2024年6月20日木曜日

Panaracer AGILEST FAST TLR 発売直前?だけど 当店お勧めのロードバイク用「クリンチャー」タイヤを考える

Vittoria ヴィットリア ロード用タイヤ カットサンプル

本家「Panaracer/パナレーサー」さんや業界筋から事前情報は、全く伺っていませんが、思わせぶりなティザーサイト「NEW SPEED? 新しい速さへ。」や、現行ラインナップから察するに、2024/7月に上市されるのは、「AGILEST FAST TLR / アジリスト ファスト チューブレスレディ」で間違いないかと。

同社に限らず、店主の思惑通りディスクブレーキ/ワイドタイヤ/低圧化に伴って、技術的改善が進むロードバイク用チューブレスレディ。タイヤメーカー各社のフラッグシップは、既にTLRモデルが標準になりつつあります。

Vittoria CORSA PRO SPEED
トレッドゴムの薄さが際立ちます
Vittoria CORSA N.EXT

TLRのメリット/デメリットを天秤に掛けると、ザックリ言って28Cが境界線で、30Cを超えると面倒だけど低RRと重量メリットの恩恵があるといった処かと。

ただ、タイヤメーカーにおける新規開発の軸足は、チューブレスレディに移っており、例えばVittoriaの新モデル 「RIDEAROMOR」は魅力的ですが、TLR仕様しかなくチューブドで使うには重めです。

そんな盛り上がるTLR市場を尻目に、敢えて運用し易さを優先されるライダーに向けて、店主目線でお勧め25~28Cクリンチャーを紹介してみようかと。まあ、既に淘汰が進んでいてハズレは殆ど無いんですが。

「タイヤとブレーキはケチるな」というのはご尤もですが、昨今だと価格が1.5万円/本のモデルも珍しくなく、先立つものがいうのも現実です。そこら辺を考慮して、「価格9000円/本以下」かつ「マイレージ/重量/RR/耐パンク等」でバランスの良いモデルとなると…。

レース/ファストラン向けなら、「Vittoria CORSA N.EXT」と「MICHELIN POWER CUP」が挙げられます。欠点は前者がトレッドのひび割れが出やすい、後者は旧ETRTOと言ったところ。余談ですが、ニチナオさんは、文才豊かな方がいらして秀逸なテキストは毎度楽しませて頂いています。

もう少しロングライド/ツーリング/ブルベ寄りなら、「Panaracer GRAVELKING R Tubed」をお勧めしたく。Rene Herse譲りの「TuffTex R」ケーシングを採用して、しなやかな走りを楽しめます。なお、GRAVELKINGのクリンチャーモデルは、フックレスリムに非対応なのでご注意下さい。

通勤/ツーリングユーザーで、乗り心地やコーナーリンググリップは無視して、とにかくマイルと耐パンク性を取るなら「SCHWALBE MARATHON」になりますが、それがToo Muchなら「Maxxis Re-Fuse」や「SCHWALBE LUGANO2 ENDURANCE」が候補に。価格/重量/乗り心地に比重を置くなら、「Challenge SANREMO」辺りになるかと。

当店では、発売当初から「Maxxis High Road」をお勧めの一つとしてきましたが、価格がかなり上がってしまいました。更に、二世代前の設計になりますが、BSC・旧モデルの「EXTENZA R1X」は、重量/真円度/価格がいい処突いていて、耐候性に秀でてクラックが入りにくいのが特徴でした。

転がり抵抗(RR)とタイヤ重量を低く抑えるには、トレッドゴムを薄くするのが効果的ですが、耐パンク性やマイレージは損なわれます。また、コットンケーシングは、抜群のしなやかな乗り心地が得られる反面、耐候性は劣り、短期間でマイルを稼ぐようなライダーでないと経済性が悪いです。

市場にある空気入りタイヤは、構造的な制約もあって、機械的アプローチでは大きなブレークスルーを起こすのは非常に難しく、RR低減やグリップ確保といった性能向上は、化学(ばけがく)頼みで小さな改善の積み上げになっているのが現状です。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。