2022年9月6日火曜日

RT-CL900 シマノ センターロック ディスクブレーキローター 160 mm 内セレーション/外セレーション ICE TECHNOLOGIES FREEZA 入荷

RT-CL900 シマノ センターロック ディスクブレーキローター
入荷サイズ:φ160 mm のみ
INT/内セレーション ロックリング付属 価格:9313円→8460円/個
EXT/外セレーション ロックリング付属 価格:9463円→8600円/個
(10%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)

ディスクブレーキ・ロードバイクにおける、ダウンヒル&ハードブレーキング時に発生する「シャンシャン問題」解消の切り札とも言える新型ローター「RT-CL900」を入荷しました。改めて振り返ってみると、シマノ・ロード専用のローターとしては、未だ2世代目なんですよね。

2021年夏にあったR9200系Dura-Ace/R8100系アルテグラのローンチ時は間に合わなく、ローターはMTB用で実績のあったRT-MT900との組み合わせが推奨されていましたが、「待たせたな」と言った処。ただ、2022年夏の新型7100系105と同時発表だったゆえ、少々埋もれてしまった気も無きにしも非ず。ちなみにφ160でカタログ重量は、RT-MT900/108g→RT-CL900/114gと+6g重くなっています。

新作ローターは、「ICE TECHNOLOGIES FREEZA/アイステクノロジーフリーザ」の放熱性を維持しながら、アルミ熱膨張によるタワミを抑え込んだ、シマノ技術陣の意地が感じられる一品。海外リーク情報を見る限り、変位量を比較するとSM-RT900基準→RT-MT900で1/2→RT-CL900で1/5程度まで低減しています。

そうは言っても、発表時の平面写真を見ただけだとスパイダーアームは細くて、肝心の歪みが抑えられるのかしら?と懐疑的だったり、ホール形状がフィン付きローラーブレーキみたいだし、些かマーケティングハイプ臭が拭えなかったので、実際に試してみることに。

結論を先に書くと、初代SM-RT900と比べてハードブレーキングした際の「ロータータッチ=シャンシャン音」は、大幅に低減できるのを確認できました。少なくとも、初代だとロータータッチが発生したシチュエーションでも、新型の異音は皆無でした(同じバイクで比較)。
RT-CL900 フィンは平面ではなく、反った椀状
RT-CL900 アーム 厚み方向に有機的な凸形状で断面係数を稼いでいる模様

初代「SM-RT900/RT800」は、ロードバイク・ディスクブレーキの本格導入期で、当時恐れられていた落車時の巻込み懸念の払しょくが第一優先になっていたと思います。そのため、大型フィンで中心穴を塞ぎつつ、熱膨張による変位は円周方向に逃がすコンセプトだったかと。

初代で花びら状に分離していた冷却フィンは、新型で環状へ。また、アームは細身ながら平面→凸形状に。これらで堅牢性を稼いでいる模様。

そして、今回の肝は、プレスライン無しの立体的な椀状フィンと推測してます。フィン熱膨張によりローター面変位を抑える反力を生んでいるんじゃないかと。併せて、ステンレスとアルミ厚みの配分も変更しているかもしれません。

SM-RT64(ステンレス一枚物)
RT-CL900(ステンレス/アルミ/ステンレス拡散接合)
SM-RT64(φ160)重量139g
RT-CL900(φ160)重量113g

先述もしましたが、小さなローター&キャリパの厳しい条件下でも、フェード&ベーパーロック現象を起こさぬよう放熱を確保するため、シマノのAdvanced・グレードは、拡散接合によるステンレスでアルミをサンドウィッチしたICE TECHNOLOGIESを。さらに上位のUltimate・グレードは、アルミ部を延長して放熱フィンにしたICE TECHNOLOGIES FREEZAを採用してます。

そのアイデアは良いし、MTB用含めて量産化しているのはスゴイのですが、熱膨張率が違う異素材の組合わせで歪みを抑えるには高度な設計が必要ゆえ、ステンレス一枚物の方が素直なんじゃないかとも…。

外野からだと拡散接合の内製or外注かは不明ですが、無理ゲーと分かっていても、社内政治or設備償却の完了までは生産継続するしかないのかなぁとか、少々うがった見方をしていました。

そんな中で今回発売されたRT-CL900/CL800は、同社の製品開発&生産技術陣の奮闘が垣間見れて、スゲェなと感心させられた訳です。

ちなみに店主のバイクですが、これまで放熱性よりも熱膨張の均一性を重視して、ステンレス一枚物のSM-RT64を選択していました。重量/空気抵抗/ピーク性能の追求よりも、取扱いに気を遣う機材を避けたいからです。メタルパッドにも対応しており、お財布にも優しいですし。

その理由から次交換は、CAMPYだけど価格がシマノ同等な「CAMPAGNOLO ROTOR 03」or「EKAR ROTOR」を候補に挙げていました。カタログ値で「SwissStop Catalyst」と同じ1.85mm厚ゆえ、似たブレーキフィーリングが得られるのではないかと。MAGURAやSRAMが展開する2.0mm厚ローターは、さすがに流用不可です。

ただ今回、このRT-CL900がステンレス一枚物と同等のロバスト確保を検証できたので、素直にシマノ同士の組合せで運用するつもりです。

そして、この最新型ローターは、全体的な剛性も向上しています。初代SM-RT900/RT800の慢性的なブレーキ・ビビリ音にお悩みで、RT-MT900/MT800へ交換されていない方も、このRT-CL900/CL800がお勧めです。

シマノ センターロック ディスクブレーキローター RT-CL900
入荷サイズ:φ160 mm のみ
シリーズ:DURA-ACE R9200
INT/内セレーション ロックリング付属 価格:9313円→8460円/個
EXT/外セレーション ロックリング付属 価格:9463円→8600円/個
(10%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。