2024年5月28日火曜日

中華ブランド ロードフレーム考察 SEKA / PARDUS / TRINX / GIRDER / JAVA J-AIR / SAVA / XDS X-LAB / BROSS 上海 CHINA CYCLE 2024 出張記

SEKA Spear
CFDで空力を最適化したシートステー結合部
ディスクブレーキキャリパ台座
SEKA Spear
SEKA ブース

店主、上海で開催された「CHINA CYCLE 2024」へ出張してきました。俗にいう「中華フレーム」ですが、OE/ODM工場が起こした自社ブランドもあれば、ファブレスで生産委託しているところもあったりで、一括りに出来ない背景があります。

そんな中国ブランドのアナログバイクを早足ですが、グルっと拝見してきました。自転車業界の世界的不況や保護主義の流れを受けてか、自社ブランドでハイエンドモデルを投入するブースが多く見て取れました。ただ、リラやペソと並んで、独り負けの円安為替もあって割安感は薄くなっています。

従来の「中華フレーム」は、二番煎じな造形だったり、何処か垢抜けないグラフィックが付き物でしたが、「SEKA」の新モデル「Spear」のように魅せ方も洗練されてきて、新しいフェーズに入ってきた印象を持ちました。

その一方、工業製品の基本である、はめあい/同芯度/平行度等の幾何&寸法公差に関しては未知数です。この辺りの話は、過去ポストをご覧下さい。

PARDUS GOMERA EVO
PARDUS ROBIN RS
PARDUS GOMERA EVO
TRINX:U23とJuniorメインのTRINX FACTORY TEAM
GIRDER CYCLE
VAN RYSEL
JAVA:上位ブランドのJ-AIRを展開
SAVA ブース
SAVA:ハンドル/ステム/フォーク一体型

JAVAは、上位ブランドのJ-AIRを展開。それと空目するSAVAは、2023に「ハンドル/ステム/ダブルクラウンフォーク」一体型のSTJARNを発表しましたが、今年の新作はコンサバ寄りに。

XDS ブース

XDS:上位ブランドの「X-LAB」を展開
X-LAB RT9
X-LAB RT9
何処かでみたような配色のX-LAB RT9

OE/ODM大手の「XDS」は、ハイエンドブランド「X-LAB」を展開。東レ・T1100カーボンを採用した「RT9」は、フレーム重量560g(Mサイズ)、バイク重量5.9kgと軽量に仕上がってます。
BROSS SEEKER グラベルバイク
BROSS Zenith Plume
BROSS x GRC with Will Brigunt

リムブレーキ時代のロードバイクは、フレーム/フォーク/足回りのトータルで乗り味や振動吸収を謡っていて、各社エンジニアの「設計ノフハウ」や「秘伝のタレ」が色濃く出ていたかと。

ディスクブレーキ導入と共に進んだタイヤのワイド化により、振動吸収やトラクションはタイヤ頼みに。フレームはスルーアクスル化で剛体になって、両者の役割分担が明確になってきたのが最近の流れです。

言い換えると、既存の大手ブランドがエアロ一辺倒になって、気付くとこれまで強みにしてきた「進む感」や「乗り味」といった特徴が訴求しにくくなって、新興ブランドとの差異が小さくなっているのかもしれません。

また、日本国内のユーザー目線に移すと、円安やインフレで自転車の価格が上がったことから、このような「中華ブランド」も選択肢に入ってきているかと。ただ、それらは日本国内流通の大半が「フレーム単体」なのがハードルになります。

安かろうと中華フレーム単体で入手しても、いざバラ完となると、工場向けよりも割高なパーツ代と組立工賃が加わり、大手ブランドの完成車を購入するのと費用的に大差なくなってしまう現実があります。フルエアロ・バイクの組立工数は、従来比3倍程掛かりますし。

また、リア多段化やディスクブレーキ化によって、各パーツとフレームのクリアランスが狭くなる傾向があって、バラ完はパーツの組み合わせによっては干渉リスクが高まっています。

それじゃと完成車デリバリーを期待しても、組立工場がシマノ製コンポーネントをボリュームディスカウントで確保するには、大きなロットを積む必要があります。それが出来ない場合、SRAMが受け皿になっていましたが、同社は工場を台湾に集約済でかつてほどの小回りは期待できません。

