ロードバイク ジオメトリ考察 |
元来、小柄な日本人には700Cホイールは大きすぎるというのは、リムブレーキ時代から知られており、ザックリ言うと身長163cm/股下73cm/ホリゾンタル480mm以下なら、650Cホイールのほうが、理想的なフレームジオメトリが確保できます。その辺りに着目したマスプロモデルとして、tokyobikeやTern Rojiが挙げられます。
その一方、650Cはタイヤ&リム等の選択肢が少なく、また、走破性や転がり抵抗は車輪径が大きいほうが有利と言った面もあり、市場にあるロードバイクの殆どが700C規格を採用してます。
さて、ディスクブレーキ化された現代のロードバイク。リムブレーキ時代にあったキャリパブレーキのクリアランス制約から解き放たれたこともあって、2020年ごろからワイドタイヤ化が進みました。
振り返ると、リムブレーキ時代はスチール→アルミ→カーボンのフレーム素材遷移に沿って、タイヤ幅は19~21→23→25mmと10年刻みで徐々に変化して来ました。ただ、ここ2~3年でスルーアクスルによるフレームねじれ剛性UP/ワイドリム化の背景もあって、28~32mmと一気に加速。
それなら、大は小を兼ねて、ワイドタイヤが入るロードバイクに一本化すれば良いんじゃないの?思われるかもしれませんが、闇雲にできない理由があるのです。分かりやすいのが、チェーンステー周りの「リアタイヤ/リング/FD」スペース取り合いで、タイヤクリアランスを大きくすると、チェーンリングサイズに制約が生まれます。
180cm超のライダーだと、フレーム設計に自由度があるのでワイドタイヤ化による影響は軽微ですが、175cm以下だと理想的なジオメトリ確保が難しくなって、165cm以下になると顕著になります。まあ、いざ乗ってしまえば、慣れの範疇ではありますが…。
リーチ(P)やスタック(O)と言った指標もありますが、今回は分かりやすくするため、それらには触れずに話を進めます。
ヘッド角やフォークオフセットで稼ぐにも限度があるので、トップチューブ(B)を伸ばしてフロントセンターを確保する流れに。言わずもがなハンドルは遠くなるので、短めなステムorリーチのハンドルで合わせるしか無いのですが、そうするとハンドリングに変化が生じます。
また、ワイドタイヤ対応でリアセンターも自ずと延長されるので、総和のホイールベースは伸びて旋回性が損なわれます。リアセンターを維持しながら、ワイドタイヤを収めるには「出っ張りが少ない電動FDのみ or フロントシングル」となり、結果的に29er・MTB同様の落としどころになってしまいます。
想定タイヤが25→30Cへの変化に伴って、BBドロップ(K)は65~70mm→70~75mmと大きくなり、後ろ側の地上高(L)を保つよう設計されてます。
一方の前側。大径化したタイヤ(Q)+伸びたフォーク肩下長(R)の積み上げで、ハンドル高さは2~3cm上がります。ハンドル高さは、前下がりステム等で何とか帳尻を合わせることができます。ただ、トップチューブ前側の高さは上がったままです。
SuperSix EVO:公称最大タイヤ幅30C |
Synapse Carbon:公称最大タイヤ幅35C |
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