサリーとして「SCHWALBE BILLIY BONKERS | シュワルベ ビリー・ボンカーズ」の16インチサイズが限られたルートながら国内で流通を開始しました。

前後タイヤをこの「BILLIY BONKERS」へ換装すれば、重量そのままで1.50→2.00幅へとファット化して、エアボリュームをUPすることが可能。バルーンな乗り味を実現できます。

トレッドパターンは、スモールブロックを密に配置しているで、転がり抵抗も低く抑えられています。勿論、リムサイズとクリアランスが許せば、K9X以外の車体でも適合可能です。

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ
サイズ:16×2.00 ETRTO 50-305
重量:300g/本
エア圧:Max 4.00 Bar (Max 55psi)
コンパウンド:Addix
ビード:ワイヤード
価格:6380円→5800円/本(10%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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2024年10月17日木曜日

DJI Avinox Drive System | アビノックスドライブシステム E-Bike用 新型エンジン モーターを考察する

DJI Avinox Drive System | アビノックスドライブシステム
写真は公式WEBサイトから

2024年7月初旬に開催されたEurobike 2024で初公開されて話題をさらったのが、E-Bike用エンジン(=モータドライブシステム)の「DJI Avinox Drive System」。同社のE-Bike参入は、想定外だったこともあり業界に衝撃が走りました(参照:公式プレスリリース)。

また、先行するBafangAnandaのように参入障壁が比較的に低いハブモータ式からでなく、初めから動的性能に優れたセンターマウント式を採用したこと。発表タイミングを、直前に開催されたTaipei CycleChina Cycleでなく、Eurobikeを選んでいる点も考慮すると、自ずと彼らが狙うマーケットが読み取れます。勿論、それら開催期に台北や上海で招待制のプライベートミーテイングを実施していた可能性は否定できませんが…。

ポリマー製はすば歯車/ヘリカルギアを採用

ドライブユニット内部は、軽量化と静粛性のためにポリマー(エンプラ)製の遊星歯車(参考サイト)を採用。おそらく低イナーシャ化による応答性向上も狙っていて、イミド系樹脂(PAI)を採用しているものと考えます。バックラッシを抑えようと軸間距離を短くすると、課題になる騒音も抑えられます。この辺りは、モータ本体含めてドローン開発で蓄積された技術が、多分に応用されたことが想像できます。

ポケットジンバルカメラの「Osmo Pocket 3」や「カメラドローン」等で証明されている同社の高い技術力は、疑う余地はありません。一方でE-Bikeにおいては、これまでのDJI主力商品には無かった変動負荷や衝撃荷重が掛かります。長中期に渡って、それら影響を受けずに性能を維持出来るか現地点では未知数です。
DJI Avinox Drive Systemを搭載したE-Bike「AMFLOW PL」
販売予定:UK市場で遅くともQ4/2024までに
価格:£5,999~8,999 (日本未発売)
写真は、MBRサイトから

最初にDJI Avinoxが搭載されるe-MTB「AMFLOW PL」のサイトを見ると、ハイパワーエンジンにも関わらず、バッテリーサイズ600Whサイズなら、E-Bike・フルサスMTBにも関わらず20kgを切ると言われる車体重量も驚異的。E-MOUNTAINBIKE Magazine他のレビュー記事を斜め読みした限り、総じて完成度は高さそうです。

DJI Avinox Drive Systemの特長

  • 軽量2.52kg・コンパクトな優れたパワー/ウエイトレシオ
  • 最大モータートルク105Nm
  • ピークパワー850W/通常時250W
  • 0→75%まで1.5時間で急速充電が可能

「AMFLOW PL」はSRAMコンポーネントを採用しており、シマノのFREE SHIFT/AUTO SHIFT、SRAMのCoast Shift/Auto shifts同様に惰性走行中にクランクを回さなくても変速が可能。SRAMは、独Broseと協業でEAGLE POWERTRAINを上市済みですが、これと同様にDJIにプロトコルを開示したことが伺えます。

上記を踏まえると、DJI Avinox Drive System搭載された完成車に、シマノグループセットが組み合わせられる可能性は非常に低いかと。DJIは、PinionClassified等と同様に思惑が一致する他社とアライアンスを組んで、市場シェアを確保する戦略が取られると推察されます。

