ラベル 小話(anecdote) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 小話(anecdote) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年8月27日日曜日

Shimano ULTEGRA | シマノ アルテグラ ショートケージ DI2 リアディレイラー 11スピード RD-R8050-SS リアスプロケット 11-32T 装着テスト

RD-R8050-SS / 11-32T リアスプロケット

ワイドレシオ「11-32T」と「11-34T」は、マニュアルに従えばロングケージGSを使うべきなのは百も承知です。カタログ仕様が「最大ロースプロケット:30T」の「シマノ ULTEGRA シマノ アルテグラ ショートケージ DI2 リアディレイラー 11スピード  RD-R8050-SS」にて、それを超える「11-32T リアスプロケット」が使えるか実験してみました。 

事の発端は、テストバイクのチェーン&スプロケ共に摩耗が進んで入りが悪くなったので、部品交換することに。元々、リアはクロスレシオを意識して12-28Tでしたが、これを機にワイドレシオ化したいと考えた次第。ただ、手元にある使いかけのスプロケットは「11-32T」しかありません。

RDのプーリー軸間距離とスラント角を現物トレースしてCADに落とし込めば、おおよそ机上で分かることですが、現物でやった方が早いので試してみることに。当初は、マージン持たせているだろうし、Di2ゆえインナー×トップ2枚はソフト的にブロックされているので簡単なんじゃない?と甘く見ていましたが、思いのほか調整域は狭めでした。
アウター×ローだと、プーリーケージ角度はきつめ

結論を先に書くと、「32Tローには何とか乗っかり、フロント歯数差が13~14Tならギリギリ実用域」と言ったところ。シビアなセッティングも要求されるので、決して万人にお勧めしません。勿論、チェーンライン/リアセンター長/RDハンガー形状の影響も受けるので、あくまでご参考まで。

テスト条件は、下記のとおり。ちなみに、この車体のフロントチェーンリングは、130PCD(=BCD)規格で、インナーに社外品の38Tを装備してます。標準の52/39なら、歯数差が小さくなるのでセッティングに少し余裕が生まれるかもしれません。

変更前→変更後
フロント:52/38T(PCD130)変更無
リア:12-28T(11s)→ 11-32T(11s)

カタログ仕様---テスト値
最大フロントギア歯数差 16T --- 14T OK
最大ロースプロケット 30T --- 32T NG
トータルキャパシティ 33T --- 35T NG

チェーン長は、「チェーンをリアの最大スプロケットとフロントの最大チェーンリングにかけます。その後、チェーンに1 ~ 3リンクを加えた長さにセットします。」なのがマニュアル文言。アウター×ロー時のプーリーケージ角度を少しでも和らげようと、+2リンクから試しましたが、インナー×トップ側でチェーン弛みが吸収できません。

そりゃ、エンドアジャストボルト(≒Bテンションボルト)を回して後方へ張れば、チェーンテンションを確保できますが、スプロケ-ガイドプーリー距離が離れて変速性が著しく損なわれます。「Wolf Tooth・ROADLINK DM」等を使ってRD距離を稼いだ場合も同様かと。

結局、今回は+1リンクで微調整を加えて実用域を確保することが出来ました。ただ、アウター×ローでケージ角度はパツンパツンで余裕がありません。更に、フロントが52/36、50/34、52/34等で歯数差が大きかったり、楕円チェーンリングを用いるとインナー時のチェーン弛みは吸収できなそうです。

最後に余談を。昔は、摩耗が考慮されてチェーンリング歯数は奇数が原則でしたが、コンパクトが標準になった頃からその縛りが無くなりました。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年8月14日月曜日

TERN Vektron S10 / HSD P9 / SHORT HAUL ターン リアラック/キャリア キャップ プラグ 抜け予防策

TERN Vektron S10/HSD P9/SHORT HAUL等に装備される「リアラック/キャリア」。考えられた形状で、頑丈かつ縦置きにも対応して使い勝手もよいアイテムです。

