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2025年12月28日日曜日

DT SWISS 240EXP x 内幅23mm 樽型 カーボンワイドリム リムブレーキ 手組ホイール Voluptas | ウォルプタース 試作 Vブレーキ オリジナル オールロードバイク用 #VBAR

DT SWISS 240EXP x 内幅23mm 樽型 カーボンワイドリム リムブレーキ 手組ホイールVoluptas | ウォルプタース 試作 Vブレーキ オリジナル オールロードバイク用

当店ちょいちょい手組ホイールを手がけていますが、時流のせいで最近はディスクブレーキ仕様ばかり。久しぶりにリムブレーキ用をハンドビルドしました。

今回は、試作中の「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ仕様 オリジナル オールロードバイク」に取り付けるホイールになります。当初、手持ちホイールを流用しようと思っていましたが、リムブレーキで今どきのワイドリムと組み合わせるとどんな感じなのかと興味があって試すことに。

ちょうど、新しいリム・サプライヤを見つけたタイミングもあって、テスト的な側面もあります。外形は、カーボンリムのトレンドであるワイド&樽型プロファイル。

ただ、ディスクブレーキ用リムにブレーキトラックを後付けした感もあり、少々危うい気がするのは否定できません。また、樽型なのでブレーキシューの当たり具合も懸念点。ちなみにアップチャージになりますが、レーザーエッチングによるグルーブ処理も可能との事。

フロントホイール
リアホイール
ブレーキトラック
今どきな樽型プロファイルのワイドリム


素材:T800 + T700
形状:ハイト45/内幅23/外幅34mm
重量:385g/本

フロントハブ:DT SWISS 240EXP 5/100mm 20H
リアハブ:DT SWISS 240EXP 5/130mm 24H
リム:Carbon Rim 45mm F20H & R24H / 内幅23mm / 外幅34
スポーク:DT SWISS #14 プレーン チャンピオン

前後ハブは鉄板の「DT SWISS 240EXP←お得に販売中」を選択して、まさしく保守と革新の組み合わせ。断面係数が大きく剛性が稼げるワイド+ハイト45mmゆえ、スポーク数を抑えたF20/R24を選択。リムブレーキ仕様ゆえ前後共にオーソドックスにイタリアンですが、リアは左右スポークテンションを近づけるため異クロス組みに。

フロント:イタリアン、DS2クロス、NDS2クロス
リア:イタリアン、DS2クロス、NDS3クロス

なお、一般的なリムブレーキ・ロードバイクの場合、キャリパブレーキの待機位置の制約から、装着できるホイールは外幅28mm前後が最大となり、今回のようなワイドリムは納まりません。Vブレーキ&カンチブレーキ仕様のシクロクロスやツーリングバイクをお使いのライダーで重量を抑えながらワイドリムを導入したい方のご参考まで。


「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年12月26日金曜日

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作 塗装編 #VBAR

Voluptas x Cerakote | ウォルプタース x セラコート
Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作

ライジン ワークスさんでビルドしていただいた「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。試作の第一目的はジオメトリ確認なので、塗装は店主自身でクリアスプレーのみを吹いて、ざっくりとRaw仕上げで済ませようと当初は考えていました。

ただ、この機会を逃すのは勿体ないと、7~8年前から気になっていた「Cerakote | セラコート」を試すことに。勿論、後からコーティングを依頼することも可能ですが、一度組んだり表層に何かしらを吹いてしまうと、バージン面と違って洗浄や剥離処理等が必要になり費用が嵩んでしまうのも理由です。今回、以前に取引先の方からお教え頂いた、施工会社さんにフレーム素地の状態で依頼しました。

Cerakoteに関して、直近ではBromptonが話題になりましたが、自転車業界でもフレームのみならずKOGELなどののパーツメーカーでも採用される例が増えているようです。

Cerakoteは薄膜なので、ラグのエッジが鮮明に仕上がります
塗装色:セラコート H-151 SATIN ALUMINUM

自転車フレームの塗装&表面仕上げを工法で大別すると、下記のようになりますが、多くは1.スプレーガン塗装 or 2.パウダーコートかと。
  1. スプレーガン/エアブラシ塗装
  2. パウダーコート
  3. 手塗り
  4. 水圧転写
  5. アノダイズ
「Cerakote」は、1984年にNIC Industries が銃器向けにセラミックベースのコーティング剤として開発されました。その後、用途はアウトドア用品・自動車・バイク・自転車などへ拡大した歴史があります。

