2018年12月31日月曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その2 バイシクルクラブ 2018/12月号 掲載頂きました





店主自身が取材されたことを忘れていて、嗅覚鋭いお客様に突っ込まれて思い出したのですが、バイシクルクラブ/BiCYCLECLUBの2018/12月号で当店を掲載頂きました。ご近所のTOKYO WHEELSさんさんのご縁でしたが、ありがとうございます。amazon kindle unlimitedユーザーなら、バックナンバーも無料で読めるようです。

その誌面でもインタビューされたり、過去のポストが業界筋やごく一部のマニアックな方から好評だったので、調子に乗ってロード用 ディスクブレーキの今後の動向を徒然になるまま述べてみようと。

1.ロードバイク用の油圧ディスクブレーキの世論が変わった2018初夏
ロードバイク用の油圧ディスクブレーキをシマノがデリバリー開始した直後から、店主は将来的にそれがスタンダードになりますよとお客様に案内していました。ただ、エンドユーザーの反応は半信半疑で、否定的なイメージを持っている方も多かったです。

世論の風向きがガラッと反転したのは、2018/6-7月頃。TREKとSPECIALIZEDの大手2社のMY2019フラッグシップモデルがディスクブレーキ設定のみと発表したのが大きかったな~というのが実感。まあ、店主の影響力など所詮そんなものです。

2.スルーアクスルだとスチールとチタンは過剛性?
先述のバイクラ誌面でもちょっと話したのですが、補足すると…。油圧ディスクブレーキは、スルーアクスル方式がマスト。リア軸とブレーキ台座の幾何公差/直角度を確保するには、ドロップアウトと台座は一体にしたい。そうすると、相対的にチェーンステーのパイプ長は短くなり、しなりにくくなる。断面係数的には、パイプのほうがねじり剛性は有利ですが、設計の自由度が減るというのが大きい。

カーボンは積層と形状でコントロールでき、アルミはハイドロフォーミングがあるので、マスプロなら形状の自由度が確保できるので、ここら辺の味付けがし易い訳です。一方、スチール&チタンはどうしてもその自由度が小さくて、従来のQR仕様のヒラヒラした自転車から乗り換えると硬めなフィーリングに。ディスクブレーキ台座をフローティングさせれば良いのかもしれませんが、精度やビビリを考えると現実的ではありません。

ただ、その過剛性感も25C幅までのタイヤを履いている場合に限定され、エアボリュームが稼げる28C以上のタイヤだと感じないと思います。スチール製MTBが重量ネガは指摘されるが、過剛性はまず指摘されないのと同じです。

Ritchey OUTBACK リアブレーキマウント

スチールでも出来るだけドロップアウトを小さくして、パイプ長を稼ぐアプローチをしているのモデルもあります。例えば、Ritchey OUTBACKNiner RLT 9 Steel
で両者ともグラベルロードバイクですが、台座周りもパイプで構築されています。ちなみにNinerはKonaで使われているディスク台座小物と同様かと。

3.スルーアクスルチューニング
E-BIKEやエンデュランス系ロードは、路面追従や振動吸収を高めるため、将来的にサスペンションが装備される可能性が高いですが、過渡的にバックステーをより積極的にたわませるアプローチが取られると予想されます。

そうすると、左右チェーンステーが捻じれる動きにつながり、それをつなぐスルーアクスルに荷重がかかり、φ12のアルミ製アクスルだとネジ山がだめになったり、金属疲労が露呈しそうです。まあ、過度なステーねじりは推進スポイルになるので加減が要りますが。

ならばいっそのこと、RDやディスクキャリパをフローティングさせて、アクスル端にピロボールかな~と思いますが、そこまでいったらサスペンションですな。

ともあれ、軸剛性を高めるためにスチールやチタン製のスルーアクスルがチューニングパーツとして発売されるのでは?。グレードによって素材が違う、シマノ製ホローテック2のクランク軸と同じ考え方です。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト
その1
その2
その3
その4

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