2024年4月27日土曜日

厚底シューズとロードバイク 高騰化する機材価格の共通点 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その9

Youtube:為末大学 厚底探求の旅〜厚底伝来編 「靴は宗教だ!」より

シマノが、ロードバイク向けディスクブレーキ・コンポーネントを上市した当時。店主は、過去のMTB歴史や工業製品の技術動向から、「ディスクブレーキ/ワイドタイヤ/チューブレス」が主流になることは避けられないと予見しており、ほぼその通りの流れで現在に至っています。

さて、話変わって。ポッドキャストやYoutubeをながら聞きする店主、最近興味深かったのは、「為末大学 厚底探求の旅〜厚底伝来編 「靴は宗教だ!」」が挙げられます。自身はランニングシューズに知見が無く、「厚底」の流行程度しか知らなかったのですが、聴いていて「厚底シューズ=エアロ&ディスクブレーキ・ロードバイク」、「川内優輝選手=RX高岡選手」へ置き換えると、近年の国内自転車界と同じ構図に見えてきます。

この「厚底探求の旅」シリーズは、軽妙なトークの掛合いが面白いのですが、別のエピソードで「厚底化に伴い、ランナーの故障個所やトレーニング方法が変わってきた」とあって、自転車もディスクブレーキだと壊れるところが異なるわ~と思ったり。

その一方、上記シリーズに加えNumber記事の「國學院大・平林清澄はなぜ初マラソン日本新を出せた?…記録続出“超厚底シューズ”を選ばなかったワケは168cm、44kgの「超軽量ボディ」にあり」のように、厚底シューズが全てのランナー向けでないのと同様、全てのトレンド例えばショートクランクは、万人にマッチしないのでは?と店主は捉えています。

振り返ると1990年頃までは、ギア比制約もあってグランツール等の超級山岳コースでは、クランク長を伸ばす選手もいました。店主自身は、2000年頃にショートクランクを試した経緯があります。標準クランク長165mmのママチャリで、鬼漕ぎした時の感覚が良かったのがキッカケでした。

同じクランクで、165/167.5/170mmと替えて実走してみると、165mmは平地のフィーリングは確かに良かったのですが、登りはトルク不足が露見して使い物にならず、167.5 or 170mm選択するに至ります。当時と比較して、ギア比の選択肢は格段に拡がりましたし、楕円チェーンリングと組み合わせるとソリューションがあるのかもしれません。

さて、昨今のロードバイク旗艦・ハイエンドモデルは、高騰化が進んで200万円/台も珍しくなりました。ランニングシューズも同様で、ワンレースしか持たない8万円のモデルも販売されています

陸上界と自転車界で、このような機材高騰につながった理由の一つに、公式レースでの使用機材は市販品に限るとルール化されたことが挙げられるかと。利権側面もある自転車で言う「UCI承認」です。

陸上エリートランナーが、「匠・名工」が手掛けたビスポーク&スペシャルチューンされたシューズを履いていたのは有名な話です。自転車ロードレースも同様にメタルフレーム時代は、Litespeed/PASSONI/Merlin等で製作されたフレームがスポンサーロゴでカモフラージュされ、レースで目にすることがありました。

カーボンフレームが主流になってからは、特にツールドフランス等の注目度の高いレースでは、プロモーション費用が投じられ、同じ外観だけどカーボンレイアップが異なる1~数レース持てば良いといった特別レシピにて伊S工房等で作られ、エース級に供給されていたのは公然の秘密でした(現在も皆無とは言い切れませんが…)。箱車・レースカーの中身が市販車と全く違うのと似たようなものかと。

このように、以前までは「市場に出ない極々一部のエリート用」と「市販品」で暗に境界線があったものの、ルール改訂でそれが溶け、市販品・上位モデルの価格が上昇、結果的に全体的に引っ張られる形となったというのが店主見立てです。勿論、複合的な理由は挙げられるのでしょうが。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト
その1
その2
その3
その4

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