中国のデフレ輸出を阻止するため、関税障壁を設ける米国策も垣間見れ、半導体/通信機器/EV同様に、スポーツ自転車もWHEELTOPMagene等の自国グループセットをパッケージした「オール中国」vs「欧米台日の連合」の構図になる未来も遠くないのかもしれません。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2024年5月27日月曜日

Cannonndale Topstone Carbon × RockShox Rudy XPLR × Reverb AXS XPLR × Maxxis Rambler | キャノンデール トップストーン カーボン × マキシス ランブラー グラベルバイク カスタム

Cannonndale Topstone Carbon × RockShox Rudy XPLR × Reverb AXS XPLR
× Maxxis Rambler
RockShox Rudy XPLR
RockShox Reverb AXS XPLR

フロントフォーク「RockShox Rudy XPLR」へ、シートポスト「Reverb AXS XPLR」に換装済みの「Cannonndale Topstone Carbon」が入庫。リフレッシュを兼ねてメンテナンスを承りました。
Maxxis Rambler 700×40C
リアタイヤ・クリアランス

前後タイヤは、「Maxxis Rambler/マキシス ランブラー 700×40C」へ。ターマックでの転がりの良さを意識しながら、ある程度グラベルの走破性をバランスさせるなら、行きつくところは、トレッドのセンターパターンが間隔狭めでノブ凸高さが1.5mm前後が落としどころに。他社最新モデルのPanaracer GRAVELKING X1も同様な設計思想が伺えます。

タイヤに関して一家言を持つ同業者の方々も多いと思いますが、TLRで安定した気密性を確保しやすいブランドとして、当店ではMaxxisとiRCの二社を推奨しています。もちろん、他メーカーも改善されており、以前ほど組み合わせに苦労することは少なくなっていますが…。

グラベルマーケット参入に出遅れたMaxxisですが、2024時点ではキャッチアップ済み。ダート→ターマック順で、「Rambler>Reaver>Receptor>Re-Fuse」と分かりやすいラインナップを揃えています。

尚、この「Topstone Carbon 1st Gen.」だと、現実的なクリアランスを考慮すると、実測41~42mmが最大タイヤ幅になります。
Cannondale Wheel Sensor

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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2024年5月26日日曜日

上海 浦東 世紀公園 | Shanghai Pudong Century Park ランニング&のんびり散歩にお勧め China Cycle 2024 出張記

上海 浦東 世紀公園 | Shanghai Pudong New Area Century Park

China Cycle 2024へ出張した際、早朝5時に「上海浦東国際空港/シャンハイプードン」に到着しましたが、完全に睡眠不足。展示会の開場まで時間があったので、横になって仮眠を取りたいとターミナル2を見回っても、ひじ掛け無しの長椅子がありません。

ちなみに、店主のような「ラウンジ乞食」にもなれない身には世知辛いですが、T2は制限エリア内も「ひじ掛け無しベンチ」があるのは極一部です。よくよく考えてみると、T1へ移動してみるのも一手だったかと。

当日は幸い天気も良かったので、展示会場の「Shanghai New International Expo Centre (SNIEC)/上海新国際博覧中心」に近くにある「世紀公園 | Century Park」へ行って、ベンチで寝ることに。

園内に流れる川
園内 MAP
綺麗に整備された園内
園内から見えるビル群
絶え間ない野鳥のさえずり

「世紀公園」は、地下鉄2号線の「世紀公園駅」から歩いてすぐ。入口に立派なゲートがあり、入園料が必要かな?と思いましたが、係の人もおらずそのまま入園。後日調べてみると、2021/5/1以降から無料化されたようです。

この公園は上海最大の自然公園で、イギリス/日本/中国のデザインが融合した景観が特徴。鳥たちの囀りが絶えず耳に届き、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。園内では、グループラン/太極拳/散策など、多様なアクティビティを楽しむ人々の姿が見受けられました。
入口付近には、シェアサイクルも
世紀公園の外周:ランニング&サイクリングコース

