上海 Shanghai CHINA CYCLE 2025 ゲーミングPCを彷彿させるLEDが設置された入場ゲート |
2025年5月のゴールデンウィーク明けに、上海のSNIECで開催された「CHINA CYCLE 2025」へ出張しました。昨年(2024年)はビザを取得して訪問しましたが、その手間や費用を考えると、今回は当初見送る予定でした。
ところが、2024/11月上旬にビザ無し渡航が解禁されるらしいと耳に入ったので、情報が確定して航空券が値上がりする前に物色開始。いつもはLCCを使いますが、ちょうどセールのタイミングでレガシーキャリア(FSC)が安く、安宿代を含めてもLCC日帰りと同等の料金だったので訪中することに。
久しぶりのANA便。無論エコノミーですが、オンラインチェックインできて、座席は広いし、機内食は出るし、ゲートは近いしでサイコーです(小並み)。
NRT 制限エリア内のフードコート アジア圏はどこの空港も丼/麺類2000円/食が相場に |
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NRT→PVGは、西日本を舐めるように一直線な航路 |
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上海沿岸には入港待ちのコンテナ船が多数見えて、 貿易収支のマクロな数字はこうやって積みあがっていくんだなと |
SNIEC/Shanghai New International Expo Center/上海新国際博覧中心 |
ブース配置:2025年は規模拡張により展示建屋が一つ追加 |
とにかく広大な展示会場 |
X-SOONブースでのコスプレーヤー |
Cybrei カーボンクランク |
Youtuber/Shane Miller氏の取材風景 |
何処かで見たようなロゴ |
何処かで見たようなヘルメット |
至る所でライブコマース/動画配信 |
至る所でライブコマース/動画配信 |
至る所でライブコマース/動画配信 |
RoyalBody ブース |
電動モトクロッサー |
LEM |
OVERFAST ブース 毎度小さい間口に関わらず、各国展示会で人が集まるスモールビジネスのお手本 |
L.B.N ブース:ワンレバーで6ポット×2キャリパー制御 |
EXSHO ブース 母体であるGuangzhou Partner Suspension Fork Industry Co., Ltd.が 台湾&イタリア人を招聘して興したハイエンドブランド |
ALTALIST ブース 日本ではワイズロードさんが拡販 最終日の終了間際は、展示品を特価販売していたようで人が群がっていました |
SUPERTEAM POFENG ブース |
Gates Belt Drive ブースに展示されたSur-ron MTB DH ワールドカップシリーズ2025では賞金を用意するなど力を入れています |
Lewis Disc Brakes ブース |
Lewis Disc Brakes ブース |
Lewis Disc Brakes ブース |
越境ECを運営するYoutubeでおなじみの「Panda Podium」 2024年まで他社ブースを間借りしてましたが、ついに自社出展 |
Imtos ブース:200mmオーバーの超々ロングリーチ・ドロップハンドル |
MolicSYN ブース:什器含めMuc-OffとMonster Energyを合体させたようなCI |
E-SPORTS会場 |
毎度ラーメンに空目するライトメーカー RAVEMEN |
CHINA CYCLE 2026:5月開催予定 |
中国では、都市部を中心に自転車の所有率が増加し、ロードバイクやMTBなどの高級モデルの販売が伸びています。2023年には自転車関連商品の売上が前年比200%増加し、2027年までに市場規模が2657億元(約5.5兆円)に達すると予測されています。
余談ですが、「中国 2021 年自転車及び電動自転車業界トップ企業発表」に記された高い営業利益率を見ると、ホンマか?と目を疑いたくなります。会計方法が違うのかもしれませんが、この数字なら各社の積極投資も頷けます。
こうした展示会と実市況が必ずしも一致するとは限りませんが、「Shanghai CHINA CYCLE 2025」全体を通した店主所感は下記の通りです。
- 依然として玉石混交は変わらないが、ハイエンド商品の拡張により、グラデーションというか、ダイナミックレンジが広がった印象。
- ペダルバイクは、依然としてロードバイクが主軸ですが、MTBの展示が急増しました。フルサスで独自設計のモデルも多く散見。その一方、グラベルバイクの比率は減った感。この流れは、純粋に消費者ニーズなのか、はたまたロードバイク国内需要が頭打ちだから、次はMTBだという業界思惑かは不明です。
- 中国ブランドのパーツを搭載したロードバイク展示車が伸長。昨年までは、ハイエンドを狙う各フレームブランドの車体に組み込まれていたのは、シマノ/SRAMコンポーネントでしたが、ホイール含めてオール中国ブランドでセットアップされたものが目に入るようになりました。
- ジェネリック・ブロンプトンの増殖。同社特許が切れる頃から目にすることが増えましたが、ついに大手ブランドも参入してきて無秩序で収拾がつかない様相に。
- ライブコマースを行うブースの台頭。男女問わず、誰もがスマホの前でハイテンションかつ途切れることのないマシンガントークを延々と続けており、驚かされます。カメラに映らない横では、関係者が何事もなくお弁当を食べていて、その様子から日常の風景であることがうかがえます。
- 急成長した中国国内マーケットを反映して若いエンドユーザーが増え、昨対2倍程の来場者があったのでは?。本ショーに合わせて新商品を発表するブランド/メーカーも多く、各ブースともにエンドユーザーの集客に注力して、SNSやアプリを介して訪問者にノベルティを配布していました。
- 一方で欧州バイヤーも多くなっており、本ショーの会期に併せて中国市場を重視するTREK/CANYON他が、上海エリアでプライベートショーを開催するなど、ステータスが徐々に上がっているように見受けられます。
Covid19の混乱から未だ脱していない世界の自転車業界は、血を流しながらも中国市場の急成長のおかげで何とか持ちこたえている側面があります。ただ、店主自身がこうしてまとめていると、「増加」「増えた」という言葉が多いことに気付かされます。相場観に当てはめると、もしかしたら今が中国市場バブルの頂点なのでは?という懸念とともに「Time to get our life-jacket and get out.」の思いも抱くのです。
※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。