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2026年10月1日木曜日

CHINA CYCLE 2026 | 上海サイクルショー 2026 レポート:成熟する中国自転車産業と新潮流の行方 Rhinowalk 他 #chcy2026

CHINA CYCLE 2026 / 上海ショー 会場
SNIEC/Shanghai New International Expo Center/上海新国際博覧中心

2026年5月、ゴールデンウィーク明けに上海・SNIECで開催された「CHINA CYCLE 2026」へ出張してきました。今回は、店主としての雑感をまとめてみようと思います。例年までの CHINA CYCLE(上海ショー)では、客寄せ目的のイロモノ系や量産が難しいコンセプトバイクが散見されていました。しかし、2026年のショーではそれらが大きく減り、実利を重視した製品が並んでいた印象を強く受けました。

背景には、Covid-19 後に起きた中国本土のスポーツバイクバブルが終息したことが第一に挙げられます。中国の連休日程の影響もありますが、来場者は明らかに減少しました。肌感としては、全体の入場者数は2025年がピークだったかと。特に一般ユーザーの減少が目立つ一方、欧州やインドからの業界関係者が増えていたように感じます。

CYBREI ブース

また、ここ数年、CHINA CYCLE の話題を占めていたエアロロード、パワーメーター、電動コンポーネントといった急成長カテゴリーも一段落し成熟期に。業界全体が「次のトレンド待ち」の前段階に入ったようにも見えます。

中国ブランドの自転車部品でまず想起されるのは電子系パーツ群です。前述の電動コンポに加え、GPSサイクルコンピューターや電動ポンプなどが代表例。スマートフォン産業で培われた厚いサプライチェーンを背景に、これらの製品はここ数年で一気に低コスト化が進み、手の届きやすい価格帯へと落ち着きました。

日本の高度経済成長期にも通じるものかと。かつて GoPro のコピー/フォロワーに過ぎなかった Insta360 や DJI が急速に力をつけ、独自性を確立し、いまや完全に立場が逆転した現実は、その象徴的な例でしょう。より大きな市場では、CXMT や YMTC といった中国の半導体・メモリ企業も、同じ流れをたどる可能性があります。

EUROBIKE や Sea Otter の動向まで俯瞰すると、OEM/ODM の請負から自社ブランドを立ち上げ、品質やグラフィックのブランド力を高めながら欧米市場へ進出する中国ブランドが着実に増えています。一方で、FACTOR が上海永久自行车有限公司(Forever)傘下に入ったり、欧州ブランドが中国での販売体制を強化する動きも見られます。

今回のショーでは、そうした欧州ブランドが自らの世界観を表現するために、見るからにコストを掛けたブースを構築していました。中国の一級都市では依然として内燃機関式モーターサイクルに強い制限があるため、二輪という大きなカテゴリーで見れば、まだ富裕層を取り込める余地があると判断しているのかもしれません。

特に E-BIKE のポートフォリオを持たない欧州ハイブランドは、中国や東南アジア市場への注力を強めています。販路拡大という同じ目的を持ちながら、双方が逆方向へ攻めている構造が浮かび上がってきます。

コスプレイヤー・ブースモデル
Unitree Robotics G1 ヒューマノイドロボット
発売当初240万円→現在200万円/体に値下がり
ただ、脳みそ部分はおそらく別途

会場の各所に人型ロボットが配置されており、フィジカルAI分野における人型ロボットの最初の導入先は「コンパニオンロボット」になるのだろうと感じさせました。世界的には、来場者を引きつけるために女性を装飾的に扱ったり、性的アピールをマーケティングに用いたりする手法は時代遅れとされる傾向が強まり、ブースモデル(ブースガール)は徐々に敬遠されつつあります。そうした流れもあって、AIによって従来の役割が置き換えられていく未来が見えてきます。

Rhinowalk ブース
Rhinowalk ブース
Rhinowalk ブース
EXSHO ブース
ELILEE ブース
ELILEE ブース

MY2026–2027 の中華ロードバイクのトレンドを大雑把にまとめるなら、「Cannondale SystemSIX のフレーム × Cervélo S5 の Y字ステム一体型ハンドル × Factor ONE のワイドスタンスフォーク」  をキメラ合体させたような方向性が主流になりつつあります。

