2026年4月30日木曜日

Colnago Master MTB Art Decor | コルナゴ マスター 26インチ アルミフレーム ビンテージ MTB アートデコール 70mm ITA イタリアン規格 BB & オクタリンク Octalink コストを抑えながら復旧

Colnago Master MTB Art Decor | コルナゴ マスター 26インチ アルミ MTB アートデコ

右クランクが破損して不動になっている「Colnago Master MTB Art Decor(コルナゴ マスター MTB アートデコール)」の修理を承りました。26インチのアルミフレームで1990年代のビンテージMTBに該当する車体ですが、床の間バイクではなく、気軽な普段使いの街乗り用に復旧されたいとのことでした。

製造をGIANTに委託する前のフレームで、M900&950系のXTRを用いて組まれた本車体。大袈裟かもしれませんが、車で例えるならフェラーリの旧車250あたりでコンビニへ行く感覚なので、熱心なコレクターの方からすれば「おい!」とツッコミが入るかもしれません。

お話を伺ったとき、当時のCOLNAGOのMTBだと、もしやと警戒していましたが案の定、ボトムブラケット(BB)は70mm幅のITA(イタリアン)規格。さらにOctalinkという高いハードルが立ちはだかっていました。それでも、コストを抑えつつ何とか復旧させることができました。

トップチューブ:Art Decor
ステム:MODOLO
Before
ボトムブラケット:70mm ITA イタリアン規格 & オクタリンク Octalink V2 軸長118mm

当初はスクエアテーパーのBBに換えて、フロント3段でクランク周りを再構築することを考えましたが、イタリアンBBかつ軸長123mmという条件では、シマノもタンゲ精機も既に生産を終了。仕様が合うTAやPhil Wood製だと、BB部品代だけで4万円を超えてしまいます。

MTB用のホローテックIIにITA規格はないため、ロード用BBにスペーサーを追加してMTBクランクを取り付ける。あるいはTIAGRAやSORAのロード向けトリプルクランクを流用することも考えましたが、歯数50Tに合わせてFDクランプ位置を上げるとボトルケージ台座と干渉したり、歯先距離も広がる問題もあります。

いっそのことフロントシングル(1x)化して、ロード寄りのCUES「FC‑U6030‑1(CL50mm/42T)」に入れ替えることも考えましたが、XTRシフターがブレーキ一体式のため、できればそのまま残したいところ。

FC-M311 42X32X22T 170mm 8S/7S ガード無し Octalink V2

元のオクタリンク規格は20年以上前に廃止されているため、クランクの入手は諦めていましたが、奇跡的に問屋さんの在庫が1点見つかったので、エントリーグレードではありますがそれを使うことにしました。

確保したFC‑M311は7〜8速用ですが、贅沢は言ってられないし、街乗り用途であれば9速でも問題なく使えるだろうと。ただし、オクタリンクはシマノ独自規格だったこともあり、軸長が厳密に定められています。

古い資料を読み返すと、該当クランクセットの指定軸長が126mm、現状が118mmのため、チェーンラインは基準値より4mm内側に入る計算になります。結局のところフレームとの干渉などは、実際に組んで確認するしかありません。ちなみに生産継続しているBB-ES300 ITAの軸長は113&118mmのみで、126mmは展開がありません。

FC-M331 JAM防止爪
JAM防止爪をカットしてBB干渉回避

FC-M331は、インナーリング内側にチェーンが落ちたときのJAMを防ぐための4つの爪があります。BB軸長が短いことで、クランクが指定位置よりも内側に寄るのでその爪がBBに干渉したので、カット+端面タッチアップして対処しました。

Before:左クランク
左:FC-M331 / 右:FC-M751
Octalink セレーション比較
左:FC-M331 V2 深い  / 右:FC-M751 V1 浅い
左:FC-M331 / 右:FC-M751

おさらいすると。オクタリンク規格はやや分かりにくいのですが、V1とV2の2種類が存在し、セレーションの幅と深さが異なるため両者に互換性はありません。今回のクランク交換により、BBを含めてV2規格に整合しました。

V1クランクはV2のBBに物理的に挿入できてしまいますが、ガタつきが生じ、強度が確保できないため、絶対に避けるべき組み合わせです。今回の右クランク破損もその影響であると考えられます。
※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年4月29日水曜日

シマノ リペアパーツ ゴムシール Y41612000 | Shimano Rubber Seal PD‑M730 / PD‑M731 / PD‑M650 / PD‑M505 / PD‑M535 / PD‑M323 / PD‑M324 旧型ペダルにも適用可

Shimano SPD PD‑M535 & ゴムシール(Rubber Seal) Y41612000

シマノのリペアパーツ 「ゴムシール / Y41612000」を取り寄せて、SPDペダル PD‑M535を修理しました。このリング状のゴムシールは、PD‑M324・PD‑M535 以外にも複数の旧フラット&SPDペダルに“完全互換(Aマッチ)” として適用できます。