ただ、ハードに使われる車体において稀に、ラック端の樹脂製キャップ(=プラグ)がポロリしているケースがありました。下側プラグは挿入長が短いことも一因に挙げられ、抜け対策として当店では直近の組立整備している車体から、弾性接着剤を塗布して仕上げています。

こう言ったTipsは、「カイゼン」や「ノウハウ」と言うと聞こえが良いですし、工業製品を生産流通させている以上、不良ゼロや±0が不可能なのは重々承知してます。ただ、このような「手直し/追加工」、「グリス&ルブ/ネジロック剤/焼付防止剤/アンチスリップ剤/接着剤の塗布」等、地味な作業の積み重ねで店頭工数が奪われて行きます。

ただ、それらが「付加価値」や「差別化」としてお客様が認識されることは少なく、職人気質の自己満足に終始しているのが現実です。本件に限らず、上流側で可能な対策がされれば生産性の向上が期待できるので、地道にフィードバックするしかありません。

この事例に限らず過去にも愚痴ってますが、自転車流通の構造上、量産試作や作りこみが甘くScope of jobsが曖昧なまま、最終工程である小売店まで届いて最後で帳尻合わせてねと言うのが実情です。

クルマやモーターサイクルは、工場出荷前に外観や台上(ドラム)走行検査が必須ですし、高級車は、敷地内のテストコースで走行したのちに最終調整確認が施されます。当店でお客様に車体をお渡しする前に、店主が実走チェックするのは同じ理由です。

DtoCやBtoCに移行すれば、メーカー側も自分事として捉えて上流側で改善する筈なので、結果として業界全体の品質改善や生産性向上に寄与すると思うんですよね。まあ、その時を迎えると我々小売店の殆どは廃業になる訳ですが…。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年8月1日火曜日

ムシゴム/虫ゴム 定期交換のススメ 空気入れ時にラッパ音が出たら要注意

ピンホールが開いたムシゴム

先のポストでも触れましたが、夏の暑い時期は、ゴム製品の劣化が進みます。英式(=ウッズ/ダンロップ/EV)バルブの弁体である「ムシゴム/虫ゴム」もその一つです。生活に一番身近なママチャリ(=軽快車)の場合。最低でも月一回のタイヤエア補充をご案内してますが、ムシゴムは年一回の交換をお勧めします。

英式バルブの構造は、パナレーサーさんのWEBサイトをご覧ください。ムシゴムは、プランジャ上部でバルブステム内面と挟まれて固定されますが、そこを起点に穴が開き徐々に亀裂が拡がっていきます。

空気を入れる際、ポンプ口金がしっかり接続されているにも関わらず、甲高いラッパ音が鳴る場合はムシゴム劣化が疑われます。脱気前の早めな対処なら、虫ゴムのみ交換で対処できますが、症状が進むとチューブがタイヤ内でズレてベローズ状になっているので、チューブを外して対処する必要があります。

英式チューブ交換の際、当店ではムシゴム・レスのプランジャを採用しているシュワルベ製チューブを用いるケースが多いです。ちなみに、プランジャ単体でも流通していますが、バルブステム内径に違いがあるため、ほぼ同社製チューブのみしか使えないかと。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月21日金曜日

シマノ Di2 11速 リアディレイラー RD-R9150/R8050 ステイケーブル/Stay Cable 流用方法 E-Tube エレクトリックワイヤー固定

Di2 11s リアディレイラーRD-R8050 Stay Cable 装着例

Di2・12速用リアディレイラーに付属し、E-Tube/エレクトリックワイヤーを固定する「Stay Cable/ステイケーブル」。それを先代11速「RD-R9150/R8050」へ流用する方法をご案内します。

正直、従来通りインシュロック(=結束バンド/タイラップ)や熱収縮チューブでエレクトリックワイヤーを固定しても支障は無く、Stay Cableの利点は飛行機輪行等でRDを外す際に億劫にならないぐらいかと。

