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シマノ 新型 SPD マルチエントリータイプ クリート CL-MT001 公式サイトより |
海外の販売サイトでチラホラ見かけていたシマノの新型SPDクリート「
CL-MT001」が正式発表されました。エンバーゴが設けられていましたが、公式サイトも一日前倒しで公開されており、些かGoogleデバイス発表のようになし崩し感も…。
このクリートは、同時にデリバリーが始まるXTRトレイル/エンデューロ向けペダル「PD-M9220」に標準付属しますが、従来のSPDペダル&シューズにも対応するので、既存の機材ユーザーもその恩恵を享受できます。
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XTR PD-M9220 SPD エンデューロ/トレイルペダル |
従来モデルのSM-SH51/56は、つま先側からしかエントリーできませんでしたが、新型クリートは「マルチエントリー」を謳い、かかと側や真上からのステップインも可能です。先端をラウンド形状&面取りすることでこの機能を実現し、さらに歩行時の路面接触も軽減しています。
耐久性と信頼性で定評のあるシマノ・SPDペダルですが、かかと側からのエントリーを譲れないライダー(特にエンデューロ系)が少なからず存在して、彼らはこれまでCrankbrothers等を選んでいました。新型クリートとペダルは、まさにそのユーザー層を狙いにきた製品と言えます。
現有のペダルシステムを変えずに、クリート形状の見直しだけで大きな改善を果たした点は驚嘆に値します。個人的には、サポートライダーのメカニックが既存クリートをグラインダーで削って試したアイデアを昇華させて製品化したのではないか?と想像しています。
マルチエントリータイプは、ステップイン/アウトの回数が多いエンデューロ/トレイル/CXライダーはもちろん、ビンディングペダル初心者にもおすすめです。ちなみに、外すときは、かかとを外側にひねるシングルリリース式。
いいことづくめに見える「CL-MT001」ですが、面取り加工によって爪先のコンタクトポイントが減少しているぶん、ペダリング伝達効率では従来品にやや劣る可能性があります。同社が、踏み面を稼げるケージ付きトレイル/エンデューロ向けペダルとの組み合わせを想定しているのも、そのためと考えられます。ゆえにロードツーリングやXCレースは、今まで通りSM-SH51を選ぶのも一手です。
※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。