2025年10月12日日曜日

Wolf Tooth CTRL + ALT + DEL Pedals | ウルフトゥース コントロール + オルト + デリート ビンディング SPDペダル

Wolf Tooth CTRL + ALT + DEL Pedals
ウルフトゥース コントロール + オルト + デリート SPDペダル

公開直前のタイミングで新作ビンディングペダル、「Wolf Tooth CTRL + ALT + DEL Pedals |  ウルフトゥース コントロール + オルト + デリート SPDペダル」に触れる機会に恵まれました。

3モデルが展開される新型SPDペダルシリーズ『CTRL』『ALT』『DEL』のネーミングは、多くのPCユーザーにとって象徴的な組み合わせ、強制終了やリブートの象徴となってきた「Ctrl + Alt + Del」ショートカットキーに由来しています。

Wolf Toothがこの名称をペダルに付した意図は、単なる“思いつきのネタ”というより「現状を打破し、新しい基軸を打ち立てる」というブランドの姿勢の表現であると同時に、「確実な操作性」「困難な状況でも信頼できるレスポンス」「ユーザー主導の調整自由度」といったプロダクト哲学の象徴としています。

CTRL/ALT/DELそれぞれは、トレイル、XC/グラベル、レーシンググラベルという異なる用途やライディングスタイルへの最適軸を打ち立てています。PCのショートカットに倣い「いつでも、どんな状況でも、確実・迅速に(Reboot=やり直し・態勢立て直し)」できる操作性と、状況適応性を強調した命名であり、従来の「テンプレートに沿った」ペダル群への刷新=リセット志向を色濃く打ち出しています。

左:CTRL Trail | 右:ALT XC 比較
Qファクター変更機構 (ALT XC)

店主初見の印象は、「crankbrothers CANDY」と「SHIMANO SPD」を合体させたイメージ。踏み面が広めに設けられているので、伝達効率は高そうです。本ペダルの特徴は、この広いプラットフォームとQファクター調整機構が挙げられます。

「Qファクター」は、内部のベアリングとスペーサーを入れ替えることで、51/55/59mmの3段階に調整可能で、体格や好みに合わせてスタンス幅を設定できます。

Wolf Tooth DEL Pedals(グラベルレーシング向け)
DEL Pedals 背面

「DEL Gravel Race」は片面キャッチ(シングルサイド)仕様を採用しています。従来、一部のグラベルエリートライダーは軽量化や泥づまり対策を目的に、SPDペダルの片面機構を廃するカスタマイズを行っていましたが、本モデルはその発想を量産品として具現化したものと言えます。また、片面キャッチながら重量バランスが考慮されており、クリートのキャッチもそれほど難しくなさそうです。

付属するWolf Tooth 純正クリート
左:Wolf Tooth 純正クリート | 右:シマノ CL-MT001

全モデルSPD規格を踏襲しており、既存のShimano(SM-SH51/SH56、CL-MT001)をそのまま流用可。ペダルにはWolf Tooth純正クリートが付属しますが、形状は2025年8月末発売されたばかりのシマノ新型クリート「CL‑MT001」に非常に似ており、外観上の差異は踵側の面取りの大きさ程度にとどまります。もしかしたら、両者アイデアの出自は同じなのかもしれません。




Qファクターの調整機構は魅力的ですが、スタンスを広げた際の軸強度や剛性、スペーサー当たり面での主軸の偏摩耗が発生しないかはやや懸念されます。

展開されるカラーは、まずは「ブラック」と「ウルトラヴァイオレットパープル」の2色のみ。今後、他カラーも順次追加される模様です。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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