2025年2月15日土曜日

MAGURA | マグラ MDR-C ローター 160m E-BIKE対応 ディスクブレーキ ローター 入荷 Tern Vektron S10 | ターン ヴェクトロン S10 他の交換にお勧め

MAGURA | マグラ MDR-C ローター
型番:#2701917
サイズ:φ160m
厚み:2.0mm
固定方法:6穴 (6H)
価格:6050円→5740円/個(5%off現金特価/10%税込/店頭品のみ/工賃別途)

標準「ストームHCローター」と同じ価格ながら、E-BIKEでの使用に最適化されたのが、この「MDR-C ローター」。重量&速度が大きくなるE-BIKEを制動するため、剛性と熱容量を増やしたローターです。

肉抜きが少ないため曲がりにくく、放熱性も高くなってブレーキパッドの長寿命化も期待できます。スピードセンサーを取り付ける穴も設けられています。MAGURAのローターは、厚みが2.0mmで剛性がある反面、サードパーティ製の選択肢は少なめ。ちなみに、1.8mmまで摩耗したら交換時期です。

「MAGURA/マグラ」油圧ディスクブレーキが標準装備されたフォールディング・E-BIKE「Tern Vektron S10 | ターン ヴェクトロン S10」等の交換用ローターとしてお勧めです。

交換前:Tern Vektron S10 標準 MAGURA ストームHCローター


ちなみに、自転車に用いられる油圧ディスクブレーキは、密閉式&小容量リザーブゆえ、運用面から選べるなら「ミネラルフルード」を採用しているモデルを当店ではお勧めしています。HAYESのタッチは好みなんですが…。

MAGURA | マグラ MDR-C ローター(詳細→公式WEBサイト
サイズ:φ160m
固定方法:6穴 (6H)
価格:6050円→5740円/個(5%off現金特価/10%税込/店頭品のみ/工賃別途)

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

当店の完成車&ホイールの在庫リストは、在庫表をご覧ください。

お問合せは、info@avelotokyo.com または、070-5075-8192 まで。

2025年2月14日金曜日

MAXXIS Detonator | マキシス デトネイター 20″ x 1.3/8″ ETRTO 37-451 Tern Verge P10 ミニベロ フォールディング 向け 451で太めなタイヤをお探しの方にお勧め

MAXXIS Detonator | マキシス デトネイター
20″ x 1.3/8″  ETRTO 37-451
価格:3300円→完売
トレッドパターン

元来、選択肢が少ない451サイズのタイヤ。1-1/8 (28mm)ならまだしも、1-3/8以上となると流通しているモデルは数えるほどに。20×1-3/4まで広げるなら、iRC足楽がありますが、子乗せ電動アシスト用ゆえ、重量他を理由にスポーツ走行には不向きです。

以前、短期間ですが「TIOGA PowerBlock 20x1.85 (ETRTO 45-451)」が生産されていましたが、既にディスコン。そんなこんなで、「MAXXIS Detonator | マキシス デトネイター 20″ x 1.3/8″」。 クロスバイク/街乗り定番タイヤで、本サイズは以前から展開されていたのですが、長らく流通が滞っていました。

他社製含めて、1-3/8″のETRTO呼び幅は「34~35mm」に留まります。その中で、本モデルの呼び幅は「37mm」と太めになってます。余談ですが、例外的にCSTブランドのOE向けタイヤには37-451が存在します。ケースが共通なのかもしれません。

ミニベロや折り畳み自転車の「451サイズ」ユーザーで少しでも太めなタイヤを履かせたい方にお勧めのモデルです。シルクワーム装備で耐パンク性も期待できます。

250-550kPa/35-80psi/2.5-5.5bar
20″ x 1-3/8″
ETRTO 37-451

MAXXIS Detonator | マキシス デトネイター(詳細→公式WEBサイト
サイズ:20″ x 1.3/8″ (ETRTO 37-451)
ビード:スチール
ベルト:シルクワーム
価格:3300円→完売

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月13日木曜日

COLNAGO MASTER X-LIGHT × Campagnolo CHORUS | コルナゴ マスターエックスライト × カンパニョーロ コーラス クロモリ スチール リムブレーキ ロードバイク メンテナンス