余談ですが、振り返ると2010年代初頭まで、ドライブユニットの小型・軽量化を図るため、モータ出力~クランク軸間のクラッチを無くしたい、メーカー思惑が垣間見れました。どうせ、アシスト無い状態で走行はしないんでしょと割切りの現実解でもあったのですが、FREE SHIFTが差別化機能となるならば、内装変速への移行までクラッチは残りそうです。




DJIは、他社完成車メーカーにドライブユニットを供給して拡大する流れでしょうが、恐らく同社としては初めてのBtoBとなので、新たなビジネスモデルを構築し、信頼性や技術サポートを提供するための体制を整える必要があります。また、用途/ホイール径/ギア比等に合わせた、車体毎のチューニングに何処まで応えるか興味があります。

ちなみに、Eurobike 2024の3ヵ月後に開催された「TBW/Taichung Bike Week 2024」は、DJI出展が目玉の一つに挙げられていました。ただ、店主が訪問した開催2日目は、同社ホテルブースはキャンセルに。初日はオープンしていたのか、若しくは彼らが望む顧客のみとの接点を確保する理由から、よりイクスクルーシヴな会場へ移動したかは不明です。

同社主力であるドローン製品名には「Mavic」もあり、その名にはどこか因果じみたものを感じます。米国ドローン市場は60億ドル規模で、その大部分がDJIと言われおり、米国でのDJI製品の販売禁止が可決されると同社にとって大きな打撃に。それを補う新事業の一つとして、E-Bike市場に参入してきた背景も挙げられます。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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2024年10月16日水曜日

Cannondale Synapse Carbon 3 L Cashmere | キャノンデール シナプス カーボン 3 L カシミア ブラック ビッグロゴ R7100系 105 12sメカニカル + 50mm カーボンホイール + アウトフロントブラケット 27%off 特価SALE 447200円→330000円 スペシャルオファー

Cannondale Synapse Carbon 3 L  | キャノンデール シナプス カーボン 3 L
カラー:Cashmere/カシミア ブラック
コンポ:シマノ R7100系 105 12sメカニカル
サイズ:51(適用身長165-175cm、C-T443/T-T水平換算544)
カーボンホイール換装 スペシャルオファー仕様
合計額:447200円→330000円(27%off現金特価、10%税込、店頭品のみ)
「Cannondale」ビッグロゴもあり、
何処となく「Dosnoventa」ぽい雰囲気に
店主が今よりもう少しロードバイクにちゃんと乗っていた頃、カーボンフレームで印象深いモデルを3台挙げるとすれば、「LOOK 585」、「TIME VXRS」、そして「Cannondale SYNAPSE」になります。

「Cannondale SYNAPSE」は、一言で表すと「スルメ」のような自転車です。短い時間での試乗だと、その良さが捉えにくいのですが、普段は自転車に乗っていなくて休日だけ100km超をいきなり走るようシチュエーションだと、後半の疲労感がグッと抑えられるのが分かります。正直、レースバイクSUPERSIX EVOのような鋭い切れ味はないですが、漕ぐと漕いだだけ味が出てくるような…。

ロードバイクを購入しても、殆どのライダーが休日の「グランフォンド/ロングライド/ツーリング」が主用途になると思います。そんな貴方におススメなのが、この「Cannondale SYNAPSE/キャノンデール シナプス」。現代版スポルティーフとも呼べる一台です。米メディア・Bicyclingの「Bike Award」でも「Synapse Carbon」が選ばれています

SYNAPSEは、他社のエンデュランスバイクにあるようなサスペンションやピポットを有するギミックではなく、フレーム形状とカーボンレイアップの妙で衝撃や振動を取除きます。しなやかなフレームとスルーアクスルの組合せは相性が良くて、快適性と推進性が上手くバランスされています。
Synapse Carbon 1 RLEやSynapse Carbon LTD RLE
等の上位モデルとパッと見の違いが分からない仕上がりに
ジオメトリや乗り味は以前のモデルを踏襲していますが、Gen.5/第5世代のSYNAPSEの特徴を挙げると…。
  • ライト/リアビューレーダーを統合した「SmartSense/スマートセンス」搭載
  • 汎用規格の採用、BB30→BSAスレッド、φ27.2mm丸型シートポスト&バンド固定
  • タイヤクリアランスを32→35cへ拡大

