| CHINA CYCLE 2026 / 上海ショー 会場 SNIEC/Shanghai New International Expo Center/上海新国際博覧中心 |
背景には、Covid-19 後に起きた中国本土のスポーツバイクバブルが終息したことが第一に挙げられます。中国の連休日程の影響もありますが、来場者は明らかに減少しました。肌感としては、全体の入場者数は2025年がピークだったかと。特に一般ユーザーの減少が目立つ一方、欧州やインドからの業界関係者が増えていたように感じます。
| CYBREI ブース |
また、ここ数年、CHINA CYCLE の話題を占めていたエアロロード、パワーメーター、電動コンポーネントといった急成長カテゴリーも一段落し成熟期に。業界全体が「次のトレンド待ち」の前段階に入ったようにも見えます。
中国ブランドの自転車部品でまず想起されるのは電子系パーツ群です。前述の電動コンポに加え、GPSサイクルコンピューターや電動ポンプなどが代表例。スマートフォン産業で培われた厚いサプライチェーンを背景に、これらの製品はここ数年で一気に低コスト化が進み、手の届きやすい価格帯へと落ち着きました。
日本の高度経済成長期にも通じるものかと。かつて GoPro のコピー/フォロワーに過ぎなかった Insta360 や DJI が急速に力をつけ、独自性を確立し、いまや完全に立場が逆転した現実は、その象徴的な例でしょう。より大きな市場では、CXMT や YMTC といった中国の半導体・メモリ企業も、同じ流れをたどる可能性があります。
EUROBIKE や Sea Otter の動向まで俯瞰すると、OEM/ODM の請負から自社ブランドを立ち上げ、品質やグラフィックのブランド力を高めながら欧米市場へ進出する中国ブランドが着実に増えています。一方で、FACTOR が上海永久自行车有限公司(Forever)傘下に入ったり、欧州ブランドが中国での販売体制を強化する動きも見られます。
今回のショーでは、そうした欧州ブランドが自らの世界観を表現するために、見るからにコストを掛けたブースを構築していました。中国の一級都市では依然として内燃機関式モーターサイクルに強い制限があるため、二輪という大きなカテゴリーで見れば、まだ富裕層を取り込める余地があると判断しているのかもしれません。
特に E-BIKE のポートフォリオを持たない欧州ハイブランドは、中国や東南アジア市場への注力を強めています。販路拡大という同じ目的を持ちながら、双方が逆方向へ攻めている構造が浮かび上がってきます。
| コスプレイヤー・ブースモデル |
| Unitree Robotics G1 ヒューマノイドロボット 発売当初240万円→現在200万円/体に値下がり ただ、脳みそ部分はおそらく別途 |
| Rhinowalk ブース |
| Rhinowalk ブース |
| Rhinowalk ブース |
| EXSHO ブース |
| ELILEE ブース |
| ELILEE ブース |
| ROCKBROS ブース |
| TANKE ブース |
| Ford Official Licensed Product ブース |
| Ford Official Licensed Product ブース |
| Ford Official Licensed Product ブース |
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| 2027年の第35回中国国際自転車展覧会(CHINA CYCLE 2027) 2027/5/5~5/8の期間でSNIECにて開催予定 |
店主が上海ショーに通い始めた頃は、英語圏を含めネット上の情報がほとんどない状況でした。台北ショーや EUROBIKE が国際的な BtoB ショーであるのに対し、上海ショーは規模こそ大きいものの主軸が国内市場向けであったため、ネットで得られる情報は極めて乏しかったのです。
さらに、グレートファイアウォールと言語(中国語)という二つの壁があり、情報にアクセスしづらい。また、当時の中国メーカーの Web デザインは独特で、欲しい情報にたどり着けないことも多々ありました。
その結果、上海ショーや中国メーカーに関する情報は非常に限られており、参考になるのは YouTubeの「Panda Podium / China Cycling」くらいでした。逆に言えば、グレートファイアウォールの向こう側へ自ら飛び込むことが、店主にとっての「アルファ」になっていたわけです。
しかし、この5年で環境は大きく変わりました。AI検索の普及により、日本語でも中華圏の情報を格段に収集しやすくなり、さらに VPN の一般化によって、中国国内から現地レポートを発信できる環境が整いました。特に昨年(2025年)あたりからは、自転車系 YouTuber が訪中して上海ショーを取り上げるようになり、かつて店主が持っていた「情報優位性」は徐々に薄れつつあります。
こうした状況を踏まえると、実際に上海ショーへ足を運ぶメリットは、以前に比べて確かに薄れてきているのが現実です。
とはいえ、店主の場合は大抵が日帰りで、決して若くない身体には負担が大きいものの、大阪や名古屋へ出張するのと同等の費用と時間を投じるのであれば、台北・台中・上海に足を運んだ方が得られるものが多いのも事実です。ライブコマースの最前線や、より川上の情報に直接触れられるメリットは依然として大きく、情報の非対称性を埋めに行く価値はまだ十分に残っています。人によっては、それはレースやイベントの現場に行くことだと捉える方もいるでしょう。
なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、#chcy2026をご覧ください。
