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2023年5月11日木曜日

闇雲にワイドタイヤ対応できないフレーム設計 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その8

ロードバイク ジオメトリ考察

元来、小柄な日本人には700Cホイールは大きすぎるというのは、リムブレーキ時代から知られており、ザックリ言うと身長163cm/股下73cm/ホリゾンタル480mm以下なら、650Cホイールのほうが、理想的なフレームジオメトリが確保できます。その辺りに着目したマスプロモデルとして、tokyobikeやTern Rojiが挙げられます。

その一方、650Cはタイヤ&リム等の選択肢が少なく、また、走破性や転がり抵抗は車輪径が大きいほうが有利と言った面もあり、市場にあるロードバイクの殆どが700C規格を採用してます。

さて、ディスクブレーキ化された現代のロードバイク。リムブレーキ時代にあったキャリパブレーキのクリアランス制約から解き放たれたこともあって、2020年ごろからワイドタイヤ化が進みました。

振り返ると、リムブレーキ時代はスチール→アルミ→カーボンのフレーム素材遷移に沿って、タイヤ幅は19~21→23→25mmと10年刻みで徐々に変化して来ました。ただ、ここ2~3年でスルーアクスルによるフレームねじれ剛性UP/ワイドリム化の背景もあって、28~32mmと一気に加速。

それなら、大は小を兼ねて、ワイドタイヤが入るロードバイクに一本化すれば良いんじゃないの?思われるかもしれませんが、闇雲にできない理由があるのです。分かりやすいのが、チェーンステー周りの「リアタイヤ/リング/FD」スペース取り合いで、タイヤクリアランスを大きくすると、チェーンリングサイズに制約が生まれます。

180cm超のライダーだと、フレーム設計に自由度があるのでワイドタイヤ化による影響は軽微ですが、175cm以下だと理想的なジオメトリ確保が難しくなって、165cm以下になると顕著になります。まあ、いざ乗ってしまえば、慣れの範疇ではありますが…。

リーチ(P)やスタック(O)と言った指標もありますが、今回は分かりやすくするため、それらには触れずに話を進めます。


1.長くなるトップチューブとホイールベース
ハンドルを切った際に「爪先-前輪の干渉」回避するのがトークリアランスです。タイヤ外径(Q)に着目すると、700×25Cだとφ670、35Cはφ690ゆえ、フロントセンター(I)を10mm弱伸ばす必要があります。

ヘッド角やフォークオフセットで稼ぐにも限度があるので、トップチューブ(B)を伸ばしてフロントセンターを確保する流れに。言わずもがなハンドルは遠くなるので、短めなステムorリーチのハンドルで合わせるしか無いのですが、そうするとハンドリングに変化が生じます。

また、ワイドタイヤ対応でリアセンターも自ずと延長されるので、総和のホイールベースは伸びて旋回性が損なわれます。リアセンターを維持しながら、ワイドタイヤを収めるには「出っ張りが少ない電動FDのみ or フロントシングル」となり、結果的に29er・MTB同様の落としどころになってしまいます。


2.高くなるハンドル位置 & 強まるスローピング
想定タイヤが25→30Cへの変化に伴って、BBドロップ(K)は65~70mm→70~75mmと大きくなり、後ろ側の地上高(L)を保つよう設計されてます。

一方の前側。大径化したタイヤ(Q)+伸びたフォーク肩下長(R)の積み上げで、ハンドル高さは2~3cm上がります。ハンドル高さは、前下がりステム等で何とか帳尻を合わせることができます。ただ、トップチューブ前側の高さは上がったままです。

リムブレーキ時代にクラウンにあったブレーキ固定穴が無くなったので、タイヤ幅30mmぐらいまでなら、フォーク肩下長は足し引きゼロで旧来同等に収まりますが、それを超えると必然的に肩下は伸ばすことに。それじゃ、伸びたフォーク長さ分をヘッドチューブ(G)で短くすれば、帳尻が合うんじゃない?と思われるかもしれませんが、小さめなフレームのヘッドチューブは必要長まで詰められており、削りしろがありません。

大径化で先行したMTBは、幾つかの課題解決のためインテグラル・ヘッドセットを採用した経緯がありますが、ロードバイクも既に同規格へ移行済でワン高さ分は消化済み。Topstone Carbonのようにトップチューブとダウンチューブを前部で連結、ボックス化して断面係数を稼ぐ手もありますが、見た目がMTB寄りになります。

リムブレーキと異なり、フォーク先端にブレーキキャリパが備わるディスクブレーキはモーメントが大きくなります。接合するトップ&ダウンチューブ外径や応力分散、強度&剛性を考えると、ヘッドチューブ長は100mm程度必要に。加えて、身長が高い=フレームサイズが大きくなると想定体重も増えます。運動エネルギーは体重に比例するので、フロントフォークに掛かる荷重も大きくなり、必要なベアリング間距離に応じてヘッドチューブは長くなります。
SuperSix EVO:公称最大タイヤ幅30C