また、2024年頃から折り畳み自転車がトライフォールド(ブロンプトンのクローン/ジェネリックモデル)型へと収斂していく兆しが見え始めていましたが、2026年にはその傾向が明確な流れとして定着した印象があります。単純なコピーでコストを下げたモデルも散見されますが、JAVA NEO 3などの独自機構や新しいアイデアを盛り込んだモデルも登場し始めており、もはや「クローン=安易なコピー」と一括りにして揶揄できる段階ではなくなってきたと言えます。

そして、フレームやウェア、シューズのグラフィックは、2025年頃から明らかに洗練度が増しています。これまでは中国国内市場を主軸としていたため、中国ユーザーの嗜好に合わせた配色や柄が多かったのですが、近年は欧米市場への展開を見据え、デザイン言語そのものが国際基準へと移行しつつあります。

ROCKBROS ブース
TANKE ブース
Ford Official Licensed Product ブース
Ford Official Licensed Product ブース
Ford Official Licensed Product ブース
2027年の第35回中国国際自転車展覧会(CHINA CYCLE 2027)
2027/5/5~5/8の期間でSNIECにて開催予定

店主が上海ショーに通い始めた頃は、英語圏を含めネット上の情報がほとんどない状況でした。台北ショーや EUROBIKE が国際的な BtoB ショーであるのに対し、上海ショーは規模こそ大きいものの主軸が国内市場向けであったため、ネットで得られる情報は極めて乏しかったのです。

さらに、グレートファイアウォールと言語(中国語)という二つの壁があり、情報にアクセスしづらい。また、当時の中国メーカーの Web デザインは独特で、欲しい情報にたどり着けないことも多々ありました。

その結果、上海ショーや中国メーカーに関する情報は非常に限られており、参考になるのは  YouTubeの「Panda Podium / China Cycling」くらいでした。逆に言えば、グレートファイアウォールの向こう側へ自ら飛び込むことが、店主にとっての「アルファ」になっていたわけです。

しかし、この5年で環境は大きく変わりました。AI検索の普及により、日本語でも中華圏の情報を格段に収集しやすくなり、さらに VPN の一般化によって、中国国内から現地レポートを発信できる環境が整いました。特に昨年(2025年)あたりからは、自転車系 YouTuber が訪中して上海ショーを取り上げるようになり、かつて店主が持っていた「情報優位性」は徐々に薄れつつあります。

こうした状況を踏まえると、実際に上海ショーへ足を運ぶメリットは、以前に比べて確かに薄れてきているのが現実です。

とはいえ、店主の場合は大抵が日帰りで、決して若くない身体には負担が大きいものの、大阪や名古屋へ出張するのと同等の費用と時間を投じるのであれば、台北・台中・上海に足を運んだ方が得られるものが多いのも事実です。ライブコマースの最前線や、より川上の情報に直接触れられるメリットは依然として大きく、情報の非対称性を埋めに行く価値はまだ十分に残っています。人によっては、それはレースやイベントの現場に行くことだと捉える方もいるでしょう。


なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、#chcy2026をご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年9月29日火曜日

Blue Pai / 蓝π Hellobike傘下の二輪モビリティ向けソリューション企業 CHINA CYCLE 2026 #chcy2026

BluePai / 蓝π ブース

22026年5月、ゴールデンウィーク明けに上海・SNIECで開催された「CHINA CYCLE 2026」へ出張しました。本ショーで正式発表されたのが「BluePai(蓝π)」です。中国のシェアサイクル大手「哈啰出行(Hello/Hellobike)」が2026年に立ち上げた、“二輪モビリティ向けソリューションを提供する企業” となります。

BluePaiはシェアサイクル運営を行わず、B2B向けに Hellobike 本体が蓄積してきた運営ノウハウや技術を外部へ開放する「中立型・非競合の技術サービス会社」という位置づけ。ちなみに Hellobike は、上海や北京に映る青い車体でお馴染みのシェアサイクルで、アリババグループの支援を受けています。決済アプリ「支付宝(アリペイ)」から直接利用できる点も特徴です。


BLUE PAI(蓝派)は、Hellobike が約10年にわたり蓄積してきた位置情報、IoT車両管理、AIアルゴリズム、運営データを、外部のシェアサイクル運営者・車体メーカー・海外事業者へ提供するためのブランドです。自らシェアサイクル運営を行わず、パートナーと競合しない「純粋な技術サービス提供者」である点が大きな特徴で、中立性が強く打ち出されています。