COLNAGO MASTER X-LIGHT × Campagnolo CHORUS
コルナゴ マスターエックスライト × カンパニョーロ コーラス
クロモリ スチール リムブレーキ ロードバイク
「COLNAGO MASTER X-LIGHT | コルナゴ マスターエックスライト」のハンドル交換他、回転部のグリスアップ等メンテナンスを承りました。MASTER X-LIGHTは、チューブ断面に星形/ジルコ加工を施した細身のシルエットが特徴。
Campagnolo CHORUS | カンパニョーロ コーラス

不朽のラグド&クロムメッキフレームに最新「Campagnolo CHORUS | カンパニョーロ コーラス」を組み合わせた一台。本車体のような、フロント2枚(2x)とリアワイドギア構成だと、アウターローの往なし方は他社コンポーネントに一日の長があるのが正直な処です。ただ、イタ車の中でシマノ・コンポが似合うとされるCOLNAGOも、改めて見るとカンパ組ならではの立ち姿の良さが実感できます。
フリーハブ・ラチェットスプリング(Pawl Spring)交換
昔、カンパニョーロ製・本デザインのクランクセットを初めて見たとき、アウターリングのフィキシングボルトがインナーを外さないと増締めできないなんて、カンパニョーロらしくないと思ったものですが、スパイダーアーム側からもトルクス穴にアクセスできる設計になってます。
シフト・インナーワイヤのタイコ側で素線解れが発生していたので、手を入れるには良いタイミングだったと言えます。

ベースバイク
フレーム:COLNAGO MASTER X-LIGHT | コルナゴ マスターエックスライト 
カラー:PR08
コンポーネント:Campagnolo CHORUS | カンパニョーロ コーラス


話変わって。時々、ご質問頂くフルオーバーホール(フルOH)の要否ですが、当店考えは、「やるに越したことはないけど、殆どのライダーの場合、費用対効果を考えたら、走行距離に応じたワイヤ他消耗品交換&回転部グリスアップに留めて、後は壊れた時に考えるで良いんじゃない?」になります。

後述するような、天候問わず走るライダーでなければ、油圧ディスクブレーキも吸湿性が無い「ミネラルフルード」なら、ピストン戻りが悪くなってからの対処すれば問題ないかと。

理由は、スポーツバイクは、30-40年前と比べてアルミパーツが多用され錆固着が発生しにくくなったことや、回転部にシールが装備されて防滴性が高まったのが挙げられます。かと言って「水没はダメ。ゼッタイ。」なのは、変わりないのでご注意を。

また、総じてヘッドセットは汗水に弱く、特にローラ台/トライアスロンライダーには高頻度のグリスアップをお勧めしてます。そして、下記のような雨/雪/泥を厭わず走り続けるハードコア・ライダーの場合は、フルOHやそれに近いメニューをお勧めしています。
  • 悪天候下でも運用される通勤/ブルベ/レース/エンデュランスバイク
  • MTB/CX/グラベルレースバイク
一方で、程度の差こそあれ損耗の症状は徐々に進行します。一般ユーザーだとそれら不具合に気が付かないことも多く、ダウンタイムを防ぐため、人間ドッグ的にフルOHを希望されるケースもございます。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月8日土曜日

Un Authorized | アン オーソライズド 細くて短めな 玄人好みの新作グリップ

Un Authorized | アン オーソライズド 新作グリップ サンプル

「軽薄短小」は長らく、日本におけるコンシューマー向け製造業の強みとされてきました。ただ「短小」と聞くとネガティブなイメージを抱くのは、オッサン店主だけではないはず。そんなしょうもないことを、展示会でダイアテックさんの自社ブランド「Un Authorized | アン オーソライズド」の新作グリップをニギニギしながら考えていました。

このグリップ、2024年夏に初期サンプルを拝見していましたが、2025年1月末に最終製品に近いモノをハンズオンすることが出来ました。最大の特徴は、ロックオンタイプながら「極細」を実現しているところ。表面は卓球の粘着ラバーを彷彿させる高いタッキネスで、グローブが無くても滑り知らず。手の中でハンドルを遊ばせたい玄人ライダー向けと言えるかと。