Cerakoteは「セラミック粒子を含む機能性塗料」をスプレーガンで吹き付けるコーティングで、薄膜ながら高い耐摩耗性・耐薬品性を発揮し、素地の質感を残せる点が特徴です。一方パウダーコートは粉体を帯電させて付着させ高温で焼き付ける方式で、厚膜(約200–300µm)になり耐衝撃・耐食性に優れます。

両者の比較は、「Cerakote vs Powder Coat: What’s the Difference?」をご覧ください。Cerakoteは、膜厚約25–40µmでパウダーコートの半分以下で薄く、他の塗装方法と比べて素地を強調する仕上がりになり、寸法変化も抑えられます。また、耐摩耗性が高いので輪行等での傷低減にも効果が期待できます。

下処理であるショットブラスト前
マスキング処理
施工会社さんにショットブラスト前に「ヘッド/BB/ブレーキスタッド」のマスキング箇所を指示して作業を進めて貰いました。 仕上がりは言わずもがな、きめ細やかな対応をして頂けました。

これまで当店の試作&デモバイクは、ブラック&グロスで塗装&製作してきましたが、今回は、Cerakoteのマット・サテン仕上げを活かすべく、明るめな「 H-151 SATIN ALUMINUM」を選択しました。

なお、当店オリジナルの「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、https://www.avelotokyo.com/p/sale_11.htmlをご覧ください。

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2026年1月3日土曜日

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク 試作 ロゴ グラフィック偏 #VBAR

Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク プロトタイプ

「Cerakote | セラコート」処理を施した「Voluptas | ウォルプタース Vブレーキ  スチール オールロードバイク」の試作フレーム。コーティング作業のあいだ、店主は本格的にグラフィックの詰め作業に取りかかっていました。

実のところ、グラフィックやロゴは、ご注文品・デモバイクを問わず、毎回もっとも頭を悩ませる工程です。以前から温めてきたアイデアを取捨選択し、ブラッシュアップしながら、サイズや配置も検討する必要があります。

自転車の場合、ロゴ類は塗装工程で薄手デカールを貼り、クリアを吹いて仕上げるのが一般的です。しかし今回は、後貼りの「UVコーティングシール」を試すことに。存在自体は以前から知っていたものの、プリンター導入は高価すぎ、外注しようとするとMOQが大きすぎる点が課題でした。

良いタイミングで小ロットで製作できるルートを見つけられたため、試験的に導入することにしました。フレームの曲面やサテン仕上げの塗装面に対する接着性を確認する目的もあります。王道であるカッティングシートも候補に挙がりましたが、単色のみで細線処理に制限がある点がネックでした。

後貼り式なら、傷が付いたり気分転換の際に、気軽にグラフィックを貼り替えられるメリットもあります。また、賛否はありますが、生成AIの普及によりアイデアを形にしやすくなっており、ユーザー自身が楽しむハードルも下がってきているのではないでしょうか?。

Voluptas | ウォルプタース ロゴ
レーザー墨出し器で位置合わせ
新しいヘッドマーク
PRO-TOTYPE ロゴ

トップチューブに配した「PROTOTYPE」は、Mark CavendishTeam SKYの絶頂期にシマノ PROがスポンサーとして投入していたプロトタイプパーツにあしらわれたロゴをトレースし、現代的にアレンジしたものです。

RIM BRAKES ONLY | リムブレーキ オンリー
Bicycle Police Department | 自転車警察

「RIM BRAKES ONLY」は、アメリカのゲームレーティング「ESRB (Entertainment Software Rating Board)」のアイコン「RATING PENDING」と「ADULTS ONLY 18+」をサンプリングしています。自転車警察を皮肉った「BCPD/Bicycle Police Department」をあしらっています。

