2022年7月4日月曜日

ロードバイク ロータータッチ ディスクブレーキ × フロントフォーク 不都合な真実 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その6

イメージ(画像と記事本文は直接関係ありません)

先に断っておきますが、店主はロードバイクはリムブレーキモデルが最高!とか毛頭考えてません。むしろ、油圧ディスク→リムブレーキに乗り換えてダウンヒルすると、ブレーキの効かなさにビビるぐらいですし、早い段階からディスク化を推奨してきました。

そんなディスクブレーキ搭載のロードバイクですが、スルーアクスル/フラットマウント/パッドクリアランス拡大等で改善されていますが、未だ発展途上ゆえ改善余地が残されているのも事実です。店主が、以前から完成車での買い替えを勧めているのも、それが理由です。

ディスクロード・ユーザーで不満に挙がるのが、ロータータッチノイズです。前後で比較すると、殆どはフロントフォーク側が発生源になります。自転車の場合、大半の荷重は後輪に掛かりますが、リア側はトラス構造ゆえ捻じれに強く、作り込みも進んで幾何公差も担保されてきたからです。

キャリパ固定ボルトのサイズが小さい&取付ピッチが狭い等の規格側面や、そもそもロータークリアランスが狭すぎるのもありますが、ロータータッチの主な原因は下記に大別できます。
  1. ダウンヒル時→ローター発熱、不均一な熱膨張によって応力が生まれ歪む
  2. ホイール脱着後→ドロップアウト内面の平行度&平面度不足
  3. 立ち漕ぎ時→フォークの剛性不足
1は、解消まで至らないですが、ローター径をφ140と小さくしたり、熱歪みが小さい新型ローター(SM-RT900/RT800→RT-MT900/MT800→RT-CL900/CL800)に交換して改善しているのが現状です。

2は、スルーアクスルはクイックレバー対比で、ロータータッチ発生は圧倒的に少なくなりました。ただ、ドロップアウトの平行度や平面度をブレーキパッドのクリアランスが吸収できていない現実もあって、それがホイール脱着するとロータータッチする主因です。

新型R9200/R8100のキャリパは、ロータークリアランスが広めに設計されてロータータッチが出にくくなっています。キャリパだけを、上記モデルにしても恩恵は受けられますが、原理を考えるとレバータッチが悪くなるので、当店ではおススメしておりません。 

3は厄介で、フロントフォークが「エアロ/軽量/剛性/振動吸収/カッコよさ」の要求全てを成立させるのは至難の業です。カーボン積層にもよりますが、翼断面(=ブレード形状)のフロントフォークはロータータッチが発生しやすい傾向があります。
Road Bike Action Magazine
READY FOR UNBOUND GRAVEL: SHIMANO’S GRX LTD. BIKE GALLERY
より

進行方向のたわみで振動吸収を保ちながら、左右方向の剛性を稼ぐアイデアとしては、English CyclesがUNBOUND GRAVEL 2022で公開したデモバイクのフロントフォーク形状が考えられます。
HOPE社 HB.T LAUNCHES より

一方、トレンドはワイドリム&タイヤに進んでいるので、衝撃吸収機能をエアボリュームが増したタイヤに担わせることで、フォークをさらに高剛性化するアプローチが取られることも考えれられます。そうすると、剛性とエアロダイナミクスを追求した「Lotus / Hope HB.T」のようなフォーク形状に行き着くのかもしれません。

左右剛性を確保しつつ、前後方向へ適度に変位させるなら、上記のようなダブルクラウン仕様が近道と思っていたら、TRI用バイクで「CADEX TRI FRAMESET」が発表されて、やっぱ同じこと考えるよね~となった次第。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト
その1
その2
その3
その4

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