2023年1月22日日曜日

スムーズに動かない Vブレーキ スリーブ 修正

真鍮スリーブ 圧入修正後
スリーブ修正前
スリーブ修正前

スリーブ修正後

店頭における新車の組立整備。Vブレーキ本体の固定ボルトを締めると、スムーズに動かなくなるケースがあります。原因の多くは、真鍮スリーブの圧入不良 or スリーブ内径過小による嵌めあい不良です。

本件は、前者のケース。真鍮製スリーブ(=カラー/パイプ/ライナー)出量がゼロ以下で、ボルトを締めると平座金(=FW/フラットワッシャ)が、ブレーキ本体を押さえてしまう動作不良です。

手直し不可能な場合は、不良報告書を起こしてメーカーや輸入元さんから代替品を送ってもらいますが、手間暇を勘案して今回はブレーキを分解して、スリーブを所定位置まで再圧入して正常に動くように修正しました。

車体を箱から出して、ボルトに工具を掛けて締付けが弱いときは、おおよそこの不具合を孕んでいます。組立工場の作業者は、不具合に気が付きながらも該当ボルトを緩めに締めて、ラインを通過してシレッと出荷されている結果です。

工業製品である以上、不良や不具合は避けられません。ただ、ニンベンのついた自働化や関所が機能しておらず「部品メーカー→組立工場→小売店舗」まで商品が届いてしまっているのが現状です。

こう言った作業が、小売店の価値ある仕事 or 単なるマスターベーションかを考えると後者だと思うわけで。10年前にも触れましたが、工場でしっかりと品質を作りこんでダイレクト販売したほうが、自転車産業全体としては儲かる体質になるんじゃないかと。

Vブレーキ固定ボルト

閑話休題。勘の良い方だと、修正しても固定ボルト締めこんだら、スリーブに軸力が掛かって結果は同じでは?と思われるかもしれません。本構造の場合、固定ボルトは「半ねじ」ゆえスタッドボルト端面で止まり、遊びが確保されているのでご安心ください。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。