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2026年1月3日土曜日

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク 試作 ロゴ グラフィック偏 #VBAR

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク プロトタイプ

「Cerakote | セラコート」処理を施した「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。コーティング作業のあいだ、店主は本格的にグラフィックの詰め作業に取りかかっていました。

実のところ、グラフィックやロゴは、ご注文品・デモバイクを問わず、毎回もっとも頭を悩ませる工程です。以前から温めてきたアイデアを取捨選択し、ブラッシュアップしながら、サイズや配置も検討する必要があります。

自転車の場合、ロゴ類は塗装工程で薄手デカールを貼り、クリアを吹いて仕上げるのが一般的です。しかし今回は、後貼りの「UVコーティングシール」を試すことに。存在自体は以前から知っていたものの、プリンター導入は高価すぎ、外注しようとするとMOQが大きすぎる点が課題でした。

良いタイミングで小ロットで製作できるルートを見つけられたため、試験的に導入することにしました。フレームの曲面やサテン仕上げの塗装面に対する接着性を確認する目的もあります。王道であるカッティングシートも候補に挙がりましたが、単色のみで細線処理に制限がある点がネックでした。

後貼り式なら、傷が付いたり気分転換の際に、気軽にグラフィックを貼り替えられるメリットもあります。また、賛否はありますが、生成AIの普及によりアイデアを形にしやすくなっており、ユーザー自身が楽しむハードルも下がってきているのではないでしょうか?。

Voluptas | ウォルプタース ロゴ
レーザー墨出し器で位置合わせ
新しいヘッドマーク
PRO-TOTYPE ロゴ

トップチューブに配した「PROTOTYPE」は、Mark CavendishTeam SKYの絶頂期にシマノ PROがスポンサーとして投入していたプロトタイプパーツにあしらわれたロゴをトレースし、現代的にアレンジしたものです。

RIM BRAKES ONLY | リムブレーキ オンリー
Bicycle Police Department | 自転車警察

「RIM BRAKES ONLY」は、アメリカのゲームレーティング「ESRB (Entertainment Software Rating Board)」のアイコン「RATING PENDING」と「ADULTS ONLY 18+」をサンプリングしています。自転車警察を皮肉った「BCPD/Bicycle Police Department」をあしらっています。

巻き込み注意 PL警告表示 + Generalized

先のポストでも記しましたが、「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」のコンセプトは、「目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイク」。故に、チェーンステーには「特殊化/専門化した」ではなく「Generalized/汎用機」ロゴを入れました。
最後になりますが、話は少し逸れてフレーム小物やアイレットについて。ダウンチューブとシートチューブにはボトルケージ台座を設けていますが、できるだけ低重心になるよう配置しています。また、シートチューブ側はFDバンドと干渉しないよう配慮しています。FDバンドの位置はチェーンリングの歯数だけでなくモデルによっても上下するため、この最適化は意外と頭を使う作業です。

ワイヤーはシフト・ブレーキともにフルアウター仕様ですが、固定小物は美しいルーティングと均等な割り付けはもちろん、垂線を下ろした位置に揃うよう配慮しています。

なお、当店オリジナルの「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年9月25日木曜日

Vブレーキ・オールロードバイクを構想設計する 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その13 #VBAR

Vブレーキ・オールロードバイク CAD図面

以前の投稿で「レースバイクでなければ、Vブレーキ搭載のオールロードバイクが最適解ではないか?」とお伝えしましたが、店主は以前から「タイヤを太くしてエアボリュームを稼げるなら、硬めのアルミフレームをベースに組んでも、昔ほどスパルタンな乗り味にはならないのではないか」と構想を練っていました。

ただし、アルミフレームの多くは溶接後に熱処理が必要なため、生産効率を考慮するとある程度のバッチサイズが求められます。ビスポークを主体とする小規模ビルダーだとアルミが扱いづらく、必然的にスチールやチタン製に限られるのもこれが理由の一つです。例外的に故・入部正紀氏が手がけたブランド「IRIBE」は、コロンバス製「スターシップ」チューブに対応した数少ない熱処理設備を有していたことで知られています。

