ENVY ブース |
2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。「ENVE (エンヴィ)」を含めアメリカ系ブランドは、アジア圏のショーに出展することは殆どないので貴重な機会になります。
ENVEがSESホイール等をスポンサードする タデイ・ポガチャル所属のUAE Team Emirates バイク |
ENVE Custom Road |
ENVE Custom Road |
ENVE MOG |
ENVE MOG |
ENVE MOG |
ENVE MOG トップチューブにはプロテクションシートが貼られています |
「MADE IN USA」にこだわってきたENVEですが、新作「MELEE」では台湾製造に切り替えました。時を同じくして米国生産を続けてきた「Allied Frameworks」も台湾製へと移行しており、いわゆる“MAGA的”な国内回帰の流れとは逆行する動きと言えるかもしれません。
生産性、コスト、不良率(歩留まり)といった製造現場の現実的な要因からすれば、これらの選択は合理的といえます。同時に、米国内で製造業を継続する困難さを象徴する事例でもあり、カーボンフレームのみならず、スチールバイクにおいても同様の傾向が見られます。
一定の知名度を獲得したUSのビルダーやガレージブランドによるセミ・マスプロモデルは、以前より台湾製が一般的となっています(例:Rivendell Bicycle Works / Wilde Bicycle Co. / Sklar Bikes / Black Mountain Cycles)。
米国生産で一定の製造規模を維持できているのは、FTW(Frank The Welder)くらいかと。余談ですが、米国のレジェンドビルダーである同氏は、2024年にPolygon/Co-op Cycles/Kona/Marin等を製造するインドネシアのPT Insera Sena社へ技術指導のため招聘されています。
また、自転車に限らず米製造業の現場は、就労者の15~20%が移民によって支えられている現実もあって、メキシコ出身者がその4割を占めると言われています。日本が得意としてきた加工貿易型産業の中心である製造現場も、ベトナムなどからの外国人労働者が6%を占めているのが現状です。
閑話休題。ここで問われるのは、「アメリカン・ブランド」の存在意義です。それは、どこで製造されているかという地理的条件なのでしょうか? それとも、設計思想やブランドが掲げる価値観にこそ本質があるのでしょうか?
ENVEもAlliedも、台湾製に移行した後も設計やテストはアメリカ国内で行っており、品質基準も従来のまま。製造地の変更をもってしてブランドの理念が損なわれるとするのは早計かもしれません。むしろ、思想性をどう外注先に伝え、実装していくか。その技術的・文化的な伝達力こそ、真のブランド力と言えるのではないでしょうか。
最大手であるTREKおよびSPECIALIZEDは、早くから生産拠点を台湾や中国などのアジア地域に移行済みです。Cannondaleも同様の流れでしたが、一部車体の組立工程については、米国や欧州への消費地回帰の動きも見られます。
トランプ大統領が掲げる製造業の国内回帰を背景に、日米関税交渉の一環として、日本の政府系金融機関は総額5,500億ドル(約80兆円)規模の対米投資を支援することとなりました。ただし、アメリカ国内に新工場を建設し、製造業を新たに立ち上げるとなれば、サプライチェーン/人件費/利益率の観点から、現実的に可能性があるのは自動車産業ぐらいではないかと考えられます。
言うまでもなく、これまで以上に無人化・省人化を進めなければ、採算性の確保は困難でしょう。しかし、その方向性では、期待されるような直接的な雇用創出が生まれない不都合な未来も見え隠れするのです。
※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。
当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。
お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。