2024年6月17日月曜日

Cannondale CAAD Optimo 3 Mango Shimano SORA | キャノンデール キャド オプティモ 3 マンゴー シマノ ソラ 搭載 アルミロード

Cannondale CAAD Optimo 3
カラー:Mango / マンゴー
グループセット:Shimano SORA 2×9s
店頭での組立整備前:左右シフトワイヤ・ルーティング
店頭での組立整備前:リアブレーキ・ワイヤ
フロントフォーク:広めなタイヤクリアランス

鮮やかなビタミンカラーを纏った「Cannondale CAAD Optimo 3 | キャノンデール キャド オプティモ 3」をご注文頂きました。受注時にフィッティングでポジションを採寸して、組立整備時に反映してます。スポーツバイク初心者のエントリーバイクとしては勿論、通なベテランライダーの通勤&ツーリング用としても最適な1台。

リムブレーキ仕様かつ派手さはないですが、堅実で使いやすいお勧めのロードバイクです。前後フルフェンダーが取付られるようにアイレット(=ダボ穴)が装備され、スポルティーフとしての素養もあるのが高ポイント。

フレームワークは、ザックリ言うとCAAD12とCAAD13のミックスしたようなフォルム。ダウンチューブはスクエア断面ですが、トップチューブとの溶接部もキレイに仕上げられています。

コンポーネントは、クランクセット/スプロケット/チェーン/ブレーキキャリパ含めて、「シマノ・SORA」をフル搭載した貴重なモデルです。チェーンリングの平面度や歯間距離が適切ゆえ、変速動作もスムーズ&セッティングも容易です。

標準装備のタイヤは、新ETRTO基準の700×25C。リム内幅も19Cゆえ実幅25mmの仕上がりです。ブレーキキャリパの固定位置が懐深めに設定されていることもあって、フェンダーレスなら30-32Cぐらいまでは装着できそうです。ホイールをZONDAクラスに替えれば、グッと軽快感もUPします。

オーソドックスな規格を用いているので、トラブルが出にくく、かつベテランライダーなら遊休パーツを活用しやすいのも魅力です。BBはネジ切りJIS仕様、シートポストもφ27.2バンド止めの標準的な丸形状で汎用性が高くなっています。

日常的に使われるバイクだと気になる、ケーブル類のメンテナンス容易さとクリーンな外観が上手くバランスされてます。シフトワイヤは、ダウンチューブ内蔵ですが、BB側が開放になっているので、メンテンナンス性も担保されています。

シフトワイヤ交換時に、万一ライナーを抜いてしまってもトップチューブ側からワイヤを通せば自然に通せますし、視認性も良くファイバースコープ無しでルーティングを確認できます。余談ですが、剛性メリットに着目してこの構造を積極採用したのは、FELTが最初だったと思います。

標準シフトケーブルは、右レバー→フレーム左側へ通し、ダウンチューブ内でクロスさせるルートになってます。曲率が大きくなってワイヤの摩擦抵抗を抑えられたり、アウターワイヤがフレーム干渉しなくなり、ハンドリングを軽くできます。特にフレームサイズが小さく、ステムが短い場合は恩恵が大きいです。

反面、ケーブル張り出しが大きくスマートでなかったり、ダンシングで膝にケーブルが当たるのがデメリット。今回は、スッキリした外観を優先して、組立整備時にルーティングを変更してます。

ベテランライダーなら、下記のように少し手を加えて、輪行も視野に入れた取り扱いに気を使わなくても良い、ある種割り切った快適ツーリングor通勤仕様に仕上げるのも宜しいかと。遊び心のあるバーテープと太めなタイヤで肩の力を抜いた感じで、昔で言う「カルチャー寄り」な雰囲気の一台に。

フルフェンダーを装備しないなら、サイドウォール薄め&30mm幅前後のタイヤを選択すれば、しなやかな乗り心地が得られます。ただ、ホイール脱着時は、少し空気を抜く必要があるかもしれません。

Cannondale CAAD Optimo 3 × Shimano SORA(詳細→メーカー公式WEBサイト
キャノンデール キャド オプティモ 3 × シマノ ソラ フルセット
カラー:Mango/マンゴー

その他、当店の完成車&ホイールの在庫リストは、コチラをご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2024年6月16日日曜日