それなら、世界的な自転車不況の影響で欧州からのオーダーが停滞しているいまこそ、従来よりも小ロットでの生産を引き受けてもらえるのではないか──という下心もあり、この一年ほど台湾・中国・東南アジアのファブリケーション各社に、アルミフレームを少量生産できないかと展示会等でコンタクトを続けてきました。

しかし、独自ジオメトリで現行主流規格に該当しないカンチ台座付きロードバイクフレームの生産を依頼すると、どうしてもMOQが大きくなります。さらに円安やインフレの影響も重なり、自社ブランド力やニッチ市場を考慮すると、現実的な落としどころには至りませんでした。


Path Less Pedaledでも紹介されましたが、EU圏における自転車産業のメッカとなりつつあるポルトガルに拠点を置く「veloctopus.cc」が開発した6軸多関節ロボットレーザー加工機とソフトウェアの組み合わせが普及すれば、オーソドックスな形状なら小ロットのフレーム生産の敷居は下がると期待しています。ただ、実現にはもう少し時間がかかりそうです。

そんなこんなで試行錯誤を重ねた結果、原点に立ち返り、小回りの利く国内ビルダーさんにスチール製試作フレームの製作を依頼して出図も完了しました。乗り味のイメージは、All-CityのSpace HorseやBlack Mountain CyclesのMonstercrossに近く、もう少し現代的にアレンジしたものです。

目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイクを目指しています。試作の進捗を見ながら、最終的には4サイズ程の展開を目論んでいます。

細かいジオメトリの狙いなどは、また追ってお伝えします。新しい試みも検討中ですので、上手く進めば、マスプロモデルに満足されないライダーにも面白がって頂けるかと。なお、「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

まったくの余談ですが、当店のCAD環境は「IJCAD Mechanical」です。在宅など異なるPCで作業することもありますが、自転車フレーム程度の2D作図であればレイヤーやオブジェクト数が少ないため、さほど負荷はかからないだろうと考えていました。

ところが実際には、内蔵GPUとメモリ16GBでは心もとなく、スナップのトラッキングがうまく機能せずイライラする場面に出くわします。作業自体はできるものの、ストレスなく作図するには32GB以上は欲しいというのが実感です。


ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月4日火曜日

結局、ミニVブレーキ搭載 ロードバイクが最適解なんじゃない? 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その12 #VBAR

カンチブレーキ台座

舗装路をラクに安全かつ速く走破するなら、「カーボンフレーム+油圧ディスクブレーキ+電動シフト+カーボンホイール+ワイドタイヤ」を装備した、最新のロードバイクが正解なのは間違いありません。

ただ、自転車はあくまで「道具」ゆえ、全ての用途や乗り方にマッチすることはなく、得手不得手があります。その一つが自転車を分解してパッキングする「輪行」が挙げられるかと。

ディスクブレーキ・ロード黎明期と比較して、現在は対応するグッズも増えて、ノフハウも蓄積されて来ましたが、やはりローター曲がりやパッドクリアランス再現性には気を使います。

輪行の容易さや持ち運びを重視するなら、フォールディングバイク(折り畳み自転車)を選択しますが、旅先でそこそこの距離&速度で乗るなら、車輪径が大きいロードバイクやグラベルバイクが合理的です。

それなら、従来のキャリパ式リムブレーキ・ロードバイクで良いんじゃないの?と言うのはごもっともですが、フレームやブレーキクリアランスからタイヤ幅が23-28mmに制約されます。

最新バイクに慣れた身体には、7Barのピーキーさや制動力の頼りなさは正直シンドイところ。ブレーキキャリパに限って言えば、クリアランスが大きい飛び道具的な「Ciamillo L8 ULTRA」もありますが…。

COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025 フロントブレーキ台座

広めなクリアランスと言えば、リムブレーキ最終期に投入された「ダイレクトマウント」を思い浮かべる方も多いかと。タッチの良い「キャリパブレーキ」と、クリアランスが稼ぎやすい「Vブレーキ(リニアプル)」を合体させたとも言える新規格です。

直近では、世界100台限定で生産される「COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025」で採用され、仕様を見ると許容最大タイヤ幅は実寸32mmと謳われてます。ただ、専用台座が必須でディスクブレーキ化のうねりの中、本規格は忘れ去られてゆく運命になりそうです。

All-City Cycles/MR.PINK

話を一般的なキャリパブレーキに戻すと、例外的に、ロングアーチ仕様で32mm程度まで許容した過去の名車「ALL-CITY MR.PINK」が挙げられますが、そんなバイクはごく一部。この汎用性の高さは、バイクギークであるJeff Franeの面目躍如と言えるかと。ちなみにMR.PINK、フロントフォークを軽量な「Whisky Parts Co. NO.7 CARBON QR RD+」へ交換すると、グッと現代的な乗り味になります。

あと、リムブレーキで太めなタイヤが履かせられる現行ロードバイクで穴馬として挙げられるのが、「Cannondale CAAD Optimo 3」。ブレーキキャリパはショートリーチ仕様ながら、フレーム&フォークの懐が深めにデザインされていて、フェンダーレスなら30-32mmぐらいまで飲込めます。エントリーグレードですが、ベテラン勢の2ndバイクとしても「いいセンスだ」の一台としておススメです。

こんなことをグダグダ綴っていると、年配ライダーからは、伝統的なランドナーやスポルティーフを選択すれば良いんじゃないの?と、至極真っ当なご意見を頂きそうですが、そこは少々拗らせた店主。ピチピチから肩肘を張らない自転車遊びまでハマって、モーターサイクルの「カフェレーサー」みたいな、軽快で使い勝手も両立できるような1台を妄想するのです。

パナソニック FCXCC03 シクロクロス クロモリ(写真:同社WEBサイトから)

すると、知識人から届くであろう、カンチ台座が付いたCX(シクロクロス)バイクがあるじゃない?。パナソニックサイクルテックさんが「FCXCC03」を継続生産しているし…なのは、ごもっとも。ちなみに当店POS扱いはありませんが、同社製クロモリCXを購入検討されるならディスクブレーキでは無くて、カンチブレーキ仕様をおススメします。

2010年代後半までは、「ALAN BIKES/SUPER CROSS ERGAL」等の魅力的なバイクもありましたが、現在もカンチブレーキ仕様のCXバイクを流通させているのは、大手では上記パナさんと東京サンエスさんが筆頭に挙がるぐらいかと。ただ、両者ともにCX伝統ジオメトリを踏襲しており、分かり易いところだと「33mタイヤ基準&高めなBBドロップ60mm」なのが引っかかります。

それぐらい慣れの範疇。速い奴は何に乗っても早いし、上手い奴は何に乗っても上手いと言われるとぐうの音も出ませんが、ツーリングバイクなら70~75mm程度のBBドロップを基準に設計した方が扱いやすいと店主は考えます。まあ、その値も想定される基準タイヤ径やクランク長で上下するのですが。

All-City Cycles/Space Horse(写真:同社WEBサイトから) 

カンチ台座付のバイクなら、万能選手の定番「SURLY CROSS CHECK」を筆頭にされる方も多いと思いますが、ジオメトリがCX寄りで、どちらかと言うと短距離/ストップアンドゴー向き。ジオメトリで店主理想に近いのは、ディスコンの「All-City Cycles/Space Horse」で、悔しいですがJeffは二手三手先を行っているのです

ちなみにそのJeff。現在はWilde Bikesファウンダーの一人で、「Space Horse」の後継モデル「Sugar Foot」も展開しています。あと、最大タイヤ幅50mmはToo Muchですが、「Black Mountain Cycles / Monstercross」も似た設計思想が伺えます。