Stay Cable/ステイケーブル
B-AXLE 2 比較
左:11s用RD-R8050/右:12s用RD-R9250
外寸は同じ模様
RD-R8050 B-AXLE 2 重量
RD-R9250 B-AXLE 2 重量
Before:標準状態

結論から言うと、「Stay Cable」を11s世代のRD-R9150/R8050に取付けるには、ダイレクトマウントハンガーとRDを固定する「B-AXLE 2」も12s世代へ併せて交換する必要があります。11s世代のB-AXLE 2は、先端が中実で穴が無く、Stay Cableを挿入出来ないからです。

余談を挟むと、この「B-AXLE 2」はパーツリストによって「ブラケット軸2(直付け用)/B軸2/Bジク2」と異なる名称が付られてます。

RD-R9250とR8150のB-AXLE 2で、両者素材はアルミで同じですが、アルマイト色の違いなのかパーツナンバーが異なります。価格が同じゆえ、どうせならDura-AceだろとRD-R9250用を取寄せましたが、外寸はRD-R8050と同じです。

機械加工の知識がある方なら、11s用のB-AXLE 2に旋盤でセンター穴を追加工すれば簡単じゃないの?と思われるかもしれません。実は、Stay Cableの差込み先端には「返し」が付いており、穴内部にはそれを引っかける「止め輪溝」が必要です。それらを処理する時間を考えたら、ボルトを購入したほうが経済的なのです。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月20日木曜日

CY2023 Cannondale キャノンデール ロードバイク&グラベルバイク モデル選び ポジショニングマップ

CY2023 Cannondale ロードバイク ポジショニングマップ
※当店が独断と偏見で作成

現代のロードバイクですが、エアロ/オールラウンド/エンデュランス/ライトウエイト/オールロード/グラベルと細分化が進み、お客様から結局何を選べば良いの?とご質問頂きます。

それを踏まえて、大雑把ですが、当店の独断と偏見で「用途別・ポジショニングマップ」を作製しました。自転車は自由な乗り物です。それ故、このモデルじゃないとレースに出られないとか、ツーリング不可というのではなく、より用途に合ったモデル選びの参考になればと思います。

例えば、ロードレース出場見込み。またはレースに出る予定は無いけど、キビキビした走りを重視したい、オフロードを走る見込みは無いなら「SuperSix EVO」と言った感じです。

注意点を挙げるなら、モデル名が同じでも、旧作と方向性が異なるバイクもあります。グラベル向けのTopstone Alloyは、初代Gen.1は何方かというとレースジオメトリーでしたが、Gen.2は同Carbonを踏襲してます。

また、アルミロードの代名詞とも言えるCAAD13ですが、以前のリムブレーキ時代に比べて、ピュアレーサーというよりも、SuperSix EVOとSynapseの中間ぐらいの位置づけでややスポルティーフ寄りのバイクと言えます。

オールロード/エンデュランスに区分けされる「Synapse Carbon」は、タイヤクリアランスをより広くしたことで、グラベルバイクとしても使えるマルチパーパスモデル。通勤からツーリングまで一台で色々な所を走ってみたい方にお勧めしています。

店主がもっと評価されても良い、陰に隠れた不遇のモデルと推しているのが、「CAAD OPTIMO」。店頭でもお伝えしておりますが、エントリーモデルかつタイヤ幅28~30CまででOKなら、ディスクブレーキに固執せずリムブレーキ装備のロードバイクをお勧めしています。

ディスクブレーキ搭載の完成車で20万円以下だと、コスト的にどうしてもワイヤ式(=機械式)に。グラベルやツーリング用途で32C以上のタイヤを履かせるなら、「Synapse 3 AL」辺りが候補に挙がります。

一方で、リムブレーキ仕様の「CAAD OPTIMO」は、軽快感&取扱いの容易さが魅力です。ツーリング用途のセカンドバイクとしても、通な選択になるかと。長年の積み重ねで成熟が進んだリムブレーキ・ロードバイク、その集大成の一台とも言えます。