全長が短めなモデルも展開予定とのことで、手の小さい方や狭めなハンドルバーをお使いの方にもマッチしそう。射出成形を知る工場目線で、歩留まりを考えると極薄構造は避けたい処ですが、担当者さんの拘りが色濃くでているのが伺えます。

近年は、ロックオンタイプが主流で、プラ芯材があったり構造上「長太」になったグリップ。1990年前後にあった「ATI / ULTRA SLIM LINE」に代表されるような、細身のモデルは市場で見かけなくなりました。当時は、PanaracerがXC-Magicのトレッドパターンを模した別注品もありました。

ちなみにブースで「香り付き」と聞いて、冗談と思って鼻を近づけてみるとホントでした。それは、昔の「匂い付き消しゴム」や「クルマのバックミラーに吊り下げていた芳香剤」を彷彿させ、サイケデリックのカラーリングも相まり、2周回ってナウい感を醸し出してます。なお、発売時期&価格等は未定とのこと。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月7日金曜日

iRC | アイアールシー BOKEN LIGHT チューブレスレディ / BOKEN DOUBLECROSS LIGHT チューブレスレディ 2025年3月 発売予定

BOKEN LIGHT チューブレスレディ 試作品
BOKEN LIGHT トレッドパターン
左:BOKEN LIGHT / 右:BOKEN DOUBLECROSS LIGHT

以前からイベント等で参考出品されていたiRCグラベルタイヤ、「BOKEN LIGHTチューブレスレディ」と「BOKEN DOUBLECROSS LIGHTチューブレスレディ」。2025年3月頃からデリバリー開始予定とのこと。

新作の「LIGHT」仕様は、北米市場の要望を受けてカーカスを60→120TPIへ変更。ベルトも排して、軽量化としなやかさを追求した構造を採用。これまで同社TLRは、「サイド汗かき(シーラント滲み)防止&耐サイドカット」を重視する設計思想が読み取れましたが、新作のLIGHTシリーズはパフォーマンスへ振ったグラベルタイヤと言えそうです。

「BOKEN」と比べて、「DOUBLECROSS」は、呼び寸法で2mm太いですが、トレッドのブロックパターン厚み分でケースは共通と推測してます。海外ブランドのタイヤに比べて、お財布にやさしい価格設定も魅力的。

ちなみに重量は、BOKEN LIGHT 40Cで460g/本。通常モデル対比、総じて約9%の軽量化しているとのこと。グラベルに限らず、オールロード用途でTPUチューブと組み合わせても宜しいかと。ご予約をお待ちしております。

BOKEN LIGHT TLR/ボウケン ライト チューブレスレディ
カラー:タンのみ
サイズ:700×36C、40C
標準小売価格:6,700円/本(税抜)

BOKEN DOUBLECROSS LIGHT TLR/ボウケン ダブルクロス ライト チューブレスレディ
カラー:タンのみ
サイズ:700×38C、42C
標準小売価格:6,700円/本(税抜)

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2025年2月6日木曜日

メカニック泣かせ E-Bikeの電気系トラブル Bosch Smart System Error 142001/620012 対処法

Bosch Smart System / Purion 200

ペダルバイク(=アナログバイク)にある、漕ぎ出しや登坂などの弱点を補って、行動範囲を拡げてくれる便利なE-Bike。ただ、電気系統に不具合が見舞われ、その原因特定にハマってしまうと自転車屋さん泣かせです。

当店では、BOSCH/SHIMANO/Bafang/Hyenaのエンジン(=モータ)が搭載された車体に向き合うケースが多いです。大手メーカーは、ディーラー向けに診断装置(ドングル/アプリ)を用意しており、当店でも導入しています。

ただ、自動車のOBD2診断機だと「カム角センサー異常」等、割とピンポイントでNG箇所を表示しますが、E-Bikeの場合は割とフワッとした診断結果しか返してくれません。また、集合知を求めてWEB検索しても、海外含めて情報は乏しいのが実情。

