2025年9月6日土曜日

BCF Nukeproof/GIANT SEEK/MY2001 Nicolai Nucleon DH 1/S16 MGU/MAVIC/Black Bearing/KTM SCARP EVO/Polygon Collosus T9/VELLO BIKE | EUROBIKE 2025 出張記

Belgian Cycling Factory ブースに展示された「Nukeproof」バイク

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。Belgian Cycling Factory(BCF)は、ベルギー・ウァレヘム(Waregem)を拠点とする自転車ブランド専門の投資・運営会社です。

同社は、エクスペリエンスセンター「Bike Valley」も運営しており、RidleyやEddy MerckxといったBCFブランドの製造ライン見学のほか、最先端のパフォーマンステスト設備、ショールーム、サイクルカフェなどが体験できるようです。

そんなBCFですが、2025年初頭に「Nukeproof」を新たなポートフォリオに加えました。MTBオジサン世代にとって懐かしい同ブランドの歴史を振り返ると…。

1990年、米国ミシガン州グランドラピッズで自転車愛好家かつエンジニアのJohn MuenzenmeyerがNukeproof Industriesを創業。90年代初頭のマウンテンバイク市場の成長期に、ライダー目線での高性能コンポーネント開発を志しブランドを立ち上げました。

最大の功績はチタンとカーボンファイバーを組み合わせたエキゾチックマテリアルを用いたパーツ設計にありました。とくにカーボン/アルミハブは高い評価を受け、その後チタンフレームやカーボンハンドルバーなど多彩な製品ラインナップへと発展したのです。

しかし、90年代後半の米国内市場の低迷を受け、Nukeproof Industriesは2000年代初頭に経営難に陥ります。2004年には北アイルランドのDHレーサー、Michael Cowanが商標権を取得。Muenzenmeyerはブランド運営から退き、2007年にCowanによるリブランディングへと道を譲りました。

Michael CowanはWiggle/Chain Reactionの中核メンバーとして活躍し、2007~2024年まで同グループ経営下でNukeproofを展開。しかし、Frasers Groupが経営難に陥ったWiggle CRCを買収した際にNukeproofも取得して、2024~2025年2月にかけて保有。更に2025年2月以降は、BCFがFrasers Groupから買取り傘下に組み入れています。

余談ですが、Wiggle CRCの解体後、Cowanはそれまでに培ったeコマースとハウスブランド運営の経験を土台に、共同創業者のMatt Mountainとともに、直接調達モデルを採用したコンポーネントブランド「Ascend Components」を立ち上げています。

一つのブランドの歩みを辿ることで、そこに関わる人々の物語も浮かび上がってきて興味深いものです。

GIANT ブース
GIANT ユースブランドであるSEEK
電動変速+油圧ディスクブレーキで子供でも扱いやすく
NICOLAI ブース
同社は創業30周年を迎えました
MY2001 Nicolai Nucleon DH 1 
当時、既に8 インチトラベル+Rohloff ギアボックスを搭載
Nicolai S16 MGU
MAVIC ブース
同社は長年低迷感が否めませんでしたが、復活の兆しが…
フランスの再建専門企業「By Saving」が経営権を取得した効果かと
Black Bearing ブース
KTM SCARP EVO /// FRAME KIT RS
BLACK & WHITE & BLUE
KTM SCARP EVO /// FRAME KIT RS
BLACK & WHITE & BLUE
Polygon / PT Insera Sena ブース
新型トレイルバージョンのフルカーボン「Collosus T9」を発表
同社は2024年に米レジェンドビルダーのFrank The Welder(FTW)氏を技術指導で招聘
KROSS ブース
Wilier ブース
Dynamic Bike Care ブース
GARMIN ブース
TRAFFIC GmbH | Traffic Distribution ブース
Bombtrack や Swift Industries 等を展示
VELLO BIKE ブース
VELLO BIKE ブース

当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月5日金曜日

Porsche 911 GT3 R Lionspeed GP x FACTOR Bikes | EUROBIKE 2025 出張記

Porsche 911 GT3 R Lionspeed GP x FACTOR Bikes
Porsche 911 GT3 R Lionspeed GP 足回り
Porsche 911 GT3 R Lionspeed GP コクピット

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。Pinkbikeで「マーケティングの教科書に載っている最も古典的な手法は、商品を高級車に貼り付けることだ」と少々皮肉られていましたが、店主もまんまとその罠にハマって撮影してしまっているわけで…。

ポルシェのGTレース仕様車(911 GT3ベース)に、FACTORのバイクが積載された状態で展示。車両は、Lionspeed GP仕様のポルシェ911 GT3 R。GTWC Europeで実戦投入されているマシンで、ル・マン勝者Riccardo Peraらがステアリングを握る本格GT3カー。

2022年初頭、ポルシェはE-BikeやE-PMV分野への参入を発表しました。FACTORとのコラボレーションは、その本格的な市場参入に向けた布石とも見ることができます。


当店の「EUROBIKE 2025」関連記事は、コチラをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年9月4日木曜日

SENTYEH / SUMC / OG-EVKIN / Taishan Sports Industry Group / PARDUS / Elitewheels / evolve / L-TWOO / Magene / JAVA / STREN / VONOA | EUROBIKE 2025 出張記

