2019年8月18日日曜日

BCD/PCD 130 38T インナーチェーンリング | ULTEGRA アルテグラ Di2 6770 R8050 ミックスアセンブル Voluptas/ウォルプタース Di2編

ベースバイク:Voluptas/ウォルプタース Di2

PCD130-5アームクランク
インナーリングを39→38Tへ

FD/RDを6770→R8050へ
自転車業界の今時期は、来季MY2020モデルの展示会が真っ盛りで、どの小売店さんもどのブランドと契約するのか、モデル・サイズを仕入れるか頭を悩ませている頃だと思います。他の製造業でも同じですが、メーカー&エンジニアサイドは知恵を絞って、更に軽く/速く/快適に使いやすく「Make you want to buy」を高めるために新技術/新規格/新モデルを投入してきます。

我々小売店もそれをベースに使い方をお客様に提案したり、ニーズにあったバイクをセレクトするのを生業にしています。他方、ベテランライダー等で既にスポーツバイクを嗜まわれているユーザー目線だと、本質的にはあんまり変わってないんじゃないの?と見透かされている気がして、空しい煽りのようにも思えてしまうものです。

ただ、サイクリングは道具を使うアクティビティなので、自身のフィジカルや状況に応じて最適なモノを選択することで、さらに楽しめたりフィールドを広げることができるのも事実。ということで、2005~2010年頃のロードバイク・バブルの頃に購入された車体を想定した効果的なカスタマイズをご提案。

左:38T、右39T(FC-6700-G純正)

重ねてみると1t分歯先円直径が小さいのが分かります

歯底とボルト頭がギリギリの近さ
1.BCD/PCD130クランク用 38T インナーチェーンリング
BCD110どころかダイレクトマウントが主流なこのご時世に、「BCD130-5アーム?」と思われる方もありましょうが、4アームデザインは受入れがたいとか、コンパクトクランクは女子供が使うものだと頑固に突っぱねられる昭和なライダーさんもいらっしゃるかと。

そんなBCD130原理主義な貴方も、老いには敵いません。店主も昔は、52/39×12-25tの組合せでしたが、フィジカル低下の今では、52/36×11-28tが定番です。ちょっと年季が入ったBCD130-10s時代のシマノコンポーネントでも、「インナー38t」を用いるとコストを抑えながら、それに近いギア比が実現できます。

お使いのRDが「RD-5701」や「RD-6700-A」なら、スプロケット「CS-6700 10S 12-30T」との組み合わせが可能です。変更例:52/39×12-25t→52/38×12-30t。最ローギア比は、36/28=1.29に対して38/30=1.27となります。

そんなニッチな「インナー38t」。8-9s時代の頃までは、SUGINO製があったと思いますが、現代だとTAぐらいしかないかと。今回は、それよりも安価でご用意できそうなリングを試しました。TAに比べて味気ない仕上がりです。

必然的に39tから基準円は小さくなり、アウター裏のスパイクピンと相関は取れなくなるので、インナー→アウター変速時のチェーン掛かりが甘くなりますが、許容範囲かと。ご興味のある方は、取寄せ可能なのでお問い合わせください。

Before:RD-6770

After:RD-R8050


RD-6770とRD-R8050の比較
現行品は、外観がスッキリした印象ですが、モータ本体のサイズはさほど変わりなし
シングルテンション化で、モータ配置がホイール側に隠せてコンパクトに見えています

FD-6770

FD-R8050
2.アルテグラ 6770 Di2 10s の11s化
既にアルテグラ Di2も6770→6870→R8050と代替わりしていますが、6770をお使いのお客様から、時々ご相談を受ける案件。まず、お使いのホイールのフリーボディが11s対応しているのが前提です。

6870が出始めた頃は、メーカー保証外ですが「RD+スプロケ+チェーン」の3点を交換すれば11s化出来ました。ただし、ファームウェアがアップデートされた現在は、さらに「FD」も交換しないと動作しません。Di2の脳味噌にあたるバッテリーマウントのアップデートを避けていれば、すり抜けできそうですが、省電力化やD-FLY対応との天秤になります。この辺りは、Y'sRoadさんのサイトで検証されてます。確かこの頃までは、FD/RDでロード/MTBコンポもミックスできた気がしますが、それもシマノ互換チャート通り今は不可です。

ただ、フロントシングル・1×11sのRD-RX805/-RX817/-M8050等で運用するなら、前述通り3点パーツを交換すれば動作可能です。FD/RDのハード縛りが厳しくなったのは、ソフト作成の簡易化、RDのシングルテンション化でインナー×トップ2枚を殺す制約、パーツ購入の促進といったところかと。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。