メカニック目線だと、産業機械(FA)のPLC(シーケンサー)からラダー図を吸い出し、モニタリングして不具合/だんまり停止の原因を特定できるような、もうちょっと生の情報が診られる仕組みがあればと思っています。

可能性が高い箇所から順番に手を入れたり、各エンジンメーカー窓口とのやり取り/折衝には時間を要し、サイクルベースあさひさんの「基本時間工賃:13,200円(税込)/h」に倣って積み上げると多額になってしまい、中々お客様に全額請求できないのが現実です。
店主経験から話すと。Bosch/ボッシュ eBike Systems の「Smart System/スマートシステム」において、Purion デイズプレイに「エラー142001」が頻発して、診断アプリのエラー履歴で「620012 バッテリーのエラー 電流モニターのエラー - ショートを検知」があった場合は、「バッテリーの需給電端子」を最初にチェックすることをお勧めします。

特に、バッテリーがフレーム内蔵の場合は、端子が上端に設置されていることが多く、走行中に振動が加わるとバッテリー自重で端子が瞬間的に離れ、突入電流が印加されるものと推察してます。
そんな先の見えない作業をしていると、「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」劇中の草薙少佐が店主ゴーストに囁くのです。

「代謝の制御、知覚の鋭敏化、運動能力や反射の飛躍的な向上、情報処理の高速化と拡大・・・電脳と義体によって、より高度な能力の獲得を追求した挙げ句、最高度のメンテナンスなしには生存できなくなったとしても、文句を言う筋合いじゃないわ」と。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

その他、当店の完成車&ホイールの在庫リストは、コチラをご覧ください。

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2025年2月5日水曜日

Voluptas | ウォルプタース スチール カイセイ 8630R クロモリ スチール リムブレーキ ロードバイク シマノ Dura-Ace/ULTEGRA/Tiagra ミックスアセンブル リフレッシュ

Voluptas | ウォルプタース スチール クロモリ リムブレーキ ロードバイク
メインフレーム:カイセイ 8630R
フロントフォーク:ENVE ROAD FORK 2.0
10年ほど前にBespokeでビルドさせて頂いた、当店オリジナル「Voluptas | ウォルプタース」のリムブレーキ ロードバイク。だいぶ乗り込まれた車体ですが、部分的なリフレッシュを承りました。

メインフレームは、スチール(クロモリ)の「カイセイ 8630R」。フロントフォークは、オフセット選択の自由度から「ENVE ROAD FORK 2.0」を選択してます。

当時は、主に通勤用途と言うことで、メンテナンス頻度とコストを抑えることを重視して、コンポーネントは、シマノ・4700系 TIAGRAをベースにあえての10sに。随所にDURA&アルテをアッセンブル致しました。

その後、STレバーが破損したタイミングで、オーナー所有の他車体とホイール互換性を持たすべく、ST/CS/CNのみを11sへ交換。ケーブルピッチは共通なので、未だ使えるFD/RDは4700系 Tiagraのまま。厳密に言うとゲート幅は違いますが、支障なく動作しています。

※各パーツの詳細&セッティングに関するご質問は、当社ノウハウもございますのでご遠慮ください。

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2025年2月4日火曜日

結局、ミニVブレーキ搭載 ロードバイクが最適解なんじゃない? 徒然なるままに ロード用 ディスクブレーキの今後の動向を考える その12

カンチブレーキ台座

舗装路をラクに安全かつ速く走破するなら、「カーボンフレーム+油圧ディスクブレーキ+電動シフト+カーボンホイール+ワイドタイヤ」を装備した、最新のロードバイクが正解なのは間違いありません。

ただ、自転車はあくまで「道具」ゆえ、全ての用途や乗り方にマッチすることはなく、得手不得手があります。その一つが自転車を分解してパッキングする「輪行」が挙げられるかと。

ディスクブレーキ・ロード黎明期と比較して、現在は対応するグッズも増えて、ノフハウも蓄積されて来ましたが、やはりローター曲がりやパッドクリアランス再現性には気を使います。

輪行の容易さや持ち運びを重視するなら、フォールディングバイク(折り畳み自転車)を選択しますが、旅先でそこそこの距離&速度で乗るなら、車輪径が大きいロードバイクやグラベルバイクが合理的です。

