2025年7月14日月曜日

SHIMANO | シマノ ブース XTR M9200 / XT M8200 / DEORE M6200 / Q’AUTO(クォート)自動変速システム / GRX RX827 / PRO Tharsis EVO Handlebar | EUROBIKE 2025 出張記

EUROBIKE 2025 シマノ屋内ブース

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。屋内外共に最大スペースのブースを構え、「圧倒的じゃないか」の存在感を誇っていたのがシマノさん。

そこには多くの業界関係者が集まり、同社が欧州に築いてきた広範なコミュニティの存在を強く感じさせられました。中国市場を除き、世界的に景気の悪い話が絶えない自転車業界を反映して、出展を見合わせる大手ブランドも散見されます。

シマノの大掛かりなブースを拝見していると、そんな状況に屈することなく、関係者を札束でビンタして「弱音を吐くな」とでも言わんばかりの気概とも捉えられました。

同社はEUROBIKEの開催に合わせ、6月上旬より「XTR M9200 / XT M8200 / DEORE M6200 / Q’AUTO(クォート)自動変速システム / GRX RX827」と新製品を週ごとに矢継ぎ早に発表しました。本ブースでは、それらが中心に展示され、加えて新型のSPD/SPD-SLシューズも公開されました。

Cannondale Moterra SL LAB71 E-MTB
モーターユニット:シマノ EP8
サスペンションユニット:FOX
コンポーネント:XTR M9200
電動シフト・Di2仕様の「XTR M9200シリーズ」が投入されたことで、
EP8の「AUTOSHIFT/FREESHIFT」の本領が発揮される土壌が整ったと言えます
1×12速フルワイヤレスDi2グラベルコンポーネント:GRX RX827
RD-RX827-SGS
GRX RX827の概要
  • 完全ワイヤレスDi2:RDにバッテリーを内蔵し、ケーブルレスでシフト操作が可能
  • 1×12速専用設計:フロントシングル構成に最適化
  • MTB由来の堅牢性:XTR M9200の技術を継承、衝撃復帰機能やスキッドプレート搭載
  • 既存ST-RX825と互換:レバーはそのまま、RD交換のみでフルワイヤレス化が可能
注意点
  • ホイールのフリーボディがMICRO SPLINEである必要あり
  • RD-RX827はロングケージのみで、10-51T専用
O2FEEL Equo Roland-Garros E-Cargo Bike
モデル名に合わせてテニスラケットとボールを配って展示
PD-EF205 ペダル:樹脂プレートで隙間を埋めたフラットな面構造
日本国内での人気はイマイチですが、このようなバイクと合わせると最適

E6100 CARGO と ALTUS 9s の組み合わせ
シマノ ブース
ORBEA KEMEN TOUR 30
ザ・欧州 コミュータ E-BIKEの佇まい
ビルドイン・フロントライト
ORBEA KEMEN TOUR 30
EP6 と CUES U4000 9s の組み合わせ

店主好みの「ORBEA KEMEN TOUR 30」。コクピット周りのケーブルは内装処理されており、外観はすっきりとしています。前後ライト、フルフェンダー、リアラックが標準装備。日本の道路環境ではフロントサスペンションは不要かもしれませんが、派手さはないものの、こうしたE-BIKEこそが現実的で使い勝手に優れていると感じます。ただ、円安の影響もあり、€3,499≒約60万円のプライシング。

PRO Tharsis EVO Handlebar
5色展開のデカールキット
PRO Tharsis EVO Handlebar
PRO Tharsis EVO Handlebar

ショー開催に合わせて公開された「PRO Tharsis EVO Handlebar / シマノ プロ タルシス エボ ハンドルバー」。新型XTR M9200に最適化されており、「PRO Tharsis Stem」との組み合わせでスマートなインターナルルーティングを実現。また、5色展開のデカールキットも用意されて、PD-GR400 ペダルとマッチカラーが可能になってます。