エントリーモデルですが、足回りをUSEDや放出品を上手く利用して、下記のような軽量でパリッとした完組ホイールへ換装することで、走行感がガラッと変わるのも妙味です。ただ、経済性から多額の改造投資はお勧めしません。あとは、ブレーキキャリパ交換程度に留めておくのが良い落としどころかと。


無論、同モデル内でもホイールやコンポーネントが異なれば、各々特色は変わりますが、皆様のCannonndale ロードバイク選びの一助になれば幸いです。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、コチラをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月18日火曜日

Shimano CUES | シマノ キューズ 新プラットフォーム コンポーネント

Shimano CUES | シマノ キューズ

従来品に比べ耐久性3倍を謳う「LINKGLIDE | リンクグライド」発表から2年が経過しましたが、それが実装されたシマノの新プラットフォーム・コンポーネント「CUES | キューズ」の現物を御触りしてきました。バリバリレース系の方というより、円熟期のMTB&グラベルおじさんから熱い視線が注がれる期待の新製品です。

クランク規格は、スクエア/2ピース/ホローテック IIの3種を展開。新機構になる2ピースクランクは、SRAMやROTOR同様のプリロードダイアル方式を採用しており、梱包サイズの1/3化が目的の一つに挙げられるかと。

9/10/11sで、前後ギアの歯間距離を共通にすることでチェーンは、LINKGLIDE用CN-LG500一つで賄われます。

ハブは、シマノが長年強みにしてきたカップ&コーン(≒アンギュラ玉軸受)→深溝玉軸受・カートリッジベアリングへ移行されます。この狙いは、生産現場のサイクルタイム短縮/コンパクト化/省エネが考えられますが、購買がどのベアリングメーカーを採用したのか気になるところ。

今回のCUES上市は、UG/HG時代から続いたケーブルピッチを一新するプラットフォーム大更新。現状では発表されてませんが、ロード用のTIAGRA/SORA/CLARISも内包される模様なので、それを見据えてディスクブレーキのマスターシリンダー容量は、R9200世代に合わせてくるかと期待していましたが、従来のMT規格を踏襲しています。

もしかしたら、フラットマウントのキャリパは、新ピストン規格になるのかもしれませんが、それではクロスオーバーコンポの旨味がありません。また、コミュータ用途を考えると、現行のt=1.8mmローターは薄すぎて扱いに気を遣うので、2.3mm厚へ移行を期待していたのですが、この辺りも現状維持になっています。

CUESの表向きなテーマは、「耐久性向上やサステナビリティ」、「MTB/トレッキング/ハイブリッドバイク/グラベル/ロード細分化した非レース系コンポーネントの統合」が挙げられますが、裏には追従する中華系コンポーネントメーカーへのちゃぶ台返し的な対抗があるかと。

余談ですが2020年頃から、同社中国工場で製造されたTOURNEYクラスのクランク・チェーンリングの平面度が悪化したので、今回のCUESではその辺りがテコ入れされるのを期待しています。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月11日火曜日

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ 26×2.25 & Cannondale TrailShroom Grip | キャノンデール トレイルシュルーム グリップ 旧車 ビンテージ 26インチ MTB リフレッシュ

SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ 26×2.25
装着例
「夏が来れば 思い出す~♪」のが、ハンドルグリップのベタツキ。この時期、オゾン/紫外線/熱のトリプルアタックによってゴム製品の劣化は進みます。

そんなタイミングで、乗車時に目に入る「グリップ」と駐輪時に主張する「タイヤ」を交換することで、見た目もリフレッシュができます。今回は、懐かしめなビンテージ 26インチ MTBを例に両者を交換してみました。
1.タイヤ
サイドウォールを一般的なブラック→ブラウン系(≒ブロンズ/スキン/タンウォール/アメサイド)にすることで印象がガラッと変わります。まあ、耐候性を重視するならオールブラック・タイヤを選択するのは言わずもがな。

ブラウン系サイドとの組み合わせで当店でお勧めしているのは、フレームが「黒/白/灰」の無彩色、または「赤/青/緑/紫」等の旧国鉄車両なカラーマッチです。今回は、フレームがキャンディオレンジと暖色同士の組み合わせなので、カラースキームが少々弱い感。