最近、当店をご利用頂いたベテランサイクリスト数名とも同様な話になって、結局行き着く処は同じになるんだなと妙に合点が行った次第。

ミニVブレーキ

長々と回りくどく書いて、最初に結論を述べよと怒られそうですが…。非レース/ライトツーリング用途なら、ロードバイクとランドナーの中間、今で言うオールロード/エンデュランスロードのジオメトリを踏襲して、700Cの30~40mm幅タイヤが履け、カンチブレーキ台座が付いた自転車が一番使い勝手が良いんじゃないかと店主は思うのです。

まず、ブレーキですが、古のカンチだと制動力が心許ないので、ミニV(=コンパクトV、アーム長84~85mm)が現実解。2000年代には、Campagnoloも「VELOCE リニアプルブレーキ(おそらくTEKTRO製)」をラインナップしていましたが、各社共に選択肢は絞られています。

余談ですが、店主は出来の悪いワイヤ引き(機械式/メカニカル)のディスクブレーキを使うぐらいなら、Vブレーキを選ぶと以前からお伝えしてきました。

シマノ BR-R353
鉄板のシマノですが、上位105クラスのBR-R573は既にディスコンで、現在はBR-R353のみに。ただ、どちらもアーム長が90mmなので、ドロップハンドル用STレバーと相性がイマイチ。ちなみに、レバー比を変更できるカムローラやトラベルエージェントの類は、物理&構造的な理由から当店ではお勧めしていません。

名作「TRP CX8.4」も生産を終えておりプレミアム価格に。「PAUL COMPONENT MiniMoto」は少々やり過ぎだしな~と、他に良いブレーキは、無いものかと探してたところ。2024年夏に開催された業界向け展示会で、サンプルを見て店主が鼻息を荒くしたのが⁡「DIA-COMPE BA85 / BA85EX」。カンチ仕様のCXバイクで、レースに出場している方にも朗報の一品かと(泥掃けは悪くなりますが)。

東京サンエスさん カタログより

そして、肝心のフレーム&フォーク。重量や造形の自由さを考えるとフルカーボンが理想ですが、こんなニッチなモデルに開発&金型コストを掛けては採算が取れません。そうなると、消去法的に「アルミorスチールフレーム+カーボンフォーク」の組み合わせへ落ち着きます。

フロントフォークは、カンチ台座付きを台湾や大陸工場から探すのも一手ですが、市場は既にディスクブレーキに移行していて大きなロットを積まざる得ず、CXバイクの雄、Ritcheyの「WCS Carbon Cross Canti Fork」もディスコン。結局は東京サンエスさん頼みになりそう。

個人的には、1990年代半ば~2000年初頭のアルミロード全盛期に用いられた「薄肉大径/バリカタ」なチューブを用いたフレーム。それに35C前後のタイヤを組み合わせると面白いんじゃないかと思っています。

リムブレーキでも機械構造的には、前後スルーアクスルが正しくて走行面でも恩恵が大きいですが、ハブ選択肢が非常に狭くなるのでドロップエンドはQRに。また、フレームがスチールなら、フォークは「1-1/8"」のストレートコラムが前後の剛性バランスが取れそうです。

そんなこんなで、枯れた玄人向けの「カンチ台座付・オールロード」を構想設計中です。どのように着地できるかは読めませんが、ご興味のある方は、お問い合わせくださいませ。あと、極小ロットでもフレーム製作してくれる工場をご存じでしたら、アドバイス下さい。

「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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2025年12月26日金曜日

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作 塗装編 #VBAR

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート
Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作

ライジン ワークスさんでビルドしていただいた「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。試作の第一目的はジオメトリ確認なので、塗装は店主自身でクリアスプレーのみを吹いて、ざっくりとRaw仕上げで済ませようと当初は考えていました。

ただ、この機会を逃すのは勿体ないと、7~8年前から気になっていた「Cerakote | セラコート」を試すことに。勿論、後からコーティングを依頼することも可能ですが、一度組んだり表層に何かしらを吹いてしまうと、バージン面と違って洗浄や剥離処理等が必要になり費用が嵩んでしまうのも理由です。今回、以前に取引先の方からお教え頂いた、施工会社さんにフレーム素地の状態で依頼しました。