シマノ メカニック ブース
シマノ ブース 2F ミーティングスペース
シマノ 屋外 テストライド ブース
新型 XTR M9200搭載バイクが目玉になっていました
GRX RX827 搭載 グラベルバイクもズラリ
GRX RX827 試乗車
2x仕様のGRX RX825 試乗車
2x仕様のGRX RX825 試乗車

屋外にある同社のテストライド・ブースも大規模で、新型のXTR M9200やGRX RX827を搭載した試乗車が大量に並べられていました。

本ショーへの出展は、SHIMANO EUROPE B.V.が主導していたこともあり、日本人スタッフの姿はほとんど見かけませんでした。シマノは、2024年に組織構造の再編と人事戦略の刷新を行っており、より現地化が進んでいるのかもしれません。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月13日日曜日

CLAMBER E-Cargo Bikes | クランバー Eカーゴバイク | CHINA CYCLE 2025 出張記

CLAMBER/南洋/NINGBO NANYANG VEHICLE CO.,LTD ブース

2025年5月に上海で開催された「CHINA CYCLE 2025」へ出張してきました。店主は、働く自転車であるCargo Bikeに個人的な興味を持っており、各展示会でもつい目を奪われてしまいます。

最もびっくりしたのは、いつも立ち寄るカーゴバイクを得意とする「CLAMBER/南洋/NINGBO NANYANG VEHICLE CO.,LTD」ブース。同社は、昨年までのCIとイメージキャラクターを刷新。

その変貌ぶりは、まるで同窓会で久しぶりに再会した垢抜けなかった学級委員長が、眼鏡を外し洗練された雰囲気をまとって現れたときの驚きに似てます。「本当にあのCLAMBERなのか?」と思わず二度見してしまうほど。

電動スクーター/Eバイク&カーゴバイク市場において、中国の主要プレイヤーは、YadeaやAimaがまず挙げられるかと。両社は、中国を拠点とする大手電動二輪車メーカーで強い存在感を持っており、都市型モビリティの分野で成長を続けており、近年では、BeiDou SatNav Tech(衛星ナビゲーションシステム)と連携して、事故率の低減などにも取り組んでいます。

今回のCLABERが取った施策は、既にレッドオーシャン化している欧州のE-カーゴバイク市場でそれらに対抗するため、同社の新たなブランディング戦略とも捉えられます。

CLAMBER/南洋/NINGBO NANYANG VEHICLE CO.,LTD ブース
CLAMBER ブース
CLAMBER ブース
CLAMBER ブース

今回、CLAMBERは大小二つのブースで出展していました。一つは海外対応を含むメーカーサイト、もう一方は中国国内の小売サイトですが、どちらも世界観が統一されており、洗練された印象を受けました。

なお、当店の「CHINA CYCLE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月12日土曜日

北京 太古里三里屯 / Taikoo Li Sanlitun 北京首都国際空港からのアクセス方法 LVMH 旗艦店 現状視察 apple/ARC'TERYX/春風習習/Nike Jordan/UNIQUE PLANT/Hermès/UR(URBAN REVIVO)/%ARABICA | EUROBIKE 2025 出張記

太古里三里屯 / Taikoo Li Sanlitun

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。日本への帰国便は、FRA→PEK→HNDの経路で、北京での乗り継ぎ時間は5時間40分でした。

航空券を確保した時点では、Air China同士の国際線乗り継ぎであるため、エコノミークラスでもトランスファーラウンジを無料で利用して仮眠できるものと高を括っていました。しかし、どうやら改装工事中なのか、出張時は予約できませんでした。

それじゃ時間が勿体ないので、短期入国して北京首都国際空港/PEKに近い朝陽区にあるショッピングモール、「太古里三里屯/Taikoo Li Sanlitun」を訪問することに。その目的は、都市開発が活発で、新興層に人気を集めるとされる北京東部エリアの視察、および開業が遅れているLVMH旗艦店の現況確認にありました。

