| Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ(リニアプル) オリジナル スチール オールロードバイク Shimano CUES 2x10s メカニカル セットアップ |
当店オリジナルの「Voluptas / ウォルプタース Vブレーキ(リニアプル) オールロード」のコンセプトは、お持ちのちょっと旧いリムブレーキ・ロードバイクからパーツを移植して気軽に乗り出せること。輪行を含め、細かいことに気を遣わずに扱え、ピチピチのサイクリングジャージでも普段着でも様になる“カフェレーサー”を目指しています。
ちなみに各チューブは、軽快感を重視してオーバーサイズでなく標準外径のKAISEI 8630Rを選択。ダボ(アイレット)も最小構成で、ミニV想定なのでカンチ台座を備えるチェーンステーも薄肉にしています。
上記工程を経た試作バイクですが、今回はコンポーネント類のセットアップを行います。フレーム構想段階では、ねじり剛性を確保するために「前後スルーアクスル+リムブレーキ」や、新作の自動変速「Q’AUTO(クォート)」の採用も検討しました。
最終的には、ユーザー組み立て時の追加出費を抑えられるよう換装性を重視し、前後OLD/シートポスト径/BBなどはオーソドックスな規格を採用することに。既にロードバイクをお持ちのライダーであれば、「フレームフォークセット」と「ミニVブレーキ」のみを新たに用意すれば、ほとんどのパーツを流用できる見込みです。
先に述べた「前後スルーアクスル+リムブレーキ」は、東京サンエスさんも同じことを考えていて、新作「JFF T1-R1」では独自の「フロントフォーク/ロングリーチ・リムブレーキキャリパ/スルーアクスル・リムブレーキホイール」を揃えて、量産モデルでは狂気とも言えるフレームセットが2026年春に販売開始されるようです。
前置きが長くなりましたが、今回のデモバイクはシマノが耐久性/ロバスト性/補修性を重視した新機軸コンポーネント「CUES」でセットアップすることにしました。
「修理、組み合わせ、マッチングが簡単な、シマノの新しいオールインワングループセット。SHIMANO CUESは幅広い自転車スタイルに対応する新たなスタンダードとなります」を謳い文句に近年に投入された製品です。
CUESの発表当時、MTBとロード系に互換性が持たされると期待したのですが、ふたを開けるとグループ内でMTB系とロード系は分かれる形となっており、互換性を把握するのが難しいのが現状です。
ただ、大雑把に言うとRDのケーブルピッチは共通、FDは異なると言ったところかと。ご自身で部品を選定する際は、下記の「Technical Documents for CUES」等に目を通すことをお勧めします。
店主が知る限り、シマノ製STブラケットカバーの大半が厚さ1.8mmとなってますが、CUESは耐久性を重視してか2mmと厚めになっています。そのため、従来に比べて弾力あり、ブラケットに密着して浮き上がりが無く好印象です。
シマノ製クランクの上位モデルは、スパイダーとチェーンリングを同社十八番の冷間鍛造を活かした立体的に加工することで、断面係数を稼いで剛性を確保しています。一方でCUESは、コスト制約からフラットなデザインですが、安っぽさがありません。上位にあたるリア10~11段モデルは、CNC処理も多用されてどことなくSRAMっぽい仕上がりです。
機構的制約や効率も考える必要があるので、起たせれば良いもんじゃないことは理解していますが、従来のロード系シャドーRDは、アウタ受けの角度が45°程度と寝ており、柔軟性があるOT-RS900を使わないとはみ出しが気になります。
CUES 2Xはチェーンライン他の設計値を読み解くと、下記の通りOLD135or142に最適化されてます。「Voluptas Vブレーキ オールロード (VBAR)」のOLDは、従来の100/130mmを踏襲してますが問題なく動作します。
CUES ロード2X 仕様
チェーンライン (mm): 47
O.L.D.:スルー (mm): 142、内部/外部タイプ: 135
シマノが想定するロード系コンポの想定チェーンラインは、R9200世代:44.5mm、R9100世代:43.5mm、GRX 2X:46.9mmなので、CUESはGRX設計値に準拠しているのが伺えます。
| DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX |
| DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX |
試作車では、実験的にカーボンリムを搭載したので、「ミニV(=コンパクトV・ショートリーチV)」は、シューがカートリッジ式で上位モデルの「DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX」を選択せざる得ませんでした。
アルミリムなら、エントリーグレードの「TEKTRO RX1 Mini-V Brake BR-TK-M046」辺りにすればコストはグッと抑えられます。また、カーボンリムになった際は、あとからブレーキシューのみをカートリッジ式の「DIA-COMPE 980EX-PAD」に交換されるのも一手です。
| サドル:fabric |
サドルは、業界人でも隠れた愛用者が多い「fabric」。Canonndale ブランドに統合されて一度消滅しましたが、2025年後半頃から本国サイトでリブートの動きが見られて、日本にも2026年から再上陸する運びに。
| リアタイヤクリアランス |
| フロントタイヤクリアランス |
| リアタイヤクリアランス |
| フレーム側BBシェルとツライチになるBB-R9100 |
今回は、奇をてらわずにクランクセット含めてオール・CUESでセットアップしましたが、BBとチェーンのみDura-Aceグレードを選択しています。耐久性もさることながらBB-R9100は外径が小さく、スチールフレームと組み合わせた場合にシェルとツライチになって、スッキリした外観を得られるのが理由です。
| 50/34T CL47でのチェーンリングクリアランス |
| DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX 固定部を鑑みるとスイベルボルトを使いたくなります |
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| シマノ CUESのポジション(公式サイトより) |
CUESは、エントリー~ミドルグレードに該当する「Deore/Alivio/Acera/Altus」や「Tiagra/Sora/Claris」らを置き換えるポジションです。ただ、油圧ディスクブレーキ仕様だと、それと同様なTiagraやGRX RX400シリーズよりも少し高くなる価格設定になります。この辺りがCUES搭載の完成車が増えない理由かとも。
| 2011-2012製作 Voluptas Di2インターナル ロードバイク |
| 2014-2015製作 Voluptas ディスクブレーキ ロードバイク |
さて、オリジナルの「Voluptas」は、これまで「Di2」や「ディスクブレーキ」といった新しいプラットフォームが発表されたタイミングでデモバイクを製作。前者はDi2専用設計でE‑Tubeを内装し、後者はポストマウント式キャリパーをフレームに直接固定するデザインを採用しています。いずれもメタルフレームにおいて世界に先駆けたアイデアを試してきました。
反面、今作『Voluptas Vブレーキ オールロード』は一転して枯れた技術をベースに構想・設計しています。エアボリュームを確保できる太めのタイヤを装着でき、リムブレーキながら高い制動力も実現しています。ジオメトリはショートホイールベースでキビキビしたライドフィールを狙っており、運用のしやすさや整備性にも配慮したオールロードバイクに仕上がっています。
近年は自転車の高機能化・高性能化に伴い、車体価格が高騰しています。例えば、手持ちのリムブレーキバイクからディスクブレーキフレームへパーツを移植しようとすると、機械式ディスクブレーキを選んだとしてもフレームセットの他にホイール/ディスクブレーキキャリパー/ローターを揃える追加投資が必要になります。
ある程度自転車を嗜んできたライダーであれば、それなりのホイールセットやブレーキキャリパーを求めることになり、結果として投資額は膨らみ、油圧ディスクブレーキのロードバイクを完成車で購入するのと大差なくなってしまう現実があります。
また、手元にあるリムブレーキ・ロードバイクを手放そうとしても、リセール価格が思いのほか低かったり、思い入れがあって手放しにくい方もいらっしゃるでしょう。であれば、ドライブトレーンなどのパーツをごっそり新フレームに移植し、肩の力を抜いたバイクとしてリビルドするのも良い選択肢ではないかと考えた次第です。
※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。
当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。
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