椿本チエイン LA SI QUE / らしく 電動アシスト3輪自転車 Bicycle e-Mobility City EXPO2024 出張記 ニチコン EVパワー・ステーション/Assemblepoint アセンブルポイント他 E-PMVを考える

椿本チエイン 電動アシスト3輪自転車「LA SI QUE/らしく」

以前から動向が気になっていた、椿本チエインさんが開発中の電動アシスト3輪自転車「LA SI QUE/らしく」を拝見すべく、新宿で開催された「Bicycle e-Mobility City EXPO2024」へ出掛けてきました。

同社は、新事業の一つとして2023年4月に「電動アシスト3輪自転車・多目的e-Cargo」を発表しました。この業界に身を置く者としては、自転車産業はシマノさん以外は構造的に薄利ですし、15~20年すれば全固体電池ベースのペダリング不要なパーソナルモビリティ(E-PMV)に移行するだろうと見込んでいるので、自転車形式での参入は旨味が出ないのでは?と僭越ながら心配してしまいます。

クルマ用の駆動部品も手掛けている同社。そんな場末の自転車屋店主が考えることは百も承知で、最終的なE-PMVを視野に入れながら、取っ掛かりとして事業化の目途が立ちやすい電動アシスト自転車で参入を決めたのかもしれません。直近のニュースで「東京都杉並区での実証実験実施」も報じられてます。

SHIMANO STEPS 搭載
2023出展したモデルに比べ、造形がスッキリしたリア回り
特徴的なスイングアーム式

三輪/トライク式自転車における技術の肝は、並列2輪の足回り機構。「LA SI QUE」は、リア片側・左輪駆動でデフ無し。従来あるリンクやスイング式では無く、モーターサイクルのスイングアームを並べたような独懸スタイルです。

チェーン&駆動部品メーカーの同社らしく、駆動部もオリジナリティが垣間見えます。試乗もしましたが、シンプルな機構ながら後輪の追従性は、非常に高く仕上がっています。

また、モータユニット(エンジン)が、一般的な電動アシスト自転車用では無く、E-BIKE向けが装備されているので、制御の分解能/応答性に優れています。ちなみに「SHIMANO STEPS」が搭載されていることから、椿本チエイン製「e-Bike用クラッチ」の納入先は、シマノと言うことが伺えます。

免許返納した高齢者の移動手段の受け皿としても狙っているようですが、国内マーケットのみでは量産効果が得にくいし、市場価格も下げられません。かと言って、欧州が主戦場のカーゴバイク市場も既にレッドオーシャンで、高度なマーケティングが要求されます。

発表当初の記事で、「LA SI QUE」は国内での生産組立に拘られていましたが、空洞化して久しい日本において量産体制の確立は、容易でないと店主は思っていました。その点は、最近はトーンダウンしているようで、現実的な落とし処を見据えておられていると察します。

ちなみに同社は、本部門で求人を掛けているので、自転車業界でモヤモヤしている方は目を通されては如何でしょうか?。ただ、量産を視野に入れた自転車・機構設計ができるエンジニアは稀ですし、海外含めて募集しても、このサラリーじゃ見合わないかなとも。

Bicycle e-Mobility City EXPO2024 入口
Bicycle e-Mobility City EXPO2024 会場

ちなみに、Bicycle e-Mobility City EXPO2024は「自転車活用推進議員連盟、 自転車活用推進本部、 国土交通省、経済産業省、スポーツ庁…」と錚々たる後援団体が名を連ねており、金の匂いもといロビー活動の成果が表れています。

China Cycle 2024で多く見かけた「電動モトクロッサー」も展示

本田技研傘下の「Wing-AI Lab(ウイング エーアイ ラボ)」の
マイクロモビリティロボット「WaPOCHI(ワポチ)

ニチコン EVパワー・ステーション

店主が以前勤めていた会社と競合相手だった「ニチコン」さんは、2011年ごろから日産の「LEAF to Home」でEV充電市場に本格参入。ちょっと調べてみると、知らない間にこの分野は様々なプレイヤーが参入しており驚かされました。

最後に全くの余談を。店主は、2010年ごろに街で走っている「コミュニティバス」を見て、もっと小さく且つ自動運転なら、損益分岐点が下げられるのではないかと漠然と思っていました。例えば、軽EVベースにモータ特性である低速トルクを最大限活用して、最高速を30~40km/h程度に抑えて、減速比を大きくとった超マイクロバスみたいなイメージです。