Synapse Carbon:公称最大タイヤ幅35C

つらつらと書きましたが、トップチューブのヘッドチューブ接合部の位置が高くなることで障害になるのが、「スタンドオーバーハイト(F)」です。少なくとも股下から-2~3cmが設計指標になりますが、それを確保するには、シートチューブを短く&スローピング角度を大きくして逃がすしかありません。

この辺りが、Cannondaleの48~54で「SuperSix EVO」と「Synapse Carbon」同サイズ比較で、シートチューブ(A)が3cm短くなる理由です。Synapse Carbonを選ばれる際で、サイズ境界で悩まれる場合。グラベル用途/ワイドタイヤ装着/股下確保/懐に収まる感を大事にされる方は、推奨サイズを。シートポストの出量を抑えたい方は、それらに多少目をつぶって、リーチを勘案しながら大きめのサイズを選ぶ感じになるかと。

グラベル&ロードバイクの一部は、最適なジオメトリ確保のため650B規格を採用しておりますが、冒頭と同じ理由で700Cに再統一されると考えます。また、「長めなフロントセンター/ショートステム/寝かせたヘッドアングルを組み合わせたスラック・ジオメトリ」に移行した現代MTB同様に、ロードバイクもワイドタイヤに最適化された形へ徐々に変わっていくものと推察されます。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト
その1
その2
その3
その4

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2022年10月4日火曜日

ロードバイク エアロダイナミクスの行き着く先 Apple Glass 頼みが透ける未来 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その7

SILCA MENSOLA COMPUTER MOUNT
road.cc/twitterから

MY2023の発表が進む今日この頃。ロードバイクのここ最近のトレンドを振り返ってみると、MY2015-2016頃から続くのが「エアロダイナミクス/空気抵抗低減」。後半のMY2018-2019からは、それに「ディスクブレーキ」も加わり、「ディスク+エアロ」がメインストリームに。

従来、トレンド推移は4-5年でエアロ⇔軽量の反復でしたが、その傾向に反してエアロが続いているのが現状です。理由は、ディスクブレーキ導入によりリムブレーキ対比で重量的に不利になり、新モデルの特徴として訴求しにくくなったことが挙げられます。

2000年頃から、金型で起こされるカーボンフレームがレース標準になったことで、ジオメトリの自由度が奪われ、ポジションやフォームを確保するために様々な形状(ドロップ&リーチ)を持ったハンドルが生産されるようなったのが、ここ20年の歴史かと。アルミ・ハイドロフォーミング技術が発達した側面もありますが…。トッププロだと、さらにワンオフのステムを用いて帳尻を合わせている現実もあります。

MY2023エアロ・ロードですが、これまでライダーの体格にマッチしたモデルを選べるように自由度が保たれてきたコクピット周りへ遂に手が付けられ、「幅狭/ハの字/翼断面ハンドル」を標準装備されるのが特徴に挙げられます。

ハンドルは、ライダー/Fホイール/Fフォークに次いで、CdA(主に前方投影面積)に影響するのは周知の事実でしたが、ライダーの好みやフィッティングを差し置いて、とにかく空気抵抗低減を訴求するフェーズに入った感。

無線シフト&油圧ブレーキ化の副産物、もしくはネタ切れとも読み取れますが、UCIルール改定で前腕をハンドル置くエアロポジションも禁止になった背景も。時代がアダム・ハンセンに追いついたとも言えます。

こうなってくると、次に目の敵にされるのが、ハンドルから突き出たサイクルコンピュータの「アウトフロントブラケット」かと。先行してwahooは、ELEMNT BOLTでコンピュータとマウントを一体化したデザインを採用。また、公開直後にチ〇ポと揶揄されたチタン粉末焼結3Dプリントで作られた「SILCA MENSOLA COMPUTER MOUNT」も記憶に新しい処です。

サイクルコンピュータの取付スペースを考慮すると、ハンドル/ステム/トップチューブ辺りにビルドインすることも考えられますが、クルマのダッシュボード・DINのように規格化が必要かつ見易さは損なわれます。

もしくは、GARMINが過去に上梓したり、Luxottica傘下のOAKLEYが研究開発を進めているとされる「Nreal Air」のような「アイウェア統合型デバイス=スマートグラス」に代替されるかもしれません。バッテリー他の小型化など、各要素技術の成熟待ちですが…。

その一方、各電子部品のコストを現実的な価格に落とし込むには、市場サイズが必要ゆえ、結局のところスマホ普及の先鞭をつけたiphone同様に、スマートグラスも「Apple Glass」上梓頼みな面は否定できません。