それなら、従来のキャリパ式リムブレーキ・ロードバイクで良いんじゃないの?と言うのはごもっともですが、フレームやブレーキクリアランスからタイヤ幅が23-28mmに制約されます。

最新バイクに慣れた身体には、7Barのピーキーさや制動力の頼りなさは正直シンドイところ。ブレーキキャリパに限って言えば、クリアランスが大きい飛び道具的な「Ciamillo L8 ULTRA」もありますが…。

COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025 フロントブレーキ台座

広めなクリアランスと言えば、リムブレーキ最終期に投入された「ダイレクトマウント」を思い浮かべる方も多いかと。タッチの良い「キャリパブレーキ」と、クリアランスが稼ぎやすい「Vブレーキ(リニアプル)」を合体させたとも言える新規格です。

直近では、世界100台限定で生産される「COLNAGO/コルナゴ C68 RIM MY2025」で採用され、仕様を見ると許容最大タイヤ幅は実寸32mmと謳われてます。ただ、専用台座が必須でディスクブレーキ化のうねりの中、本規格は忘れ去られてゆく運命になりそうです。

All-City Cycles/MR.PINK

話を一般的なキャリパブレーキに戻すと、例外的に、ロングアーチ仕様で32mm程度まで許容した過去の名車「ALL-CITY MR.PINK」が挙げられますが、そんなバイクはごく一部。この汎用性の高さは、バイクギークであるJeff Franeの面目躍如と言えるかと。ちなみにMR.PINK、フロントフォークを軽量な「Whisky Parts Co. NO.7 CARBON QR RD+」へ交換すると、グッと現代的な乗り味になります。

あと、リムブレーキで太めなタイヤが履かせられる現行ロードバイクで穴馬として挙げられるのが、「Cannondale CAAD Optimo 3」。ブレーキキャリパはショートリーチ仕様ながら、フレーム&フォークの懐が深めにデザインされていて、フェンダーレスなら30-32mmぐらいまで飲込めます。エントリーグレードですが、ベテラン勢の2ndバイクとしても「いいセンスだ」の一台としておススメです。

こんなことをグダグダ綴っていると、年配ライダーからは、伝統的なランドナーやスポルティーフを選択すれば良いんじゃないの?と、至極真っ当なご意見を頂きそうですが、そこは少々拗らせた店主。ピチピチから肩肘を張らない自転車遊びまでハマって、モーターサイクルの「カフェレーサー」みたいな、軽快で使い勝手も両立できるような1台を妄想するのです。

パナソニック FCXCC03 シクロクロス クロモリ(写真:同社WEBサイトから)

すると、知識人から届くであろう、カンチ台座が付いたCX(シクロクロス)バイクがあるじゃない?。パナソニックサイクルテックさんが「FCXCC03」を継続生産しているし…なのは、ごもっとも。ちなみに当店POS扱いはありませんが、同社製クロモリCXを購入検討されるならディスクブレーキでは無くて、カンチブレーキ仕様をおススメします。

2010年代後半までは、「ALAN BIKES/SUPER CROSS ERGAL」等の魅力的なバイクもありましたが、現在もカンチブレーキ仕様のCXバイクを流通させているのは、大手では上記パナさんと東京サンエスさんが筆頭に挙がるぐらいかと。ただ、両者ともにCX伝統ジオメトリを踏襲しており、分かり易いところだと「33mタイヤ基準&高めなBBドロップ60mm」なのが引っかかります。

それぐらい慣れの範疇。速い奴は何に乗っても早いし、上手い奴は何に乗っても上手いと言われるとぐうの音も出ませんが、ツーリングバイクなら70~75mm程度のBBドロップを基準に設計した方が扱いやすいと店主は考えます。まあ、その値も想定される基準タイヤ径やクランク長で上下するのですが。

All-City Cycles/Space Horse(写真:同社WEBサイトから) 