街乗り用で、「26インチ/サイドブラウン/とにかく太く/スリック」となるとMaxxis DTHが定番に挙げられますが、国内展開が始まったばかりの「SCHWALBE BILLY BONKERS | シュワルベ ビリーボンカーズ 26×2.25」を試履きすることに。ワイヤービードだと価格が3740円/本とお財布にも優しいのもセールスポイントです。

「BILLY BONKERS」は、パンプトラック・ダートジャンプ・スロープスタイル向けに開発されたタイヤ。トレッドのブロックは低いものの、センターリッジでないこともあって、スリックに比べるとロードノイズは大きめですが、許容できるレベルかと。

あと、シュワルベのタイヤは、エントリーからハイエンドモデルまでサイドレターの意匠が統一されていて、下位モデルも安っぽく見えないのが特徴です。カンパニョーロみたいな感じかと。
Cannondale TrailShroom Grip | キャノンデール トレイルシュルーム グリップ
装着例
2.グリップ
グリップやバーテープで汚れや耐久性を優先される方には、当店ではブラックをお勧めしていますが、交換も容易なロックオングリップで消耗品と割り切って明るいカラーにすると、車体が軽く見える効果があります。装着例では、タイヤのサイドカラーに合わせて明るめな「Camo」にしてみました。

Cannondale TrailShroom Grip | キャノンデール トレイルシュルーム グリップ」は、価格を抑えたモデルながら、手の込んだ造りになっており、ODIの定番パターンに例えると。手の平が当たる面は、細かいひだ状のマッシュルームパターンを備えた「ATTACK」。指先部分は、細身の「RUFFIAN」を組み合わせた感じかと。

別ブランドのバイクにお乗りで、「Cannondale」の白ロゴが気になる方は、おそらく除光液で落とせます。確証は持てませんが…。

Before:交換前タイヤ
Before:交換前グリップ

こんな感じで、冷め切った倦怠期の夫婦のようになってしまったバイクでも、コスト抑えながら刺激を与えて「あの素晴しい愛をもう一度」のご提案でした。

全くの余談ですが、旧車MTBにお乗りの方から、フロントシングル化の相談を頂いても、多くの場合で3枚のまま残すことをお勧めしています。シングル化でチェーンライン確保しようとミドル位置へリングを配すると、チェーンステーと干渉して大きめなリングを付けられないケースが多いからです。

それだと、クロスバイク的な街乗り用途でギア比が低すぎて、すぐに脚が回り切ってしまいます。また、FDはチェーンキャッチャーの機能も有しているので、シングル化の際は、チェーンリングをナローワイドに交換する必要もあります。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月8日土曜日

シマノ Di2 12速 リアディレイラー RD-R9250/R8150/R7150 ステイケーブル E-Tube エレクトリックワイヤー ケーブルガイド 固定方法

ステイケーブルにエレクトリックワイヤーをマニュアル通りに固定した場合
標準的なステイケーブルの固定方法で
エレクトリックワイヤーとチェーン&スプロケットが近い例

シマノ マニュアル抜粋

シマノ・Di2リアディレイラーにつながる「E-Tube/エレクトリックワイヤー」。11速世代までは、リアスプロケット&チェーンに巻き込まないように、状況に応じて結束バンド(=タイバンド/インシュロック/タイラップ)で処理していました。

最新の12速世代・RD-R9250/R8150/R7150では、エレクトリックワイヤーを固定する「ステイケーブル/Stay cable」が付属して配線の収まりがスマートになりました。マニュアルに沿った通し方なら、ケーブルの脱着が容易になるようステイケーブルにC面取りも施されてます。
以下は、エレクトリックワイヤーを逆向きから挿入した場合
ただ、ワイヤールーティングによっては、シマノが想定した方法だとスプロケットやチェーンと干渉しそうなケースがあります。エレクトリックワイヤーのクセも一因ですが、そんな場合はステイケーブル逆側から通すといい塩梅に仕上げられます。前述の新設設計された面取りは無視する形になりますが…。