後追いの二番煎じ、三番煎じの類似品で市場形成されれば、その後は、ヘルメット+アイウエア+スマートグラスがインテグレートされるのも時間の問題です。或いは、ディスプレイの替わりに、コクピットからホログラムを投影してアイウエアを介して見るのが現実的になりそうです。

全くの余談ですが、店主の学生時代、友人と高崎観音の前を通るたびに「ビッグち○こ」とキャツキャッしてたのは良い思い出です。

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2022年7月4日月曜日

ロードバイク ロータータッチ ディスクブレーキ × フロントフォーク 不都合な真実 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その6

イメージ(画像と記事本文は直接関係ありません)

先に断っておきますが、店主はロードバイクはリムブレーキモデルが最高!とか毛頭考えてません。むしろ、油圧ディスク→リムブレーキに乗り換えてダウンヒルすると、ブレーキの効かなさにビビるぐらいですし、早い段階からディスク化を推奨してきました。

そんなディスクブレーキ搭載のロードバイクですが、スルーアクスル/フラットマウント/パッドクリアランス拡大等で改善されていますが、未だ発展途上ゆえ改善余地が残されているのも事実です。店主が、以前から完成車での買い替えを勧めているのも、それが理由です。

ディスクロード・ユーザーで不満に挙がるのが、ロータータッチノイズです。前後で比較すると、殆どはフロントフォーク側が発生源になります。自転車の場合、大半の荷重は後輪に掛かりますが、リア側はトラス構造ゆえ捻じれに強く、作り込みも進んで幾何公差も担保されてきたからです。

キャリパ固定ボルトのサイズが小さい&取付ピッチが狭い等の規格側面や、そもそもロータークリアランスが狭すぎるのもありますが、ロータータッチの主な原因は下記に大別できます。
  1. ダウンヒル時→ローター発熱、不均一な熱膨張によって応力が生まれ歪む
  2. ホイール脱着後→ドロップアウト内面の平行度&平面度不足
  3. 立ち漕ぎ時→フォークの剛性不足
1は、解消まで至らないですが、ローター径をφ140と小さくしたり、熱歪みが小さい新型ローター(SM-RT900/RT800→RT-MT900/MT800→RT-CL900/CL800)に交換して改善しているのが現状です。

2は、スルーアクスルはクイックレバー対比で、ロータータッチ発生は圧倒的に少なくなりました。ただ、ドロップアウトの平行度や平面度をブレーキパッドのクリアランスが吸収できていない現実もあって、それがホイール脱着するとロータータッチする主因です。

新型R9200/R8100のキャリパは、ロータークリアランスが広めに設計されてロータータッチが出にくくなっています。キャリパだけを、上記モデルにしても恩恵は受けられますが、原理を考えるとレバータッチが悪くなるので、当店ではおススメしておりません。 

3は厄介で、フロントフォークが「エアロ/軽量/剛性/振動吸収/カッコよさ」の要求全てを成立させるのは至難の業です。カーボン積層にもよりますが、翼断面(=ブレード形状)のフロントフォークはロータータッチが発生しやすい傾向があります。
Road Bike Action Magazine
READY FOR UNBOUND GRAVEL: SHIMANO’S GRX LTD. BIKE GALLERY
より

進行方向のたわみで振動吸収を保ちながら、左右方向の剛性を稼ぐアイデアとしては、English CyclesがUNBOUND GRAVEL 2022で公開したデモバイクのフロントフォーク形状が考えられます。
HOPE社 HB.T LAUNCHES より

一方、トレンドはワイドリム&タイヤに進んでいるので、衝撃吸収機能をエアボリュームが増したタイヤに担わせることで、フォークをさらに高剛性化するアプローチが取られることも考えれられます。そうすると、剛性とエアロダイナミクスを追求した「Lotus / Hope HB.T」のようなフォーク形状に行き着くのかもしれません。

左右剛性を確保しつつ、前後方向へ適度に変位させるなら、上記のようなダブルクラウン仕様が近道と思っていたら、TRI用バイクで「CADEX TRI FRAMESET」が発表されて、やっぱ同じこと考えるよね~となった次第。

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2020年10月30日金曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その5 クロモリ/スチール フレーム剛性バランス

クロモリ/スチール・スルーアクスル・ロードバイク
東京サンエス OnebyESU JFF#701D 試作品

過去にポストしたその1その2その3に続いて、スチール/クロモリ製のスルーアクスル・ディスクブレーキロードのフレーム剛性や前後バランスについて考えてみようかと。

MY2018頃から登場した、エアロ/ディスクブレーキ/スルーアクスルの3要素を搭載したカーボン製エアロ・ロードバイクに乗られた方から「速い」や「進む」の感想をよく耳にしました。ついエアロ効果が注目されますが、一番効いているのは、「スルーアクスル」化によるホイール捻じれの抑制と店主は考えています。

