| Y0MV01000/Adhesive ring/CS-R9200 ロースペーサー/粘着リング |
シマノ製ロード12sコンポーネントが普及しだした頃から散見するようになった「リアスプロケットがホイール軸方向に揺れるウェービング」。車体に装着したスプロケットを車体真上や真後ろから覗くとよくわかる現象です。シマノ11s以下のカセットスプロケット環境でも稀に見られましたが、12s世代になって遭遇することが増えました。
この症状を初めて見たときは、ロックリング&ナットの緩み/フリーボディや主軸の歪み(偏心)を疑いましたが該当しませんでした。ちなみに経験的に、DURA‑ACE R9200で採用される「HGスプラインL2」フリーボディとの組み合わせではこの現象に遭遇したことはありません。後者は流通量が少なく公平な比較にはなりませんが。
HGスプラインL2とコンパチ形状になった12sスプロケットの場合、従来型のHGスプラインLフリーボディとの組み合わせだとすき間が大きくはめ合いが緩いため、座面でスプロケットが斜めに固定されると影響が出やすいと当店は捉えています。
以前、スプロケットを回転方向のスプラインに押し付けて固定したりetcも試しましたが、結局のところ当店では部品の状態に合わせて下記いずれかの方法で対応しています。シマノの公式見解は1番のアルミ製リングシール(リングシム)である「Y0MV01000/Adhesive ring (CS‑R9200 ロースペーサー/粘着リング)の貼り替え」ですが、現実にはそれですべてが解決するわけではありません。
1. Adhesive ringの貼り替え
2. Adhesive ringを剥がしてスプロケットを直に固定
3. Adhesive ringを2枚に重ね貼り
4. CS-7800他 10S用 ロースペーサ ー(t=1.0mm)1Z807000へ入れ替え
「ロード12s用 Y0MV01000/Adhesive ring」は厚み0.5mmなので、3番と4番の総厚みは同じになります。もちろん、スプロケットの原点位置は変わるので、RDの再セッティングは必要です。
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| CS‑M9100:Y1X401500 / Low spacer |
「Adhesive ring(粘着リング)」は、MTB12Sコンポーネントの「マイクロスプライン(MICRO SPLINE)」規格で最初に採用されたものを横展開したものです。その目的は、カセットスプロケットとフリーボディの共振(共鳴ノイズ)の抑制です。
そのマイクロスプライン用スプロケットに採用されたリングもポロリ&付け忘れ対策からか、早々に下記のようなマイナーチェンジを受けた経緯があります。
CS‑M9100:Y1X401500/Low spacer(取り外し可能)
CS‑M9101:Y0GX01500/Adhesive ring(接着式)
余談ですが、以前からユーザーにスプロケット共鳴が指摘されていたSRAMは、 “Stealth Rings” という防振エラストマーを採用しており、これはシマノの Adhesive ring と同様に “スプロケット間にシム/ダンパーを追加して異音・共鳴を抑える技術です。店主記憶が曖昧ですが、他社にも類似の発想はあったかと。
話をシマノの「Adhesive ring」に戻すと、MTBと1xグラベル用コンポで採用されるマイクロスプラインでは、スプロケット底が当たるフリーボディの座面がフラットで面積が大きく、スプライン勘合の遊びも少ないためか冒頭のウェービング現象は発生しません。
従来からあるスプライン規格の派生とも言えるロード用HG‑Lは、座面が狭く斜め(テーパー形状)でスプライン勘合が緩い上に、ホイールやハブの設計者が干渉回避や生産性を理由にハブボディをアレンジしているため形状にバラつきがあり、この問題の解決は一筋縄ではいきません。
※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。
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