2020年4月13日月曜日

徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その3 フロントフォーク デザイン

下ワン径が大きいテーパードヘッドチューブ

過去にポストしたその1その2に続いて、ディスクブレーキ・ロードのフロントフォークデザインについて考えてみようかと。

フレーム全体の剛性バランスや設計アプローチは、各社エンジニアのノウハウですが、話を聞くと、おおよそリア周りの剛性をある程度決めて、いじり易いフロントフォーク周りをチューニングしていく手順じゃないかと推測しています。

ただ、ディスクブレーキを採用した当初のロードバイクは、前後バランスがチグハグなモデルも散見されたのも事実です。MY2019-2020以降は、各大手メーカーのカーボン/アルミフレームのディスクブレーキ・ロードバイクも第2~3世代になって、落としどころを抑えられてきてリムブレーキ時代の乗り味とは異なるけど、バランスが取れた製品が上市されてます。

フロントフォークは、ディスクブレーキ導入前から下ワン径が大きい「テーパードコラム/ヘッド」が採用されていました。この手法は、まずMTBで採用され、ロードバイクでもハイモジュラスカーボンが用いられだした頃から普及しました。

はね出し単純梁/先端集中荷重
日新産業(株)さんWEBサイトから

フロントフォークは、大ざっぱにいうと「はね出し単純梁/先端集中荷重」構造なので、
せん断力とモーメントの掛かり方を考えると、このテーパード形状が構造的に理にかなっていることが理解できます。衝撃荷重が大きいMTBや、モーメントが掛かるディスクブレーキ搭載フォークの殆どがテーパード規格を採用しているのも頷けます。

こと、ブレーキ性能と操舵性のみを考えたら、フォーク周りの剛性は高いほど良いですが、そうなると前後の剛性バランスが取れませんし、ライダー疲労につながってしまいます。この流れで下ワンを大きくして、周辺強度やベアリング耐久性を確保しながら、しなやかさを演出する必要が出てきました。

キャノンデール・シナプス
サイズごとにチューブ径やヘッドの上下ベアリング径が異なる
シクロワイヤードより

キャノンデール・トップストーンカーボン
テーパードヘッドだが、フォークコラムはストレート形状
シクロワイヤードより
強度を確保しながら、過剛性を避けるフロントフォークのアプローチは、下記のようなものが挙げられます。

1.Cannondale Synapseのようにフレームサイズ毎にチューブ&ベアリング径を最適化。FELT FRシリーズも同じ考え方です。

2.Cannondale Topsotone Carbonのように下ワンベアリングのみを大きくして、コラムはストレート仕上げ。ブリヂストン・アンカーのロングライドモデルRLシリーズも同じ手法を取っています。

おそらく、ロード/ターマック寄りグラベル/ツーリングバイクは重量増を嫌い、これらの方向性が継続されると思いますが、よりハードなライディングに対応したグラベルバイクは、結局のところサスペンションフォークに行き着いてしまうものと考えます。それなら、MTBで良いんじゃね?の矛盾もはらむのですが。

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