ディスクブレーキマウントやスルーアクスル導入で、当初はフレーム前後のバランスがイマイチなモデルも散見されました。しかし、大手マスプロが主戦場とするカーボン/アルミ製フレームは第2~3世代へ経て、リムブレーキ時代の乗り味とは異なるけど、バランスが取れた製品が上市されてます。

一方、スチール(=クロモリ)製のディスク・ロードバイクですが、30c以上のタイヤを履かせるようなグラベルやツーリングバイクは、落としどころが確立されてきた感がありますが、25cタイヤ装着を想定するターマック専用モデルは、小さなマーケットで参入メーカーが少ないこともあり、殆どがまだ最適解を見いだせていないと店主は考えます。

その理由は、細身な高圧タイヤは変形量が小さい故、スチールに期待される「しなやかさ」の配分がフレーム側にも求められるのに、アルミに比べてチューブ肉厚や形状等の自由度が低く、スルーアクスルで剛体になったフレームは荷重のタメやニガシが作りにくいことが挙げられます。それにより、リムブレーキ時代の乗り味の再現を困難にしてます。

そんな背景もあって、ここ数年スチールロードバイクでご相談を受けた際、ターマック用で従来の「ヒラヒラ」した乗り味が欲しいなら、当店ではリムブレーキモデルをお勧めしてきました。

この辺りの模索は、東京サンエスさんの「月刊サンエスウォッチング Vol.21 & 27」に核心を突いたことがサラっと書いてあります。そんな中、マスプロで一歩先んじているのが、老舗「Ritchey/リッチー」。ディスクロード「ROAD ROGIC DISC」のヘッド周りはインテグラル仕様ながら、上下ワンともOS(1-1/8)に抑えられて、重量と剛性バランスを取っているのが窺えます。リアドロップアウトもオリジナルで良く練られています。

そんなこんなで、現時点で店主が考えるターマック向けスチール・ディスクブレーキロードの落としどころは…。

1.ヘッドチューブ&フロントフォーク
「テーパードヘッドチューブ+OSストレートステアリングコラム」→BSC ANCHORのRLシリーズやCannondale Topstone Carbonと同様に下ワンのベアリングは大径化して強度を稼ぎながらも、コラムはストレートのままで過剛性を抑える狙い。ただ、テーパードヘッドの溶接性を考えるとダウンチューブの大径化がベターで、全体的に重量&剛性が増してしまうのが難点。また、肝心のフロントフォーク入手性が非常に低いのが障害です。

「OSノーマルヘッドチューブ+OSストレートステアリングコラム」→先述のサンエスさんの「OnebyESU JFF#701D」や「Ritchey ROAD ROGIC DISC」と同じアプローチ。下ワンBRG.の耐久性&Fブレーキの剛性ダウン、高速コーナーのライントレースが甘くなるのはネガティブ要素ですが、より現実的な落としどころです。

2.リア三角
現代のエアロ系カーボン・ロードバイクで多く採用される「ドロップシートステー」。スチールでもすでに取り入れられた歴史があって、有名どころは「BDI-CHO」かと。当時は、エアロ効果よりも正三角形に近づけて最小材料で高剛性を稼ぐのが狙いだったと記憶します。

ただ、スチールの場合は、薄肉なバデッド部やシートラグが無いことで圧縮応力に耐えられず、シートステーのシートチューブ接合部にクラックが入ることもあり、積極的に採用されることは減りました。シートポストが、補強材の一部を担っているという考えもあります。

CannondaleのSynapse/SUPERSIX EVO/CAAD13/Topstone Carbonは、シートチューブを積極的にしならせて快適性やトラクションを高めていますが、スチールでは難しいアプローチ。リア三角をしならせるだけなら、ステーを伸ばせば良いのですが、キビキビ感は損なわれてしまいます。

それを踏まえると大きめなリア三角で、ブリッジを無くしてバランスを取るのが妥当かと考えています。メーカー目線だと「引張荷重の分散/フェールセーフ/芯だし作業性」の観点から、ブリッジを残したい意見もありますが。

3.ANCHOR Neo-Cot で作れば良いんじゃない?説
BSCさんには以前から要望しているのですが、「ディスコンになったNeo-Cot MTBフレーム」「RL用カーボンフォークコラム」あたりの手札を組合せれば、大きな投資をせずに面白いバイクが作れるじゃないかと期待しています。勿論、マーケットサイズや採算のハードルは付きまといますが。

