2021年5月4日火曜日

シマノ シンクロナイズドシフト | SHIMANO SYNCHRONIZED SHIFT 電動シフト Di2 変速マップ 考察

さて、「シンクロ」と聞くと何を思い浮かべますか?。店主の脳裏だと、井村コーチ/MT/エヴァ辺りです。ちなみに劇場版は、一作品も未鑑賞のレベルですが…。

閑話休題。シマノ・Di2にて、直感的な片側シフトレバー操作のみで前後ディレイラーを最適なギア組み合わせに自動的に選択してくれるのが、お馴染み「シマノ シンクロナイズドシフト | SHIMANO SYNCHRONIZED SHIFT」です。

伝達効率やチェーンテンションを考慮したシンクロナイズドシフトの基本的な考え方は…。

  • アウター×ローの回避(たすき掛け防止)
  • インナー×トップ2枚の回避(チェーンテンションの維持)
  • シフトダウンは、アウターの状況を出来るだけ維持(高伝達率の確保)

シンクロシフト 初期設定 変速マップ
Shimano Manuals & Technical Documents より

シンクロシフトの設定は、E-TUBE PROJECTで操作可能です。ただ、前後歯数の組合わせを変更した際、その数値をアプリに入力しても「変速マップ」はそのままで最適化してくれません。

良い捉え方をすると、マニュアル通りの歯数を用いている限り「初期標準設定マップ」は、どの組合せでもハズレ無く及第点が取れます。確かに歯数組替時、都度E-Tubeプロジェクトに接続してマップ更新する必要があると、トラブルのもとになるという考えも頷けます。

されど、ギアピッチ観点のからは歯数構成を変えたなら、変速マップもそれに合わせて変更されるほうが理想的です。2021年春に同アプリがVer.4で刷新されたので、もしやと期待したのですが、その部分は相変わらずでマニュアルでのチューニングが必要です。

50/34×11-28t 変速マップ

50/34×11-28tの組合せの場合。シフトダウン操作で標準マップのままだと2.00→1.62(4段目)になりますが、1.79(5段目)の方が等ピッチになります。

50/34×11-34t 変速マップ

シフトダウン側は悩みませんが、シフトアップ側はどこでアウターに変速するか考え処です。例えば、50/34×11-34tの場合、「1.79(インナー×7段目)→2.00(アウター×4段目)」にするか、インナーで粘って「2.00(インナー×8段目)→2.17(アウター×5段目)」と言った処です。伝達効率を考えたら前者ですが、上り基調でアップダウンが繰り替えす状況なら後者の方が使い勝手が良さそうです。

52/36×11-30t
左:標準マップ / 右:アウター&ロー縛りマップ

52/36×11-30tの組合せは、上記左の標準マップで宜しいかと。一方、ベテランライダーやガッツリ走っている方だと、レース展開やコース状況で、伝達効率が悪くてもアウター×ローで行きたい/インナー縛りでマッピングしたいと思われるかもしれません。

その場合は右表のような運用に。ただ、テンションが掛かるアウター×ローでフロント変速するとチェーン落ちの可能性が高いので、現実的にはセミシンクロorシンクロ無を選ぶ方が多いかと。

余談ですが、以前シマノさんに聞いたところ、伝達効率とギアピッチを考慮した歯数構成毎の推奨マップは存在しないようです。XTR Di2 (M9050)のローンチ時は、公表されていたのですが…。

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