上海・浦東エリアに旅行に来られて、運動やノンビリ過ごしたい方にお勧めの自然公園です。

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2024年5月25日土曜日

Shimano シマノ GRX 2×12s RX825系 Di2 グラベル グループセット / FRONT SHIFT NEXT | シマノ フロント シフト ネクスト 公開 105 STレバー ST-R7170 ユーザーにお勧め

Shimano GRX 2×12s RX825系 Di2 グラベル グループセット


5月末から米で開催される「UNBOUND Gravel 2024」にミートさせるタイミングで、公開された新型「シマノ GRX2x12スピードのDi2仕様“RX825”シリーズ」。同レースでは、新コンポを駆るスポンサードライダーが多く見受けられるかと。

本機の外観や設計思想は、前作815系を踏襲したものを基に、ロード12sコンポ同様のセミワイヤレスを採用したパッケージ。ロードでDi2/12s環境なら、STレバーのみ「ST-R825」へ変更したいライダーもいるでしょう。

サラッと斜め読みしたぐらいですが、比較的濃い情報をUPしているのは「bikeradar」かなと。同記事によると、フロントシングル仕様も追加で発売される模様です。

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bikeradar

ST-R825:前作同様にオプションスイッチ装備
写真:ミズタニ自転車から


 「FRONT SHIFT NEXT」は、「E-TUBE PROJECT Cyclist」アプリで
ファームウェアをアップデートすることで対応可能
写真:シマノWEBサイトから

情報を一通り舐めると、目新しい「FRONT SHIFT NEXT/フロント シフト ネクスト」のワードが…。身も蓋も無い言い方をすれば、これはFD操作を「WHEELTOP EDS TX」と同様のワンボタン式にできる新機能です。「E-TUBE PROJECT Cyclist」アプリでファームウェアを最新版にアップデートすることで、新型GRXのみならず、ロードバイク用も含めた「12速」Di2全般に適用可能です。

直感的な操作感が得られるうえに、変速ボタン1個が空くので、それをライトやサイコン操作に割当てられます。特に、オプションボタン(=補助ボタン)が無い、105 STレバー「ST-R7170」ユーザーは大きい恩恵が受けられます。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2024年5月24日金曜日

Cannonndale Synapse Carbon 3 L Purple Haze × HexTack Silicone Bar Tape Slate | キャノンデール シナプス カーボン 3 L パープルヘイズ × ヘックス タック バーテープ スレート

Cannonndale Synapse Carbon 3 L
カラー:Purple Haze
HexTack Silicone Bar Tape
カラー:Slate

エンデュランスマシン「SYNAPSE CARBON」、現代版スポルティーフとも呼べる一台です。落車されたとのことで、メンテナンスを承りました。幸いフレームは問題無く、ダメージのあったハンドル交換etcで対応することに。

バーテープは、オーナー様セレクトで「HexTack Silicone Bar Tape」に。Slateカラーでフレームカラーともマッチしています。

車体
Cannonndale Synapse Carbon 3 L | キャノンデール シナプス カーボン 3 L
カラー:Purple Haze /  パープルヘイズ

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2024年5月23日木曜日

XOSS 行者 XLENS AR / NEBULA 星云 ウェアラブル AR デバイス & ドットマトリクスLED アニメーション テールライト 上海 China Cycle 2024 出張記

XOSS XLENS AR | 行者 AR骑行眼镜
上海で開催された「CHINA CYCLE 2024」で見かけた「XOSS/行者」の新製品。上品な言い方をすれば、同社はジェネリックなプロダクツを上市するブランドです。当店で取扱いはありませんが、興味があったのでハンズオンしてきました。

まずは、「XLENS AR」。まだ、試作品の感じが拭えませんでしたが、昔GARMINから販売されていた「Varia Vision」ライクなウェアラブルARデバイスです。それと比べるとコンパクトで、うどんを長くしたAirPods程度の大きさ。速度やナビゲーションに沿った方向指示が表示され、思いのほか鮮明にみえました。

XOSS NEBULA | 行者 星云
続いては、ドットマトリクスLEDで任意のアニメーションも作成できる「NEBULA」。えええと、2024春にデリバリー開始された「Magene L308 Intelligent Expression Tail Light」と瓜二つなテールライトです。コントローラや主要基盤が同じプロダクツなのかもしれませんが、仁義なき戦いが伺えしれます。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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