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ホイール:WH-RX830
この頃のシマノ ロード用モデルは、シーラント耐性が低いので
気休めに薄めなテープを追加 |
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いささか丸くなった、同社特徴の「All Contact Tread Shape」 |
改めておさらいですが、「チューブレスタイヤ」は、シーラント要否で区分されます。
a.チューブレス:インナーライナー有り、シーラント不要
b.同・レディ/TLC/UST/TLR/TCS/TLE:インナーライナーほぼ無し、シーラント要
メーカーによっては、シーラント要でもチューブレスと謳ったりして分かりにくいのですが、本記事ではそれぞれ「a:チューブレス」と「b:レディ」と表記します。この辺りのFAQに関して、
Cyclingtipsで良くまとめられています。
今回テストした「RACE A EVO4 TLC 700×25C」は、「レディ」に該当します。最初に感想を言ってしまうと、「とにかく走りが軽い」そして「ビードがラクに上がる」タイヤです。
1.走りの軽さ
各社のラボデータを見て、レディの低RRな特性は知っていました。ただ、パナレーサーさんがロード用チューブレスレディを発売するとお伺いした時、自身の経験で
チューブレスは28C以上じゃないと恩恵少ないよなとか、高圧なロード用だとちょっと心配と思う節もあり、正直興味が沸きませんでした。
ただ、今回テストしてみると、最初の漕ぎだしで体感できるほど走りが軽いのに驚かされました。低く抑えられた重量面に加えて、GILLARベースに改良を加えたトレッドコンパウンド、やや凸コンターなAll Contact Tread Shape等の積上げ効果なんでしょうけど、同社の頑張りが垣間見れます。
全体のフィーリングは、チューブラーやチューブレスではなくクリンチャーです。いささか乱暴な表現すると、クリンチャーのビードを変えただけとも言えるレディなので当たり前かもしれません。チューブレスほどのショルダーグリップはありませんが、軽量クリンチャーのような頼りなさは無く、安心してバイクを倒し込めます。
改めて資料を見返し、RACE A EVO4の25Cサイズ同士で比較すると、カタログ値でTUBED:230g、TLC:210gとレディのほうが何故か軽いデータが。おそらく、ビードの違いと補強材配置がサイドウォールまでのTUBED、トレッドのみのTLCと言うのが効いてそうです。耐パンクは、シーラントあるからトレッドのみで良いよねということかなと。
2.ビードの上げやすさ
ISO 5775の改訂でタイヤ&リムの相性問題は、徐々に解消されていく期待がありますが、チューブレスで苦労されたユーザーさんも多いのではないでしょうか?。今回、シーラント無し+普通のフロアポンプ条件でも8barまで入気できました。篏合音はほとんど出ませんが、一発でスムーズにビードは上がりました。インナーライナーが無いので、チェーファーが動きやすく密閉されやすいのかもしれません。
シーラントは、同社がこのタイヤと同時リリースした「
Seal Smart」を30cc/本でラブ注入。既にいくつかのタイヤに施工しましたが、作業性は良好です。ただ、揮発性が高いので交換サイクルは短めかも。
3.競合するクリンチャータイヤとの比較
トップエンドの「カーボンリム+ディスクブレーキ+チューブラー」を除いて、競合になるのは下記のようなチューブの組合せかと。
- カーボン/アルミリム+ディスクブレーキ → ラテックス/tubolite S
- カーボンリム+リムブレーキ → tubolite/軽量ブチル
- アルミリム+リムブレーキ → ラテックス/tubolite/軽量ブチル
具体的に25C条件でタイヤ&チューブの組合せで比較すると、シーラントは揮発して、そのままが総重量にはなりませんが、ヒルクライム決戦用で同社の軽量タイヤ「GILLAR」と軽量ブチルチューブ「R'AIR」の組合せと同等になります。
- RACE A EVO4 TLC/210g+シーラント/30g+バルブ/8g=248g
- GILLAR/170g + R'AIRチューブ/77g=247g
足回りは軽量化したいけど、トレッド厚みがそれなりにあるオールラウンドに使えるタイヤが欲しいという方におススメなタイヤです。チューブレス/レディに対応したホイールをお持ちなら、一度試してみる価値があります。