Cerakoteに関して、直近ではBromptonが話題になりましたが、自転車業界でもフレームのみならずKOGELなどののパーツメーカーでも採用される例が増えているようです。

Cerakoteは薄膜なので、ラグのエッジが鮮明に仕上がります
塗装色:セラコート H-151 SATIN ALUMINUM

自転車フレームの塗装&表面仕上げを工法で大別すると、下記のようになりますが、多くは1.スプレーガン塗装 or 2.パウダーコートかと。
  1. スプレーガン/エアブラシ塗装
  2. パウダーコート
  3. 手塗り
  4. 水圧転写
  5. アノダイズ
「Cerakote」は、1984年にNIC Industries が銃器向けにセラミックベースのコーティング剤として開発されました。その後、用途はアウトドア用品・自動車・バイク・自転車などへ拡大した歴史があります。

Cerakoteは「セラミック粒子を含む機能性塗料」をスプレーガンで吹き付けるコーティングで、薄膜ながら高い耐摩耗性・耐薬品性を発揮し、素地の質感を残せる点が特徴です。一方パウダーコートは粉体を帯電させて付着させ高温で焼き付ける方式で、厚膜(約200–300µm)になり耐衝撃・耐食性に優れます。

両者の比較は、「Cerakote vs Powder Coat: What’s the Difference?」をご覧ください。Cerakoteは、膜厚約25–40µmでパウダーコートの半分以下で薄く、他の塗装方法と比べて素地を強調する仕上がりになり、寸法変化も抑えられます。また、耐摩耗性が高いので輪行等での傷低減にも効果が期待できます。

下処理であるショットブラスト前
マスキング処理
施工会社さんにショットブラスト前に「ヘッド/BB/ブレーキスタッド」のマスキング箇所を指示して作業を進めて貰いました。 仕上がりは言わずもがな、きめ細やかな対応をして頂けました。

これまで当店の試作&デモバイクは、ブラック&グロスで塗装&製作してきましたが、今回は、Cerakoteのマット・サテン仕上げを活かすべく、明るめな「 H-151 SATIN ALUMINUM」を選択しました。

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2026年2月7日土曜日

Voluptas x Shimano CUES | ウォルプタース x シマノ キューズ 2x10s メカニカル Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク 試作 セットアップ偏 #VBAR

Voluptas  | ウォルプタース
Vブレーキ(リニアプル) オリジナル スチール オールロードバイク
Shimano CUES 2x10s メカニカル セットアップ

当店オリジナルの「Voluptas / ウォルプタース Vブレーキ(リニアプル) オールロード」のコンセプトは、太いタイヤを許容でき、お持ちのちょっと旧いリムブレーキ・ロードバイクからパーツを移植して気軽に乗り出せること。輪行を含め、細かいことに気を遣わずに扱え、ピチピチのサイクリングジャージでも普段着でも様になる“カフェレーサー”を目指しています。

ちなみに各チューブは、軽快感を重視してオーバーサイズでなく標準外径のKAISEI 8630Rを選択。ダボ(アイレット)も最小構成で、ミニV想定なのでカンチ台座を備えるチェーンステーも薄肉にしています。
上記工程を経た試作バイクですが、今回はコンポーネント類のセットアップを進めます。フレーム構想段階では、ねじり剛性を確保するために「前後スルーアクスル+リムブレーキ」や、新作の自動変速「Q’AUTO(クォート)」、T47規格の採用も検討しました。

最終的には、ユーザー組み立て時の追加出費を抑えられるよう換装性を重視し、前後OLD/シートポスト径/BBなどはオーソドックスな規格を採用することに。既にロードバイクをお持ちのライダーであれば、「フレームフォークセット」と「ミニVブレーキ」のみを新たに用意すれば、ほとんどのパーツを流用できる見込みです。