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2020年10月12日月曜日

ロードバイク ワイドリム&ナロータイヤ 試してみた DT SWISS CRC 1400 SPLINE | スプライン 24 db ETRTO 22.5×622 26Cタイヤ装着 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その4


ふと、「ワイドリム+ナロータイヤ」の組合せをロードバイクで試してみたくなりました。このアプローチがが広く知られるようになったのは、Cannondale・エアロロード「SYSTEMSIX」かと。2018年の発表当時は、物議を醸しだしましたが、狙いはエアロ効果とエアボリュームUPの二つが挙げられます。

エアロ効果に関して、リムとタイヤの段差を無くして空気抵抗を下げるアイデア自体は、2012年にMAVICが「エアロフラップ CX01ブレード」で上市したりで着眼的に目新しくはありません。ただ、近年のディスクブレーキ普及によるタイヤ&リムのワイド化で、両者の外幅を揃える条件が整えやすくなって、ENVEやZIPP等も追従しています。

エアボリュームUPに関しては、リム内幅の拡大で空洞性が高まり、タイヤ外幅も呼び寸法よりも広がることで、快適性やトラクションの高まりが期待できます。店主としては、この効果がどれぐらいあるのかなと興味を持った次第。

ちなみに、SYSTEMSIX・HollowGram KNØT64ホイールの組合せをおさらいすると、外幅32mm/内幅21mmのワイドリムに23Cタイヤを装着して、実測幅は26mmになって、空気圧は低めな5~6Barが推奨されてます。

断面積一定でナロー→ワイド化
断面二次モーメント/断面係数 比較

ワイドリム化は、ホイール剛性UPにも貢献します。ディスクブレーキ化でリムブレーキ時に必要だった摩耗マージンやブレーキ圧力対応が不要になって、リムを薄くすることが可能になります。少々乱暴ですが、中空長方形に単純化して、断面積一定でリム外幅を21→28mmへUPすると、剛性を表す断面二次モーメント/断面係数は10%向上します。ねじれを考慮すると、極断面係数で考える必要がありそうですが。



内幅比較22C/15C

さて、今回は、とにかくリム内幅が広くて軽量なホイールを探しました。ハイトが高いディープリムが映えるのは重々承知していますが、そろそろトレンドがエアロ→軽量化にシフトするだろうと、名品「カンパニョーロ ハイペロン/CAMPAGNOLO HYPERON」の現代版みたいなDT SWISSのローハイト「CRC 1400 SPLINE」をセレクト。同じ系列で「CRC 1100 SPLINE T」もありますが、チューブラー用です。

実は、「CRC 1400 SPLINE」は、ロード用では無く、CX/シクロクロス向けホイール。前後セットの重量1389g、リム内幅22.5mmのワイド仕様。本国サイトの商品紹介では、「…同僚とのカジュアルなランチタイムのクロスライドに最適なホイールセットです」とありますが、前後で定価30万円オーバーな価格ゆえカジュアルとは?と考えさせられます(笑)。

まあ、「CRC/クロス ロード カーボン」ってモデル名だと、海外大手通販「Chain Reaction Cycles」の商品みたいですね。余談ですが、MY2021でクリンチャー/TLRの新モデル「PRC 1100 DICUT MON CHASSERAL/ダイカット 24 モン シャセラル」が発表され、DTスイス史上最軽量の1266gを達成していますが、リム幅は現代ロード用として標準的な18Cです。

2010年頃は、完組ホイールならマヴィック/シマノ/カンパ(=フルクラム)が御三家でしたが、知らぬ間にDT SWISSが割り込んできている感もあります。

チューブレスもビードがスムーズに上がりそうなプロファイル

おそらく、あまり知られていないだろう、このホイールセットですが、Bike Radarのレビューでも軽量&高剛性ホイールとして高評価を得ています。リム断面も今どきの形状で、チューブレスでもビードが素直に上がりそうですが、許容値を超えたナロータイヤを装着するので、チューブドタイヤを選択。ちなみにメーカーのタイヤ推奨幅は、ETRTOベースで32~50C。経験的には28Cぐらいまでが妥当な処かと。

リム・デカール「MIN. TIRE SIZE:33MM」

そんなこんなで、内幅22.5mm/外幅28mmのリムに「IRC ASPITE PRO RBCC 700×26C」と「Tubolito」でセットアップ。クルマで言う「低偏平+引張りタイヤ」な組合せ。入気しても、タイヤ外幅はさほど径成長せず28mmでリムとツライチ。乗ってみると、軽量チューブレスレディの28~30cタイヤを嵌めた感じに近いというのが、ザックリしたフィーリング。

ショルダーからサイドウォールの変形が抑えられるので、コーナリングは癖が出ると予想していましたが、大きな違いは感じられず。エアボリュームのバルーン感があるので、荒れた路面での快適性やトラクションは期待出来ます。エア圧は、5.5~6Barぐらいが丁度良い塩梅。