カンチ台座付のバイクなら、万能選手の定番「SURLY CROSS CHECK」を筆頭にされる方も多いと思いますが、ジオメトリがCX寄りで、どちらかと言うと短距離/ストップアンドゴー向き。ジオメトリで店主理想に近いのは、ディスコンの「All-City Cycles/Space Horse」で、悔しいですがJeffは二手三手先を行っているのです

ちなみにそのJeff。現在はWilde Bikesファウンダーの一人で、「Space Horse」の後継モデル「Sugar Foot」も展開しています。あと、最大タイヤ幅50mmはToo Muchですが、「Black Mountain Cycles / Monstercross」も似た設計思想が伺えます。

最近、当店をご利用頂いたベテランサイクリスト数名とも同様な話になって、結局行き着く処は同じになるんだなと妙に合点が行った次第。

ミニVブレーキ

長々と回りくどく書いて、最初に結論を述べよと怒られそうですが…。非レース/ライトツーリング用途なら、ロードバイクとランドナーの中間、今で言うオールロード/エンデュランスロードのジオメトリを踏襲して、700Cの30~40mm幅タイヤが履け、カンチブレーキ台座が付いた自転車が一番使い勝手が良いんじゃないかと店主は思うのです。

まず、ブレーキですが、古のカンチだと制動力が心許ないので、ミニV(=コンパクトV、アーム長84~85mm)が現実解。2000年代には、Campagnoloも「VELOCE リニアプルブレーキ(おそらくTEKTRO製)」をラインナップしていましたが、各社共に選択肢は絞られています。

余談ですが、店主は出来の悪いワイヤ引き(機械式/メカニカル)のディスクブレーキを使うぐらいなら、Vブレーキを選ぶと以前からお伝えしてきました。

シマノ BR-R353
鉄板のシマノですが、上位105クラスのBR-R573は既にディスコンで、現在はBR-R353のみに。ただ、どちらもアーム長が90mmなので、ドロップハンドル用STレバーと相性がイマイチ。ちなみに、レバー比を変更できるカムローラやトラベルエージェントの類は、物理&構造的な理由から当店ではお勧めしていません。

名作「TRP CX8.4」も生産を終えておりプレミアム価格に。「PAUL COMPONENT MiniMoto」は少々やり過ぎだしな~と、他に良いブレーキは、無いものかと探してたところ。2024年夏に開催された業界向け展示会で、サンプルを見て店主が鼻息を荒くしたのが⁡「DIA-COMPE BA85 / BA85EX」。カンチ仕様のCXバイクで、レースに出場している方にも朗報の一品かと(泥掃けは悪くなりますが)。

東京サンエスさん カタログより

そして、肝心のフレーム&フォーク。重量や造形の自由さを考えるとフルカーボンが理想ですが、こんなニッチなモデルに開発&金型コストを掛けては採算が取れません。そうなると、消去法的に「アルミorスチールフレーム+カーボンフォーク」の組み合わせへ落ち着きます。

フロントフォークは、カンチ台座付きを台湾や大陸工場から探すのも一手ですが、市場は既にディスクブレーキに移行していて大きなロットを積まざる得ず、CXバイクの雄、Ritcheyの「WCS Carbon Cross Canti Fork」もディスコン。結局は東京サンエスさん頼みになりそう。

個人的には、1990年代半ば~2000年初頭のアルミロード全盛期に用いられた「薄肉大径/バリカタ」なチューブを用いたフレーム。それに35C前後のタイヤを組み合わせると面白いんじゃないかと思っています。

リムブレーキでも機械構造的には、前後スルーアクスルが正しくて走行面でも恩恵が大きいですが、ハブ選択肢が非常に狭くなるのでドロップエンドはQRに。また、フレームがスチールなら、フォークは「1-1/8"」のストレートコラムが前後の剛性バランスが取れそうです。

そんなこんなで、枯れた玄人向けの「カンチ台座付・オールロード」を構想設計中です。どのように着地できるかは読めませんが、ご興味のある方は、お問い合わせくださいませ。あと、極小ロットでもフレーム製作してくれる工場をご存じでしたら、アドバイス下さい。

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※取付&加工法や使用パーツ等のご質問は、当店ノウハウのため、お応えしかねますことをご了承ください。

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