ちなみに、本ショッピングモールには、上海の店舗にもお邪魔した自転車ライフスタイル店「RE(而意/アールイー)」さんが2店舗も構えられています

国際線ターミナルT3-Cのシャトルトレイン

半日未満の滞在だったため、待ち時間の少なそうな短期入国者用の窓口を利用してイミグレを受けようとしましたが、係員の指示により通常の入国審査列に並ぶことに。

シャトルトレインでT3-C→T3のメインターミナルへ移動
PEK T3 メインターミナル
北京の地下鉄は、Capital Airport Express 含めてクレジットカードのタッチ決済可能
Mastercard/VISA/JCB/American Express 対応で便利

北京の地下鉄網は、上海同様に猛烈な勢いで路線が広がっています。路線図をgoogleで検索しても、古いモノばかりがヒットして使い物にならないので、「北京地鉄/Beijing Subway」の公式MAPがお勧めです。

PEK T3→三元桥までCapital Airport Expressに乗車
三元桥→团结湖まで地下鉄10号線に乗車
团结湖站 F出口
朝陽区は自転車道の整備が進んでいます

PEK第3ターミナルからCapital Airport Expressに乗車し、三元桥駅で下車。その後、地下鉄10号線に乗り換えて团结湖駅まで向かいます。F出口を出て徒歩約10分で、太古里三里屯に到着します。

朝陽区 街並み
朝陽区 街並み
大通りに面した西区の店舗配置

北京・三里屯の「Taikoo Li Sanlitun」は、南/北/西区の3エリアで構成され、総面積は約20万㎡。それぞれ異なるコンセプトで設計されています。 一部ブランドは南北間で移転・再配置されており、「北=ラグジュアリー」「南=トレンド&ライフスタイル」という明確なゾーニングが進行中です。

「内巻(nèijuǎn)」経済が叫ばれる今日の中国市場。店主は西区から回りましたが、予想以上の集客と賑わいを感じました。来訪者は20〜30代が中心という印象で、飲食店も濃淡はあるものの全体的に盛況である様子がうかがえました。

Louis Vuitton 現店舗
北京·Apple苹果旗舰店(三里屯店)
中国におけるapple store 1号店
Apple Watch Series 10 プライドエディション
ARC'TERYX
ARC'TERYXの凝ったファサード
春風習習(Chunfeng Xixi)
書店+雑誌図書館+カフェスペースの業態で、日本の本や雑誌も並んでいました
Jordan 乔丹 北京三里屯太古里旗舰店

中国の都市部は、Jordanストアが多いなと思ってAIに聞いてみると…。
  • 「乔丹体育(Qiaodan Sports)」という中国企業が、ジョーダンの名前を使ったブランドを展開していました。これはナイキの「Jordan Brand」とは無関係ですが、長年にわたり中国国内で広く展開されていました。
  • 都市部のショッピングモールや繁華街に多数の店舗が存在し、特に「乔丹」の漢字表記が消費者にジョーダン本人を連想させるため、認知度が高かったのです。
  • ただし、商標権を巡る訴訟でマイケル・ジョーダン氏が勝訴し、現在は「乔丹」の使用に制限がかかっています。
  • つまり、中国は特殊な事情(模倣ブランドの展開)により、ジョーダン関連ショップが多く見えるという構造です。
ちなみに、三里屯太古里にあるのは、ナイキが展開する公式のジョーダンブランド直営店。正式名称は「Jordan 乔丹 北京三里屯太古里旗舰店」で、ジョーダンブランドの旗艦店として位置づけられています。