SENTYEH / SUMC ブース

2025年6月下旬、ドイツ・フランクフルトで開催された「EUROBIKE 2025」へ出張してまいりました。自転車業界の厳しい状況が続く中、地元欧州ブランドの出展控えが目立った今年のEUROBIKE。長年同イベントに足を運んでいる来場者の間では、その空白を埋めるかの如く「中国ブランド・メーカーのブースが急増した」との声が多く聞かれました。

店主も上海ショーでお馴染みのブースを数多く見かけました。その中には自社ブランドだけでなくOEM/ODMを手がける企業も多く、B2B商談の場として出展している側面もあります。また、台北/台中/上海ショーをあえてスキップし、EUROBIKEのみに出展する企業も少数ながら存在し、そのマーケティング戦略の違いが興味深いです。

OG-EVKIN
Taishan Sports Industry Group / PARDUS
Elitewheels / evolve
L-TWOO
L-TWOO:「eTX」MTB電動ワイヤレスコンポーネント
L-TWOO | RD-ET1210 仕様
L-TWOO | SL-ET1210 仕様
Magene
JAVA
JAVA
STREN / VONOA
STREN / VONOA

EUは中国製の完成車に反ダンピング関税を課しているため、多くの企業が台湾経由や東欧工場で組立等で関税回避を図っています。未確認ですが、D2Cモデルであれば完成車も関税対象外になるという話もあり、そうなると中国とEUは大陸でつながっていて鉄道輸送も利用可能ゆえ、販路拡大のハードルは思いのほか低いのかもしれません。

また、自社ブランドを立ち上げた中国企業の多くは、QC確保/OEM先商品との競合回避/先願された特許などを理由に、まずは自国市場で地固めを図っています。一方で欧州ブランド買収などの動きを見ていると、関税回避とブランド力強化を両立させつつ、欧州市場への進出に向けた下準備をしたたかに進めていることが伺えます。


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※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年9月3日水曜日

2025/9/3 (水) 終日休業 お知らせ

直近の御連絡になりますが、店主出張の為、以下の通りに変更させて頂きます。

2025/9/3(水):終日休業
2025/9/4(木):定休日

店頭業務(接客&作業)で電話対応できないことが多々ございます。お手数ですが、お時間をずらして再度お電話頂ければ幸いです。同理由でメール返信も遅延気味ですが、予めご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月2日火曜日

シマノ Vブレーキレバー ALIVIO BL-T4000 / DEORE BL-T610 比較

シマノ Vブレーキレバー
左:ALIVIO BL-T4000 / 右:DEORE BL-T610

2025年9月時点、シマノ製Vブレーキを選定する場合は、「ALIVIO系 T4000」または「DEORE系 T610」の二択に絞られます。

Vブレーキ本体は、ブレーキシューが一体型の「S65T」を採用する「BR-T4000」と、カートリッジ型の「S70C」を採用する「BR-T610」で比較的差別化しやすいのですが、レバー側の違いは判別しづらくなっています。なお、仕様書を確認すると、ブレーキ本体の仕上げは「BR-T4000」が塗装、「BR-T610」がアルマイト処理となっています。

違いが分かりにくいレバー側ですが「BL-T4000」に対して、上位グレードの「BL-T610」はブラケットのプレスラインが複雑で、I-SPEC Bにも対応したオープンクランプ仕様ゆえ、ぐっとラグジュアリー感が増しています。

ただ、後発のI-SPEC EVやI-SPEC II規格と比較すると、シフトレバー取付自由度が低く、対応品も少ない為、I-SPEC Bの機能的メリットは殆どないのが現実です。サードパーティ製でアダプタがあるかもしれませんが…。
シマノ BL-T4000 Vブレーキレバー
シマノ BL-T610 Vブレーキレバー

両レバーを比較したところ、遊び量は同等のフィーリング。しかし、レバー主軸~タイコ受け軸までの距離を実測すると、BL-T4000が42 mmに対して、BL-T610は38 mmと短くなっています。アウター受け/主軸/タイコ受けの角度も影響するため断定はできませんが、T610のカチッとしたブレーキフィールは、この寸法差が理由と考えられます。

余談ですが、タイコ受け外側がブラケット内面と擦れると、ざらついた感触になるため、当店では組み立て時に薄くグリスを塗布しています。

最後に大事なお知らせがあります。ディスクブレーキ普及に伴い、フラッグシップのXTRから順次生産終了となってきたシマノ製Vブレーキ。いよいよDEOREグレードの「BL-T610」と「BR-T610」も生産終了の模様で、生産依頼を掛けていない問屋さんからは既に在庫がなくなっています。お求めはお早めにどうぞ。

ちなみに2025/9/2現在の店頭在庫は下記のようになっています。
a. BL-T610 ブラック:数セットあり
b. BL-T610 シルバー:1setのみ
c. BR-T610 ブラック:数セットあり
d. BR-T610 シルバー:完売

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月1日月曜日

当店ご近所に新しいコインパーキング「第一興商 ザ・パーク クレスト 浦和高砂」

第一興商 ザ・パーク クレスト 浦和高砂
第一興商 ザ・パーク クレスト 浦和高砂

お車でお越しのお客様には、これまで最寄りのコインパーキングとして「パークデイズ浦和高砂4丁目」をご案内してまいりました。そこに加えて、2025年初夏より当店東側・県庁寄りの道路沿いに、第一興商さんが運営するコインパーキング「ザ・パーク クレスト 浦和高砂」が稼働を開始しております。

なお、いずれの駐車場も当店との提携や割引サービスはございませんので、各施設の料金体系に従ってご利用ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。