2024年7月1日月曜日

Bridgestone Anchor | ブリヂストン アンカー RL8 ELITE 6800 アルテグラ リムブレーキモデル RD-6800-SS→RD-R8000-GS ワイドレシオ化 他

Bridgestone Anchor | ブリヂストン アンカー RL8 ELITE 6800 アルテグラ

「Bridgestone Anchor | ブリヂストン アンカー RL8 ELITE」の整備&部品交換を承りました。枯れた技術の集大成とも言えるリムブレーキ終盤に当たる、この時代のロードバイク。タイヤは28mm幅まで収まるし、メンテナンス性も良く、過度に気を遣わなくても性能が維持できて、道具として扱いやすいのが特徴です。

ただし、同時期にあった新規性やエアロを追求し過ぎて「フロントフォーク内蔵・Vブレーキ」や「BB下・ダイレクトマウントブレーキ」を投入して、些か技術がオーバーシュート気味だったモデルを除きますが…。

RD-6800-SS → RD-R8000-GS へ交換
Before:フリーボディ
Before:フリーボディ
After:フリーボディ

閑話休題。このバイクは以前に簡易点検した際、動作問題ありませんでしたが、リアハブ周りから微かにゴロゴロ音が聞こえていました。おそらく、フリーボディのベアリングが死にかけていると察していましたが、今回分解すると目論見通り外側ベアリングがNGでした。

アルミ製ボディなのでアッシーで交換。シール色が変更になっていたので、ベアリングメーカーor両シール構造へ変更があったのかと。幸い、ハブ本体側の軸受は問題ありませんでした。

メンテナンスと併せて、リアスプロケットとRDを交換。元は、ギアのつながり重視でクロスレシオな11-25tでしたが、それを11-30tのややワイドに。32~34t導入も見据えてキャパシティ確保の為、RD-6800-SS → RD-R8000-GSへ交換しました。

今時なシャドーRDによる効果の一つが、きついチェーンラインのアウター×ローでバック踏みしても、チェーンが外れにくいことが挙げられます。ガイドプーリー位置の適正化もありますが、シングルテンションの恩恵が大きいかと。

EV(パーツリスト/Exploded View)を見て、「おいおい、RD-6800ならケージだけ交換すればGSになるんじゃないの?」と思われるベテランライダーもいらっしゃるかもしれません。

確かに、ケージのみ交換してBテンションボルトを締めこめば、収まる可能性もありますがスラント角が合いません。そのため、SSボディのままGSケージを取付けた場合、トップ側でスプロケット~ガイドプーリー距離が遠くなり、変速性が損なわれます。

話が逸れますが、シマノ・ロード用グループセットでケージのみ交換でSS⇔GS対応できたのは、7800世代の10s時代までかと。それまでは、グランドフォンド等を走る欧州ホビーライダーらの需要もありフロントトリプルが展開されていました。ちなみに、当時のクランクは、PCD130/92、歯数52(50)/39/30の規格。

リアスプロケットは、ダブル同様11-23(25)構成のまま、低いギアレシオが必要なライダーは、フロントをトリプル化するのが王道でした。それゆえケージを伸ばして、大きくなったフロント歯数差さえ吸収すれば良かったのです。

Before: 11-25t
Before: 11-25t
After: 11-30t
After: 11-30t

その後、PCD110のコンパクトギア登場によって、フロントトリプルは消滅。それ以降の「GS」は、フロントではなくリア歯数差を吸収する設計になってます。なので、ケージを伸ばすだけでは変速性は担保できず、適切なスラント角を有することが求められるのです。

それらを支えるRD、最新モデルはシングルテンション仕様に。エンドアジャストボルトを締めこめば、チェーンテンションは広い範囲で調整可能です。ただ、チェーン長は、許容範囲の中で短い方が、スプロケット~ガイドプーリー距離は狭くなって変速性は良くなります。

例外的に、歯数大のスプロケットへの交換も視野にある場合、変速性能に少々目をつぶって、チェーンを長めに設定するケースも御座います。

ベースバイク
Bridgestone Anchor | ブリヂストン アンカー RL8 ELITE
カラー: モノトーンブラック

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。