2025年7月19日土曜日

ORBEA / オルベア RALLON DH / LAUFEY / TERRA / DENNA / TERRA RACE / DIEM | EUROBIKE 2025 出張記

Orbea / オルベア ブース

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。戦略的パートナーシップを結ぶシマノ社と隣接する位置にブースを構えたのが「ORBEA/オルベア」。

ORBEAに対する店主の認識は、組立工程がアジア→スペイン・マリャビア工場へ集約された影響もあり、2015年頃からブランドとして停滞していたというものでした。しかし、徐々に業績が回復&拡大し、2020年のORCA刷新以降は、商品ラインナップもより魅力的に映るようになりました。将来的にはフレーム成型も自社化を視野に入れているとのこと。

Orbea RALLON DH / ラヨーン DH
ブレーキ:新型 シマノ XTR M9200
ドライブトレーン:シマノ SAINT
Orbea RALLON DH

そんなORBEAの躍進を象徴する存在が、DHバイク「RALLON DH / ラヨーン DH」。乗らないけど欲しい一台です。2025年のUCIダウンヒルワールドカップ女子エリートカテゴリー開幕戦で、我らがアイドルにしてイギリスのトップライダー、「Tahnée Seagrave /タニー・シーグレイブ」が劇的な勝利を収めたのは、記憶に新しいところ。

シーグレイブは、2022〜2024シーズンにかけて度重なる怪我に悩まされ、トップ争いから長らく遠ざかっていました。2025年、彼女は長年所属していたCANYONから離れ、ORBEAと契約。FMD RacingとORBEAによる共同プロジェクト「Gravity Cooperative」の一員として、新型DHバイクの開発にも積極的に参画しています。

グラビティ系カテゴリーにおいて、かつては注目度が高くなかったORBEAですが、今回の移籍という大きな決断は、シーグレイブ選手の走りとともにその評価を覆すきっかけとなりました。彼女の勝利は、RALLON DHの可能性とORBEAの技術力を強く印象づけるものとなっています。

ORBEA LAUFEY


ORBEA LAUFEY

Orbea TERRA
Orbea TERRA
Orbea TERRA
Orbea DENNA グラベル E-BIKE
STレバー:アルテグラ ST-R8170
RD:RD-M8150-12
Orbea DENNA グラベル E-BIKE
Orbea TERRA RACE
Red XPLR AXS
RD:フルマウントタイプ
Orbea TERRA RACE

EUROBIKE開催に合わせて公開された新型「Orbea TERRA RACE」。OMXフレームを採用し、レーススペックの剛性を確保しながら、前作比で300gの軽量化を達成。重量わずか910gという軽さを実現してます。さらに、衝撃吸収性やエアロダイナミクスも徹底的に追求した、グラベルレースに特化したモデルです。

Orbea DIEM コミューター E-BIKE
Orbea DIEM コミューター E-BIKE
街乗り用途のE-BIKEに関しては、先のポストでも触れましたが、店主好みなステップスルー・デザインのコミューターが「Orbea DIEM」。Enviolo製の内装オートマチック変速機を搭載した最上位モデルは、5599 €≒100万円となります。

国によって異なりますが、欧州の先進国におけるE-Bikeの平均単価は30~50万円程度とされており、日本国内の電動アシスト自転車と比べて大きな価格差が見受けられます。両者の道路環境/用途/価値観の違いも一因ではありますが、日本国内でE-Bikeが十分に普及していない背景には、単に型式認定制度だけでは語りきれない要因があるのではないでしょうか。

MyOカスタム &  OQUOホイール

冒頭でも記した通り、シマノと戦略的パートナーシップを結ぶORBEA。MyOカスタムオーダー時の選択肢としてシマノ製品が豊富に用意されてます。当店でもORBEA製品を取り扱っております。ご注文を心よりお待ちしております。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月18日金曜日

Tern Verge N8 | ターン ヴァージュ N8 シマノ SAINT M820 / Deore T610 / KCNC SC BONE FLAT / Physis 3D T-Bar / FFR ALUMI SEAT POST / FSA Vero / SCHWALBE MARATHON 折畳み フォールディング カスタマイズ

Tern Verge N8 | ターン ヴァージュ N8
シマノ SAINT M820 / Deore T610 / KCNC SC BONE FLAT / Physis 3D T-Bar
FFR ALUMI SEAT POST / FSA Vero / SCHWALBE MARATHON
10s化 カスタマイズ

日本人の体格に合わせて設計された、Vergeシリーズの定番モデル「Verge N8(ヴァージュ N8)」。クルマにたとえるなら、VWのゴルフのように、ternブランドのベンチマークとも言える一台です。