低価格なアルミリムだと重量のハードルはありますが、それ以外はネガティブな要素は感じられないので、ETRTOとの整合性も考慮して、ロードのワイドリム化は20cぐらいまで拡大して、E-BIKEやグラベルとの共用がさらに進むんじゃないかと想像できます。タイヤ側も耐圧設定を下げることで、ビードやカーカス等を軽量化できる余地が生まれるメリットもありそうです。

勿論、グレーチング等でのリム打ち懸念や、レーススピードでのギリギリなコーナーワーク等で検証する必要はあります。例えば、リムの急速なワイド化が進みだした初期の頃、チューブラータイヤがその流れに付いていけず、ワイドリム+ナロータイヤの組合せでレース中にカーボンホイールが道の凹でリム打ちをして、破断したと考えられるアクシデントもありました。

ENVEが自社ブランドで専用タイヤをデリバリーし始めたのは、この辺りの理由も考えられます。

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2020年4月13日月曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その3 フロントフォーク デザイン

下ワン径が大きいテーパードヘッドチューブ

過去にポストしたその1その2に続いて、ディスクブレーキ・ロードのフロントフォークデザインについて考えてみようかと。

フレーム全体の剛性バランスや設計アプローチは、各社エンジニアのノウハウですが、話を聞くと、おおよそリア周りの剛性をある程度決めて、いじり易いフロントフォーク周りをチューニングしていく手順じゃないかと推測しています。

ただ、ディスクブレーキを採用した当初のロードバイクは、前後バランスがチグハグなモデルも散見されたのも事実です。MY2019-2020以降は、各大手メーカーのカーボン/アルミフレームのディスクブレーキ・ロードバイクも第2~3世代になって、落としどころを抑えられてきてリムブレーキ時代の乗り味とは異なるけど、バランスが取れた製品が上市されてます。

フロントフォークは、ディスクブレーキ導入前から下ワン径が大きい「テーパードコラム/ヘッド」が採用されていました。この手法は、まずMTBで採用され、ロードバイクでもハイモジュラスカーボンが用いられだした頃から普及しました。

はね出し単純梁/先端集中荷重
日新産業(株)さんWEBサイトから

フロントフォークは、大ざっぱにいうと「はね出し単純梁/先端集中荷重」構造なので、
せん断力とモーメントの掛かり方を考えると、このテーパード形状が構造的に理にかなっていることが理解できます。衝撃荷重が大きいMTBや、モーメントが掛かるディスクブレーキ搭載フォークの殆どがテーパード規格を採用しているのも頷けます。

こと、ブレーキ性能と操舵性のみを考えたら、フォーク周りの剛性は高いほど良いですが、そうなると前後の剛性バランスが取れませんし、ライダー疲労につながってしまいます。この流れで下ワンを大きくして、周辺強度やベアリング耐久性を確保しながら、しなやかさを演出する必要が出てきました。

キャノンデール・シナプス
サイズごとにチューブ径やヘッドの上下ベアリング径が異なる
シクロワイヤードより

キャノンデール・トップストーンカーボン
テーパードヘッドだが、フォークコラムはストレート形状
シクロワイヤードより
強度を確保しながら、過剛性を避けるフロントフォークのアプローチは、下記のようなものが挙げられます。

1.Cannondale Synapseのようにフレームサイズ毎にチューブ&ベアリング径を最適化。FELT FRシリーズも同じ考え方です。

2.Cannondale Topsotone Carbonのように下ワンベアリングのみを大きくして、コラムはストレート仕上げ。ブリヂストン・アンカーのロングライドモデルRLシリーズも同じ手法を取っています。

おそらく、ロード/ターマック寄りグラベル/ツーリングバイクは重量増を嫌い、これらの方向性が継続されると思いますが、よりハードなライディングに対応したグラベルバイクは、結局のところサスペンションフォークに行き着いてしまうものと考えます。それなら、MTBで良いんじゃね?の矛盾もはらむのですが。

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2018年12月31日月曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その2 バイシクルクラブ 2018/12月号 掲載頂きました





店主自身が取材されたことを忘れていて、嗅覚鋭いお客様に突っ込まれて思い出したのですが、バイシクルクラブ/BiCYCLECLUBの2018/12月号で当店を掲載頂きました。ご近所のTOKYO WHEELSさんさんのご縁でしたが、ありがとうございます。amazon kindle unlimitedユーザーなら、バックナンバーも無料で読めるようです。

その誌面でもインタビューされたり、過去のポストが業界筋やごく一部のマニアックな方から好評だったので、調子に乗ってロード用 ディスクブレーキの今後の動向を徒然になるまま述べてみようと。

