真鍮スリーブ 圧入修正後 |
スリーブ修正前 |
スリーブ修正前 |
スリーブ修正後 |
店頭における新車の組立整備。Vブレーキ本体の固定ボルトを締めると、スムーズに動かなくなるケースがあります。原因の多くは、真鍮スリーブの圧入不良 or スリーブ内径過小による嵌めあい不良です。
本件は、前者のケース。真鍮製スリーブ(=カラー/パイプ/ライナー)出量がゼロ以下で、ボルトを締めると平座金(=FW/フラットワッシャ)が、ブレーキ本体を押さえてしまう動作不良です。
手直し不可能な場合は、不良報告書を起こしてメーカーや輸入元さんから代替品を送ってもらいますが、手間暇を勘案して今回はブレーキを分解して、スリーブを所定位置まで再圧入して正常に動くように修正しました。
車体を箱から出して、ボルトに工具を掛けて締付けが弱いときは、おおよそこの不具合を孕んでいます。組立工場の作業者は、不具合に気が付きながらも該当ボルトを緩めに締めて、ラインを通過してシレッと出荷されている結果です。
工業製品である以上、不良や不具合は避けられません。ただ、ニンベンのついた自働化や関所が機能しておらず「部品メーカー→組立工場→小売店舗」まで商品が届いてしまっているのが現状です。
こう言った作業が、小売店の価値ある仕事 or 単なるマスターベーションかを考えると後者だと思うわけで。10年前にも触れましたが、工場でしっかりと品質を作りこんでダイレクト販売したほうが、自転車産業全体としては儲かる体質になるんじゃないかと。
Vブレーキ固定ボルト |
閑話休題。勘の良い方だと、修正しても固定ボルト締めこんだら、スリーブに軸力が掛かって結果は同じでは?と思われるかもしれません。本構造の場合、固定ボルトは「半ねじ」ゆえスタッドボルト端面で止まり、遊びが確保されているのでご安心ください。
※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。
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