巻き込み注意 PL警告表示 + Generalized

先のポストでも記しましたが、「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」のコンセプトは、「目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイク」。故に、チェーンステーには「特殊化/専門化した」ではなく「Generalized/汎用機」ロゴを入れました。
最後になりますが、話は少し逸れてフレーム小物やアイレットについて。ダウンチューブとシートチューブにはボトルケージ台座を設けていますが、できるだけ低重心になるよう配置しています。また、シートチューブ側はFDバンドと干渉しないよう配慮しています。FDバンドの位置はチェーンリングの歯数だけでなくモデルによっても上下するため、この最適化は意外と頭を使う作業です。

ワイヤーはシフト・ブレーキともにフルアウター仕様ですが、固定小物は美しいルーティングと均等な割り付けはもちろん、垂線を下ろした位置に揃うよう配慮しています。

なお、当店オリジナルの「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。


※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年9月25日木曜日

Vブレーキ・オールロードバイクを構想設計する 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その13 #VBAR

Vブレーキ・オールロードバイク CAD図面

以前の投稿で「レースバイクでなければ、Vブレーキ搭載のオールロードバイクが最適解ではないか?」とお伝えしましたが、店主は以前から「タイヤを太くしてエアボリュームを稼げるなら、硬めのアルミフレームをベースに組んでも、昔ほどスパルタンな乗り味にはならないのではないか」と構想を練っていました。

ただし、アルミフレームの多くは溶接後に熱処理が必要なため、生産効率を考慮するとある程度のバッチサイズが求められます。ビスポークを主体とする小規模ビルダーだとアルミが扱いづらく、必然的にスチールやチタン製に限られるのもこれが理由の一つです。例外的に故・入部正紀氏が手がけたブランド「IRIBE」は、コロンバス製「スターシップ」チューブに対応した数少ない熱処理設備を有していたことで知られています。

それなら、世界的な自転車不況の影響で欧州からのオーダーが停滞しているいまこそ、従来よりも小ロットでの生産を引き受けてもらえるのではないか──という下心もあり、この一年ほど台湾・中国・東南アジアのファブリケーション各社に、アルミフレームを少量生産できないかと展示会等でコンタクトを続けてきました。

しかし、独自ジオメトリで現行主流規格に該当しないカンチ台座付きロードバイクフレームの生産を依頼すると、どうしてもMOQが大きくなります。さらに円安やインフレの影響も重なり、自社ブランド力やニッチ市場を考慮すると、現実的な落としどころには至りませんでした。


Path Less Pedaledでも紹介されましたが、EU圏における自転車産業のメッカとなりつつあるポルトガルに拠点を置く「veloctopus.cc」が開発した6軸多関節ロボットレーザー加工機とソフトウェアの組み合わせが普及すれば、オーソドックスな形状なら小ロットのフレーム生産の敷居は下がると期待しています。ただ、実現にはもう少し時間がかかりそうです。

そんなこんなで試行錯誤を重ねた結果、原点に立ち返り、小回りの利く国内ビルダーさんにスチール製試作フレームの製作を依頼して出図も完了しました。乗り味のイメージは、All-CityのSpace HorseやBlack Mountain CyclesのMonstercrossに近く、もう少し現代的にアレンジしたものです。

目くじら立てて速さを追求するというより、鼻歌まじりでカジュアルな普段着でも、ピチピチのサイクリングウェアでも様になるバイクを目指しています。試作の進捗を見ながら、最終的には4サイズ程の展開を目論んでいます。

細かいジオメトリの狙いなどは、また追ってお伝えします。新しい試みも検討中ですので、上手く進めば、マスプロモデルに満足されないライダーにも面白がって頂けるかと。なお、「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

まったくの余談ですが、当店のCAD環境は「IJCAD Mechanical」です。在宅など異なるPCで作業することもありますが、自転車フレーム程度の2D作図であればレイヤーやオブジェクト数が少ないため、さほど負荷はかからないだろうと考えていました。

ところが実際には、内蔵GPUとメモリ16GBでは心もとなく、スナップのトラッキングがうまく機能せずイライラする場面に出くわします。作業自体はできるものの、ストレスなく作図するには32GB以上は欲しいというのが実感です。


ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年12月9日火曜日

Voluptas | ウォルプタース カンチ台座・Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク 試作 フレームビルド偏 #VBAR