汎用規格を採用したので、ツーリング先で部品交換が必要なトラブルに見舞われても、パーツ入手性が良くなっています。足回りですが、都市部にお住まいでスムーズな舗装路を中心にライドされるなら、タイヤは細めの25-28Cにされると軽快感がグッと増します。

そんな「Cannondale Synapse Carbon 3 L | キャノンデール シナプス カーボン 3 L」。今回、「カーボンホイール」へ換装した更にお得なスペシャルオファーをご提案します。同社は、ブランドロゴを控えなグラフィックを率先導入してきましたが、それだと寂しいと言う声があるのも事実。現行Synapse Carbonのラインナップでビッグロゴが入るのは、このカシミアカラーのみとなってます。

標準仕様のリムは「RD2.1」ですが、50mmハイト・カーボンに組み替えてご提供します(ハブ等のパーツは、元のホイールから流用)。換装するカーボンリムは、内幅22mmの今どきなワイド仕様です。

コンセプトは、コスト考慮しながらの「ぼくのかんがえたさいきょうのシナプス・カーボン」で、玄人好みの1台になるかと。見た目的にも、カーボンホイールが欲しくなるんだけど、お財布事情が…の声を先取りしたパッケージです。

ベースバイクの「Synapse Carbon 3 L」は、ツーリング/エンデュランス/ロングライドをターゲットにしていて、実測40~42mmまでのタイヤも収まるので実はグラベル用途も視野に入ります。コースによっては、TopstoneよりもSynapseのほうが有利になることも考えられます。

正直、レース系バイクのような一発の切れはありませんが、一定ペースで淡々と走り続けるブルベ系エンデュランスライダーにもマッチ。また、一番多く居る週末ツーリングを楽しまれている層に適合します。フルフェンダーも装備できるので、通勤&ツーリング用途として2ndバイクとしても宜しいかと。

コンポも最新のR7100系シマノ105メカニカル搭載で操作性も不満がありません。BSAスレッドBBやφ27.2丸シートポストの汎用規格なので、USEDパーツも流用しやすいです。ワイドなタイヤクリアランス/ドロッパーシートポストのケーブル内蔵/多くのボトルマウント等で色々な用途に対応する、まさに万能・オールラウンダーな1台です。

用途別にどんな仕様にするかを考えてみると…。

A.通勤・ロングツアラー
ハードコア・通勤ライダーが行き着く「ハブダイナモ」ですが、高性能・高効率化しても原理上、回転抵抗は標準ハブに劣ります。それをバッテリーの一元管理というソリューションでアップデートしたのが「SmartSense」になるかと。

SmartSense系のバッテリー&前後ライトはそのまま。耐パンクベルトが入った28-32Cクリンチャータイヤで、足回りを軽くしたければTPUチューブに。前後フルフェンダー装備。

B.高速エンデュランスライダー
GARMIN補助用にSmartSenseバッテリーのみを残す。ステアリングコラムは、バッサリ切り落としてロードもしくは、グラベルバイクと中間程度のハンドル高さに。

C.週末サイクリスト
SmartSense関係は、撤去して軽量化。バッテリーマウント部はCannondale Strap Rack Storageに置き換えて、低重心にスペアチューブ等を装備。ハンドル高さは、熟練度に応じたポジションでCervélo Caledoniaに寄せたセッティング。

アウトフロントブラケット追加
対応サイコン:Garmin/Bryton/Cateye(下面にGoProマウント)

フロントライトは、350ルーメンなので光量が足りないのではないかと危惧していましたが、内部ミラーの配光設計が優秀で数字以上に明るく感じます。勿論、ハードコアなナイトライドには、別途大光量ライトを組み合わせて頂いた方がベターです。