Y41612000 ラバーシール 対応しているペダル一覧
Shimano Deore XT PD‑M730 
Shimano Deore XT PD‑M731
Shimano Deore DX PD‑M650 
Shimano SPD PD‑M505 
Shimano SPD PD‑M535
Shimano SPD PD‑M323 
Shimano SPD PD‑M324

これら旧世代ペダルの多くで共通化されているため、同シールは軸ユニット構造が同系統のモデルでは広く使用されています。1980年代に発売されたフラットペダルである XT PD‑M730/M731 や DX PD‑M650 も含まれるため、ビンテージMTBのレストアにも活用できます。

ゴムシール:Y41612000
Shimano SPD PD‑M535
ゴムシール欠損状態
キャップを外し、ナットを緩めてスピンドルを抜くのが交換セオリー

ゴムシールの弾性を維持するには、ペダルボディ側のキャップを外し、スピンドルを抜いてから順番に組み戻すのが正しい手順です。ただ、グリスアップや予圧調整が不要で、作業を簡略化したいときはクランク側から挿入することもできます。その際は、ラバーシールのリップがハウジングに正しく収まるよう注意してください。

ゴムシール:Y41612000
ゴムシール:Y41612000
ゴムシール復旧後

製品寿命の短さが指摘される今日にあっても、40年近くリペアパーツの供給が続いてきた背景には、SPDペダル PD‑M324 が20年以上のロングセラーとして生産されてきたことがあります。しかし、その PD‑M324 もそろそろ生産終了になりそうな気配なので、このゴムシールも近い将来入手が難しくなる可能性があります。

また、この Y41612000 は部品の大半が露出している構造上、耐候性に乏しく、クラックが入りやすい点が難点です。汎用Oリングを組み合わせて代用する方法も考えられますが、外観を含めて入手できるうちは、純正パーツで修復しておきたいところです。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2026年4月28日火曜日

CHAPTER2 RIRA | チャプターツー リラ FSA / VISION ST NS SMR2 alloy ハンドル別体 ステム ホース内装 セットアップ

CHAPTER2 RIRA | チャプターツー リラ
FSA / VISION ST NS SMR2 alloy ステム セットアップ

お乗りのロードバイクからCHAPTER2 RIRA(チャプターツー リラ)へのフレーム支給による入れ替えを承りました。  RIRAは軽量モデルのHURUとオールラウンドモデルのTOAの中間に位置する設計思想で、「軽さ × 俊敏性 × 現代的規格」をバランスよくまとめた軽量オールラウンドバイクです。

フレーム素材には東レ T1100 カーボンを採用し、UDHやT47 BBといった現代的な規格に対応しています。CHAPTER2らしい独自のカラーリングも特徴です。

ステム:ホース内装の VISION ST NS SMR2 alloy  -10°
クランクセット:FC-R9200+R8100チェーンリング

コンポーネントは、シマノ・アルテグラ R8170ベースでセットアップ。クランク周りは、FC-R9200アームにR8100チェーンリングの組み合わせでしたが、思いのほか違和感がありませんでした。

バーテープ:fabric LOGO Black / Mint
バーテープ:fabric LOGO Black / Mint
T47 BB:タンゲ精機 TS-T47
加工前:ステムとトップカバー
加工後:ステムとトップカバー

汎用的な外装ステムであれば大きな手間はかかりませんが、今回はブレーキホースの内装をご希望のため、やや工夫が必要でした。作業の流れは以下の通りです。

1.元バイクのポジションをトレース
2.新フレームで仮組み
3.ステム長の選定と手配

支給されたハンドルはTHOMSON製で、ケーブル類が外装される一般的な形状。したがって、ステムから内装する形となります。アフターマーケットの対応パーツは「DCR(Deda Internal Cable Routing)」か「FSA / Vision SMR」の二択に絞られます。

CHAPTER2 RIRAのパーツリストを見ると、FSA SMR ADAPTERが同梱されているようだったので、それならSMR規格で進めるのがスムーズと判断しました。ハンドルポジションは低めを希望されていたので、FSA/VISION製ステムの方がマッチするとも考えたためです。

VISION ST NS SMR2 alloy:トップキャップ側が平面なのでスペーサーが積めます

ところが実際はフレームにADAPTER が付属しておらず、標準のヘッドセット・トップカバーでは凸位置が SMR規格 と合致しません。3Dプリンターでアダプターを起こす案も検討しましたが、構造部品である以上、耐久性を確保するためのフィラメント選定など懸念が残ります。ひととおり検討した結果、ステム側の樹脂パーツを現合で加工して対応することにしました。

両者とも図面も無く、当初はライダー側の穴を1つ増やせば解決すると見込んでいましたが、進行方向側の穴位置も微妙にずれていたため長穴化して調整しています。見えない箇所ながら見栄えはイマイチですが、組み合わせた際のガタはなく、外観は後付け感も出ない仕上がりになりました。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

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