カンチ台座・Vブレーキ オリジナル スチール オールロードバイク
プロトタイプ フレームビルド

以前のポスト「Vブレーキ・オールロードバイクを構想設計する 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その13」で触れた通り、小物やアイレット位置も含めて作図を済ませ。彼是30年来のお付き合いになるライジンワークスさんへ出図して、ジオメトリ自由度が高い「ラグレス+ろう付け(フィレット)」で試作フレームの製作を依頼しました。

今回の「Voluptas | ウォルプタース」オールロードフレームは、大雑把に言えばカンチブレーキ時代のシクロクロスバイクをベースにBBハイトを低めにした、全体的にオーソドックスな構成。ただ、52/36tのロードチェーンリングと40cタイヤに対応させたいので、チェーンステー逃がしの加工が難しいところ。 

油圧ディスクブレーキ+電動シフト+ワイドタイヤが標準になった現代のロードバイクは、制動力や走破性が向上して快適な乗り物へと進化しています。一方で、トークリアランスを確保するためにフロントセンターが伸びたりと、ホイールベースが長くなる傾向があります。

その結果、特に身長170cm以下のライダーでは、リムブレーキバイクと比べてダンシングやスプリント時に「バイクが懐に収まる」感覚が薄れ、「乗せられている」印象を受けることがあります。プロトタイプの目的は、ホイールベースを詰めた効果と、つま先とタイヤの干渉が許容できるかの見定めが挙げられます。

44mm HT

ヘッドチューブは、一般的なオーバーサイズ(OS)を選択した方が、見た目や前後の剛性バランスがとりやすく、ヘッドセット選択肢も広がります。また、東京サンエスさんのカンチ台座付カーボンフォークを選ぶ際もオフセットが45/48/52mmでラインナップされていて、自然なジオメトリでフレーム設計が可能になります。

ただ、カンチブレーキ台座が付いたフロントフォークの場合、大抵が肩下長が396mm前後と一般的なロード用と比べて約30mm長くなります(参考:ENVE Cross Cantilever Fork Specs)。結果的にスタックが高くなり、フレームサイズが小さい場合、サドル~ハンドル高低差を確保するにはヘッドチューブ(HT)を短くするしかありません。

そんなこんなで、短いHTと肩下の長いフロントフォークの組み合わせの不利な条件下で、少しでも剛性を確保するために44mmHTを選択しています。

後発であるディスクブレーキ仕様のオールロードやグラベルバイク用フロントフォークも当初は肩下が長めのモデルしかありませんでしたが、技術の進歩でクラウン部が薄くなりスタックハイトを抑えられるようになりました。残念ながら、需要のないカンチ台座仕様では新モデルの投入は期待薄です。

細かい話になりますが、アウトボード仕様のヘッドセットを前提にする場合。下ワンのスタックハイトを考慮しないと、ヘッドアングルは設計値からズレてしまいます。まあ、カーボンフォークの寸法公差は広めなので、過度に神経質になっても仕方ないのですが。

剛性や44mmHTとの溶接性を考慮すると、前三角はオーバーサイズチューブを用いるのが妥当ですが、重量を出来るだけ抑えるためにノーマルサイズを選択しています。

カンチブレーキ台座 / OLD130mm

どうせなら、モンスタークロスのようにもっと太いタイヤも入るようにすれば?と思われるかもしれませんが、ミニVブレーキのアーチワイヤ干渉を考えると38~40C(≒1.5インチ)あたりが現実的です。

リアのOLDは、130/135mm兼用にするために132.5mm幅も検討しましたが、ホイールセンターを確保するのが難しくなります。また、多段とシングルの両方に対応するスライダー式ドロップアウトは多用途に対応できる反面、位置が一元的に決まらない構造は運用上のストレスになるため、潔くシンプルなOLD130mmのストレート・ドロップアウトエンドとしました。

背後には製作中のCRUMBWORKSさん CHUNKが覗けます

ライドフィールは、タイヤ&ホイールの影響が大きく占めるというのは理解していますが、BB高さの設計値で下記のような特徴が挙げられます。

BBハイト高め(BBドロップ小さい)
  • 漕ぎ出しが軽く、ストップ&ゴーや速度変化に対応しやすい
  • 少ない荷重移動でバイク姿勢をコントロールできる
  • 地面~ペダルクリアランス広い