ちなみに、SmartSense/スマートセンスを搭載したバイクは、モデル名の末尾に「RLE」等が付きますが、「R=Radar/レーダー、L=Light/ライト、E=Electric/Di2」を表します。「Cannonndale Synapse Carbon 3 L」の場合は前後ライトのみの構成になります。
「Cannondale Wheel Sensor(=ガーミンセンサー)」と「SmartSense フロント&テールライト」を標準装備しているので、GPSサイコン替わりにスマートフォンをSP CONNECT BIKE BUNDLE2等を用いてハンドルにマウントすれば、追加オプション無しでサクッと現代的なライドが始められます。
ダウンチューブ:Cannondale ビッグロゴ
クランクセット:Shimano RS520, 50/34
RD:Shimano 105 7100, 12-speed
CS:Shimano 105 7100, 12-speed, 11-34
トップチューブ・アイレット
ダウンチューブ底・アイレット
タイヤ幅:6bar入気で実測33mm
舗装路のみ→28cでリム面一なエアロに
グラベル→35~40mmがおススメ
テールライト:フロントライトと連動
SmartSense/スマートセンス バッテリー
便利なのは分かるんだけど、「SmartSense」は不要なんだよねというライダーは、潔くそれらデバイスを取っ払って、「Strap Rack Storage」へ換装することも提案してきました。ただ、標準付属する前後ライトをスタイリッシュかつ使い易くするのも一手かと思い、アウトフロントブラケットを追加。ライト角度の自由度と背面ボタンアクセスも改善しています。

アウトフロントブラケット仕様
対応サイコン:Garmin/Bryton/Cateye
下面:GoProマウント(脱着可)
Trainer Axle:固定ローラー台へのセットが容易に

エントリーユーザーは勿論、フルフェンダーやリアラックも搭載できるので、通勤&ツーリング用途で2ndバイクとしても宜しいかと。地味なポイントですが、固定ローラー台にセットし易い「Trainer Axle」付属ゆえ、汎用ディスプレイスタンドも利用しやすくなってます。TA両軸端にタップが切ってあるので、そのままリアラックのアイレットとしても活用できます。
BB下面のメンテナンスウィンドウ

ワイヤ内臓式ですが、BB下に大きめなウィンドウがあるので、メンテナンス性は良好。FDは、ダイレクトルーティングにも対応しているので、小まめにDIYでインナーワイヤ交換したいライダーは、BB下のアウター受けを廃してフルアウターで繋げば整備性は更に良くなります。
標準リム:RD2.1
標準リム:MADDUX RD2.1 23mmハイト 469g/本
換装リム:カーボン 50mmハイト 432g/本
換装カーボンリム仕様
TLR/チューブレスレディ対応
ビードフック:有り
素材:T800
リムハイト:50mm
ホール数:28H/アシンメトリック
表面仕上:UD 艶消し

標準リムは、アルミ製ローハイト。RD2.0→RD2.1ランニングチェンジで、内幅21mmと今どきなプロファイルになって、重量も抑えられています。ただ、それをハイト50mmのカーボン・ディープリムへ組替えてます。勿論、外した元のアルミリムもお渡ししますのでスペアパーツ等にどうぞ。前後ハブは、堅牢な造りの「Formula cartridge bearing」をそのまま流用してます。

23→50mmとハイトUPしながら、リム単体で469g→432gと37g/本の軽量に。スポーク長も短くなっているので、実際はさらに少し軽くなってます。左右スポークテンションを近づけるため、今回は下記のようなアセンブル。チューブレスレディ(TLR)にも対応してます。

フロント:逆イタリアン、DS3クロス、NDS2クロス
リア:JIS組、DS2クロス、NDS3クロス

新しいディスクブレーキ・ロードバイクが欲しいけど、あとからカーボンホイールが欲しくなるんだろうなと二の足を踏まれている方に如何でしょうか?。

ベースバイク(SPEC詳細→公式WEBサイト
Cannondale Synapse Carbon 3 L  | キャノンデール シナプス カーボン 3 L
カラー:Cashmere/カシミア ブラック
コンポ:シマノ R7100系 105 12sメカニカル
サイズ:51(適用身長165-175cm、C-T443/T-T水平換算544)
※サイズチョイスに関しては、過去ポストをご覧ください。

車体価格:340,000円
前後カーボンホイール組換価格他:107200円
合計額:447200円→330000円(27%off現金特価、10%税込、店頭品のみ)

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