ちなみに、これは便利だとステイケーブルを11速世代のRD-R9150/R8050/RX815に流用しようとしても、残念ながらポン付け不可です。この辺りの話は、また折を見て…

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2023年7月7日金曜日

Cannondale CAAD13 DISC | キャノンデール キャード13 ディスク 太めのタイヤ どこまで入るか実証

Cannondale CAAD13 DISC + Panaracer GravelKing SS 700×35C

ディスクブレーキ搭載が標準になった現代のロードバイク。リムブレーキキャリパのクリアランス制約からの解放、スルーアクスル及びワイドリム化による高剛性化を踏まえた快適性の確保を目的に、2020年ごろからタイヤ幅のワイド化が一気に進みました。

この流れに沿って、タイヤクリアランスの公称値は、ピュアレース向けで30C、オールロードで35C前後まで拡大され、初期のグラベルバイクと同等なタイヤ幅が咥えられるようになってます。ターマック向けのロードバイクでも、太めなタイヤを履かせることで走行フィールドを広げることが可能です。

ちなみに、2022 UCI GRAVEL WORLD CHA、MPIONSHIPS MEは、ドライコンディション+高速コースということもあって、グラベルタイヤを履かせたピュアロードバイクを駆ったGianni Vermeersch選手の優勝に終わり、マーケティング観点からはビミョーな空気が流れたのも記憶に新しい処です(グラベルバイクも準備されていたようですが…)。機材面に着目すると、WEの方がサスペンションフォークやリムハイト等でバラエティに富んでいました。

参考記事

そんなこんなで、公称タイヤクリアランス30mmの「Cannondale CAAD13 DISC | キャノンデール キャード13 ディスク」に太めのタイヤはどこまで入るのか、実証してみました。結論から言うと、実幅でフロント37mm/リア35mmが最大許容サイズです。

「Panaracer GravelKing SS 700×35C」を内幅22mmリムに装着して5bar入気すると、実幅は37mm。リアは、35Cだとチェーンステーで干渉するので32C推奨。それでも、エアを抜かないとフレームに収まりません。前後共にスピューカット要で手間が掛かります。

クリアランス1mm前後なので、ドライコンディションが前提です。プロファイルがほぼスリックのラウンド形状での検証でしたので、ブロック高めなタイヤならサイズを抑えたほうが無難です。
Cannondale CAAD13 DISC ターマック仕様
定番50mmハイトリムとの組み合わせ
Jagwire Pro LR2 Disc Brake Rotors φ160
ジャグワイヤー プロ エルアールツー ディスクブレーキローター


上記のように、1台のバイクで毛色の違うホイールを履き替えることで気分転換にもなります。調整を省くことを考慮すると、ハブ&ローターを統一するのが望ましいです。さらに言えば、ベアリング予圧がOLDに影響しない「GROWTAC EQUAL」のようなハブが理想的です。
Cannondale HollowGram SL 27 KNØT Carbon Seatpost - 15mm offset
Before: HollowGram 27 KNØT Seatpost
標準装備アルミ製 260g
After: HollowGram SL 27 KNØT Carbon Seatpost - 15mm offset
カーボン製 164g

余談ですが、SuperSix EVO Gen.3 / CAAD13にお乗りのライダーにおススメなのが、「HollowGram SL 27 KNØT Carbon Seatpost」。ヤグラ下の「くびれ」が、SAVEERGONシートポスト同様の効果を生み、シッティング時、路面からの突き上げをいなし、快適性を高めます。肝心の重量は、標準装備のアルミ製に比べ約100g軽量化でき、ダンシングやラックに掛ける際に効果を実感しやすいです。

CAAD13ユーザーや「Cannondale CAAD13 Disc EF Team Replica | キャノンデール キャード ディスク 13 EF チーム レプリカ」購入を検討されている方は、ご参考まで。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。