UNIQUE PLANT 三里屯太古里店
植物を中心に、アート・空間・ライフスタイルを融合させた体験型ショップ

太古里三里屯 構内
開業が遅れているLVMHの新店舗
左からTiffany & Co./Louis Vuitton/Dior

ルイ・ヴィトン/クリスチャン・ディオール/フェンディ/セリーヌ/ブルガリ/ティファニーなど、数多くの高級ブランドを傘下に抱えるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)。フランスに拠点を置く世界最大のラグジュアリーコングロマリットです。

昨今、中国国内の景気後退や高級消費の減速が影響し、ハイブランドによる出店計画の見直しや開業延期が相次いでいます。太古里三里屯におけるLVMH旗艦店も開業時期が未定となっており、その象徴的な事例といえるでしょう。それでも各社は、三里屯太古里を体験型旗艦店の重要拠点と位置づけ、空間演出やブランド世界観の構築に注力しています。

Diorの北側は、Hermèsが出店予定
Diorの西側、Burberry/BALENCIAGA が営業中
南区と北区の間、UR(URBAN REVIVO)三里屯旗艦店も開業準備中

「URBAN REVIVO(UR)」は、中国発のファストファッションブランド。「中国版ZARA」とも呼ばれ、高頻度の新商品投入と大型店舗展開を特徴としています。「快奢時尚(Fast Luxury Fashion)」という独自のポジショニングを掲げ、手頃な価格で洗練されたデザインを提供してます。

UR 三里屯旗艦店は、2025年下半期に開業予定。約3,000㎡の大型店舗で、URとしては北京最大級の旗艦店になります。同社は2024年にニューヨーク・SOHO地区に大型店舗を出店しており、2025年にロンドンや東京など世界の主要都市にも旗艦店を開業予定で国際戦略を加速中です。
FENDI 出店予定地は基礎工事中
LGエリアの店舗配置
% アラビカ / % ΔRΔBICΔ / %ARABICA
店主が太古里三里屯を訪れたのは平日だったため、奥まった北区エリアは人通りが少なかったものの、「%ARABICA」はほぼ満席で賑わっていました。

シェアサイクルのリバランス作業風景

PEKへの帰路ついでにシェアサイクルを利用し、「貧乏人セット」で話題を集めたチェーン店「南城香」に立ち寄り、「失われた30年」のデフレスパイラルを生き抜いた先人として、その一食を噛みしめようと目論んでいたのですが——あいにく、タイムオーバーでした。

北京地鉄10号線

本旅で直前まで滞在していたフランクフルトと比べると、北京の地下鉄は駅構内や車内の案内表示が分かりやすく、初めてでも迷うことがありませんでした。また、多くの環状線が存在しますが、「(Counter-)Clockwise Loop」との表記が直感的で理解しやすいのも特徴です。

PEK T3-C
FSCながら格安のAir Chinaは、ターミナル最端の搭乗口
広大なPEK
24時間営業のカフェ・チェーン店があるので、深夜早朝の乗継ぎも安心

今回は往復ともにAir Chinaを利用しました。FSCでありながら格安で、零細な当社にとっては非常にありがたい存在です。ただ、HND/PEKともにターミナル最奥の搭乗口が割り当てられ、ヒエラルキーの現実をまざまざと見せつけられるのでした。

結局、PEK→HND便は1.5時間遅れて出航。だったら「南城香」に寄ってからでもよかったな、とつい悔しくなります。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年7月11日金曜日

Cannondale SuperSix EVO Gen.2 | キャノンデール スーパーシックス エボ MY2017 リムブレーキ ハンドル RDハンガー交換 メンテナンス

Cannondale SuperSix EVO Gen.2 | キャノンデール スーパーシックス エボ  MY2017

リムブレーキ時代の名車として挙がることも多い「Cannondale SuperSix EVO Gen.2 | キャノンデール スーパーシックス エボ」。ハンドル交換とRD不調ということでメンテナンスを承りました。
変速不調のRD周りは、RDハンガーを交換。Rがきつい取り回しゆえ、アウターケーブルを柔軟性のあるOT-RS900に変更して仕上げました。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

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