2018年12月23日日曜日

クラッチ/スタビライザー付きRD リアディレイラーの未来を考える ROLLER BEARING CLUTCH/SHIMANO SHADOW RD+




シマノ・シャドー・RD+/SHIMANO SHADOW RD+

SRAMが「ROLLER BEARING CLUTCH」で最初に導入、シマノが「SHADOW RD+」で追従したチェーンテンションを高めに維持するスタビライザー付きRD。ナローワイドチェーンリングと並び、現代のMTBに必須な機能になっています。

機械要素に同じ目的で様々なカラクリがあるが、下記動画がシンプルで分かりやすい。巻取/出装置に多く使われる機構だが、ローラーブレーキに近い仕組かと。


このスタビライザー機能は、チェーントラブル低減に非常に有効だが、ロー側変速時に大きな力が必要で、Di2やE-tapの電動シフトだと電力消費につながるデメリットに。シマノは、On/Offレバーを設けて状況に応じて使い分けられるが、ここに注目して製品化したのが、Box ComponentsのAdjustable Tri-Pack Limited Slip Clutch。ワンウェイローラーベアリング&フリクションプレートにより変速時は通常動作、瞬間的な入力にはフリクションが掛かる仕組です。

Box Components Adjustable Tri-Pack Limited Slip Clutch

以前から店主は、SHADOW RD+の摩擦方式ならDi2との組み合わせで、変速時にスタビライザ抑えを瞬間的に離す機構を追加すれば良いし、それでワイヤ式と差別化できると考えてました。米国のグラベル/オールロード市場拡大もあるので、おそらく実現するかなと。

Patent Patrol: Direct thru-axle mounted SRAM rear derailleurs


Patent Patrol: Hydraulically damped SRAM rear derailleurs

そんな中、飛び込んできたのがBIKERUMOR! Patent Patrol: Direct thru-axle mounted, hydraulically damped SRAM rear derailleursの記事。出願されたダイレクトマウントRDは、フレームデザインが限定されますが、フレームからセミフローティングさせてホイール交換時のRDポロリも防げるし、車軸との直角度も一元的に確保できるアイデア。

また、新しいスタビライザー機構は、速度依存のハイドロダンピング特性を上手く利用したシンプルな機構で、ワイヤ式&電動シフトの両方に導入可能です。店主も過去にRD-M800/SAINTの先見性ダイレクトマウント・リアディレイラーの優位性をポスト、着目点こそ同じですがSRAMのエンジニアは優秀ですね。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。