クラッシャブルゾーンのハードルはありますが、搬送効率と経済性を最大化できるんじゃないかと。それと同様なコンセプトで、カートリッジ式バッテリーを組み合わせてフィリピンを中心に事業化を進めているのが、本展示会にも出展されていた「Assemblepoint/アセンブルポイント」さんです。

個人的に頑張って軌道に乗せて欲しいと、遠目に趨勢を伺っていましたが、2023年末に少々きな臭い噂が聞こえる3DOM傘下のnoco-noco Inc. に360万米ドルでM&Aされたようです。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2024年6月11日火曜日

DKG FLIP LOCK Seat clamp SILVER | ディーケージー フリップロック シートクランプ シルバー φ31.8 シートバンド シートバインド 特価Sale 30%ff 5300円→3740円 店頭品1個のみ

DKG FLIP LOCK Seat clamp  | ディーケージー フリップロック シートクランプ
カラー:SILVER | シルバー
サイズ:φ31.8
価格:5300円→3740円(30%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)

 

信頼性が高く、扱いやすいシートクランプで頭に浮かぶのは、「DKG」や「SALSA」が定番として筆頭に挙がるかと。こちらの「DKG FLIP LOCK」は、7075アルミをCNC加工した、工具不要なクイックタイプのシートポストクランプ。

クランプ径は、シートポストでは無く、シートチューブ外径ですのでご注意下さい。商品入替のため、30%offの特価SALEでご提供します。

DKG FLIP LOCK Seat clamp  | ディーケージー フリップロック シートクランプ
素材:7075 アルミニウム
サイズ:φ31.8mm
カラー:Silver
価格:5300円→3740円(30%off現金特価、10%税込、店頭品のみ、工賃別途)

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2024年6月10日月曜日

「LAND CRUISER CHANNEL / ランクルちゃんねる」 不変技術 構築の憧れ

【開発者が語る】ランクルの足回り「プラットフォーム」を徹底解説!
【ランクルゼミナール】#23
から

2019年頃から、Youtube「トヨタイムズ」等でオウンドメディアに力を入れるトヨタ自動車。その中でも、様々なコンテンツを提供しているのが、「LAND CRUISER CHANNEL / ランクルちゃんねる【トヨタ公式】」。

店主的に面白かったのは、近頃はロボット宇宙関係で露出が多い「片岡史憲」氏が出演されている下記2本の動画。同氏が携わった技術は、目に見えにくいものかもしれませんが、長期にわたって広く使われ続ける、変わらない価値を持っています。これはまさに技術的な傑作と言えるでしょう。自転車だと、「シマノ・内装3段ハブ」が挙げられるかと。

本動画では、分かりやすいよう平易な言葉で説明されていますが、端々に「独懸(独立懸架式)」 や「号口」といった業界用語が混じってクスっとさせられます。また、社内プレゼン用だろうパワポ資料に一部モザイクを掛けて引用されたりで、エンジニア系オジサン心も擽られます。

また、ピッチングによって脳や目線が揺さぶられて、疲労につながることが紹介(関連論文)されていますが、自動車タイヤメーカーと同様な研究が進められていたんだなとも。自転車やランニングシューズメーカーが、ユーザー快適性を謳う際の疲労評価に応用できる指標かもしれません。

その一方、新型ランクル70/250の発売に合わせて、各開発責任者が開発秘話や苦労話を語る動画もUPされています。高い信頼性やブランド力を持つ「トヨタ自動車」の「ランクル」でさえ、スペックでなく「ストーリー」や「文脈」を謳わなければ、商品力を訴求出来ない時代になったとも言えます。

ただ、そういったナラティブなマーケティングは、昨今に始まったものでは無く、旧くは「ガマの油」や「奴らはラーメンじゃなく、情報を食ってるんだ!(ラーメン発見伝)」が想起されるのです。


※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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2024年6月8日土曜日

電動モトクロッサー/サイクリングアパレル事情/LEM ヘルメット/インド系メーカー RALSON/Holland Mechanics/Okuley/Lewis Disc Brakes/ANANDA/E-CARGOバイク China Cycle 2024 出張記