余談ですが、先に述べた「前後スルーアクスル+リムブレーキ」は、東京サンエスさんも同じことを考えていて、新作「JFF T1-R1」では独自の「フロントフォーク/ロングリーチ・リムブレーキキャリパ/スルーアクスル・リムブレーキホイール」を揃えて、量産モデルでは狂気とも言えるフレームセットが2026年春に販売開始されるようです。

前置きが長くなりましたが、今回のデモバイクはシマノが耐久性/ロバスト性/補修性を重視した新機軸コンポーネント「CUES」でセットアップすることにしました。ちなみにドロップハンドルバー用 CUESの全体的な意匠や設計思想は、MTBコンポ寄りなのが読み取れます。

同製品は、「修理、組み合わせ、マッチングが簡単な、シマノの新しいオールインワングループセット。SHIMANO CUESは幅広い自転車スタイルに対応する新たなスタンダードとなります」を謳い近年に投入されました。

CUESの発表当時、フラットバーとドロップハンドル系に互換性が持たされると期待したのですが、ふたを開けるとグループ内で両者は分かれる形となっており、互換性を把握するのが難しいのが現状です。

ただ、大雑把に言うとRDのケーブルピッチは共通、FDは異なると言ったところかと。ご自身で部品を選定する際は、下記の「Technical Documents for CUES」等に目を通すことをお勧めします。




店主が知る限り、シマノ製STブラケットカバーの大半が厚さ1.8mmとなってますが、CUESは耐久性を重視してか2mmと厚めになっています。そのため、従来に比べて弾力あり、ブラケットに密着して浮き上がりが無く好印象です。

CUESの2x クランクセットとFDにおいて最大歯数は50/34tなので、それより大きい歯数構成を望む場合は、純粋なロード用を流用する形になるかと。FDのトグルリンク構造を眺める限り、ケーブルピッチは従来のロード11s用と互換がとれそうなので、ミニベロ等で大きなチェーンリングを使いたい場合は、FC-R7000やFD-R7000辺りをチャンポンで組み合わせて対処することになりそう。

シマノ製クランクの上位モデルは、スパイダーとチェーンリングを同社十八番の冷間鍛造を活かした立体的に加工することで、断面係数を稼いで剛性を確保しています。一方でCUESは、コスト制約からフラットなデザインですが、安っぽさがありません。上位にあたるリア10~11段モデルは、CNC処理も多用されてどことなくSRAMっぽい仕上がりです。

CUESにおいて、ワイヤ式ブレーキで2x構成を選択した場合は、リア最大段数は10sとなります。RDのケーブル受けが垂直近くとなっており、フルアウターでルーティングした場合でもワイヤが外側に出っ張らない設計でスッキリと仕上げられます。

機構的制約や効率も考える必要があるので、起たせれば良いもんじゃないことは理解していますが、従来のロード系シャドーRDは、アウタ受けの角度が45°程度と寝ており、柔軟性があるOT-RS900を使わないとはみ出しが気になっていました。

CUES 2Xはチェーンライン他の設計値を読み解くと、ディスクブレーキ前提と言うこともあり、下記の通りOLD135or142に最適化されてます。なお、「Voluptas Vブレーキ オールロード (VBAR)」のOLDは、従来の100/130mmを踏襲してますが問題なく動作します。

CUES ロード2X 仕様
チェーンライン (mm): 47
O.L.D.:スルー (mm): 142、内部/外部タイプ: 135

シマノが想定するロード系コンポの想定チェーンラインは、R9200世代:44.5mm、R9100世代:43.5mm、GRX 2X:46.9mmなので、CUESはGRX設計値に準拠しているのが伺えます。

DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX
DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX

試作車では、新作カーボンリムを選択したので、「ミニV(=コンパクトV・ショートリーチV)」は、カートリッジ式シューを備える上位モデルの「DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX」を選択せざる得ませんでした。