1.ロードバイク用の油圧ディスクブレーキの世論が変わった2018初夏
ロードバイク用の油圧ディスクブレーキをシマノがデリバリー開始した直後から、店主は将来的にそれがスタンダードになりますよとお客様に案内していました。ただ、エンドユーザーの反応は半信半疑で、否定的なイメージを持っている方も多かったです。

世論の風向きがガラッと反転したのは、2018/6-7月頃。TREKとSPECIALIZEDの大手2社のMY2019フラッグシップモデルがディスクブレーキ設定のみと発表したのが大きかったな~というのが実感。まあ、店主の影響力など所詮そんなものです。

2.スルーアクスルだとスチールとチタンは過剛性?
先述のバイクラ誌面でもちょっと話したのですが、補足すると…。油圧ディスクブレーキは、スルーアクスル方式がマスト。リア軸とブレーキ台座の幾何公差/直角度を確保するには、ドロップアウトと台座は一体にしたい。そうすると、相対的にチェーンステーのパイプ長は短くなり、しなりにくくなる。断面係数的には、パイプのほうがねじり剛性は有利ですが、設計の自由度が減るというのが大きい。

カーボンは積層と形状でコントロールでき、アルミはハイドロフォーミングがあるので、マスプロなら形状の自由度が確保できるので、ここら辺の味付けがし易い訳です。一方、スチール&チタンはどうしてもその自由度が小さくて、従来のQR仕様のヒラヒラした自転車から乗り換えると硬めなフィーリングに。ディスクブレーキ台座をフローティングさせれば良いのかもしれませんが、精度やビビリを考えると現実的ではありません。

ただ、その過剛性感も25C幅までのタイヤを履いている場合に限定され、エアボリュームが稼げる28C以上のタイヤだと感じないと思います。スチール製MTBが重量ネガは指摘されるが、過剛性はまず指摘されないのと同じです。

Ritchey OUTBACK リアブレーキマウント

スチールでも出来るだけドロップアウトを小さくして、パイプ長を稼ぐアプローチをしているのモデルもあります。例えば、Ritchey OUTBACKNiner RLT 9 Steel
で両者ともグラベルロードバイクですが、台座周りもパイプで構築されています。ちなみにNinerはKonaで使われているディスク台座小物と同様かと。

3.スルーアクスルチューニング
E-BIKEやエンデュランス系ロードは、路面追従や振動吸収を高めるため、将来的にサスペンションが装備される可能性が高いですが、過渡的にバックステーをより積極的にたわませるアプローチが取られると予想されます。

そうすると、左右チェーンステーが捻じれる動きにつながり、それをつなぐスルーアクスルに荷重がかかり、φ12のアルミ製アクスルだとネジ山がだめになったり、金属疲労が露呈しそうです。まあ、過度なステーねじりは推進スポイルになるので加減が要りますが。

ならばいっそのこと、RDやディスクキャリパをフローティングさせて、アクスル端にピロボールかな~と思いますが、そこまでいったらサスペンションですな。

ともあれ、軸剛性を高めるためにスチールやチタン製のスルーアクスルがチューニングパーツとして発売されるのでは?。グレードによって素材が違う、シマノ製ホローテック2のクランク軸と同じ考え方です。

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2018年1月23日火曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える


店頭ドロップハンドル車体の半数がディスクブレーキ搭載だったり、ロードバイク用の油圧ディスクブレーキの供給が始まった初期にオリジナルのテストバイクを作成した経緯もあってか、店頭でお客様からロードバイクの油圧ディスクブレーキに関して特徴やメリットを聞かれることが多いので、一度テキストでおこしてみようかと。

A.ディスクブレーキのメリット
ウェット条件での制動力確保やブレーキ当たり面が汚れにくいといった分かりやすい効果がありますが、「現時点」では、制動力UPよりも下記2点のメリットのほうが大きいと捉えています。

1.スルーアクスル化による捻じれ抑制とシミュレーション精度の向上
まず、スルーアクスル導入で、ハブ周りの捻じれが抑えられて乗り味がガラッと変わります。これまでの「何となくフレーム全体で振動吸収」→「駆動と振動吸収の明確な役割分担」する設計思想が求められ、乗り味も次のように変化します。

クイック軸:全体的にヒラヒラした乗り味
スルー軸:足回りがドシっとした乗り味

クルマで例えるなら、ライトウェイトスポーツカー→グランツーリスモになった感じで、ロードスターのNA/ND、GT-RのR32/R35、インプレッサのGC8/GDBぐらいの差があるかと。

大手のカーボンフレームは、3D-CADのFEMでシミュレーションして形状や積層を最適化していますが、エンジニア談でFEMと試作車のフィーリングが合わなくて、結局KKDになることを聞いてきました。スルーアクスル化で、これまで曖昧だった軸周りの拘束条件が明確になって、シミュレーションと実車フィーリングが近くなることが期待できます。