ハードウェアからソフトウェア、運営支援までを一体化したフルスタックサービスを提供し、各国の安全認証に対応したデバイス、多言語SaaS、ローカルペイメント、法規対応支援にも強みがあります。東南アジア・豪州・中東など10カ国以上で運営立ち上げを支援しており、海外向けローカライズや運営ソリューションも幅広く展開しています。

BLUE PAI は「電動アシスト無しのシェアサイクル」だけでなく、電動アシスト車、電動バイク、換電式二輪、キャンパス向け小型EVなど、複数カテゴリの二輪モビリティに対応しています。

以前の投稿でも触れましたが、世界の大都市中心部の多くは急勾配が少ないことに着目すると、運営側の電池マネジメント不要な“アシスト無しシェアサイクル”が、現実的な落としどころだと店主は考えています。機能の多くをスマホ側に集約し、車体は電子キーのみを備えるペダルバイク主体のサービスは、運営の持続性という観点でも合理的です。

ユーザー層や運営企業のマネタイズを考えると難しいと思いますが、出張者目線だと、BLUE PAI のサービスや提携先が広がることで、各国旅行先において共通アプリでシェアサイクルを利用できるようになれば、利便性は大きく向上しそうです。


なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、#chcy2026をご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年9月25日金曜日

Light Bicycle / NO.6 / AVIIAV / FARSPORTS / Craft Racing Works / Superteam / MOSTSPORT カーボンホイール & リム 関連 CHINA CYCLE 2026 #chcy2026

Light Bicycle / 乐摆定制 ブース

2026年5月、ゴールデンウィーク明けに上海・SNIECで開催された「CHINA CYCLE 2026」へ出張してきました。今回はホイール・リム関係のブースをご紹介します。

Light Bicycle ブース
Light Bicycle Falcon Pro WHEELSET AIRIA
Light Bicycle / 乐摆定制 ブース

Light Bicycle は OEM や特注仕様にも柔軟に対応しており、デカールの追加やレーザーエッチングによるロゴ・グラフィックの加工も可能です。

NO.6 ブース

NO.6(Number 6 / No.6 Racing Wheels)は、シンガポール発のカーボンホイールブランド。製造はメインランドチャイナですが、低価格帯の中華ホイールとは一線を画す、ミドル〜ハイエンド市場をターゲットとしています。

AVIIAV ブース

韓国のカーボンホイールメーカー「AVIIAV」。昨年(2025年)までは自社で出展していましたが、今年は中国国内で代理店が見つかったようで、「那自行车限公司(Xingtai Jiejian Bicycle Co., Ltd.)」のブースで展示されていました。

FARSPORTS ブース
Craft Racing Works / CRW ブース
Superteam / POFENG ブース
MOSTSPORT ブース
小径カーボンリムもラインナップしています
厦门凯世迈复材科技有限公司
小規模ながらカーボンハブ等に強みを持ちます

ブティックブランドと比べると、中華系ホイールは総じてコストパフォーマンスに優れたモデルが多いのは事実です。ただ、これはフレームにも当てはまりますが、重量や空力といったカタログスペックは非常に良好なのに、実走すると「あれ?」と感じる個体が一定の確率で存在するのも正直なところです。

もちろん乗り手の好みもあるため定性的になりますが、数値だけでは語れない“味付け”の差は依然としてあります。いわば、欧米ブランドが長年積み上げてきた秘伝のタレ的な設計・チューニングの妙が、まだ中華勢には完全には移植されていないのかもしれません。

そんな店主が現在気になっている完組ホイールが、以前の投稿でも触れた TAVELO のホイールブランドが展開する「Pertual Sharp ADV 47/58 Disc」および「Pertual Sharp Pro 47/58 Disc」 です。

構造的には、G3組など有名モデルの“良いところ取り”をしたような設計で興味を惹かれています。特に後者は、フランジ外周に金属スポークを引っ掛ける構造が非常に理にかなっており、一度試してみたいと思わせる仕上がりです。


なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、#chcy2026をご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2026年9月23日水曜日

Schwalbe Rick Race Pro 32" / CST OPERATIVE 14 x 1.75 / MACHVOLT PRO G5 16 X1*3/8 / CHAOYANG WOVEN 700x32C TLR / GLADIATOR 26×2.35 / DIFEN TPU Tubes / エラストマー弾性体向けの3Dプリンター GS-RS-400Lite CHINA CYCLE 2026 #chcy2026