BBハイト低め(BBドロップ大きい)
  • 漕ぎ出しは、もっさり傾向
  • 低重心で巡行しやすく、高速域で伸びやすい
  • 足付きしやすい
  • 微々たるものだが、前輪とのトークリアランスを稼げる
BBドロップに関して、当店の基本設計値は、リムブレーキロードバイクで700*25Cホイールなら65m、700*35cを想定した今回のオールロードで75mmを用いています。一見、BB位置が下がったように思えますが、地面からのBBハイトは270mmで変わっていません。

経験上、ねじり剛性が稼げるスルーアクスルや反発が速いハイモジュラスカーボンだと、そこから5mm下げると近い感覚が得られるものと捉えています。

ちなみに、今どきのスルーアクスルバイク仕様のエンデュランスロードバイクのBBドロップは75~80mmが標準的です。想定クランク長&タイヤ径による重心位置だけでなく、スタンドオーバーハイトも考慮する必要があり、何を優先にするかでその値は変わります。

タイヤ&チェーンリングのクリアランス確認
希望仕様よりも厳しい43Cと53/39t(チェーンライン43.5)をクリア

太いタイヤとチェーンリング両側のクリアランスを稼ぐため、BBはT47 Internal 86.5mmの採用も検討しました。最終的にステーのベンド処理でかわせそうとのことで、入手性も考慮してオーソドックスなBSA/68mmに。

余談になりますが、BB周りの剛性はチェーンステー接合部の断面積が支配的と捉えています。故に、外径が大きいだけのT47 Outboard 68mmは導入メリットが殆どないかと。

また、クリアランス確保のためにチェーンステーのBB接続部をプレート形状にするフレームも目にしますが、断面係数を考えてパイプ形状を維持して仕上げて頂きました。短いリアセンターも譲れなかったので、加工可否の擦り合わせが必要でした。

そして、ワイヤルーティングは「エアロなんて糞喰らえ」とばかりにシフト/ブレーキ共に「フルアウター外装」にしているので、ライダー自身によるメンテナンスも容易です。


主な仕様
1.メインパイプ:KAISEI/カイセイ 8630R ノーマルサイズ
2.ヘッドチューブ:44mm
3.ブレーキ仕様:前後カンチ(ミニV想定)
4.ボトルケージ:ダウンチューブ/シートチューブ合計2か所
5.リアOLD:130mm/ストレートドロップエンド
6.FD:バンド固定(シマノダイレクトルーティング想定)
7.ワイヤルーティング:シフト/ブレーキ共にフルアウター外装
8.ステーブリッジ:チェーン&シート共にあり、シート側はR処理
9.シートポスト径:φ27.2
10.シートクランプ:バンド式φ31.8
11.BB:BSA/JIS 68mm
12.BB下面:水抜きキリ穴+ワイヤ受けタップ穴
13.基準タイヤサイズ:700*35C(最大幅700*40mm)
14.最大チェーンリングサイズ:52/36t

ロードバイクのディスクブレーキへの移行が始まって10年程が経ちました。現在では、メタルフレームでもRitchey/ONE BY ESU/Fairlight Cyclesなどが魅力的なマスプロモデルを輩出してますが、スチール/チタン/ステンレスを用いてディスクブレーキバイクを生産すると、設計自由度の狭さから剛性バランスどりが難しく、重量増も立ちはだかります。

今回の「カンチ台座・Vブレーキ仕様 オリジナル スチール オールロードバイク」は、ちょっと旧いお持ちのロードバイクからパーツを移植して乗り出せて、輪行含めて細かいことに気を遣わず、ピチピチジャージから普段着まで様になる一台を狙っています。

「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月4日火曜日

結局、ミニVブレーキ搭載 ロードバイクが最適解なんじゃない? 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その12 #VBAR

カンチブレーキ台座

舗装路をラクに安全かつ速く走破するなら、「カーボンフレーム+油圧ディスクブレーキ+電動シフト+カーボンホイール+ワイドタイヤ」を装備した、最新のロードバイクが正解なのは間違いありません。

ただ、自転車はあくまで「道具」ゆえ、全ての用途や乗り方にマッチすることはなく、得手不得手があります。その一つが自転車を分解してパッキングする「輪行」が挙げられるかと。

