2021年9月20日月曜日

シマノ 拡散接合と窒化処理 ディスクブレーキローターを考える

シマノと言えば、冷間鍛造が十八番のイメージですが、中空クランクを生産開始した頃からは溶接や接着の生産技術も確立して、ここ最近だと拡散接合も適用しています。

ただ、その範囲は 「アイステクノロジー」と呼ばれるステンレスとアルミをサンドウィッチしたディスクブレーキローター異素材を組み合わせたパッド程度で限定的と店主は思っていました。先日ふと、この辺りのシマノ特許をググってみたら、実装しているかは不明ですがブレーキキャリパ他で広範囲の適用を示唆して驚かされました。

ちなみにブレーキローターは、プラズマ等で表面層を窒化処理して硬度を上げて、耐摩耗性を向上させる特許も公開されていますが、表面色を見る限り窒化ローターは現在のところ上市されていないかと。

比較的小さいとは言え処理後の熱歪除去が必要だろうし、窒化層の摩耗によるブレーキフィール変化を考えると市販化は難しそうです。されど、DHやエンデューロ系コンポの次期SAINTには、黄金色に輝く?ローターがラインナップされるかもしれません(表面色は、混ぜ物にも寄りますが)。ブレーキローター用ステンレス鋼に関する文献は、JFE技報が参考になります。

そう言えば、ディスクローターへの窒化処理ってクルマ業界でやってなかったっけ?と思い返すと、バックプレートへの窒化処理で日清紡ブレーキ、鋳鉄製ローターへの窒化処理に関しては、曙ブレーキトヨタ系のアドヴィックスが特許公開しています。曙ブレーキは、2011年に軟窒化処理施設を北米工場に導入してFNCローターを上市済みです。

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