2.タイヤ幅、ホイール径の自由度拡大
用途やコースによって、タイヤ幅やホイールを履き替えることで1台のバイクで幅広い使い方が可能になります。また、マスプロの生産制約からリムブレーキだとハードルが高い小サイズへの650B(27.5)や650Cのホイール採用が期待でき、小柄な方や女性でも無理のないジオメトリーが確保できます。この辺は、女性ローディやティーン層を獲得したい欧米ブランドの思惑も重なり、MY2017-2018で採用が増えています。

個人的には、700*28Cサイズのロードチューブレスタイヤが非常に好印象です。25Cまでは、メリット/デメリットを天秤してチューブレスを積極的におススメしていなかったのですが、28Cだと当然グリップがあがり、同サイズのチューブドと比べて「転がりの良さ」が体感しやすいのが一番の理由です。

B.ロード用ディスクブレーキの普及つまづき
プロロードレースの現場からは「選手はモルモットか?」の声もあったようですが、1995年前後のMTBのDHバブル期なんかエンドユーザーがモルモットだった気が…。当時は、技術が発展途上でレース現場でもワークスとプライベータの技術差が少なく、今でいう人柱を面白がって受け入れられた寛容な土壌があったのも事実です。

よく言われる普及の障害は、
  • MTBやCXが個人レースに対して、ロードはチームレースで機材共有が面倒←極々限られたトップエンドの世界
  • ローター露出の危険性←それを言ったら元々スポーツバイクなんて、PLステッカーだらけに
  • MTBと違って、ブレーキ&シフターが一体で他メーカーが参入しにくい
  • ブレーキレバー引き底のフニャっとしたフィーリング
  • プロショップの拒否反応
などが謡われていますが、個人的には従来ブレーキに近い味付けを追求し過ぎたことで、プロレーサーは、重量増やブレーキ底タッチ違いをネガティブにとらえ、エンドユーザーのアーリーアダプターは、リムブレーキとの差が少ないことに肩透かしを喰らったことが一番大きかったと思っています。

シマノは、従来のリムブレーキとのフィーリング差を無くすことにすごく注力して、ローター径に関しては、理想φ120だが取付スペースや放熱を考慮するとφ140と言う結論を得てロード用の油圧ディスクブレーキのデリバリーを開始。ホース張力のハンドリング影響や当て効きに配慮して、意図的に柔らかめなホースを選定。確かに、23-25Cタイヤとφ140ロータの組合せだと、ドライ制動力は出来の良いキャリパーブレーキと同等で狙い通りの味付けに。

ただ、発売当時にシマノのエンジニアとも話をしたのですが、店主含めMTBやモータースポーツの経験がある者は、オイルラインはソリッド、ブレーキフィールはパッドとフリーストロークで調整が定石だよねの認識でした。ちなみにR9100系以降は、フィードバックが掛かってか、その流れになっています。

C.今後の流れ
「カーボンリム×φ160ローター×28Cチューブレスレディ」が最適解の目論み。単純に28C化するとホイール外周部が重くなるので、チューブレスレディと軽量リムでGD2を抑えて、軽快感や加速性能を維持。

1.カーボンリム
ブレーキ面廃止で熱影響や圧縮力を負わなくてよくなり、タイヤ圧力による拡張力のみ考慮すればよく、軽量化やコストダウンが図れる。

2.ローター径
φ140で放熱を考慮すると、アイステックのような高価なローターになり、エントリーモデルの完成車価格も考慮するとφ160のSUS製が主流に。

3.タイヤ
φ160ローターでディスクブレーキの制動力を生かしたい→タイヤを28Cまで太くしてトラクションを稼ぐ→チューブドだと重いし、レース中のホイール交換でロータータッチ回避は難しい→チューブレスレディで、ピンホールはシーラントで防ぐのが現実的→パンク時の減圧バッファ面でも28Cが妥当な落としどころ。

スピード域が高いロードバイクで、チューブレスでないレディで安全確保できるのか不安は残りますが、限られたゴム量、テンション構造のリム、それぞれの公差、タイヤ成型機のコストを考えるとチューブレスレディという流れ。

4.ダイレクトマウント・リアディレイラー
スルーアクスルの定着で密かに期待しているのは、「ダイレクトマウント・リアディレイラー」の普及。現行の頼りないハンガーとちがい、スルーアクスルのナットと一体で作れば、ホイール軸との直角度が確保できるし、短いリアセンター+太めタイヤの組合せでも空気抜かないで、ホイールを外しやすくなって良いことずくめ。フラットマウントに続いて、コンポメーカーで足並み揃えてくれるとウレシイのですが。

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