モトクロス系・電動スクーター
PXiD ニューモデル
上海で開催された「CHINA CYCLE 2024」へ出張してきました。店主が2007年に訪中した際は、電動オートバイが普及し出したタイミング。当時、現地の方から内燃機関と電動の見分け方は、「ヘルメットを被っていないのが電動」と教わり、街中を眺めてみると普及率は30%程度だったと記憶しています。今やそれがほぼ100%に。

オートバイ(=スクーター)の電動化拡大に伴い、オートバイと自転車におけるフレームやパーツメーカー間の垣根が低くなりました。そんな状況が背景になって、「電動アシスト自転車」と「電動スクーター」が入り混じった展示に。その中でも、モトクロス系電動スクーターが目に付きました。日本国内だと「Sur-ron」が有名かと。

それらのレンジは70~90km、車輪トルクは400Nmを超えるモデルも存在します。ブースを回っているとDHバイクは、これら電動モトクロッサーからバッテリーとモーターを外せば良いんじゃないかと少々乱暴な発想に行き着きます。ええ、皆さんの言いたいことは分かります、それが20年前の「Honda RN01」だと。

全固体電池が実用化され現実的なコストになると、航続距離が飛躍的に伸びることが予想されます。そうなると、日本国内も現在主流の「人力ハイブリッド」な電動アシスト自転車から、構造がシンプルなペダリング不要なパーソナルモビリティ(E-PMV)へ移行するだろうというのが店主見立て。EV用バッテリーのリサイクルの受け皿としても有望だからです。
サイクリング・アパレルですが、「新素材用いた綺麗な縫製」や「トップライダーとのR&Dによる新しいアイデア」が反映されている点では、欧州の有名ブランドが先んじています。一方、スキニーフィット/丈長さ/グラフィック等は、アジアブランドもキャッチアップ済でコモディティ化が進んでます。

LEM VENETTO

業績不振で一度消滅した?、伊ヘルメットブランドの「LEM」は、中国企業の資本で再興されたのかと。新作「VENETTO」は、他社モデルの良いとこ取りしながら上手くまとめた印象。

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Ralson Tyres

台北ショーでも見かけることが増えた、インド系メーカー。自転車メーカーが最終組立工程を欧州に戻す動きもあり、サプライヤとして地理的に有利な側面があるのかもしれません。自転車用タイヤ製造で創業した「RALSON」ですが、近年ではトラック用のTBR製造に力をいれており、工場設備も近代的です。

Holland Mechanics
AIRLINE ASSEMBLY CONVEYOR

自転車組立用の産業機械を揃えるオランダの「Holland Mechanics B.V.」。中国にも支社があるようです。近年の組立工場は、地面に据え付けるベルトコンベア式でなく、吊下げ式の導入が進んでいます。E-Bike対応と、生産量に合わせライン長を変更できる自由度がその理由かと。
ゴーゴーカレーならぬ「GOGOBIKE
何処となくTeslaな「TAILG」
本家「OAKLEY」
Okuley Electric Scooters/Ningbo Huidong New Energy Technology Co., Ltd.
スノーモービル風 電動キックボード

スノーモービル風のキックボードが目に留まった「Okuley Electric Scooters」。やっぱり、発音は「オークリー」なのでしょうか?。このようなネタは、「ITEK」を展開するShine Wheel Ind.,Corp.が店主脳裏に浮かびます。ちなみに、2010年代初頭の台北ショー・ITEKブースは、看板も撮影禁止な程ピリピリしていましたが、市民権を得たのか?最近ではそんなことも無くなりました(笑)。

Lewis Disc Brakes
Lewis LHT Ultimate Brakes
Pinkbikeでも取り上げられ、気になっているMTBerも多いかと思われる「Lewis Disc Brakes/ルイス ディスクブレーキ」。「Trickstuff Maxima」のクローンとも揶揄されていますが、CNCでゴリゴリ加工された外観は男心が擽られます。日本国内の代理店さんも正式に決まったようです。

BAFANG
ANANDA

中国ブランドのE-Bikeのモーターユニットメーカーは、お馴染み「BAFANG」が筆頭に挙げられますが、近年「ANANDA」が存在感を高めています。ただ、「AMANDA」さんと空目してしまうのが厄介な処。

CES 2024で公開済の「Yadea Cocoa」

欧州市場で成長したE-CARGO・バイクは、普及が進んで珍しくない存在に。構造的な落とし処もほぼ決まり、アメリカン三大ブランドも参入するなど、市況は既にレッドオーシャンなフェーズに突入した感。

※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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