アルミリムなら、エントリーグレードの「TEKTRO RX1 Mini-V Brake BR-TK-M046」辺りにすればコストはグッと抑えられます。また、カーボンリムになった際は、あとからブレーキシューのみをカートリッジ式の「DIA-COMPE 980EX-PAD」に交換されるのも一手です。

サドル:fabric

サドルは、業界人でも隠れた愛用者が多い「fabric。Canonndale ブランドに統合されて一度消滅しましたが、2025年後半頃から本国サイトでリブートの動きが見られて、日本にも2026年から再上陸する運びに。

リアタイヤクリアランス
フロントタイヤクリアランス
リアタイヤクリアランス
フレーム側BBシェルとツライチになるBB-R9100

今回は、奇をてらわず素直にクランクセット含めてオール・CUESでセットアップしましたが、BBとチェーンのみオタク臭を匂わせてDura-Aceグレードを選択しています。耐久性もさることながらBB-R9100は外径が小さく、スチールフレームと組み合わせた場合にシェルとツライチになって、スッキリした外観を得られるのが理由です。
  1. ST-U3030-R 右レバー 10S
  2. ST-U3030-L 左レバー 2S
  3. FD-U6030-F BRZ 2x10S
  4. FC-U6040-2 170mm 50-34T 2x10S
  5. RD-U6020-10 10S
  6. CS-LG400-10 10S 11-39T
50/34T CL47でのチェーンリングクリアランス
DIA-COMPE | ダイアコンペ BA85EX
固定部を鑑みるとスイベルボルトを使いたくなります
シマノ CUESのポジション(公式サイトより)

CUESは、エントリー~ミドルグレードに該当する「Deore/Alivio/Acera/Altus」や「Tiagra/Sora/Claris」らを置き換えるポジションです。ただ、油圧ディスクブレーキ仕様で算盤を弾くと、それと同様なTiagraやGRX RX400シリーズよりも少し高くなる価格設定になります。この辺りがCUES搭載の完成車が増えない理由かとも。


2011-2012製作 Voluptas Di2インターナル ロードバイク

2014-2015製作 Voluptas ディスクブレーキ ロードバイク

さて、オリジナルの「Voluptas」は、これまで「Di2」や「ディスクブレーキ」といった新しいプラットフォームが発表されたタイミングでデモバイクを製作。前者はDi2専用設計でE‑Tubeを内装し、後者はポストマウント式キャリパーをフレームに直接固定するデザインを採用しています。いずれもメタルフレームにおいて世界に先駆けたアイデアを試すことで知見を得ることが出来ました。

反面、今作『Voluptas Vブレーキ オールロード』は一転して枯れた技術をベースに構想・設計しています。エアボリュームを確保できる太めのタイヤを装着でき、リムブレーキながら高い制動力も実現しています。ジオメトリはショートホイールベースでキビキビしたライドフィールを狙っており、運用のしやすさや整備性にも配慮したオールロードバイクに仕上がっています。

近年は自転車の高機能化・高性能化に伴い、車体価格が高騰しています。例えば、手持ちのリムブレーキバイクからディスクブレーキフレームへパーツを移植しようとすると、機械式ディスクブレーキを選んだとしてもフレームセットの他にホイール/ディスクブレーキキャリパー/ローターを揃える追加投資が必要になります。

厄介なのは、ある程度自転車を嗜んできたライダーだと、それなりのホイールセットやブレーキキャリパーを求めることでさらに投資額は膨らみ、結果として油圧ディスクブレーキのロードバイクを完成車で購入するのと大差なくなってしまう現実があります。

また、手元にあるリムブレーキ・ロードバイクを手放そうとしても、リセール価格が思いのほか低かったり、思い入れがあって手放しにくい方もいらっしゃるでしょう。であれば、ドライブトレーンなどのパーツをごっそり新フレームに移植し、肩の力を抜いたバイクとしてリビルドするのも良い選択肢ではないかと考えた次第です。

なお、価格やサイズ展開については、今しばらくお待ちください。「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

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