Schwalbe ブース

2026年5月、ゴールデンウィーク明けに上海・SNIECで開催された「CHINA CYCLE 2026」へ出張してきました。今回は、タイヤ/TPUチューブ/3Dプリント製品の関連ブースをご紹介します。

Schwalbe Rick Race Pro 32" (32" x 2.4")
Schwalbe Rick Race Pro 32" (32" x 2.4")
Schwalbe Rick Race Pro 32" (32" x 2.4")

まずは「Schwalbe」。先日のチェコ・ナショナル選手権XCレースで優勝した Ondřej Cink が使用したことでも話題となった、プロトタイプの 「Schwalbe Rick Race Pro 32"」 が展示されていました。

CST / Cheng Shin Tire(正新輪胎)ブース
CST OPERATIVE 14 x 1.75
CST OPERATIVE 14 x 1.75
CST OPERATIVE 14 x 1.75
CST MACHVOLT PRO G5 16 X1*3/8
CST MACHVOLT PRO G5 16 X1*3/8
CST E-V MICRO MOBILITY 14X2.125
CST E-V MICRO MOBILITY 14X2.125
CST E-V MICRO MOBILITY 14X2.125
CST BIG BOAT ALPHA 
CST BIG BOAT ALPHA
CST SELF-SEALING TUBES
MAXXIS ブース

世界最大級の自転車タイヤ・チューブメーカーとして知られる CST。近年、他社が小径サイズを次々とディスコンする中、電動小型モビリティ需要もあって新モデルを投入しています。

CHAOYANG(チャオヤン)チューブレスレディタイヤ WOVEN 700x32C H-498 TLR
CHAOYANG(チャオヤン)チューブレスレディタイヤ WOVEN 700x32C H-498 TLR

エントリー価格帯のラインナップを多く揃える CHAOYANG(チャオヤン)。その中でチューブレスレディタイヤの WOVEN は上位モデルで、既に展開済みのシリーズですが、今回新たに 700×32C・ブラウンサイド が追加されました。B to B でフルラップされた耐パンクレイヤーを装備しています。
 
CHAOYANG(チャオヤン)GLADIATOR H-5136 26×2.35 カラータイヤ
CHAOYANG(チャオヤン)GLADIATOR H-5136 26×2.35 カラータイヤ
CHAOYANG(チャオヤン)GLADIATOR H-5136 26×2.35 カラータイヤ

アジア市場を中心に、2018年頃から徐々に拡大している 80〜90年代ヴィンテージMTBや Japanese Style Bikes のトレンドに乗り、同社は 26インチタイヤの新作を発表しました。

iRC ブース
iRC ブース
Panaracer ブース
RALSON ブース
HARTEX ブース
深圳市鼎丰体育用品有限公司 / ShenZhen DIFEN Sporting Equipment Bicycle Co., Ltd.
色とりどりTPUチューブ
色とりどりTPUチューブ

越境 EC で見かける DIFEN の TPU チューブ。他ブランドのプリントが入ったモデルも確認できることから、かなり幅広く OEM に対応しているようです。ただ、メーカーというよりは、ヘルメット他を含む樹脂系製品を手広く扱う 商社的なポジションの企業なのかと。

SKYPEAK / 南通順馳橡膠製品有限公司 ブース
エラストマー弾性体向けの3Dプリンター GS-RS-400Lite
エラストマー弾性体向けの3Dプリンター GS-RS-400Lite
ブチル製インナーチューブを主力としてきた SKYPEAK(南通順馳橡膠製品有限公司) ですが、近年は TPUチューブや 3Dプリント樹脂製品にも力を入れています。エラストマー対応の 3Dプリンター 「GS‑RS‑400Lite」 を導入したとのことで、OEM 供給にも対応する方針のようです。該当装置は、おそらく エラストマー特化の 3Dプリント新興企業・光速一構造智能科技(杭州)有限公司 製と思われます。

似たような装置を挙げれば、店主は2018〜2019年頃に開催された機械要素技術展(M‑Tech)で、キーエンス(KEYENCE)が出展していた シリコーンゴム対応の 3Dプリンタ を見た記憶があります。確か当時は、造形できるワークサイズがかなり小さかったと記憶しています。


なお、当店の「CHINA CYCLE 2026」関連記事は、#chcy2026をご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。