ディスクブレーキ・ロード黎明期と比較して、現在は対応するグッズも増えて、ノフハウも蓄積されて来ましたが、やはりローター曲がりやパッドクリアランス再現性には気を使います。

輪行の容易さや持ち運びを重視するなら、フォールディングバイク(折り畳み自転車)を選択しますが、旅先でそこそこの距離&速度で乗るなら、車輪径が大きいロードバイクやグラベルバイクが合理的です。

それなら、従来のキャリパ式リムブレーキ・ロードバイクで良いんじゃないの?と言うのはごもっともですが、フレームやブレーキクリアランスからタイヤ幅が23-28mmに制約されます。

最新バイクに慣れた身体には、7Barのピーキーさや制動力の頼りなさは正直シンドイところ。ブレーキキャリパに限って言えば、クリアランスが大きい飛び道具的な「Ciamillo L8 ULTRA」もありますが…。

COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025 フロントブレーキ台座

広めなクリアランスと言えば、リムブレーキ最終期に投入された「ダイレクトマウント」を思い浮かべる方も多いかと。タッチの良い「キャリパブレーキ」と、クリアランスが稼ぎやすい「Vブレーキ(リニアプル)」を合体させたとも言える新規格です。

直近では、世界100台限定で生産される「COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025」で採用され、仕様を見ると許容最大タイヤ幅は実寸32mmと謳われてます。ただ、専用台座が必須でディスクブレーキ化のうねりの中、本規格は忘れ去られてゆく運命になりそうです。

All-City Cycles/MR.PINK

話を一般的なキャリパブレーキに戻すと、例外的に、ロングアーチ仕様で32mm程度まで許容した過去の名車「ALL-CITY MR.PINK」が挙げられますが、そんなバイクはごく一部。この汎用性の高さは、バイクギークであるJeff Franeの面目躍如と言えるかと。ちなみにMR.PINK、フロントフォークを軽量な「Whisky Parts Co. NO.7 CARBON QR RD+」へ交換すると、グッと現代的な乗り味になります。

あと、リムブレーキで太めなタイヤが履かせられる現行ロードバイクで穴馬として挙げられるのが、「Cannondale CAAD Optimo 3」。ブレーキキャリパはショートリーチ仕様ながら、フレーム&フォークの懐が深めにデザインされていて、フェンダーレスなら30-32mmぐらいまで飲込めます。エントリーグレードですが、ベテラン勢の2ndバイクとしても「いいセンスだ」の一台としておススメです。

こんなことをグダグダ綴っていると、年配ライダーからは、伝統的なランドナーやスポルティーフを選択すれば良いんじゃないの?と、至極真っ当なご意見を頂きそうですが、そこは少々拗らせた店主。ピチピチから肩肘を張らない自転車遊びまでハマって、モーターサイクルの「カフェレーサー」みたいな、軽快で使い勝手も両立できるような1台を妄想するのです。

パナソニック FCXCC03 シクロクロス クロモリ(写真:同社WEBサイトから)

すると、知識人から届くであろう、カンチ台座が付いたCX(シクロクロス)バイクがあるじゃない?。パナソニックサイクルテックさんが「FCXCC03」を継続生産しているし…なのは、ごもっとも。ちなみに当店POS扱いはありませんが、同社製クロモリCXを購入検討されるならディスクブレーキでは無くて、カンチブレーキ仕様をおススメします。

2010年代後半までは、「ALAN BIKES/SUPER CROSS ERGAL」等の魅力的なバイクもありましたが、現在もカンチブレーキ仕様のCXバイクを流通させているのは、大手では上記パナさんと東京サンエスさんが筆頭に挙がるぐらいかと。ただ、両者ともにCX伝統ジオメトリを踏襲しており、分かり易いところだと「33mタイヤ基準&高めなBBドロップ60mm」なのが引っかかります。

それぐらい慣れの範疇。速い奴は何に乗っても早いし、上手い奴は何に乗っても上手いと言われるとぐうの音も出ませんが、ツーリングバイクなら70~75mm程度のBBドロップを基準に設計した方が扱いやすいと店主は考えます。まあ、その値も想定される基準タイヤ径やクランク長で上下するのですが。

All-City Cycles/Space Horse(写真:同社WEBサイトから) 