そんな「Verge N8」ですが、今回はオーナー様のご要望により、フレーム/フォーク/ホイールを除く全パーツをシマノ・SAINTなどへ換装・アップグレードする、こだわりが詰まったカスタマイズを承りました。

ハンドルバー:KCNC SC BONE FLAT
ハンドルポスト:Tern Physis 3D T-Bar 290mm ブラック
エクステンション:Syntace VRO X-RAY 25.4 CLAMPS
標準よりも低めのポジションを確保するため、上記組み合わせに
シフター:SAINT SL-M820
I-SPEC B仕様も考えましたが、ポジションの自由度を優先してバンド式を選定
ハンドルバー:KCNC SC BONE FLAT
Vブレーキ:DEORE BR-T610
シートポスト:FFR ALUMI SEAT POST 339 φ33.9mm×550mm ブラック
クランクセット:FSA Vero Built for Tern 53T
チェーンキャッチャー:Tern Mainstay Chain Guide

Verge N8に標準装備されているクランクセットは、アウター側にチェーンリングを装着する構造です。一方、アップグレードとして採用した「FSA Vero」は、インナー側にチェーンリングが取り付けられる仕様となっており、BB(ボトムブラケット)をそのまま流用するとチェーンラインが内側に寄りすぎるため、軸長による調整が必要になります。

OLD寸法やリア段数などの条件から概算してBB軸長を選定しますが、クランクアームの形状やチェーンリングの歯厚の違いにより、正確なチェーンライン(歯先位置)は仮組みを行わなければ判断できません。

ちなみにペダルは、折畳や脱着機構は不要とのことで「MKS TOURING-LITE」をご指定頂きました。

RD:SAINT RD-M820-SS 10S
スプロケット: CS-M771 10S 11-36T

ドライブトレーンは、オーナー様が希望される歯数構成をお聞きして、それを踏まえてCUES含め幾つかのプランをご提案しました。路面クリアランスにも配慮して、DH用のショートケージを備えるシマノ・SAINTを選択。

前後タイヤ:SCHWALBE MARATHON
前後タイヤ:SCHWALBE MARATHON
前後タイヤ:SCHWALBE MARATHON

コクピット周りには軽量化を意識したパーツを採用する一方、足回りは堅牢性を重視した構成に。タイヤは、環境配慮型のADDIX ECOコンパウンドを採用した「SCHWALBE MARATHON」へ。モデルチェンジでトレッドパターンも刷新されています。ただし、ビードラインを均等に整えるには、従来同様のひと手間が必要です。

シフター:SAINT SL-M820
ブレーキレバー:DEORE BL-T610
シートポスト:FFR ALUMI SEAT POST 339 φ33.9mm×550mm ブラック
挽き目仕上げ
FFR ALUMI SEAT POST 重量:301g
標準シートポスト:566g

シートポストは、価格と重量のバランスが取れた「FFR ALUMI SEAT POST 339」へ換装して、566→301gへ-265gの軽量化。WOOdman Post GT2と出自は同じと思われますが、FFRブランドの方が価格を抑えられます。

安価なアルミ製ポストもありますが、耐荷重が低くモーメントで反ってしまう懸念があります。また、TernやDAHONのような折り畳みモデルには、カーボン製のポストやハンドル導入を当店ではお勧めしていません。展畳の度に、摺動でクランプ部のレジンが痩せてしまう懸念があるからです。

ハンドルバー比較(共に490mmにカット)
左:標準装備品 / 右:KCNC SC BONE FLAT
標準ハンドル 重量:225g
KCNC SC BONE FLAT 重量:107g

ハンドルバーは、標準装着品も490mmにカット済み。換装したスカンジウム製の軽量モデル「KCNC SC BONE FLAT」も同じ長さに追加工しました。225g → 107gと-118gの軽量化を達成して、半分以下の重量に。両者の端面を比較すると、肉厚の薄さが際立ちます。

Before

上位グレードのブレーキとドライブトレーンに換装したことで、操作感がカチッと明確になり、軽快なフィーリングが際立ちます。シフターに関しては、親指によるプッシュ操作に限定されるものの、SAINT SL-M820はシフトアップ側でも2段変速に対応しており、加速しやすい小径車との相性が意外なほど良好です。

ベースバイク
Tern Verge N8|ターン ヴァージュ N8
カラー:Gunmetal/Dark Silver (White)|ガンメタル/ダークシルバー(ホワイト)  
Speeds:8
ホイールサイズ: 20"(406)


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。