2022年7月10日日曜日

1980~1990年代 MTB&トライアスロンを想起させた アメリカ・グラベルシーン

1990年台初頭、米のMTBシーンから
皆の憧れ John Tomac
トライアスロンの米国4強時代
マーク・アレン/デイヴ・スコット/スコット・ティンリー/スコット・モリーナ

2012年頃から、米グラベルシーンの盛上がりを遠く日本から見ていた店主。それは、まさしく1980~1900年代のNORBA・MTBやトライアスロン黎明期を思い起こさせるムーブメントでした。当時を知る人なら、おそらく同じ感覚をお持ちの方も多いかと。

共通する魅力は、自由な雰囲気の中でスタイルを持ったアメリカ人ライダーが牽引している処。現状ではライダーの大半がプライベーターで、実力や環境もワークスライダーと拮抗しており、Red Hook Critから主戦場を移したColin Stricklandのようにガレージで自ら車体をメンテンナンスしている光景は、当時のMike KingらMTBライダー達をだぶらせます。

一方、トップライダーの一人、Peter Stetinaにはプライベートメカニックが存在したり、Unbound Gravel 2021/200 Femaleで優勝したLAUREN DE CRESCENZOのエイドを見るとワークス体制で参戦しており、徐々にプロスポーツ化への基盤が固まりつつある側面もあります。

そんな中、米で開催された2022 unbound GRAVEL。プロカテゴリーのバイクをチェックすると、Peter Stetinaの20202021バイクでも当てはまりますが、ドライコンディション&高速コースだと、フロントチェーンリングは、52/36や50/34tが選ばれており、タイヤ外径を考慮すると、ギア比は普通のロードバイクと大差ありません。

当時は、発表前だったのでスパイフォトレベルでの報道のみでしたが、Ted Kingは、2021 Unbound Gravelで新型のグラベルバイクを投入。それはMY2022で発表されたSuperSix EVO CX/SEでした。そして、殆どの選手がロードシューズ&ペダルであり、欧のパリルーベやストラーデビアンケに近い感覚なのかと読み取れます。

バイクスポンサーがAllied Cycle Works→Pinarello→Canyon→TREKと着実にステップアップしているAmity RockwellSPDへスイッチした一人ですが、機材提供を受けてないライダーの多くが、SPDかSPD-SLなのは、耐久性や信頼性の実績から頷ける選択かと。

また、シマノからスポンサードされているライダーは、フロントダブル。スラム勢は、シングルと言うのが大勢。リアスプロケットが、シマノGRXは11s、SRAMは12sと仕様違いもありますが、やはりFDの信頼性が反映されていると見受けれます。

レース直前の不幸なアクシデントで、2022 Unbound Gravelを欠場したColin Stricklandですが、2019優勝バイクを見ても分かるように、この頃からDHバーが定番化。また、GRXデリバリー前の2020年時の車体は、XTRのDi2・RDを装備。2021は自作のフレームバッグ投入から分かるように、機材面も発展途上ですし。本人も当時、別の仕事をこなしながらレースに挑んでいました。

加えて、機材供給のサポートを受けているトップライダーであっても、潤沢な手厚いバックアップ体制ではないことが垣間見れます。例えば、元プロロードレーサーで、パートナーとBike SportsをCo-Founderとして立ち上げたWhitney Allison。彼女は、右STレバーのネームプレートを欠損したバイクのままで参戦していて、直近のunbound GRAVEL 2022では、STレバーはそのまま更にアウターリングを105にダウングレードしたバイクで4位で完走してます(おそらくバイク2台体制ですが、unbound GRAVELは決まってボロい方で出走)。

そして、世界的な広がりをみせるグラベルレースは、目論見通りUCI傘下&ワールドシリーズ化や世界選手権が開催となり、選手層が厚いヨーロッパライダーが参入する系図も時代は繰り返される感。次第にレギュレーションは厳密化され、古き良き黎明期は終わりを迎えるかと思うと、少し寂しい気持ちにもなります。

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