カンチ台座付のバイクなら、万能選手の定番「SURLY CROSS CHECK」を筆頭にされる方も多いと思いますが、ジオメトリがCX寄りで、どちらかと言うと短距離/ストップアンドゴー向き。ジオメトリで店主理想に近いのは、ディスコンの「All-City Cycles/Space Horse」で、悔しいですがJeffは二手三手先を行っているのです

ちなみにそのJeff。現在はWilde Bikesファウンダーの一人で、「Space Horse」の後継モデル「Sugar Foot」も展開しています。あと、最大タイヤ幅50mmはToo Muchですが、「Black Mountain Cycles / Monstercross」も似た設計思想が伺えます。

最近、当店をご利用頂いたベテランサイクリスト数名とも同様な話になって、結局行き着く処は同じになるんだなと妙に合点が行った次第。

ミニVブレーキ

長々と回りくどく書いて、最初に結論を述べよと怒られそうですが…。非レース/ライトツーリング用途なら、ロードバイクとランドナーの中間、今で言うオールロード/エンデュランスロードのジオメトリを踏襲して、700Cの30~40mm幅タイヤが履け、カンチブレーキ台座が付いた自転車が一番使い勝手が良いんじゃないかと店主は思うのです。

まず、ブレーキですが、古のカンチだと制動力が心許ないので、ミニV(=コンパクトV、アーム長84~85mm)が現実解。2000年代には、Campagnoloも「VELOCE リニアプルブレーキ(おそらくTEKTRO製)」をラインナップしていましたが、各社共に選択肢は絞られています。

余談ですが、店主は出来の悪いワイヤ引き(機械式/メカニカル)のディスクブレーキを使うぐらいなら、Vブレーキを選ぶと以前からお伝えしてきました。

シマノ BR-R353
鉄板のシマノですが、上位105クラスのBR-R573は既にディスコンで、現在はBR-R353のみに。ただ、どちらもアーム長が90mmなので、ドロップハンドル用STレバーと相性がイマイチ。ちなみに、レバー比を変更できるカムローラやトラベルエージェントの類は、物理&構造的な理由から当店ではお勧めしていません。

名作「TRP CX8.4」も生産を終えておりプレミアム価格に。「PAUL COMPONENT MiniMoto」は少々やり過ぎだしな~と、他に良いブレーキは、無いものかと探してたところ。2024年夏に開催された業界向け展示会で、サンプルを見て店主が鼻息を荒くしたのが⁡「DIA-COMPE BA85 / BA85EX」。カンチ仕様のCXバイクで、レースに出場している方にも朗報の一品かと(泥掃けは悪くなりますが)。

東京サンエスさん カタログより

そして、肝心のフレーム&フォーク。重量や造形の自由さを考えるとフルカーボンが理想ですが、こんなニッチなモデルに開発&金型コストを掛けては採算が取れません。そうなると、消去法的に「アルミorスチールフレーム+カーボンフォーク」の組み合わせへ落ち着きます。

フロントフォークは、カンチ台座付きを台湾や大陸工場から探すのも一手ですが、市場は既にディスクブレーキに移行していて大きなロットを積まざる得ず、CXバイクの雄、Ritcheyの「WCS Carbon Cross Canti Fork」もディスコン。結局は東京サンエスさん頼みになりそう。

個人的には、1990年代半ば~2000年初頭のアルミロード全盛期に用いられた「薄肉大径/バリカタ」なチューブを用いたフレーム。それに35C前後のタイヤを組み合わせると面白いんじゃないかと思っています。

リムブレーキでも機械構造的には、前後スルーアクスルが正しくて走行面でも恩恵が大きいですが、ハブ選択肢が非常に狭くなるのでドロップエンドはQRに。また、フレームがスチールなら、フォークは「1-1/8"」のストレートコラムが前後の剛性バランスが取れそうです。

そんなこんなで、枯れた玄人向けの「カンチ台座付・オールロード」を構想設計中です。どのように着地できるかは読めませんが、ご興味のある方は、お問い合わせくださいませ。あと、極小ロットでもフレーム製作してくれる工場をご存じでしたら、アドバイス下さい。

「Voluptas Vブレーキ オールロードバイク」関連ポストは、#VBARをご覧ください。

ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える 関連ポスト

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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